チリ:CODELCOがChuquicamata鉱山でレニウム回収再開へ |
12月1日付けで、CODELCO Norte ディビジョンは、Chuquicamataレニウム生産を再開するためのプラント改修に係るEIA(環境影響評価報告書)を提出した。 Chuquicamata製錬所では1991〜1996年間にレニウムを生産していたが、レニウム市況低迷から生産停止とした。2009年に入りレニウム価格が3,300 US$/kgに上昇し、市況改善により再開するもの。 レニウムは、現在操業中のモリブデン焙焼プラントの排ガスから回収されるもので、設備改修に4.5百万US$が投資される計画である。 CODELCOでは、環境影響評価報告書が承認されると2010年Q2に操業が再開の計画で、レニウム地金年産量2.1tを見込んでいる(2022年以降の年産量は2.8t)。 なお、COCHILCO発表によると、チリの2008年レニウム生産量は27.6tで、世界生産の48.4%を占め第1位である。 レニウムを合金に添加することで、高融点、強度、高耐食性等の特性改善が得られることから、原子力発電所、航空機用タービン、ロケット用の合金等として使用される。 |
(2009. 12. 8 サンティアゴ 大野克久) 目次へ |
ブラジル:EBXがMMX株をWISCOに売却することで合意 |
11月30日付けで、ブラジル鉄鉱石生産企業MMXの持株会社であるEBX(本社:Rio de Janeiro)は、武漢鋼鉄(集団)公司(WISCO/本社:武漢)に400百万US$でMMX株式21.52%を売却することに合意したと発表した。 本合意は、2009年5月19日締結の商業的及び戦略的なパートナーシップ構築を内容とするMOU及びその後のWISCOからのMMX株及び子会社であるMMX Sudeste Mineraçãoの少数株取得に係るNBOに基づくものである。 今次合意内容には、MMXがMinas Gerais州に保有するSudeste SystemのSerra Azulユニットから生産される鉄鉱石の50%を2010年4月1日から20年間に亘りWISCOへ長期供給する契約の他、Rio de Janeiro北方のAzu港に5百万t/年の製鉄プラントを共同建設する内容が含まれている。 本製鉄プラントは、WISCO 70%及びEBX 30%の権益比率で2010年に建設を開始し、2012年に生産開始を目指している。 MMXの2008年鉄鉱石生産量は4.98百万t(ブラジル鉄鉱石生産全体の1.3%)で、Serra Azulユニットは4.3 百万tの鉄鉱石を生産する同社の主要ユニットで、2012年に年産量16.7百万tの生産規模に移行する計画であると共に、MMX全体では探鉱中のプロジェクトも含め、2013年には鉄鉱石年産量を40百万tまで拡張する計画である。 |
(2009. 12. 8 サンティアゴ 大野克久) 目次へ |
ペルー:社会争議件数、増加傾向変わらず |
市民オンブズマンによると、2009年10月31日時点で確認された国内の社会争議は286件で、前年同期の189件から大幅増となった。
争議全体の内46%に相当する132件が資源採掘関連の社会・環境争議であり、この内、70%(92件)が鉱業関連争議、9%(12件)が石油・天然ガス資源関連となっている。また、鉱業と石油・天然ガス関連の合計104件の内、51%が操業段階、42%が探鉱段階のものである。
争議の主因は環境汚染で、実際の問題発生に加えて、将来的な環境汚染発生の危惧も含まれている。
また、争議の当事者となっている正規鉱山の内、82%が大・中規模鉱山で、18%が小規模・零細鉱山であり、前者の監査監督は中央政府、後者は地方政府の管轄となっている。 |
(2009. 11.30 リマ 山内英生) 目次へ |
ペルー:Cajamarquilla亜鉛製錬所拡張工事、2010年2月に終了 |
Votorantim Metais社(本社:San Paulo)が操業するCajamarquilla亜鉛製錬所のPaulo Noriega社長は、同製錬所の拡張工事の進捗率が93%に達し、2010年2月にも完了する見通しを明らかにした。 拡張工事には500百万US$が投資され、これにより、亜鉛地金年産量が倍増し320千tとなる見込みで、主に米国や欧州へ輸出される。 |
(2009. 12. 1 リマ 山内英生) 目次へ |
ペルー:La Arena金・銅プロジェクト、2010年に操業開始 |
Rio Alto Mining社(本社:加Calgary)は、La Arena金・銅プロジェクト(La Libertad県)の操業を2010年末に開始する計画を明らかにした。 Rio Alto Mining社のBlack操業部長は、2010年H2に鉱山施設建設を行い、同年末に操業を開始するとしたほか、年産計画量(金量)は、操業初年1.6t、2年目以降は3.1tとする計画を示した。また、2009年9月にE1A(環境影響評価書)をエネルギー鉱山省へ提出済みであり、2010年5月までに承認を得たいとしている。 La Arena金・銅プロジェクトはBarrick GoldのLagunas Norte金山近傍に位置しており、金埋蔵量124t、銅埋蔵量1,362千t、マインライフは20年と見込まれ、CAPEXは360百万US$とされている。
