チリ:2010年6月銅生産量は対前年同月比0.6%減 |
チリ統計局INEの発表によると、チリの2010年6月の銅生産量は465,033tで前年同月の467,760tから0.6%減となった。これは主として銅低品位化、及び銅カソード大手生産者のメインテナンス作業による銅カソード生産量減少に起因する。6月の銅カソード生産量は224,906t、銅精鉱中の銅生産量は240,127tであった。また、2010年上半期の銅生産量は262万tで対前年同期比1%増であった。 6月の金生産量は3.007 t(対前年同期比14.9%減)、銀生産量は97.94 t(同13.8%減)、モリブデン生産量は3,378t(同14.5%増)、鉄鉱石生産量は715,882t(同3.7%増)であった。モリブデン生産は2010年第1四半期の落ち込みがほぼ回復し、2010年上半期の生産量は対前年同期比0.3%減の16,800tとなった。 6月の鉱業生産指数は対前年同期比0.9%減、金属鉱物の鉱業生産指数は0.8%減、非金属鉱物の鉱業生産指数は3.9%減であった。2010年上半期の鉱業生産指数は対前年同期比0.2%増となった。 |
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チリ:Esperanza銅プロジェクトの剥土工事が完了 |
7月26日付け地元紙等によると、Antofagasta Minerals社が70%権益、丸紅が30%権益を有するチリ北部第Ⅱ州Esperanza銅プロジェクトの露天採掘場の剥土工事が完了した。剥土工事は鉱床を覆う計155百万tの土壌と岩石を除去するもので、予定よりも早く完了した。 Esperanzaプロジェクトは建設の最終段階で、6月初めに78%が完了した。同プロジェクトは投資額23億US$で、2010年第4四半期に操業開始、2011年上半期に商業生産開始の予定。 鉱石処理容量は98,000t/日で、操業開始後の10年は毎年銅191,000t、金215,000 oz(6.7t)、銀1.56百万 ozを含む約700,000tの銅精鉱を生産する。 Antofagasta Minerals社はLuksicグループ所有のAntofagasta plc(本社ロンドン)のチリ子会社で、チリでの民間鉱山会社では4番目、チリ人経営では1番目の規模である。 |
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チリ:Collahuasi鉱山が資源量を更新、更なる拡張工事の概念設計開始 |
7月28日付け地元紙等によると、チリ第Ⅰ州に位置するCollahuasi銅鉱山のスポークスマンは、拡張プロジェクトの概念設計を2011年上半期に完成させると発表した。この計画が実現すると同鉱山の年間銅生産量は1百万tを超える。拡張プロジェクトの概念設計完了後に、プレFSに移行するかどうかが決定されるが、投資額についてはまだ評価していない。 同じ日にCollahuasi鉱山は資源量評価を更新し、精測・概測・予測資源量合計で粗鉱量70.9億t;銅品位0.82%、モリブデン品位269 ppm(銅カットオフ品位0.34%)の数字を発表した。これは銅量58百万tに相当する。更新した資源量は2009年12月発表の数字より40%増加しているが、これは追加探鉱ボーリング、鉱量評価モデルの変更、銅価格の設定修正の結果とのことである。また、同鉱山は埋蔵鉱量も更新し、2009年12月発表の数字より315百万t増の合計24.5億t;銅品位0.82%となった。 Collahuasi鉱山CEOのJon Evans氏は、「資源量が著しく更新され、更なる操業拡張ポテンシャルが提供された。」と述べた。 Collahuasi鉱山の750百万US$を投じた現在の拡張プロジェクトは、鉱石処理量を20%増やし170,000t/日にするもので、2段階のうち第1ステージ(投資額90百万US$)は2010年末に完了する。2012年に第2ステージが完了すると、2009年に535,000tであった銅生産量が年間600,000~650,000tまで増加する。Collahuasi鉱山はXstrata 44%、Anglo American 44%、日系企業グループ12%の権益比率となっている。 |
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チリ:Candelaria鉱山が海水淡水化プラント建設のEISを提出 |
7月29日付け地元紙等によると、Freeport-McMoRan Copper & Gold(FCX:本社フェニックス)が操業するチリ第Ⅲ州Candelaria鉱山は、270百万US$を投じる海水淡水化プロジェクトのEISを環境委員会Conamaの地方事務所に提出した。新たな埋蔵鉱量が確認され、マインライフが9年延長し2026年まで操業可能となったことを受け、海水淡水化プラント建設の検討開始が2010年4月に発表された。 プラントは300 L/秒の淡水化した水を鉱山に供給する予定であるが、これを500 L/秒まで拡張する選択肢もある。このプロジェクトに含まれるChamonateとCandelaria鉱山を結ぶ80 kmのパイプライン建設は、33百万US$の予算で既に工事中である。 FCX社はチリではCandelaria鉱山とOjos del Salado鉱山の各々80%権益、El Abra鉱山の51%権益を有する。 |
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チリ:Teck社Andacollo, Quebrada Blanca, Relincho鉱山プロジェクトの近況 |
7月29日付け地元紙等によると、Teck社CEO Don Lindsay氏は、2010年第2四半期業績発表の席で、チリ第Ⅳ州に位置するAndacollo銅鉱山の437百万US$を投じる硫化鉱プロジェクトが2010年末までに商業生産に入ると述べた。当初は2010年第3四半期に商業生産を開始する予定であった。 このプロジェクトは表層鉱床から深部初成鉱床への採掘対象の移行及び選鉱場の建設から成り、2009年末から2010年初頭の間に認可が降りていた。現在、最大で銅生産量銅80,000t/年、金生産量55,000 oz/年となるよう、選鉱場の鉱石処理計画をまとめている。選鉱場は2010年第2四半期に鉱石処理容量の半分まで稼働し、その後80%稼働となった。2010年第2四半期の銅生産量は7,400tで、そのうち6,000tが輸出された。2010年第2四半期までに既に430百万US$が投資されている。 同様のブラウンフィールド・プロジェクトであるチリ第Ⅰ州Quebrada Blanca鉱山では、Infill drilling、金属回収試験、水使用検討、プラント位置決め、設備及び操業コストの予察評価等のエンジニアリング作業が進んでいる。このプロジェクトの投資額は600百万US$で、2013年開始予定である。 また、Teck社はチリ第Ⅳ州に位置するRelincho銅プロジェクトのプレFSを開始し、これは2011年上半期に完了予定である。第Ⅳ州当局への最近の説明によると、投資額25~30億US$、生産開始2017年である。 |
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チリ:Anglo Americanの2010年H1銅生産は2009年並の315.5千t |
7月30日付けでAnglo Americanの2010年H1業績が公表された。同社の売上高は15,015百万US$で対前年同期比35%増、純利益は2,061百万US$で同31%減(2009年はAnglo Gold Ashantiの資産売却でH1に1,139百万US$の特別利益計上あり。)であった。 同社の銅事業はチリのみで実施されており、2010年H1の銅鉱山生産量は315.5千tで対前年同期比0.1%減であった。なお、2010年間の銅鉱山生産は、粗鉱品位低下により2009年よりも減少する見込みである。 今後の銅市場については、世界景気回復及び幾つかの国で生じている債務問題等により、短期的には不安定感が強いものの、中長期的にはファンダメンタルズが堅調に推移することが見込まれるとの見通しを発表している。
表1.Anglo American 2010H1チリ・ブラジル鉱山生産 |
鉱種 |
鉱山名 |
2009 H1 |
2010 H1 |
増減(%) |
備 考 |
銅(千t) |
Collahuasi |
109.1 |
117.4 |
7.6 |
・高品位鉱体採掘・実収率改善 |
Mantos Blancos |
44.7 |
37 |
-17.2 |
・ベルトコンベア故障 |
