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 No.13-29  7月24日

[ 中南米 ]
チリ:CODELCO、請負労働者の暴動でMinistro Halesプロジェクトの建設を一時中断
チリ:BHP Billiton、Cerro Colorado鉱山操業継続プロジェクトの環境影響評価手続きに着手
チリ:Pascua Lama金-銀プロジェクト、上訴裁判所からの新たな一時停止命令
ブラジル:Brazil Minerals社、ダイヤモンド輸出許可取得
ブラジル:Mato Grosso州鉱業関係者による鉱業許認可停止に対する抗議
ペルー:Glencore Xstrata、Las Bambas銅プロジェクト売却を開始
ペルー:2013年1~5月の鉱業投資額は3,794.7百万US$
ペルー:Hochschild社銀生産量減少、給与及び人員カットによるコスト削減を実施
グアテマラ:農業・商業・工業・金融連合委員会が鉱業モラトリアムに懸念を表明
コスタリカ:国立公園における深刻な違法金採掘・採集

[ 北米 ]
米:Bingham Canyon銅鉱山の修復工事順調
加:ノバスコシア州Donkin石炭プロジェクトの環境評価承認
加:Teck Resources 社、Schaft Creekプロジェクトの権益買戻し
加:NICO金-銅プロジェクトの開発承認

[ 欧州・CIS ]
フィンランド: Talvivaara Mining社、2013年のニッケル生産目標を撤回
キプロス:山東省発展改革委員会、祥光銅業のEMED社への増資を承認

[ アフリカ ]
ザンビア: Sentinel銅鉱山、発電用ダムの建設再開を許可される
マラウィ:Kanyikaニオブプロジェクトの契約交渉のため、政府が国際的な法律の専門家を雇用
シエラレオネ: 石炭鉱山開発等の費用として17億US$の投資受け入れに関し中国企業と合意
コンゴ共和国: Mayoko-Moussondi鉄鉱石プロジェクトのScoping Study結果
南ア: Boikarabelo石炭プロジェクト、鉄道建設に向けた準備を開始

  [ オセアニア ]
豪:連邦裁判所、Tas州Tarkine地方の鉄鉱石プロジェクトの開発認可を覆す
豪:貨物鉄道会社Aurizonのコスト削減計画
豪:山東黄金、豪州の金鉱山生産中止へ
豪:Glencore Xstrata、Ernest Henry銅・金鉱山からの磁鉄鉱生産を停止
豪:QLD州政府、EISプロセスを簡素化し資源セクターへの投資を改善
豪:BHP Billiton、2012/2013年度生産実績を発表、WAIO鉄鉱石生産量は13年連続で過去最高を記録
PNG:PNG政府、Glencore XstrataのFrieda River銅・金鉱山プロジェクトの取得を検討

[ 中近東 ]
イラン: 鉱業投資を拡大させる方針

[ アジア ]
インドネシア:興盛鉱業、100万tのチタン精製・粉末生産基地を建設する計画
インドネシア:政府、鉱業ライセンス発行・管理方法変更の方針
インドネシア:IUPの適法認定(Clean & Clear)、454件が追加認定
インドネシア:政府の見込では、製錬所11か所が2014年中の操業開始予定
モンゴル:豪Haranga社、Selenge鉄鉱石プロジェクトF/S、2013年中に完了
モンゴル:Voyager Resources、Khul Morit銅プロジェクトの探鉱権を3年間延長
中国:2013年1-6月の国内主要銅生産企業の銅カソード生産量、対前年同期比14.26%増
中国:宝鋼株式有限公司、攀承バナジウム業と2013年-2016年戦略協力協定を締結
中国:中鉄資源集団有限公司、年間1,500万tのモリブデン採掘許可権を取得
中国:湖南省、重金属及びアンチモン採掘・選鉱企業に対する取り締まり特別活動を継続展開 
中国:青河県哈腊蘇銅鉱山の第1期湿式銅製錬所が建設完了
中国:銀都鉱業、2013年上半期の生産量は安定的に増加
中国:工業情報化部が新材料の標準化を促進、レアメタルに好機到来
中国:新疆和静で金鉱床を発見、資源埋蔵量は50 tに達する
中国:陝西省、金属スクラップ回収・製錬企業に対する放射性測定など監督管理に注力
中国:コバルトリッチクラスト鉱区の探査権を取得


チリ:CODELCO、請負労働者の暴動でMinistro Halesプロジェクトの建設を一時中断

 CODELCOは2013年7月15日付けプレスリリースで、請負労働者の暴動のため、建設中のMinistro Halesプロジェクト(チリ第Ⅱ州)の建設作業を中断したと発表した。Ministro Halesプロジェクト請負労働者約300名による暴動が発生し、CODELCOは労働者の安全と同社の資産を守るため作業を中断することを決定した。請負労働者による抗議運動は、現在締結されている合意を上回る経済的要求が原因だという。CODELCOは不可抗力条項発動を宣言し、5,000名の労働者・人員及び資産保護のため建設作業を停止し、全請負労働者の動員解除をせざるを得ない状況となった。

