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ニュース・フラッシュ

鉱種:
モリブデン
2025年10月20日 ロンドン ボネット佳林

ドイツ:加Greenland Resources社、独鋼鉄業界向けモリブデン長期供給で独Hempel Metallurgical社とMOU締結

 2025年9月5日付けのプレスリリースによると、加Greenland Resources社は、独モリブデン供給大手Hempel Metallurgical社と、長期モリブデン供給に関する覚書(MOU)を締結したと発表した。今回のMOUは、Greenland Resources社が既に発表しているオフテイク契約や焙焼契約に基づき、ドイツ向けの世界最大規模のモリブデン供給体制構築に向けた第一歩となるもので、今後ドイツの鋼鉄メーカーとの直接オフテイク契約に関する追加発表も予定されている。
 MOUでは、モリブデナイト鉱石に加え、フェロモリブデンやモリブデン酸化物などの二次製品供給契約に向けた協力の枠組みが定められた。供給はグリーンランドから高品質・低排出モリブデンをベルギーで焙焼してドイツ鋼鉄業界に届ける形となる。国際モリブデン協会(IMOA)によれば、2024年におけるドイツのモリブデン使用量は約7393tで、EU内最大の消費国。イタリアやフィンランドの大手鋼鉄メーカーも同社との直接オフテイク契約を締結済みで、EUは世界第2位のモリブデン消費地域であるものの、採掘は行っていない。
 同社のMalmbjergプロジェクトは、環境に配慮した高品質一次モリブデンをEU向けに数十年間供給可能で、EU全体の年間需要の約25%、防衛用途の100%をカバー可能と試算している。欧州連合の機関である欧州イノベーション・技術研究所(EIT)によって管理される欧州原材料連合(ERMA)からもプロジェクト支援を受けており、EUの環境・防衛分野の高品質モリブデン需要に応える戦略的供給源となる見込み。

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