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ニュース・フラッシュ

鉱種:
2025年10月14日 シドニー Whatmore康子

豪:連邦政府とQLD州政府、QLD州Mount Isa銅製錬所及びTownsville銅精製所の操業継続支援に今後3年間で最大600mA$を共同拠出

 連邦政府とQLD州政府は、GlencoreがQLD州で操業するMount Isa銅製錬所およびTownsville銅精錬所の操業継続を支援するため、今後3年間で最大600mA$を共同拠出することを、2025年10月8日付けの共同メディアリリースで発表した。両施設は資金繰りの悪化により閉鎖の危機に直面しており(2025年7月29日付 ニュース・フラッシュ:GlencoreのQLD州Mount Isa銅製錬・Townsville精錬所が資金繰り悪化で閉鎖の危機、政府と財政援助を協議も参照)、Glencoreは過去8か月にわたり、連邦政府およびQLD州政府と支援要請に関する交渉を重ねてきた。両政府は、支援金を3年間にわたり3回(各最大200mA$)に分割して拠出するとしているが、それぞれの負担割合は明らかにしていない。また、両政府は今回の支援金拠出と関連付けて、「世界の銅製錬・精錬能力が一部市場に集中するなか、豪州の自立的製錬・精錬能力の維持は国家の経済回復力の基礎となる」との見解を示した。Mount Isa製錬所は国内銅製錬能力の約半分を占める。さらに、両政府によると、Mount Isa製錬所の南東約140kmに位置するPhosphate Hill肥料工場で同製錬所の排ガス由来の肥料を製造しつつ、Townsville港のバースをGlencoreと共有するDyno Nobel社(旧社名:Incitec Pivot社)についても、今回の支援拠出により操業継続の見通しがついたとしている。また、鉱業探鉱企業協会(Association of Mining and Exploration Companies:AMEC)は今回の支援拠出について、「Mount Isa製錬所の事業継続によって、同製錬所の位置するQLD州北西部鉱物資源地域(North West Minerals Province)の探鉱企業やジュニア/中規模鉱業企業は、製錬施設の存続という安定的基盤に基づき、探鉱への投資や将来的なプロジェクトの妥当性を確保することが可能となる」との見解を示し、支援策を支持する立場を表明した。

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