Mantoverde |
30.5 |
29.7 |
-2.6 |
|
El Saldado |
20.9 |
20.2 |
-3.3 |
|
Los Bronces |
110.7 |
111.2 |
0.5 |
・高品位鉱体採掘・実収率改善 |
合 計 |
315.9 |
615.5 |
-0.1 |
|
ニッケル(千t) |
Codemin(ブラジル) |
0 |
4.6 |
|
2009 H1メンテナンスでほぼ操業停止 |
鉄鉱石(百万t) |
Amapa(ブラジル) |
1.2 |
1.85 |
54.2 |
本格操業移行 |
表2.Anglo American 鉱山拡張、開発プロジェクト進捗状況(チリ、ブラジル) |
鉱種 |
鉱山、プロジェクト名 |
概 要 |
銅 |
Collahuasi鉱山 |
・1,000千t/年 生産体制の概念設計は、2011年Q1に終了予定。 |
Los Bronces鉱山 |
・200千t/年の鉱山拡張は、2011年Q4に完了予定。
・2012~2014の生産量は、鉱山全体で490千t/年の計画。
・2012~2021の生産量平均は、鉱山全体で400千t/年の予定。 |
ニッケル |
Barro Alto Ferro Nickel
プロジェクト |
・2010年H1時点での開発進捗率は94%。
・2011年Q1生産開始、2012年後半に本格操業移行予定。
・ニッケル生産量36千t/年(当初5年は41千t/年) |
Jacareプロジェクト |
・2010年H1に概念設計開始。
(精測及び概測埋蔵量123.8百万t、ニッケル品位1.26%) |
Morro Sem Bone
プロジェクト |
・2010年後半プレFS開始
(推定資源量47百万t、ニッケル品位1.76%) |
鉄鉱石 |
Minas Rioプロジェクト |
・現在、ブラジル当局の開発認可待ち。
・認可後27~30か月で開発・出鉱予定。
・26.5百万t/年の鉄鉱石生産予定。 |
※ニッケル生産は将来的に66千t/年 生産体制を目標。 |
|
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チリ:Los Bronces鉱山拡張工事の進捗状況 |
7月30日付け地元紙等によると、Anglo American銅ユニットCEO John MacKenzie氏は、25億US$を投じるチリ第Ⅴ州Los Bronces鉱山の拡張プロジェクトは、2月27日に発生したチリ地震で4週間の遅れが生じたものの、2011年8月31日の正式操業開始に向け工事が進捗していると述べた。プロジェクトは44%完成しており、これまでの投資額は13億US$である。 Los Bronces鉱山の2009年の銅生産量は238,423tであったが、拡張プロジェクトの操業開始後10年間の年平均銅生産量は400,000tとなる。特に最初の3年間は年間490,000tの銅生産量で、この期間は世界第5位の銅鉱山となる予定である。 また、Anglo Americanは2009年に発見を公表したLos Sulfatos銅鉱床とSan Enrique Monolito銅鉱床をLos Bronces地区に統合する概念設計作成の作業を開始し、この作業は2011年末に完了する予定である。 「Los Bronces地区は巨大なポテンシャルがあり、我々が現在実施しているプロジェクトで終了ではなく、まだまだこれから続くことは疑いの余地がない。」とMacKenzie CEOは述べた。 |
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チリ:CODELCOが事業部門の再編を検討 |
7月29日付け一般紙等によると、CODELCOのDiego Hernández総裁は、CODELCO Norte、Salvador、El Teniente、Andina、Gabyから構成される同社の5事業部門をNorte(北部)及びSur(南部)の2部門に集約することを検討している。 Hernández総裁が考案した本計画の推進者は、CODELCOが戦略的運営担当として新たに雇用したRossana Perez氏であり、既にCODELCOの副社長や管理職から構成される幹部会で発表されており、鉱山側の幹部にも知られている。 しかし、現時点において、本再編計画は同総裁の個人的な考えであり、本再編の良否を分析しているところであるが、近々方針が決定される予定である。 政府筋によると、Norte部門はChuquicamata鉱山、Radomiro Tomic鉱山(現在のCODELCO Norte)及びSalvador鉱山から構成され、Sur部門はEl Teniente鉱山、Andina鉱山及びVentanas製錬所から構成され、GabyについてはCODELCO支社として存続する予定である。 同総裁は、本再編が実行されると、同社の生産性の向上及び低コスト化が促進され、事業所間のシナジー効果が期待されるとしている。 |
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チリ:SERNAGEOMINが地質情報デジタル化事業に65百万US$を要求 |
7月30日付け地元紙等によると、チリ地質鉱山局SernageominのAljandro Vio総裁は、Sernageominが2011~2013年にチリ地質情報のデジタル化に65百万US$を投資する計画であると述べた。この国による地質情報整備計画は、より高精度の地質情報を一般利用できるようにする政府方針の一環で、チリ国内の探鉱促進を図る上で重要な要素となる。 この計画は今後10年間で3段階に分けてチリ全土をカバーすることを目標としている。第1段階はチリの鉱業活動の大部分を占める国土最北端の第ⅩⅤ州から第Ⅳ州までで、2013年までに完了予定である。 Laurence Golborne鉱業大臣は、この計画実施のための予算要求は既に政府に提出されており、2011年の予算編成で議論されると述べ、チリは探鉱促進の努力が必要で国の地質情報整備事業はその一手段であると付け加えた。 チリは世界最大の銅生産国でシェア約33%を占めるが、探鉱投資額は世界第7位で、探鉱促進のための事業実施は鉱業省の主要目標の一つとなっている。Aljandro Vio総裁によると、要求している予算が認められないと、チリ全土の地質情報デジタル化作業は完了するまでに35年を要するとのことである。 |
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ブラジル:Valeの2010年Q2純利益は、前期比131%増の3,705百万US$ |
7月29日、Valeより2010年Q2の業務実績及び生産実績が公表された。今期は、世界的な金属鉱産物需要の回復等もあり、鉄鉱石、銅、ニッケル等の生産実績は対前期比を上回る結果となった。 また、鉄鉱石価格が市場連動制に移行後最初の業績発表であったが、2008年のリーマンショック以後最高の売上高9,930百万US$(対前期比45%増)及び純利益3,705百万US$(対前期比131%増)を記録した。 同社主力の鉄鉱石関連では、鉄鉱石の販売価格が市況を反映したものに移行した結果、今期の平均販売価格が対前期比42%増となったこともあり、鉄鉱石で対前期比45.0%増の5,435百万US$、ペレットでは対前期比109.4%増の1,610百万US$の事業収益を記録している。 Valeによると、昨夏から継続していたカナダSudburyニッケル製錬所のストライキについて、7月9日に今後5年間の労使協定が締結され2010年Q3には通常操業に移行することから、ニッケル、銅、コバルト、白金等の生産量が増加する見込みである。
表1. 鉱産物別販売価格及び事業収益 |
(米国会計基準に基づく) |
鉱種等 |
平均販売価格 US$/t |
事業別売上高 百万US$ |
2010 Q1 |
2010 Q2 |
増減 % 2010 Q2/2010 Q1 |
2010 Q1 |
2010 Q2 |
増減 % 2010 Q2/2009 Q2 |
鉄鉱石 |
64.76 |
91.93 |
42.0 |
3,748 |
5,435 |
45.0 |
ペレット |
99.00 |
153.66 |
55.2 |
769 |
1,610 |
109.4 |
マンガン鉱石 |
306.88 |
257.97 |
-15.9 |
58 |
89 |
53.4 |
フェロアロイ |
1,350.52 |
1,523.81 |
12.8 |
131 |
160 |
22.1 |
ニッケル |
20,146.63 |
22,731.51 |
12.8 |
687 |
820 |