|
(2009. 12. 3 リマ 山内英生) 目次へ |
ペルー:国会、Toromocho銅山開発に係る廃水浄化設備目的でVolcan社所有地の一部接収を承認 |
国会は、Minera Volcan(本社:Lima)の所有地内で、Chinalco(中国アルミ業公司)の現地子会社Chinalco PeruがKingsmill坑道浄化プロジェクトにおける酸性水浄化プラントの排水路建設用地を接収する法案を承認した。接収地は2か所で、面積は2,732 m²及び879.4 m²である。 Toromochoプロジェクトを実施するChinalco Peruは、鉱害対策の一環として、33百万US$を投じて同坑道の浄化プロジェクトを行ってきた。しかし、298mに及ぶ排水路の設置にはVolcan社の鉱区を通過する必要があるものの、同社が所有地へのアクセスを拒否したことから、同プロジェクトは遅延していた。 一方、Volcan社は、既にChinalco及び鉱害対策を請負うActivos Mineros社との間で、土地利用に関して合意に至っていたことから、法案承認は性急かつ不当なものと表明した。Volcan社によれば、酸性水浄化プラントの排水路は、Volcan社の選鉱プラントの近くを通過するため、水路による何らかの被害が発生した場合、20百万US$まで補償する保険をChinalcoが支払うことで両社は合意していた。 全長11 kmのKingsmill坑道にはMorococha区内の複数の鉱山廃水が注ぎ込み、その後、1,250 L/秒の廃水がYauli川に放出されており、Yauli川及びその本流であるMantaro川汚染の最大要因とされている。 |
(2009. 12. 4 リマ 山内英生) 目次へ |
エクアドル:Correa大統領がSalvador Quishpe知事と鉱業反対運動停止で合意 |
Correa大統領は、Zamora Chinchipe 州を訪問し、大規模鉱業開発に反対するSalvador Quishpe知事と会談した。その結果、知事側の要求事項であるSabanilla及びValladolid水力発電所建設、文化センター設置、野菜バナナ加工工場建設などで合意に達し、同知事は鉱業開発反対運動を停止すると言明した。 政府の鉱業開発啓蒙運動により、鉱業開発の必要性と地元還元策による地域開発の期待感から、鉱業開発に賛成する住民が増え、同知事も反対一辺倒から転換を余儀なくさせられたものと推測されている。 金・銅資源を有するペルーとの国境を隔てるCondor山脈を抱えるZamora Chinchipe州の賛同が得られたことから、今後の鉱業開発に弾みが付くことが期待されている。 |
(2009. 11. 30 リマ 山内英生) 目次へ |
メキシコ:Grupo México、2010年からの法人税2%アップの影響は軽微と分析 |
Grupo Méxicoは、最近議会で可決されたメキシコの税制改正による法人税率の引上げ(注)は同社の業績に重大な影響は与えないとの見解を、12月1日付け同社HPに発表した。税制改正により同社は、現行税制と比較して今後10年間で約100百万US$の増税となる。しかし、最も影響が大きい2012年の増税分が19百万US$、他の年ではそれ以下と見込まれ、キャッシュフロー及び純益への影響は軽微と分析している。 また、12月2日付け業界紙等によると、同社は米裁判所の承認によるASARCO再建計画の実施に必要な14億US$の融資を申請中であり、2009年末までにASARCOの破産状態の解消を目指している。 (※現行の法人税率は28%。2010〜12年までは30%、2013年は29%、2014年以降は28%に戻る。) |
(2009. 12. 7 メキシコ 小島和浩) 目次へ |
メキシコ:La Guitarra金・銀鉱山の違法道路封鎖、解除される |
Genco Resources Ltd.(本社:Vancouver)は、メキシコMexico州に保有するLa Guitarra金・銀鉱山の違法道路封鎖が解除されたと、11月30日付け同社HPに発表した。同鉱山では、2008年10月下旬から鉱山開発の下請企業であるSIMSA社労働者による違法道路封鎖で、生産停止となっていた。鉱山労働者は、12月7日から復帰予定である。 |
(2009. 12. 7 メキシコ 小島和浩) 目次へ |
メキシコ:Goldcorp、Morelos金プロジェクトの権益売却 |
