加：Vale、QC州で予定していた硫酸ニッケル生産施設の建設を中止

　2025年10月16日付けの現地報道によると、米General Motors（GM）社はQC州Bécancourで韓POSCO社とのJVで進めている、電気自動車（EV）用バッテリーのカソード活物質（CAM）を生産するUltium Camプロジェクトの第2フェーズを一時停止することを明らかにした。またValeは同プロジェクトの第2フェーズ向けに硫酸ニッケルの生産施設を建設する計画であったが、今回の決定を受けてGM社がQC州で硫酸ニッケルを現時点で必要としないとの理由でこの建設計画を中止させた。
　なおUltium Camプロジェクトの第1フェーズの建設は進められており、2026年に生産開始予定である。またValeはGM社との提携は継続し、カナダ産ニッケルをGM社の北米サプライチェーンに供給すると表明している（2023年6月1日付 ニュース・フラッシュ：連邦政府とQC政府、米GM社と韓POSCO社が進めるCAM製造施設の開発に対して資金拠出を発表、2022年11月21日付 ニュース・フラッシュ：Valeと米General Motors社、硫酸ニッケルの長期供給に関するタームシートを締結参照）。
　この報道を受け、Frechette QC州経済担当相は今回のGM社の決定はバッテリーサプライチェーン開発の世界的な減速の一環だと説明している。