19.4 |
銅 |
6,881.85 |
6,112.22 |
-11.2 |
227 |
233 |
2.6 |
ボーキサイト |
30.61 |
31.75 |
3.7 |
6 |
6 |
0.0 |
アルミナ |
280.27 |
286.93 |
2.4 |
331 |
404 |
22.1 |
アルミニウム |
2,263.16 |
2,178.57 |
-3.7 |
258 |
244 |
-5.4 |
コバルト(US$/lb) |
15.06 |
12.76 |
-15.3 |
5 |
5 |
0.0 |
表2.2010 Q2Vale生産実績 |
(米国会計基準に基づく) |
鉱種等
単位 千t |
2009 Q2 |
2010 Q1 |
2010 Q2 |
増減 % |
2010 Q2/2010 Q1 |
2010 Q2/2009 Q2 |
鉄鉱石 |
59,396 |
60,059 |
75,860 |
9.8 |
27.7 |
ペレット |
4,251 |
10,492 |
12,653 |
20.6 |
11.9 |
マンガン鉱石 |
550 |
397 |
494 |
24.4 |
-10.1 |
フェロアロイ |
27 |
110 |
113 |
3.4 |
313.5 |
ニッケル |
59 |
33 |
37 |
12.2 |
-37.8 |
銅 |
61 |
34 |
40 |
18.9 |
-34.8 |
ボーキサイト |
2,854 |
3,268 |
3,413 |
4.4 |
19.6 |
アルミナ |
1,436 |
1,394 |
1,521 |
9.1 |
5.9 |
アルミニウム |
113 |
107 |
112 |
4.7 |
-0.5 |
コバルト(t) |
632 |
129 |
179 |
38.2 |
-71.7 |
プラチナ(千oz) |
47 |
1 |
5 |
377.2 |
-88.3 |
パラジウム(千oz) |
68 |
3 |
15 |
328.9 |
-78.6 |
金(千oz) |
19 |
4 |
6 |
27.3 |
-71.0 |
銀(千oz) |
504 |
137 |
718 |
424.7 |
42.6 |
|
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ブラジル・カナダ:ValeのSudburyは9月末までにフル生産開始 |
7月30日付け地元紙等によると、ブラジル鉱山会社Valeベースメタル部門Tito Martins課長は2010年第2四半期業績報告の席上で、2009年7月に発生したカナダ事業ユニットでのストライキについて、最近労働者と合意し9月末までにフル生産に戻ることを期待していると述べた。「我々は既に生産能力の約50%まで戻している。もし、これがなかったら、再びフル生産に戻すまではより長い時間がかかったであろう。」とTito Martins氏は付け加えた。去る7月9日、会社側はカナダOntario州SudburyとColborne港の生産及び維持管理担当労働者の組合と会合を持ち、5年間の団体契約に合意した。 2010年第2四半期のニッケルの輸出は36,000tで、前年同期69,000t(ニッケル純分)から47.8%減となった。輸出の75%はアジア、18.4%は北米、7.3%は欧州向けである。2010年第2四半期のニッケル売上高は820百万US$で、前年同期916百万US$から10.5%減であった。 |
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ブラジル:2030年のブラジル鉄鉱石生産能力は1,000百万t/年に達する見込みとの試算を発表 |
7月29日付け一般紙等によると、ブラジル鉱山動力省のFernando Freitas技術・鉱物加工担当部長は、今後20年間のブラジル成長率を5.1%/年、世界全体では3.8%/年成長するという前提で、同国の鉄鉱石生産能力は2030年に1,000百万t/年に達する見込みであることを発表した(現在の鉄鉱石生産能力は、380~400百万t/年である)。 この間、同国の鉄鋼生産能力は103百万t/年、消費は72百万t/年に達する見込みであることも併せて発表されている(ブラジル鉄鋼協会によると、2009年の同国鉄鋼生産は、26.5百万t)。 なお、同部長によると、現在の様にブラジルの税金体制が複雑で高率でなければ、鉄鉱石生産はより拡大するだろうと併せてコメントしている。 |
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ブラジル:Santa Ritaニッケル鉱山の2010年第2四半期生産量が増加 |
7月27日付け地元紙等によると、豪州鉱山会社Mirabela Nickel社はブラジルBahia州Santa Rita鉱山の2010年第1四半期のニッケル生産量を、2010年第1四半期の1,991tから2,304(ニッケル純分)tに引き上げたと発表した。生産増は操業工程の改善と高い回収率によるもので、6月は鉱石低品位部の処理にも拘わらず選鉱実収率56%の記録を達成した。 2010年第1四半期と第2四半期と比べると、同社のC1 キャッシュコストは8.12 US$/lbから7.62 US$/lbに下がった一方、平均ニッケル価格は9.70 US$/lbから11.61 US$/lbに上昇した。Santa Rita鉱山の2010年上半期ニッケル生産量は4,295t、通年の生産量見込みは10,500tとのことである。 |
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アルゼンチン:Mendoza州がSan Jorge銅・金プロジェクトの公聴会を10月に開催 |
7月26日付け地元紙等によると、Coro Mining(本社バンクーバー)は、同社が実施するSan Jorge銅・金プロジェクトEISの公聴会を2010年10月20日に開催するとの正式通知をアルゼンチンMendoza州政府より受け取ったと発表した。この公聴会はEISの承認を受けるためMendoza州に提出するための最終ステップである。 公聴会の日取りは水理調査実施の決定日(7月20日)から45日以内にCoro Miningが決めなくてはならない。San JorgeプロジェクトはMendoza州Yalguaraz 盆地に位置するが、EISによると、Yalguaraz 盆地は隣接するUspallata盆地と水理的には繋がっていない。2010年4月中旬に州環境当局は、この結論を確認するためCorro社に追加調査を実施することを求めている。 2009年12月、Coro Miningは2011年第2四半期にFSを完了し、2013年に生産開始を目標にすると報告した。また、2008年4月に同社はSan Jorgeプロジェクトの予察的評価として、銅生産量39,500t/年、金生産量39,000 oz /年、マインライフ16年の数字を発表している。San Jorge鉱床の西方及び深部は未探鉱である。Coro社によると、銅価格2.00 US$/lb、金価格600 US$/oz、設備投資額をUS$227百万とした場合、税引き後のNPVは220百万 US$である。 |
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ペルー:Southern Copper社、Q2利益は前年同期比で79%増 |
7月30日付け地元紙等によると、Southern Copper社は、同社のQ2利益が313.4百万US$となり、前年同期比で79.1%の増加となったことを発表した。 同社はペルー国内でCuajone鉱山、Toquepala鉱山、Ilo製錬所を操業するほか、メキシコでLa Caridad鉱山、Cananea鉱山を操業している。 |
|
ペルー:鉱業投資39,323百万US$の見通し |
7月30日付け地元紙等によると、エネルギー鉱山省は、2010年から2016年にかけて計画されている主な鉱業プロジェクトは38件で、投資総額は39,323百万US$にのぼることを明らかにした。 38の鉱業プロジェクトのうち7件は既存鉱山や製錬所の拡張計画であり、Votorantim Metais社のCajamarquilla亜鉛製錬所(500百万US$)、Shougang Hierro Peru社のMarcona鉄鉱山(1,000百万US$)、Southern Copper社のIlo製錬所及びCuajone、Toquepala両鉱山(600百万US$)、Cerro Verde鉱山(1,000百万US$)、Antamina鉱山(1,100百万US$)、El Brocal社のColquijirca鉱山(197百万US$)、Barrick社のLagnas Norte鉱山(400百万US$)となっている。 一方、新規プロジェクトではSouthern Copper社のTia Mariaプロジェクト(950百万US$)、ChinalcoのToromochoプロジェクト(2,200百万US$)、Buenaventura社のLa Zanjaプロジェクト(60百万US$)等で、投資が確定している。 |