Goldcorpは、メキシコ・Guerrero州に保有するMorelos金プロジェクト権益21.2%のNewstrike Capital Inc.(本社:Vancouver)への売却合意を、12月2日付け同社HPに発表した。同プロジェクトは、精測・概測資源量28.8百万t(品位Au 3.2 g/t、含金量92t)と予測資源量8.7百万t(品位Au 3.2 g/t、含金量28t)を有する。従来、GoldcorpとTeckのJVであったが、Teck保有分の権益78.2%は2009年11月に総額150百万US$相当(株式譲渡と特別債の発行)でGleichen Resources Ltd.(本社:Vancouver)に売却された。 今回の合意によると、Newstrike社は現金44.5百万C$の支払いと同社株式15百万株の譲渡(合計額で52百万C$(49.6百万US$)以上に相当))により、権益21.2%を取得する。なお、Gleichen社は、Goldcorp保有権益の優先買取権を有し、Newstrike社との合意条件の通知日から90日以内に同優先権を行使することができる。 |
(2009. 12. 7 メキシコ 小島和浩) 目次へ |
メキシコ:2009年9月主要非鉄金属生産量 |
INEGI(メキシコ国立統計地理情報院)は、11月30日付けHPにて、2009年9月のメキシコ主要非鉄金属生産量(速報値)を、下表のとおり発表した。9月までの累計ではいずれの鉱種も前年同期比マイナスとなっている。
|
2008年9月 |
2009年8月 |
2009年9月 |
前年同月比 |
前月比 |
2008年
1-9月期 |
2009年
1-9月期 |
前年比 |
金(kg) |
3,866 |
3,395 |
3,394 |
-12.2% |
0.0% |
35,940 |
25,907 |
-27.9% |
銀(kg) |
233,417 |
257,671 |
238,742 |
2.3% |
-7.3% |
1,931,347 |
1,742,464 |
-9.8% |
鉛(t) |
8,588 |
11,208 |
10,542 |
22.8% |
-5.9% |
76,772 |
71,793 |
-6.5% |
銅(t) |
23,650 |
18,465 |
20,589 |
-12.9% |
11.5% |
197,500 |
175,306 |
-11.2% |
亜鉛(t) |
30,423 |
33,992 |
33,950 |
11.6% |
-0.1% |
294,917 |
288,501 |
-2.2% |
|
(2009. 12. 7 メキシコ 小島和浩) 目次へ |
メキシコ:El Aguila多金属プロジェクト・Arista鉱床の社内資源量評価 |
Gold Resource Corp.(本社:米Denver)は、メキシコ・Oaxaca州に保有するEl Aguila多金属プロジェクト内のArista鉱床の社内資源量評価(米証券委員会の基準外でMineralized Material)を、下表のとおり、12月1日付け同社HPに発表した。同プロジェクトは、El Aire鉱床の資源量(Au換算量)6.2tと合わせて約74tの資源量(Au換算量)を有する。開発計画によると、初年度は、金・銀酸化鉱を露天掘で操業し(産金量約2.2t)、2年目からArista鉱床を坑内掘で開発する。破砕プラントは既に2009年11月から試験操業を開始しており、年内に最初の金生産が行われる予定である。
資源量
(千t) |
平均脈幅
(m) |
平均品位 |
Au(g/t) |
Ag(g/t) |
Cu(%) |
Pb(%) |
Zn(%) |
2,962 |
3.64 |
6.50 |
506 |
0.60 |
2.24 |
6.75 |
|
(2009. 12. 7 メキシコ 小島和浩) 目次へ |
加・パナマ:Petaquilla Minerals社、私募により11.3百万US$の資金調達を予定 |
Petaquilla Minerals Ltd.(本社:Vancouver)は、負債の返済及びパナマに保有するMolejon金山の開発工事完了のため、私募(0.50C$/株×24百万株)により12百万C$(11.3百万US$)の資金調達を行うと11月30日付け同社HPに発表した。Molejon金山は、2009年4月初旬に金ドーレ生産を開始し、11月中旬までの産金量は799kgである。 |
(2009. 12. 7 メキシコ 小島和浩) 目次へ |
加:BC州Gibraltar鉱山の権益取得に関し、Taseko Mines社と双日(株)は同意書を締結 |
Taseko Mines社は11月30日、同社がBC州に所有するGibraltar銅・モリブデン鉱山に関し、双日(株)とJV形成の同意書を交わしたと発表した。
本同意書では2010年早期にJVを立ち上げることになっており、双日(株)は約180百万C$をTaseko Mines社に支払い、Gibraltar銅・モリブデン鉱山の権益25%を取得する。なお、JV形成後も同鉱山の権益75%を保有するTaseko Mines社がオペレ−ターを続ける。
