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ニュース・フラッシュ

鉱種:
グラファイト
2025年10月14日 シドニー Whatmore康子

豪:Graphinex社、QLD州で進めるグラファイト採掘・精製/バッテリー負極材製造の統合型プロジェクト「Esmeralda」が進捗中

 2025年10月8日付けの地元メディアによれば、豪Graphinex社は、QLD州で実施するグラファイトの採掘・精製およびバッテリー負極材製造の統合型プロジェクト「Esmeralda」について、第5回目となる資金調達を完了し、事業が順調に進捗している。同社はこれまでに累計で27mA$を調達しており、主な出資者には出光興産(Idemitsu Australia)やインドネシアのBaramulti社などが含まれる。Esmeraldaプロジェクトは、Croydonグラファイト鉱山(JORC規程準拠の鉱石資源量434.50百万t、グラファイト含有量25.3百万t)で採掘される鉱石を、Townsvilleに建設された精製施設Battery Anode Hubへ供給し、同施設で精製したグラファイトを電気自動車(EV)向けリチウムイオン電池(LIB)のアノード材(負極材)として商品化する計画である。同プロジェクトは2025年7月にTownsvilleで実証精製プラントの稼働を開始しており、今後はバンカブル・フィージビリティ・スタディ(BFS)の実施を経て、2026年には商業規模の精製施設建設に着手する予定。QLD州政府は本プロジェクトを、州内の重要鉱物採掘およびLIB負極材製造能力・雇用創出に資するものと位置付け、連邦政府と協調して許認可プロセスの迅速化を支援している。さらに連邦政府も、同プロジェクトが採掘から製造までを一貫して行う「統合型モデル」である点を評価し、「重要鉱物の付加価値化」を実現する事例として重視。2024年12月には、重要鉱物支援制度「International Partnerships in Critical Minerals Program(IPCM)」を通じて3.0mA$の助成金を付与すると発表した。

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