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ペルー: 2010年6月鉱産物生産実績 |
エネルギー鉱山省によると、ペルーの2010年6月の鉱産物生産量は、前年同期比で亜鉛が11.6%、銅が2.2%、モリブデンが129.6%、鉄鉱石が47.9%の増産となった一方で、金が1.8%、鉛が10.4%、錫が2.9%の減産となった。
鉱種 |
単位 |
6月 |
1~6月 |
2009 |
2010 |
伸び率(%) |
2009 |
2010 |
伸び率(%) |
銅 |
t |
106,235 |
108,533 |
2.16 |
626,283 |
608,419 |
-2.85 |
金 |
g |
14,640,009 |
14,380,692 |
-1.77 |
89,359,747 |
85,237,822 |
-4.61 |
亜鉛 |
t |
120,830 |
134,836 |
11.59 |
735,303 |
750,099 |
2.01 |
銀 |
kg |
315,022 |
323,829 |
2.80 |
1,885,461 |
1,802,189 |
-4.42 |
鉛 |
t |
25,204 |
22,572 |
-10.44 |
152,568 |
134,752 |
-11.68 |
鉄鉱石 |
t |
398,085 |
588,835 |
47.92 |
2,208,074 |
2,952,532 |
33.72 |
錫 |
t |
3,203 |
3,111 |
-2.87 |
18,486 |
18,392 |
-0.51 |
モリブデン |
t |
791 |
1,817 |
129.63 |
5,628 |
7,754 |
37.76 |
タングステン |
t |
49 |
61 |
23.15 |
305 |
366 |
19.78 |
|
|
ペルー:Doe Run Peru、操業再開期限を不履行、政府による閉鎖決定の見通し |
7月28日付け地元各紙によると、エネルギー鉱山省は、Doe Run Peru社に対して法律により認められたPAMA(環境適正化計画)実行資金の確保と製錬所再開の10か月の猶予が、7月27日をもって終了したが、同社はいずれの義務も果たさなかったことを発表した。 同省によれば、エネルギー鉱山省、エネルギー鉱業投資監督庁(OSINERGMIN)、環境評価監査局(OEFA)の技術者グループがLa Oroya製錬所を視察し、操業が再開されていないことを確認した。 同省は、近日中にDoe Run Peru社が義務を遂行しなかった旨を宣言する決議を発出する見通しであり、また、鉱業総局によれば、Doe Run Peru社に対しては、今後、閉山法や鉱業法に基づく対処が行われる見通しである。 |
|
パナマ:Inmet社がPetaquilla銅プロジェクトの環境・社会影響評価報告書提出を計画 |
Inmet Mining(本社:加・Toronto)社は、パナマ共和国に保有するPetaquilla銅露天掘りプロジェクトの環境及び社会影響評価報告書(ESIA)の同国当局への提出を2010年Q3に計画していると7月27日付け同社HPに発表した。 同プロジェクトはパナマ市西120km、海抜200m前後のジャングルに位置し、Inmet社80%及び韓国LS-Nikko社20%の権益保有のJVプロジェクトである。また、平均品位Cu 0.41%、Au 0.07g/t、Ag 1.43g/t及びMo 0.008%の精測・概測埋蔵鉱量2,140百万tを有している。鉱山寿命30年間で、年平均生産量Cu 255千t、Au 2.8t、Ag 47.0t及びMo 3,200tが見込まれ、初期の開発コストは4,320百万US$と試算されている。 |
(2010. 8. 2 メキシコ 高木博康) 目次へ |
メキシコ:Grupo México社がSCC社執行部に対しAMCによる合併を提案 |
Grupo México社(GM社)は、Asarco社を除く鉱業部門の生産を統括するSCC社の執行部に対し、鉱業統括部門子会社であるAMC社がSCC社及びAsarco社を吸収する合併を提案したと7月23日付け同社HPに発表した。 同合併案によると、AMC社はSCC株主にSCC社株1に対しAMC社株1.237株を譲渡する。これには、Asarco社の含み資産5,940百万US$が考慮されている。 AMC社は、この合併が承認された場合、米国のSECに登録し、ニューヨーク、メキシコシティ及びリマの株式市場への同社株の上場を計画している。現在約80%のSCC社権益を保有するAMC社は、合併成立後SCC社及びAsarco社を100%傘下に治めることになる。 GM社は、合併による操業、輸送及び会社コストの削減、投資コストの減少等の相乗作用を期待している。 |
(2010. 8. 2 メキシコ 高木博康) 目次へ |
メキシコ:Grupo Méxicoの2010年Q2の業績 |
Grupo Méxicoは、2010年Q2の業績を下表のとおり7月28日付け同社HPに発表した。なお、売上高は、2009年12月のAsarco社の再子会社化及び金属価格の回復等により、前年同月比75.8%と大幅に増加している。
|
2010年Q2 |
2009年Q2 |
増減(%) |
売上高(千US$) |
1,896,347 |
1,078,657 |
75.8 |
営業利益(千US$) |
719,260 |
348,802 |
106.2 |
純益(千US$) |
309,621 |
238,601 |
29.8 |
金属生産量 |
|
|
|
銅(千t) |
166.89 |
119.28 |
39.9 |
モリブデン(t) |
5,502 |
4,389 |
25.4 |
亜鉛(千t) |
25.43 |
27.64 |
-8.0 |
銀(t) |
116.3 |
104.6 |
11.2 |
金(kg) |
123.6 |
115.8 |
6.7 |
なお、同社の子会社SCC社(Asarco社以外の鉱業生産部門を統括)及びAsarco社の2010年Q2の業績は下表のとおり。
(千US$) |
2010年Q2 |
2009年Q2 |
増 減 |
SCC社 |
売上高 |
1,173,240 |
824,509 |
42.3 |
純益 |
313,387 |
174,968 |
79.1 |
Asarco社 |
売上高 |
395,153 |
271,206 |
45.7 |
純益 |
63,049 |
- |
- |
(注)Asarco社は、2009年12月に再子会社化。 |
|
(2010. 8. 2 メキシコ 高木博康) 目次へ |
メキシコ:La Guitarra金・銀鉱山の2010年Q2の生産実績-2008年10月以来の操業再開 |
Genco Resources(本社:加・Vancouver)は、メキシコ・Mexico州に保有するLa Guitarra金・銀鉱山の2010年Q2の生産実績が金4.3 kg、銀0.57tであったと7月28日付け同社HPに発表した。 同鉱山は、2008年10月に昇給を要求する労働者によるストライキと同鉱山へのアクセス道封鎖により、操業停止を強いられた。同社は、合法的にこれらの労働者を解雇し、2009年12月から鉱山再開を目的とした準備を進めてきた。2010年4月には一部操業を再開し、5月には火薬を購入する許可も下り、6月には労働者の再雇用も始めた。 なお、同社は、2011年の同鉱山の生産量の見込みを金7.5t、銀933tとしている。 |
(2010. 8. 2 メキシコ 高木博康) 目次へ |
メキシコ・加:Baja社がBoleo多金属プロジェクトのクレジット融資を取得 |
Baja Minig社(本社:加・Vancouver)は、メキシコに保有するBoleo多金属(Cu・Co・Zn・Mn)プロジェクトの主要開発工事資金として、573百万US$のクレジット融資の認可をUS輸出入銀行(Exim)及び韓国開発銀行(KDB)から取得したと7月29日付け同社HPに発表した。 同プロジェクトはBaja California Sur州に位置し、Baja社70%及び大韓民国鉱業振興公社(KORES)を筆頭とする韓国企業団30%の権益保有のJVプロジェクトである。また、銅換算品位1.5%の精測・概測資源量265百万tを有している。同プロジェクトは2011年の生産開始を目標としており、生産開始後4年間の平均年間生産量は銅カソード 56,000t、コバルト・カソード 1,500t、硫酸亜鉛20,000tの予定である。 |