Gibraltar銅・モリブデン鉱山は、2008年に銅34.9千t、モリブデン381tを生産し、キャッシュコストは1.18 US$/lbであった。また、2010年末までに、年産能力を銅52.2千t及びモリブデン 635tに拡張する予定。同鉱山の鉱量は次のとおり。
Gibraltar銅・モリブデン鉱山鉱量(2008年12月31日時点) |
カテゴリー |
鉱量
(百万t) |
平均品位 |
金属量 |
Cu (%) |
Mo (%) |
Cu (百万t) |
精測+概測鉱物資源量 |
959 |
0.298 |
0.008 |
2.59 |
推定+確定埋蔵量 |
472 |
0.315 |
0.008 |
1.36 |
※カットオフ品位Cu 0.20%
※マインライフ25年以上を予定 |
(2009. 12. 4 バンクーバー 村上尚義) 目次へ |
加:PDACが鉱業に関するカナダの世論調査結果を発表 |
PDAC(Prospectors and Development Association of Canada)は12月3日、カナダで無作為に抽出した2,582名の成人に対し、2009年6月にインターネット上で実施した鉱業に関する世論調査結果を発表した。その結果、調査対象者の25%が「鉱業を強く支持する」と回答し、同15%が「鉱業活動に反対する」と回答した。なお、調査対象者の96%が「鉱業はカナダ経済に対して重要」と回答し、「重要ではない」との回答は4%に留っている。 PDAC会長のJon Baird氏は、今回の調査で鉱業を強く支持する回答者が25%と予想よりも多かった点について、都市部で生活する人々は一般的には鉱業活動に対して批判的な傾向があるが、カナダではほとんどの鉱業活動が遠隔地で行われているため、鉱業支持者が比較的多かったのではないかと述べている。 |
(2009. 12. 4 バンクーバー 村上尚義) 目次へ |
加:Barrick Gold、金価格高騰でCerro CasaleプロジェクトやEl Morro銅金鉱床買収を目指す |
12月4日の地元紙等は、Barrick Goldは、2010年にチリで35億US$を投資し、Cerro Casale金・銅山建設を行うか否かの検討中と報じた。Barrick GoldとKinross Gold社(本社:Toronto、以下”Kinross社”)は、推定埋蔵量が金652t、銅272万tとされる同プロジェクトのFSを終了させた模様。Barrick Goldは、昨今の金価格の高騰に乗じて、アフリカ、南北米、アジアで新規鉱山を開発している。また、チリのXstrata が所有するEl Morro銅・金鉱床の買収(465百万US$)について、2010年1月の手続完了を目指していると報じた。 |
(2009. 12. 7 バンクーバー 大野隆幸) 目次へ |
加:Kinross社は、アメリカ大陸の資産に注目、中国を敬遠 |
Kinross Gold社(本社Toronto、以下”Kinross社”)のCEOは、地元紙等(2009年12月2日)の取材に対し、南北米、ロシア、ガーナの鉱業資産買収の可能性に言及した。この背景には、ベネズエラ、中国、インドネシア、PNGなどの国は、政治的リスクや安全保障上リスクが高く、米大陸、ロシア東部のKupol金山周辺域、ガーナなどで操業することによりリスクを最小化できるとしている。 |
(2009. 12. 7 バンクーバー 大野隆幸) 目次へ |
英:ICMM、温暖化対策に向けた誓約を発表 |
International Council of Mining and Metals (国際金属・鉱業評議会“ICMM”)は11月27日、12月7日にコペンハーゲンにおいて開催されるCOP 15(国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議)を目前にして、ICMM加盟企業の地球温暖化対策に向けた誓約を発表した。本発表によれば、ICMM加盟企業19社は、エネルギー保全、世界全体の経済成長、貧困国での生活水準の向上を目指しながら、温室効果ガス排出量の削減に向けた世界的な解決法の開発そして実行に注力すると誓約している。 なお、ICMM加盟企業の産業責任として、以下の6点を約束している。 [1]温室効果ガスの排出を削減する。その進捗状況をモニターし、成果を報告していく。 [2]革新技術を発展させる。 [3]エネルギー利用及び資源利用の効率化を目指しながら、温室効果ガスの低排出技術を開発する。 [4]再生可能な資源だけでなく、再生不可能な資源を効率的に利用する。 [5]加盟企業の操業形態に特化して、温暖化対策に向けた適切な戦略を発展させる。 [6]気候変動の影響に適応しながら、地域社会の持続可能な開発に貢献する。 ICMMの公式発表:http://www.icmm.com/page/16991/icmm-council-calls-for-joint-action-on-climate-change
