閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
グラファイト スカンジウム
2025年11月11日 バンクーバー 武市知子

加:連邦政府、グラファイトとスカンジウムの備蓄を行う計画

 2025年11月5日付けの現地報道によると、連邦政府はグラファイトとスカンジウムの備蓄を開始する計画であることが明らかとなった。G7エネルギー・環境大臣会合で連邦政府は鉱物の備蓄を開始することを発表していたものの、鋼種は特定されていなかった。連邦天然資源相のシニア広報アドバイザーによると、Rio Tintoが生産するスカンジウムと加Nouveau Monde Graphite社(以下NMG社)が生産するグラファイトの一部が、重要鉱物戦略の一環として備蓄されるという(2025年11月5日付 ニュース・フラッシュ:連邦政府、重要鉱物サプライチェーンを確保するため新たな投資を発表参照)。
 この備蓄計画は、連邦予算案で発表された2bC$規模の新たな重要鉱物の主権に関する基金(Critical Minerals Sovereign Fund)により運営される。同基金は融資保証や株式投資、鉱山企業とのオフテイク契約や最低価格の保証を通じて、重要鉱物プロジェクトが生産段階に移行するよう支援するものである(2025年11月7日付 ニュース・フラッシュ:カナダ鉱業協会、連邦予算案で示された鉱業セクターへの支援に賛同参照)。
 連邦政府が加NMG社とグラファイト、またRio Tintoとスカンジウムに関するオフテイク契約を締結したことはすでに発表されているが、NMG社のDesaulniers CEOによると同オフテイク契約には最低価格保証と備蓄契約も含まれているという。またこれによりQC州Matawinieグラファイトプロジェクトの建設を進められ、カナダがG7諸国に対しグラファイトの主要な供給国であり続けることが保証されるとした。
 この最低価格の保証制度により、NMG社の大型フレーク状グラファイトは少なくとも現在の市場価格である約1,500US$/t、小型フレーク状グラファイトは約800US$/tの最低価格が保証される。グラファイトの市場価格が合意された最低価格を下回った場合は連邦政府がその損失を負担し、同社は損失を被ることなく生産を維持できる。だがグラファイトの価格が回復した場合、NMG社は連邦政府に損失分を返済する必要があり、また利益が出た場合は連邦政府とNMG社は均等に利益を分配するという。連邦政府は戦略的防衛上の理由からNMG社のグラファイトを備蓄する権利を保持するが、市場が上昇局面にある際には備蓄分を市場に売却して利益を確定する選択肢も有している。なお同プロジェクトの工事は2026年Q1に着工し、2028年半ばに生産が開始される予定である。
 Rio TintoもQC州Sorel-Tracyにある同社のスカンジウム施設において、カナダ成長基金(Canada Growth Fund)から約25mC$のロイヤルティ投資及び連邦政府とオフテイク契約を締結しており、合意の一環として連邦政府は同施設で生産されるスカンジウムを備蓄することで合意している。だが価格の条件は明らかにされていない。なお同施設は既に操業が行われている。

ページトップへ