(2010. 8. 2 メキシコ 高木博康) 目次へ |
ドミニカ共和国・加:Pueblo Viejo金プロジェクト用の2基のオートクレーブが到着 |
7月23日付け業界紙等によると、Barrick Gold社(本社:加・Tronto)は、ドミニカ共和国に保有するPueblo Viejo金プロジェクト用の高圧釜2基が現地に到着した旨を明らかにした。このオートクレーブは、ヒープリーチプロセスに投入され、酸化物粗鉱を酸化物と硫化物に分離する。 同プロジェクトは、ドミニカ首都北西約100 km.に位置し、Barrick社60%及びGoldcorp社(加)40%の権益保有のJVプロジェクトである。埋蔵量 Au 737t、粗鉱処理量24千t/日による鉱山寿命25年、操業開始最初の5年間の産金量19.4~21.0t/年(Barrick社60%権益分)が見込まれ、初期の開発コストは30億US$(100%権益試算)と試算されている。 Barrick社は、2011年Q3に同プロジェクトの操業開始を目指している。 |
(2010. 8. 2 メキシコ 高木博康) 目次へ |
米:Newmont、2010年Q2の調整済み純利益は前年同期比約79%増 |
Newmontは7月28日、2010年Q2の収益と生産実績を発表した。 Newmontの2010年Q2の調整済み純利益は前年同期比79%増の377百万US$(77¢/株)で、同じく金生産量は1.3百万oz(約40.4t)、銅生産量は80百万lb(約36.3千t)であった。同社は2010年通年の金生産量として5.3~5.5百万oz(約164.9~171.1t)を、銅生産量として330~360百万lb(約149.7~163.3千t)を維持する方針。 また、同社は探鉱費として当初より約30百万US$増の年間220~245百万US$を支出する予定で、米国NV州のLeevilleプロジェクト等の探鉱を進める。一方、設備投資(資本支出)として2010年に14~16億US$を支出する予定で、ガーナのAkyemプロジェクト、ペルーのCongaプロジェクト、カナダのHope Bayプロジェクト、そして米国NV州のCarlin Trend等の各プロジェクトの建設・拡張に費やされる。 |
(2010. 8. 1 バンクーバー 村上尚義) 目次へ |
加:North American Tungsten社、CanTungタングステン鉱山の操業再開を発表 |
North American Tungsten社(本社:BC州Vancouver)は7月26日、NW準州南西部の州境付近に位置するCanTungタングステン鉱山の操業再開を発表した。 North American Tungsten社は、精鉱の在庫増とタングステン価格低迷により、2009年10月からCanTungタングステン鉱山の操業を休止していたが、現在、タングステンの中間材料であるAPT(パラタングステン酸アンモニウム)の価格が240 US$/t前後まで回復したことから、同鉱山の操業再開を決定した。 CanTungタングステン鉱山の2009年7月時点の埋蔵量は1.02百万t、品位1.08% WO3 (カットオフ品位:0.8% WO3)で、操業コストは152.22 C$/tである。粗鉱生産量1,100t/日で操業した場合、同鉱山のマインライフは約2.5年となっている。 |
(2010. 8. 1 バンクーバー 村上尚義) 目次へ |
加:Canada Zinc Metals社、中国企業から18百万C$の投資を獲得 |
Canada Zinc Metals社(本社:BC州Vancouver)は7月26日、私募によってTongling Nonferrous Metals Group社(銅陵有色金属集団公司、本社:安徽省)から18百万C$の投資を受けることを発表した。Tongling Nonferrous Metals Group社は既に17%を超えるCanada Zinc Metals社株式を所有しており、今回の投資により普通株式約31.4百万株とワラント債(普通株式15.7百万株)を新たに加え、Canada Zinc Metals社全株式の約36%を所有することになる。 Canada Zinc Metals社は、同社の主要プロジェクトとしてBC州北東部にAkie亜鉛・鉛・銀探鉱プロジェクトを所有しており、現在、掘進長5,000m、10孔のボーリングを実施中である。今回獲得した資金は、同プロジェクトの探鉱費として使用される予定である。 Akie亜鉛・鉛・銀探鉱プロジェクトはSEDEX型亜鉛・鉛・銀鉱床で、同プロジェクト地域内に位置するCardic Creek鉱床の予測資源量は、23.6百万t、品位 亜鉛7.6%、鉛1.5%、銀12g/tである(カットオフ品位:亜鉛5%)。 |
(2010. 8. 1 バンクーバー 村上尚義) 目次へ |
欧州:欧州議会、産業排出指令を承認 |
欧州議会は7月7日、産業から発生する特定有害物質の大気、水、土壌への排出制限値を強化する産業排出指令(Industrial Emissions Directive)を承認した。本指令は、従来の総合的汚染防止管理指令(IPPC指令)等の7つの指令を一本化し、特定の条項を簡素化するという欧州委員会の2007年12月の提案を踏まえたもの。利用可能な最良の技術(BAT)の適用を強化し、大規模燃焼施設からのNOx、SO2、ダスト等の有害物質の排出を削減することとなる。 本指令の条項案は以下の公式HPより入手できるが、大気汚染に関しては、BREF(BAT参考文書)と関連して、酸性雨、スモッグ、または喘息などの要因となるNOx、SO2及びダストのより厳しい排出制限値が設定されることとなり、また、6年後の2016年までにはその制限値に遵守しなければならなくなる。但し、加盟国は、施行にかかる費用が環境保全上の利点より勝る場合や、地域事情または特定の技術的な事情がある場合を証明できれば、BAT範囲内の基準から外れることができる柔軟な条件が設定されることとなる。その他、大規模燃焼施設の排出削減に関しては、移行猶予期間が全体的に延長される。
(7月7日に承認された指令の内容:http://www.europarl.europa.eu/sides/getDoc.do?pubRef=-//EP//NONSGML+TA+20100707+SIT+DOC+PDF+V0//EN&language=EN、欧州議会のプレス発表:http://www.europarl.europa.eu/news/expert/infopress_page/064-77917-186-07-28-911-20100706IPR77916-05-07-2010-2010-false/default_en.htm)
今回の産業排出指令に関して、Eurometaux(欧州非鉄金属ロビー団体)及びEurofer(欧州鉄鋼連盟)は、「総合的に容認できる内容である」とコメントしている。他方、Eurometauxは、今後はBREF(BAT参考文書)に設定される排出制限がガイダンスではなく、(加盟国の方針によっては)義務的な文書となることは注視すべき点であると述べていた。また、現在は非鉄金属製錬所(Non-Ferrous Metals:NFM)のBREFは改訂草案を作成している最中で、2011年下期以降に完了される予定であるため、引き続き留意すべきと発言していた。その他、Euroferは、従来のIPPC指令では、BREF(BAT参考文書)が示す産業ごとのBATに基づく適切な認可指標値を参考にしながら、加盟国の規制当局が施設ごとの排出限度を設定し、企業はその排出基準、操業条件を規定したIPPC認可証を取得しなければならなかったが、今後、本産業排出指令によって、従来のIPPC許可証をどの時期に更新すべきなのかどうか、加盟国の規制当局に確認すべきであると助言していた。
(NFM BREFの内容:http://eippcb.jrc.es/reference)
なお、産業排出指令は2次読会にて既に承認されている。従って、今後は欧州理事会が公式に承認し、各EU加盟国が本指令に従って法律化することとなる。 |
(2010. 8. 2 ロンドン フレンチ香織) 目次へ |
ザンビア:Bwana Mkubwa銅鉱山、銅精鉱不足のため8月より休止 |