|
(2009. 12. 7 ロンドン フレンチ香織) 目次へ |
英:レアメタル12種の価格公開案に対して、MMTA会員60%が反対 |
MMTA(Minor Metals Trade Association)は、9月中旬よりLMEのオンライン価格公開システム(OPDS)を利用して、レアメタル12種の価格を定期的に表示する計画を立てていたが、11月20日にMMTA会員で賛否投票を行ったところ、会員の60%が反対と回答した。業界紙によれば、本案が発表された当初は賛成者が多かったものの、投票間近となって、反対者の呼び掛けにより逆転した模様。 MMTAは、会員の過半数以上が賛成した場合には、OPDSを利用したレアメタル価格公開についてLMEと議論を進めていく予定であった。LME関係者は11月、「MMTAの提案するレアメタル価格公開により、レアメタル供給業者は、価格高騰で有利になると予想する。しかしながら、LME側としては、本プロジェクトでは左程の利益が無いため、11月20日のMMTA会員内での投票で賛成されなければ、却下となるであろう」と述べた。 |
(2009. 12. 8 ロンドン フレンチ香織) 目次へ |
英:欧州鉄鋼大手Corus、鉄鋼年産能力3.4百万tのTeesside工場を操業休止 |
欧州鉄鋼大手Corus社は12月4日、英国北東部のTCP(Teesside Cast Products)事業部を2010年1月末に操業を休止すると発表した。これによって、1,700人が解雇されることとなる。同社社長によれば、イタリアのMarcegaglia社等を含む国際コンソーシアムが、2004年に締結された10年間の長期供給契約どおりに、同工場産の鉄鋼の80%を購入していないことが原因。「現状、年産3.4百万tの工場を操業するためには、長期的な戦略的パートナーが存在しない限り持続できない」と同氏は遺憾の意を表した。 |
(2009. 12. 8 ロンドン フレンチ香織) 目次へ |
ザンビア:税優遇処置で、2010年の外国直接投資20億US$を目標 |
12月3日の報道によれば、ザンビアのFelix Mutati通産大臣は、2010年は同国の鉱業に係る税優遇措置を据え置き、2010年の外国直接投資を2009年想定比30%増の20億US$とする目標を掲げている。同氏によれば、同国の税優遇措置によって、経済地域、ショッピングモール、鉱業、農業、インフラ設備建設における海外直接投資を誘致する方針である。 世銀やIMF(国際通貨基金)等は、ザンビアの鉱業に係る課税率引上げと、超過利得税25%を再起させるべきと述べているが、同国は2010年も、超過利得税の撤廃や、探査を含む全ての鉱業活動での所得控除を継続する計画である。なお、本所得控除には、鉱業活動に必要な設備機器の輸入税25%、消費税16%等を含む。 |
(2009. 12. 8 ロンドン フレンチ香織) 目次へ |
ナミビア:鉱業公社”Epangelo Mining”設立へ |
各社報道によれば、ナミビア政府はナミビア国内の鉱物探査、鉱山運営に参入すべく、鉱業公社(“Epangelo Mining”)を設立したことを発表した。
同公社は、ナミビア政府全額出資にて設立され、全ての戦略的な鉱物資源(ダイヤモンド、ウラン、金、銅等)を対象とし、民間会社と同様に、利益追求を目的としている。政府が準備する初期資本金は1.5百万ナミビア$(約20万US$相当)である。政府としては、理事会を独立した機関として機能させて運営し、透明性の高い経営を行いたいとしている。
また、同公社は特定のプロジェクトは決まっていないものの、既に、他の民間会社や他国の鉱業公社と共同事業について話し合いを続けていることも明らかにした。 |
(2009. 12. 4 ロンドン 竹谷正彦) 目次へ |
DRCコンゴ:Xstrata、鉄鉱石の初期探鉱案件に参画 |
Xstrata(本社:スイスZug)は11月23日、DRCコンゴにおける鉄鉱石のZanaga初期探鉱案件に参画するために、Jumelles社と買収オプション契約を締結した。本契約によって、Xstrataは、Jumelles社が既に着手しているZanaga鉄鉱石探鉱プロジェクトの初期探鉱及びプレFSに対して、最低でも50百万US$を投資する代わりに、同社の株50%+1株の大多数を取得することとなる。加えて、XstrataはFSを完了すると、本プロジェクトの権益100%を取得できるようになる。 本プロジェクトは、DRCコンゴのPointe Noireより約300 km北のLekoumou地方に位置する。Jumelles社のシニア熟練者チームによって継続されることとなるが、本チームの先導者はギニアのRio TintoによるSimandou鉄鉱石プロジェクトの元主任である。なお、報道によれば、DRCコンゴ政府は、Zanagaプロジェクトの開発費は、約20億US$と推定。Xstrataの最高財務責任者は12月3日、ロンドンで開かれた投資家向けセミナーにおいて、生産拡大に向けて、2010年の同社設備投資額を68億US$と、前年比89%増額する計画を発表している。 |