各社報道によれば、First Quantum Minerals(カナダ)は、ザンビアで操業するBwana Mkubwa銅鉱山の操業を銅精鉱不足のため8月より休止し、保存整備状態にする。 同鉱山では、同社のDRCコンゴにあるLonshi銅鉱山の銅精鉱を併せて製錬しているが、DRCコンゴ政府による国境閉鎖と銅精鉱禁輸措置のため、2008年11月から休止しており2010年1月に稼動を再開したばかりだった。 |
(2010. 7. 28 ロンドン 竹谷正彦) 目次へ |
ナミビア:カタリ鉱物・エネルギー大臣、国営鉱山企業Epangelo の社長人事を発表 |
報道によれば、ナミビア カタリ鉱物・エネルギー大臣は、国営鉱山企業Epangelo Mining社長に、Eliphas Hawala氏が8月9日付けで就任すると発表した。 また、カタリ大臣は、同社の最終目的は、鉱山プロジェクトへ参入し、鉱山産業における国の関与を拡大し、持続的な鉱物資源の開発、地元経済への裨益、JVへの参加を通じて、経済を支えることであると述べた。同社は、政府の100%出資(150万N$)により2009年12月に発足した国営鉱山企業であり、今般、同社に関するビジョンも発表されている。 今回就任予定のHawala氏は、現在、ナミビアでダイヤモンドのカット・研磨を行う企業であるNamGemのトップである。 Hawala氏はインタビューにおいて、現時点では時期尚早としながらも、Extractがオペレータで、Rio Tinto、伊藤忠商事が出資するRossing Southプロジェクトについて、「同社として権益獲得に向けて方策を検討中であり、参入形態には様々あるが、民間企業が権益100%で国営企業が権益0%という状況は望んでいない。」とコメントしている。 Rossing Southは、2011年以降の開発移行により年間5,700tのウランを生産予定の世界第2位のウラン鉱床である。 |
(2010. 7. 30 ロンドン 萩原崇弘) 目次へ |
豪:MMG社は新規亜鉛プロジェクト獲得に意欲 |
2010年4月27日付地元紙等によれば、Minerals and Metals Group Australia(本社:豪Melbourne、以下MMG)は新たな亜鉛プロジェクトに意欲を見せていると報じている。理由として、需要面では中国での製錬能力の拡大が今後も続くこと、供給面では、短期的に新規亜鉛鉱山の開発が限られることから亜鉛精鉱の供給力に制約が生じる可能性があることを挙げており、豪州内に限らず、世界中を対象に新たな投資機会を探していく。 MMG社の2010年4~6月期四半期報告における亜鉛生産量は、前四半期比28%増の179千tを記録している。 |
(2010. 7. 26 シドニー 増田一夫) 目次へ |
豪:WA州Pilbara地域の水不足が深刻 |
WA州の鉄鉱石産地であるPilbara地域の水資源が問題化している。WA州の野党労働党の水資源担当者によれば、鉄鉱石積出し港であるPort Hedlandにおける水供給が2010年末までに現在の供給量を超過するとして、WA州政府の政策を批判している。 WA州政府も近年Hardingダムの貯水量が降雨不足に伴い減少しているとの水不足問題を認識しており、水資源省及び地域開発省が中心となって色々な解決策を模索している。これらの中には、中国が投資するCITIC Pacific’s Sino Iron Oreプロジェクトによる淡水化プラントを含む鉱山開発への期待も含まれている。一方で、日本のシンクタンクが鉄鉱石輸送船のバラスト水として日本からの浄水を運搬する計画を政府に打診しているが、選択肢の中には含まないとして否定されている。 |
(2010. 8. 3 シドニー 原田富雄) 目次へ |
豪:産金大手のNewcrest Mining社はインドネシアで権益を取得 |
2010年7月27日、産金大手のNewcrest Mining社(本社:VIC州Melbourne)はインドネシアのスマトラ島南西部で金開発を行うSumatra Copper & Gold社(本社:英国ロンドン)との間で法的拘束力のない覚書を締結したと発表した。両社発表資料によれば、Newcrest Mining社がSumatra Copper & Gold社の株式の7.1%を取得(取得額2.5百万A$)、今後18か月間で10百万株の株式取得のオプション権を持つもので、オプションを行使した場合には最大で13.2%の株式を取得する。また、Sumatra Copper & Gold社がスマトラ島に所有するTandai金プロジェクトの70%の権益取得(向こう5年間で12百万US$の支出)、及びTembang金プロジェクトの25%の権益取得(頭金として50万US$を支出し、2011年3月31日までに10百万US$を支出するオプション権を所有)をするもの。両社は最終的な合意を2010年8月17日までに行うとしている。 Newcrest Mining社は、別途Lihir Gold Ltd.(本社:PNG/Port Moresby)の買収合併手続きを進めており、アジア大洋州における金鉱山資産獲得に向けた戦略的投資を行っている。 |
(2010. 8. 3 シドニー 原田富雄) 目次へ |
豪:Rex Minerals 社はHillsideプロジェクトの資源量を発表 |
2010年7月28日、Rex Minerals Ltd(本社:豪VIC州Ballarat、以下Rex)は、SA州Yorke半島のHillside銅金プロジェクトの予測鉱物資源量 100百万t、品位銅0.7%、金0.2g/tを発表した。Hillsideプロジェクトは、Yorke半島東岸に50 km以上続くPine Point Copper Beltに位置するIOCG鉱床で、鉱化帯は地下10mから500mまで連続する。銅の鉱化は磁鉄鉱と関連しており、Hillsideプロジェクトは顕著な磁気異常を示している。今回の資源量確定のためのボーリング調査は、磁気異常域の約30%を対象に行われたものであり、今後は残りの70%の磁気異常域に対してもボーリング調査を継続する計画で、12か月間で約20百万A$の探鉱費支出を見込んでおり、資源量250~350百万t、品位銅0.6~0.8%を探鉱ターゲットにおいている。 |
(2010. 7. 29 シドニー 増田一夫) 目次へ |
豪:Rio TintoはChinalcoとの間でギニア鉄鉱石開発の契約を締結 |
2010年7月29日、Rio Tintoはアフリカ西海岸のギニアに所有するSimandou鉄鉱石プロジェクトの開発及び生産を、Chinalco(中国アルミ業公司)と共同で行うことについて、正式に契約を締結したと発表した。締結式は、中国人民大会堂において中国商務相、中国発展改革委員会副委員長等の中国政府上層部出席のもと、両者の会長の間で行われた。 2010年3月19日、両社はSimandou鉄鉱石プロジェクト開発にかかる拘束力のない覚書を締結していたが、今回の正式契約により2015年までの生産開始に向けて開発に弾みがつくものと予想される。同プロジェクトの権益はRio Tintoが95%所有、残りは世界銀行グループの国際金融公社(IFC)が所有するが、Chinalcoは2、3年間で13.5億US$を拠出することにより、同プロジェクトの権益比率は、Rio Tintoが50.35%、Chinalcoが44.65%、残りの5%がIFCとなるが、ギニア政府も20%の権益の取得権(オプション権)を有している。Rio Tintoは2006年にギニア政府から鉱業権を付与されて以降、これまでに650百万US$を投じて探鉱、評価、環境影響評価及び地域開発を実施してきたが、順調に開発が進めば年産70百万tの世界最大クラスの鉄鉱石鉱山が誕生する。また、ギニアにとっても鉱山に併せて、鉄道・港の開発により数千人の雇用が生まれるとともに、インドを抜いて豪州、ブラジルに次ぐ鉄鉱石輸出国になると思われる。 一方で、同プロジェクトからの出荷が始まる頃には、現在豪州で開発が進む鉄鉱石プロジェクトからの供給を併せて鉄鉱石の供給過多になると市場アナリストは見ており、鉄道を含めたインフラの整備も含め総額40億US$を超える開発費用を投じるプロジェクトの動向が注目されが、Rio Tintoは2010年8月3日付けで鉄道、港湾開発のため170百万US$を投じることを決定している。 |
(2010. 8. 3 シドニー 原田富雄) 目次へ |
インドネシア:Batu Hijau銅・金山2010年Q2生産実績 |
Newmontの発表によると、インドネシアBatu Hijau銅・金山の2010年Q2生産実績は、銅精鉱(純分量)が対前四半期比6千t(9%)減となったが対前年同期比では8千t(15%)増の60千t、金(銅精鉱中金量)が対前四半期比0.1t(2%)、対前年同期比1.5t(39%)それぞれ増の5.3tとなった。2010年の生産予定量は、金(銅精鉱中金量)23~25tに変更は無いが、銅精鉱(純分量)は248~271千tと4千t程度引き下げている。2009年以降、四半期毎の生産実績は下表のとおり。