(2009. 12. 7 ロンドン フレンチ香織) 目次へ |
南ア:Driefontein金山、地震により操業停止 |
各社報道によれば、12月6日深夜に発生したマグニチュード3.4の地震によりDriefontein金山の地表下2,500 m地点で落盤事故が発生し、坑内作業員2名が行方不明、3名が負傷した。同鉱山では、夜を徹して行方不明者の捜索を行っている。7日早朝にも3回余震が発生したが、けが人等は無かった。
同鉱山では、この断続的な地震による新たな落盤に備え、全山の操業を停止しており、現在のところ操業再開の目途は立っていない。
Driefontein金山は、Gold Field(南ア、権益75%)が操業しており、2009年度(南ア年度:2008年7月〜2009年6月)には、金25.8tを生産した。 |
(2009. 12. 7 ロンドン 竹谷正彦) 目次へ |
豪州:BHP BillitonとRio Tintoは鉄鉱石生産の合弁事業に合意 |
2009年12月5日、BHP BillitonとRio Tintoは、WA州Pilbaraにおける鉄鉱石生産の合弁事業に合意したことを発表した。 2010年H2には、両社がそれぞれ50%権益を保有する合弁会社を設立する計画であり、事業統合により、少なくとも100億US$のコスト削減となる見込みである。WA州Pilbaraにおける両社の鉄鉱石生産量は年間約260百万tであるが、Rio Tintoの生産量がBHP Billitonのそれよりも多い事から、均等化のため、BHP Billitonは新設する合弁会社の株式50%取得に当り、58億US$を支払うことで合意した。 両社は2009年6月、WA州Pilbara地区の鉄鉱石事業を統合すると発表し、鉄鉱石を販売する合弁事業の立ち上げを目指してきたが、鉄鉱石市場を歪めるとしてアジアや欧州の鉄鋼会社からの反対もあり、2009年10月、販売に関する合弁事業を断念し、生産に関する合弁事業に特化することを発表していた。 |
(2009. 12. 7 シドニー 増田一夫) 目次へ |
インドネシア:中小錫製錬所、操業率回復せず |
地元紙等によると、7か所の錫製錬所からなるコンソーシアムであるPT Bangka Belitung Timah Sejahtera(BBTS)は10月に操業を再開したが、月産能力約2.8千tの約30%程度の操業率で低迷している。雨期入り後、例年以上の降雨と強風により地域住民による陸上及び浅海での鉱石採掘が捗らずに鉱石不足に陥っており、スラグを再製錬に回したりしている。同コンソーシアムは、Bangka-Belitung島地域での違法採掘取締強化による鉱石不足等のため8月下旬に一時操業を停止していた。 |
(2009. 12. 7 ジャカルタ 小岩孝二) 目次へ |
インドネシア:Grasberg銅・金山、地元州政府が権益獲得求め交渉 |
地元紙等によると、Grasberg銅・金山を保有・運営するPT Freeport Indonesia社(以下PTFI)株式9.36%の購入について地元のPapua州政府が関心を持ち、PTFIと交渉中である。PTFIは、交渉中であることは事実であるが、金額等条件提示には至っていないと表明している。PTFI株式9.36%は、かつてインドネシア有数の財閥の一つであるBakrieグループが保有していたが、株式購入資金返済に窮して2002年にFreeport-McMoRan社が引き取った経緯がある。Bakrieグループは2009年11月、Batu Hijau銅・金山を保有・運営するPT Newmont Nusa Tenggara社の株式24%を地元州・県政府と共同して購入する契約を締結している。 |
(2009. 12. 7 ジャカルタ 小岩孝二) 目次へ |
インドネシア:PT Inco、水力発電プロジェクト資金を邦銀から調達 |
PT Incoは、三菱東京UFJ銀行及びみずほコーポレート銀行と3億US$の融資契約を締結したと発表した。この調達資金は、2008年から同社が進めているKarebbe水力発電所建設プロジェクト(投資総額4.1億US$)に用いられる。なお、同融資には日本貿易保険による海外事業資金貸付保険も適用された。 同水力発電所の2011年完成後は、同社の水力発電能力が33%増大し、ディーゼル自家発電が不要となる。このため大幅なコスト削減と安定的生産が期待される。燃料代の高騰とニッケル価格下落のため、同社は、2008年Q4から2009年Q3までディーゼル自家発電を休止し、ニッケルマットの減産を余儀なくされていた。 |
(2009. 12. 7 ジャカルタ 小岩孝二) 目次へ |