|
2009年 |
2010年 |
Q1 |
Q2 |
Q3 |
Q4 |
合計・ 平均 |
Q1 |
Q2 |
合計・ 平均 |
選鉱処理量(千t) |
9,589 |
11,108 |
11,204 |
12,705 |
44,606 |
12,784 |
11,875 |
24,659 |
Cu精鉱(Cu純分)(千t) |
37 |
52 |
64 |
71 |
224 |
66 |
60 |
126 |
Cu粗鉱品位(%) |
0.49 |
0.58 |
0.69 |
0.70 |
0.62 |
0.65 |
0.65 |
0.65 |
Cu選鉱実収率(%) |
88.2 |
89.7 |
89.5 |
89.6 |
89.4 |
87.2 |
84.5 |
85.9 |
Au(Cu精鉱中のAu純分)(t) |
1.8 |
3.8 |
6.4 |
5.4 |
17.4 |
5.2 |
5.3 |
10.4 |
Au粗鉱品位(g/t) |
0.25 |
0.40 |
0.65 |
0.53 |
0.47 |
0.50 |
0.56 |
0.53 |
Au選鉱実収率(%) |
83.5 |
82.7 |
83.6 |
81.3 |
82.7 |
81.5 |
81.3 |
81.4 |
※合計・平均はNewmont発表の個別データで作っている為、必ずしも一致しない。 |
|
(2010. 8. 2 ジャカルタ 小岩孝二) 目次へ |
インドネシア:PT Antam、2010年Q2ニッケル増産続く |
PT Antamは、2010年Q2の生産実績を発表した。フェロニッケルが対前四半期比430t(10%)、対前年同期比2,055t(74%)それぞれ増の4,841t、ニッケル鉱石が対前四半期比272千t(17%)、対前年同期比56千t(3%)それぞれ増の1,833千tとなった。また、ボーキサイトは西Kalimantan州Tayan鉱山での生産が始まった。2009年以降、四半期毎の生産実績は下表のとおり。
|
2009年 |
2010年 |
Q1 |
Q2 |
Q3 |
Q4 |
合計 |
Q1 |
Q2 |
合計 |
FeNi(Ni純分量:t) |
3,296 |
2,786 |
2,595 |
3,873 |
12,550 |
4,411 |
4,841 |
9,252 |
Ni鉱石 |
1,046,348 |
1,777,075 |
1,744,373 |
1,222,282 |
5,851,329 |
1,560,643 |
1,832,693 |
3,393,336 |
High Grade
(Ni品位2%超)(wmt) |
534,774 |
913,206 |
1,007,869 |
866,822 |
3,249,413 |
911,185 |
921,071 |
1,832,256 |
Low grade
(Ni品位2%以下)(wmt) |
511,574 |
863,869 |
736,504 |
355,460 |
2,601,916 |
649,458 |
911,622 |
1,561,080 |
金(kg) |
715 |
644 |
587 |
681 |
2,626 |
681 |
731 |
1,412 |
銀(kg) |
6,250 |
5,544 |
5,589 |
5,206 |
22,589 |
4,877 |
5,253 |
10,130 |
ボーキサイト(wmt) |
265,971 |
67,095 |
363,522 |
86,509 |
811,341 |
- |
49,988 |
49,988 |
注)合計はAntamの個別データで作成(2009年合計は同社アニュアルレポートより)している為、必ずしも一致しない。 |
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(2010. 8. 2 ジャカルタ 小岩孝二) 目次へ |
インドネシア:PT Inco、2010年Q2生産実績 |
PT Incoの発表によると、Sorowako製錬所でのニッケルマットQ2生産量(純分量)は対前四半期比1.6千t(8%)減となったが、対前年同期比1.9千t(12%)増の18.2千tとなった。2009年以降、四半期毎の生産実績は下表のとおり。
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2009年 |
2010年 |
Q1 |
Q2 |
Q3 |
Q4 |
合計(通年) |
Q1 |
Q2 |
合計 |
生産量(千t) |
16.2 |
16.3 |
17.8 |
17.0 |
67.3 |
19.8 |
18.2 |
38.0 |
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(2010. 8. 2 ジャカルタ 小岩孝二) 目次へ |
インドネシア:2010年上半期錫地金輸出実績は14%減 |
地元紙等によると、商業省が発表した2010年6月の錫地金輸出実績は前年同月比631t(7%)減の8,030tとなり、上半期合計では2009年の50,575tから7,312t(14%)減の43,263tとなった。商業省担当者は、輸出量減少の原因を陸域部鉱石不足による生産量減少を挙げ、海域での鉱石採取が可能なのは技術的、財務的にPT TimahとPT Koba Tinの2社に限られているとコメントしている。 |
(2010. 8. 2 ジャカルタ 小岩孝二) 目次へ |
インドネシア:PT AntamとPT Incoのニッケル鉱石売買交渉、進展せず |
地元紙等によると、PT Antamが南東Sulawesi州にある同社Pomalaa FeNi製錬所用鉱石としてPT Incoから年間1百万tのニッケル鉱石を購入する契約交渉については、価格面その他の条件が折り合わず、進展していない。PT Antamは2008年7月までPT Incoの東Pomalaa鉱山から年間約百万tのサプロライト鉱石を購入してきたが、FeNi減産に伴い購入を取り止めていた。しかし、2010年はFeNiを18.5千t(2009年生産実績12.6千t)に増産する計画であり、さらに同社Pomalaa鉱山の鉱量がほぼ枯渇を示していることもあり、鉱石手当に迫られていた。また、PT Incoはその鉱業事業契約(COW)上、鉱石輸出は禁止されている。 |
(2010. 8. 2 ジャカルタ 小岩孝二) 目次へ |
インドネシア:Batu Hijau銅・金山でストライキ、生産への影響は現時点では不明 |
地元紙等によると、PT Newmont Nusa Tenggara(以下PTNNT)が保有、運営するBatu Hijau銅・金山で8月2日に超過勤務手当を要求するストライキが発生し、組合側は8月10日まで継続することをPTNNTに通告した。PTNNT広報担当者は、ストライキ参加者は300~400名程度であり2日の操業も通常どおり行われたため、ストライキが鉱山活動にどの程度影響を与えるかは現時点では不明だとしている。一方組合側は、3,000人近くが参加していると主張しており、参加人数に隔たりがでている。 |
(2010. 8. 3 ジャカルタ 小岩孝二) 目次へ |
中国:2010年上半期タングステン及びモリブデン精鉱生産 |
最新の中国有色金属工業協会統計によると、2010年上半期のタングステン精鉱(WO365%換算量)生産量は50,295t(対前年同期比1.94%増)であった。省別では、江西20,075t(同10.10%減)、湖南12,717t(同15.41%減)、河南5.288t(同比27.18%増)、広西5,235t(同65.88%増)、雲南2,495t(同111.8%増)。 また、2010年上半期のモリブデン精鉱生産量は45,344t(同13.03%増)。省別では、河南21,055t(同6.55%増)、陝西8,795t(同16.15%増)、内モンゴル6,270t(同119.75%増)。以上地域の生産量は国内総生産の79.7%を占めていた。 |
(2010. 7. 29 北京 土居正典) 目次へ |
中国:第12次5カ年計画草案の誤報 |