フィリピン:Philex Mining社、Bayugo銅・金鉱床探鉱結果を発表 |
Philex Mining社(本社:Manila)は11月26日、Mindanao島Surigao Del Norte州のBayugo銅・金鉱床における9月30日までの探鉱結果を発表した。概測鉱物資源量は85.7百万t、品位 Cu 0.88%、Au 0.73g/t(カットオフ品位 Cu 0.4%)である。同鉱床はBoyongan銅・金鉱床(精測鉱物資源量104.5百万t、品位 Cu 0.80%、Au 0.99g/t)北西1kmに位置し、同社は両鉱床の統合開発を計画している。2009年中はプレFSを継続し、2010年にFSが行われる計画である。 |
(2009. 12. 7 ジャカルタ 小岩孝二) 目次へ |
フィリピン:Philex Mining社、香港企業に、株式の40%売却 |
地元紙等によると、フィリピン国内で金・銀・銅鉱山を運営しているPhilex Mining社(以下”Philex”)は、12月3日、同社株式4.5億株を香港First Pacific社子会社のTwin Rivers Pacific Holdings Co.が95億Peso(202百万US$相当)で購入することを発表した。この株式は、Philex社役員及びフィリピン開発銀行が所有するもので、発行済株式の9.24%に該当する。この取引は、証券取引所の承認後12月7日に発効し、First Pacific社はPhilexの発行済株式の内、40.7%を保有する最大株主となった。 |
(2009. 12. 7 ジャカルタ 小岩孝二) 目次へ |
中国・チリ:MolymetがLuomo High-Teckの50%株式取得へ |
12月1日付けで、世界最大のモリブデン精製企業であるMolymet(本社:Santiago)が中国の金属モリブデン生産企業であるLuoyang High-Tech Yongjie Molybdenum & Tungsten Material (本社:洛陽市/Luomo High-Tech)との間でLuomo High-Tech の50%株式買収について署名したと発表した。 Molymetによると、各企業内の承認も含めて条件決めが必要となるが、買収金額は503 百万元(73.7 百万US$)を超えない見込みである。 現在、Molymetは2012年末の稼働を目指して中国の内モンゴル自治区で年産8,165tの生産規模を有するモリブデン精製プラントを建設中である。 |
(2009. 12. 8 サンティアゴ 大野克久) 目次へ |
中国:非鉄金属産業の穏やかな回復 |
安泰科によれば、郴で開催された『非鉄金属産業発展トップフォーラム』で、中国有色金属工業協会の康義会長は、「国内の非鉄金属産業は金融危機で多大な影響を受けたが、一定規模以上の非鉄金属企業の多くは最悪状況を脱した」と述べた。 統計によると、2009年1〜9月の国内非鉄金属産業の成長率は対前年同期比9.3%で、各産業全国平均レベルを0.6ポイント上回った。同時期の10種非鉄金属の生産量は1,860万tで、対前年同期比1.87%減少したが、9月生産量はこれまでの最高を記録し、年産量見通しは2008年を若干上回ると予想される。 1〜9月の固定資産投資完了額は1,870億元(前年同期比15%増)、新規投資額は1,956億元(前年同期比18.5%増)であった。
|
(2009. 12. 1 北京 土居正典) 目次へ |
中国:レアアース資源の持続可能な利用 |
中国工業報によると、最近開催された中国レアアース学会第5回全国会員代表会議の席上、包頭希土研究院の趙増祺院長は、レアアース資源の持続可能な利用に関し次の提案を行った。 [1] 輸出規制政策の継続的実施と、輸出規制量の国内外市場需要動向に応じての見直し [2] レアアース製品輸出に際して元素単位までの細分化 [3] 資源の採掘量制限、製品の指令性計画の強化 [4] 無許可採掘、盗難、密輸などの管理監督強化 [5] 川下製品の輸出制限 [6] 中国内の外国企業の国内レアアース調達への規制の実施 |
(2009. 12. 1 北京 土居正典) 目次へ |
中国:2009年銅加工材見掛け消費量850万t超の予想 |
安泰科によれば、中国の2001〜2008年までの銅加工材製品見掛消費量は年間平均18.1%の伸びを示し、2009年の消費量は850万t近くになる見込み。 銅板・銅帯、銅管、銅線の消費量は各々153万t、127万t、402万tで、銅材生産量の18%、15%、47.4%を占めている。 2001〜2009年の成長率を見ると、銅板・銅帯は19.8%で、銅管は21.5%、銅線28.7%となる。 |
(2009. 12. 8 北京 土居正典) 目次へ |
中国:大冶有色金属公司、銅カソード生産倍増を計画 |
安泰科によれば、11月7日開催の『2009年中国国際銅業フォーラム』で大冶有色金属公司の張麟総経理は、「Ausmelt社の技術導入により、2015年頃までに銅カソードの年産能力を現在の25万tから50万tに引上げる」と述べた。 |
(2009. 12. 8 北京 土居正典) 目次へ |
中国:雲南銅業集団有限公司、カザフスタンにおける銅開発に資本参加を計画 |
安泰科によれば、雲南銅業集団有限公司は、カザフスタンの銅鉱床開発への資本参加を計画中である。現在、当該プロジェクトの評価を実施しており、良好ならば2010年にも開発への資本参加をする予定。 現在、同公司はラオス及びチベットでもプロジェクトを進行中である。楊超総経理によると、チベットの尼木(Nimu)プロジェクトは公司にとって2010年度最大プロジェクトとなる。 |
(2009. 12. 8 北京 土居正典) 目次へ |
中国:Chinalco(中国アルミ業公司)、生産設備稼働率アップ |
安泰科によれば、中国アルミ業公司(Chinalco)の生産設備稼働率は、09年H1には酸化アルミ設備66.9%、電解アルミ設備83.4%と比較的低いレベルであったが、6月から上昇し、それぞれ90%、88%に達した。なお同公司アルミナの年産能力は1,100万t、アルミ地金の生産能力は400万tである。 |
(2009. 12. 8 北京 土居正典) 目次へ |
中国・ミャンマー:Tagaung Taung ニッケルプロジェクトの埠頭工事起工 |
中国での報道によれば、12月2日、ミャンマーの主要河川Ayeyarwady(旧称Irrawaddy)河畔で、Tagaung Taung ニッケルプロジェクトの専用埠頭建設が起工された。同埠頭建設は、Tagaung Taung ニッケルプロジェクトの3件の基本建設の一つであり、Tagaung Taung からの輸送に留まらず、本プロジェクトに関わる中色ニッケル業有限公司のミャンマーの経済発展における地位を高め、同国の社会・運輸・経済の繁栄発展の促進にも寄与するものと伝えられている。 同プロジェクトは中国・ミャンマー間で最大の鉱業関連プロジェクトであり、同埠頭は同河川東河畔の製錬所から4.3 kmに位置する。岸壁長は600 m、設計では河川水が豊富な時には、1,000 t級の河川用船舶が接岸できる。投資額は1.28億元、2010年10月31日運用開始予定。 なお、同プロジェクトは、2008年に中国有色鉱業集団が75%権益で参加、建設開始2008年、生産開始2011年、FeNi年産量85,000 tの計画である。埋蔵鉱量700,000(Ni)t、品位Ni 1.4%、マインライフ20年。ミャンマー北部の都市Mandalayの北に位置する。
|
(2009. 12. 7 企画調査部 渡邉美和) 目次へ |
中国・フィリピン:中国五鉱の傘下公司、フィリピンBenguet社と合資協議署名 |
中国での現地報道によると、12月3日、フィリピンの鉱業企業Benguet Corp.社(本社;フィリピンManila)は、中国五鉱集団公司の傘下企業である五鉱国際貿易有限公司(Minmetals International)と、共同してフィリピン南部のKingking金・銅鉱山の開発に関する合意書に署名した。 Minmetals Internationalは、Kingking金・銅山プロジェクトが生産開始に必要な資金を全面的に提供する。Benguet Corp.情報によると、両社は現在、同プロジェクトの完成と商業運転に向けての検討中である。 同鉱区はMindanao島Compostela Valley州のPantukan市に位置し、面積1,656 haである。
|
(2009. 12. 7 企画調査部 渡邉美和) 目次へ |
中国:電動自転車に関わる新規格、2010年1月施行予定 |
現地報道によれば、国家標準管理委員会は、『電動バイクと電動軽便バイクの安全要求』など、従来の電動自転車を再分類し、新たに『電動バイク』・『電動軽便バイク』を設定する4つの関連規格を公布した。2010年1月1日からの施行予定と報道されている。
電動自転車は、その簡便性・軽快性そして経済性などから生産・販売とも急激に伸び、現在の保有量は8,000万台に達し、バッテリーとして使用される鉛の需要も引き上げ、2009年では新車用・取替用を含め72万tが、この用途で消費されていると見られる(CT 09-30)。 しかし、現在生産されている多くは、従来の電動自転車で規定されていた機能を上回り、新規格で制定される『電動軽便バイク』以上に相当する。新規格施行後は、ナンバー登録・運転免許・保険加入などが必要となる。また、製造者も電動自転車製造業ではなく、機動車製造業の認可が必要となる。このため、規格の施行を目前にして、運用に関する報道が入り乱れている。 (※本件については調査継続中で、後日報告する予定。) |
(2009. 12. 7 企画調査部 渡邉美和) 目次へ |
 |
おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。
|
|
  |
|