安泰科によれば、中国鉱業ネットが7月26日に中国証券報記事として掲載した「中国有色金属工業協会 尚福山副会長が、23日開催のフォーラムで非鉄金属産業第12次5カ年計画草案を明らかにした」との記事は誤報であった。同日午後、尚副会長は新聞記者に対し「フォーラムで話したのは、2009年末に発表した第12次5カ年期間中の非鉄金属産業の成長についての研究論である。非鉄金属産業第12次5カ年計画草案について、現時点では知らない」と話した。いずれにせよ、中国非鉄金属産業は、生産能力過剰、低生産集積度、プロセス・技術向上、環境保護など多くの問題を抱えていることがわかった。 尚副会長が紹介した研究論は次のとおり。 協会推計によれば2015年の基本金属4種見掛け消費量は、4,380万t(内訳:銅830万t、アルミ2,400万t、鉛500万t、亜鉛650万t)である。第12次計画期間の5年間に内外のエネルギー、資源、環境等の問題を考慮しつつ、国内需要を満たすことを最優先とし、内外の鉱物資源を有効に活用して循環型経済を積極的に推進していくとともに、製錬能力の盲目的な拡張を厳しく制限し立ち遅れた生産設備を淘汰することとしている。また生産についても、2015年までに粗銅500万t以下、電解銅650~700万t以下、アルミナ4,100万t以下、電解アルミニウム2,000万t以下、鉛550万t以下、亜鉛670万t以下に抑える計画となっている。業界関係者は「この数字から見ると、今後、非鉄金属全体の製錬能力拡張の余地は非常に限られたものになるだろう」と指摘している。 資源自給率については、国内と海外の鉱物資源を連携させることで、2015年時点で銅40%、アルミニウム80%、亜鉛50%にすることを目指している。また再生金属についても、各金属生産量に占める割合を銅40%、アルミニウム30%、鉛30%以上とすることを目指している。さらに国民経済成長のための二―ズを満たすため、軽量・高強度構造材料、情報機能材料、高純度材料、希土類材料、軍需関連材料等の設備・技術及び産業化技術の研究開発を重点的に進めていくとしている。 |
(2010. 7. 29 北京 土居正典) 目次へ |
中国:大冶有色金属、フィリピンで銅・鉄鉱石共同開発 |
安泰科によれば、中国大冶有色金属有限公司は、フィリピン・Philippine Aliance Mining International Ltd.と覚書を締結し、フィリピン・ダバオ州Mati Regionにある銅・鉄鉱石鉱床の共同探査・開発事業を展開する予定である。覚書では、同公司は探査・開発全体計画作成及び探査を実施し、Aliance Miningは、事務手続き及び探査に必要な水供給・電力供給などの業務を実施する。 |
(2010. 7. 29 北京 土居正典) 目次へ |
中国:甲瑪銅多金属鉱山操業開始 |
安泰科によれば、中国黄金集団公司は、チベット自治区最大の鉱業投資プロジェクトである甲瑪銅多金属鉱山の1期工事が完成し生産を開始した。同自治区8重要プロジェクトのひとつである同鉱山は、ラサ市墨竹工卡県に位置し、中国黄金集団チベット華泰龍公司が2008年から建設していた。規模は鉱石処理量15,000t/日、投資総額は80億元を計画し、現在の鉱石処理量は6,000t/日。 中国黄金集団の孫兆学総経理によると、環境保護及び工業観光プロジェクトとして2.5億元を投入し環境保全とグリーン生産及び工業廃水ゼロ排出を実現、また鉱区内にある牧場保護のため鉱石運送トンネル建設に1.27億元を投入。 |
(2010. 7. 29 北京 土居正典) 目次へ |
中国:内蒙古など8省区、希土等の省区別採掘量規制値を企業別等に分解して公開 |
国土資源部がインターネットを通じて公表したところによると、内蒙古、吉林、江蘇、浙江、安徽、福建、湖北、広東、四川、重慶、貴州、雲南、西蔵、陝西、甘粛、青海、新疆の17省区市が、希土・タングステン・アンチモン・アルミナクレイ(耐火粘土)・蛍石の省区別規制値を更に分解して割り当てた内容を国土資源部宛に報告した。その内、内蒙古・吉林・浙江・広東・四川・重慶・雲南・新疆の8省区では企業名別に公告されている。保護性開採鉱種の開採総量規制管理が開始されて以来、初の企業別管理であり、政府管理情報の透明性と公正性を強化し、鉱産資源管理を社会監督の中で推進するものとなるとのことである。ちなみに内蒙古自治区では、省区の希土規制総量50,000tは、ただ1社の包鋼集団に50,000tが割り当てられている。 |
(2010. 7. 27 金属企画調査部 渡邉美和) 目次へ |
中国:内蒙古自治区包頭市商工局、希土盗採掘に対して「希土防衛」全面展開 |
現地紙の報道によると、最近、包頭市商工局は「希土防衛」の行動を全面展開して進めている。これは、2009年末から2010年初にかけて希土産品の価格が上昇したことで、包頭市の白雲鉄鉱山周辺で盗採掘現象が見られるようになり、確実に希土資源が流出し希土市場をかく乱させていることに対する措置とのこと。 現在包頭市には希土とその鉱産品・鉄精粉などの生産企業は375社、同品の販売企業は3,023社あり、今回の「希土防衛」措置は、希土(希土の酸化物や尾鉱を含む)の生産、加工、製錬、探査と鉱産品(鉄精粉を含む)の生産、加工などにわたり監督を強化するもので、併せて企業の設立に関する登記や販売量検査なども強化するとのことである。 |
(2010. 7. 29 金属企画調査部 渡邉美和) 目次へ |
中国:国家発展改革委員会と財政部、5年間で30か所の都市鉱山基地建設を計画 |
国家発展改革委員会は、財政部と共同して、5年間に30か所の都市鉱山基地を建設すると発表した。工業化都市化の過程で発生した生産ならびに電気設備・電線ケーブル・自動車・家電・電子産品などの廃棄物を鉄鋼・非鉄金属などに循環利用するもの。 まず、天津子牙循環経済産業区、安徽界首田営循環経済鉱業区、湖南湯羅循環経済工業 区、広東清遠華清経済園、四川西南再生資源産業園区、寧波金田産業園、青島新天地静 脈産業園の7地区を都市鉱山基地に指定し、2015年までにこの7地区で再生加工利用の銅190万t、同アルミ80万t、廃プラスチック180万tの能力を備える予定。また5年間で30か所に拡張を計画している。これらの基地では先進技術を採用し、環境保護規範を定め、資源の循環利用を促進する。 |
(2010. 7. 29 金属企画調査部 渡邉美和) 目次へ |
中国:CHINALCO、Rio Tintoとギニア・Simandouプロジェクト共同開発 |
CHINALCO(中国アルミ業)は、7月29日、Rio Tintoとの間で、ギニアのSimandouプロジェクトの開発に関する正式協議に署名したと発表。将来JVを設立し共同開発するもので、計画では5年以内に正式生産開始となる予定。鉄鉱石は優先して中国市場の需要に向けられる。両社は、2010年3月、Simandou鉄鉱石プロジェクトの開発と運営に関するMOUを締結していた。 Rio Tintoは現在Simandou鉄鉱石プロジェクトの95%の株式を保有しているが、CHINALCOは13.5億US$を、同プロジェクト開発に2~3年内に投資し、合弁会社の47%の権益を入手する予定と伝えられている。 |
(2010. 7. 30 金属企画調査部 渡邉美和) 目次へ |
中国:安徽省南陵県姚家嶺で大型鉛亜鉛鉱床発見 |
現地紙が伝えるところによると、華東冶金地質勘査局により安徽省南陵県の姚家嶺で、大型の亜鉛・金鉱床が発見された。また鉛・銅・銀についても中型規模である。 姚家嶺鉱区は銅陵市から40 kmの位置にあり、銅陵の銅金鉱床地帯の東部に位置しているが、1980年代の探査では鉱床はないとされていた。これに関して改めて8年間で54孔、46,289mのボーリング調査を行い発見されたもの。現在初期推定で明らかにされている鉱床規模は、鉱体長1,600m、幅500-800m、資源量と品位は亜鉛117.41万t、平均品位3.64%、金32t、品位5.02g/tである。 |
(2010. 7. 30 金属企画調査部 渡邉美和) 目次へ |
中国:太原鋼鉄、ミャンマー・Tagaung Taung Niプロジェクトに参加 |
現地紙は7月26日、太原鋼鉄と中国有色集団が北京で合作協議に署名し、中国有色集団がミャンマーで進めているTagaung Taung Niプロジェクトに共同して開発投資することとなったと報道した。報道された協議によれば、太原鋼鉄は、中国有色集団傘下の中色ニッケル業有限公司の増資を引き受け、同社名称は中色太鋼ニッケル業有限公司とし、これにより太原鋼鉄は、海外鉱産資源の開発利用に関与するとのことである。 |
(2010. 7. 30 金属企画調査部 渡邉美和) 目次へ |
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おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。
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