 Ministro Halesプロジェクトは2013年12月の商業生産開始が決まっており、銅の生産量は183,000 t/年が予定されている。

(2013. 7.15 サンティアゴ 縫部保徳) 目次へ
チリ:BHP Billiton、Cerro Colorado鉱山操業継続プロジェクトの環境影響評価手続きに着手

 2013年7月18日、BHP BillitonはCerro Colorado鉱山(チリ第Ⅰ州)の操業継続プロジェクト(Proyecto Continuidad Operacional)の環境影響評価手続きを開始した。同プロジェクトは、現在の鉱石処理工程及び生産レベルを維持しながら、Cerro Colorado鉱山のマインライフを2023年まで延命することを目的としており、投資額は4億6,720万US$。オープンピットの拡大・深化や廃石堆積場の拡張などが行われる計画である。なお、このプロジェクトが実施されても、同鉱山の鉱業用水の使用量は変わらないという。

 Cerro Colorado鉱山は、Spence鉱山(チリ第Ⅱ州)とともにBHP BillitonのPampa Norteディビジョンに所属する。2012年の銅生産量は7.3万tである。

(2013. 7.19 サンティアゴ 縫部保徳) 目次へ
チリ:Pascua Lama金-銀プロジェクト、上訴裁判所からの新たな一時停止命令

 メディア報道によると、Copiapó上訴裁判所は、チリ・アルゼンチン国境でPascua Lama金-銀プロジェクトを手がけるMinera Nevada(加Barrick Goldの子会社)に対する差し止め請求を認め、同プロジェクトの一時中断を承認した。差し止め請求は、水の汚染及び氷河損傷への懸念から先住民族Diaguita族のグループによって行われたもの。上訴裁判所はPascua Lamaプロジェクトの環境認可で要求されている事項を満足するまで中断を続けるよう命じた。環境認可の要求には、水汚染を防ぐための緩和作業や近傍3氷河の常設モニタリングがある。

 別の報道では、先住民族側は上訴裁判所の裁定を不服としており、上告する可能性が高いと報じられた。先住民族側は、環境影響調査(EIA)のやり直しを望んでいる。

(2013. 7.19 サンティアゴ 縫部保徳) 目次へ
ブラジル:Brazil Minerals社、ダイヤモンド輸出許可取得

 メディア報道によると、Brazil Minerals社(米国カリフォルニア州)は、同社のDuas Barras鉱山(Minas Gerais州) で生産されるダイヤモンドに対する輸出許可をブラジル政府から取得した。これにより、同社ではブラジル産ダイヤモンドの国際的販路が開けた。また同社は、ダイヤモンドの付加価値を高めるための研磨も進め、原石の価値を現在の175 US$/カラットから2,000 US$/カラットに引き上げる。同社は2013年5月、Duas Barras鉱山の開発を行っているDuas Barras社の権益55%を取得した。同鉱山では、Jequitinhonha Riverでのダイヤモンド、金の漂砂鉱床の開発を行っている。また同社は、Borba金プロジェクト(Amazonas州)での探鉱も計画しており、今後、金を中心にブラジルでの鉱山投資を進めていく方針である。

(2013. 7.21 サンティアゴ 神谷夏実) 目次へ
ブラジル:Mato Grosso州鉱業関係者による鉱業許認可停止に対する抗議

 メディア報道によると、ブラジル鉱物資源局(DNPM)による鉱業許認可の停止に対し、Mato Grosso州鉱業関係者約200名が、同局のMato Grosso州支部に対し抗議を行った。抗議団体によると、同局は2011年以降約5万件の鉱業権申請に対する許可を停止ししており、鉱業界に雇用減少等の影響を与えた。ブラジル鉱業協会(IBRAM)は、DNPMによる鉱業許認可停止により、約200億US$におよぶ鉱業投資が影響を受けたと指摘している。同州鉱業関係者は、今後首都ブラジリアでの抗議活動を計画しているとされる。

(2013. 7.21 サンティアゴ 神谷夏実) 目次へ
ペルー:Glencore Xstrata、Las Bambas銅プロジェクト売却を開始

 2013年7月17日付け地元紙によると、Glencore Xstrataは、Las Bambas銅プロジェクト(Apurimac県)の売却を公式に発表した。

 同プロジェクトの売却は、GlencoreとXstrataとの合併を実現するための条件として、中国商務省(MOFCOM)が行った要請に基づいている。また、BMO Capital Markets社及びCredit Suisse社が、売却プロセスのアドバイスを務める計画となっている。

 Las Bambas銅プロジェクト売却先に関しては、これまでに、中国企業Chinalco(中国アルミ業)、Minmetals(五礦集団)、Jiangxi Copper社(江西銅業)、Tongling Nonferrous社(銅陵有色金属)、Jinchuan Group社(金川集団)の5社のほか、香港のMMG社が関心を表明したと伝えている。

 一方Glencore Xstrataは、プロジェクト売却の方針が明らかになった4月以降、様々な企業から買収への関心表明を受けたとしつつ、全ての企業と協議を行い透明性ある公正な売却を実現したいとの方針を示した。

(2013. 7.22 リマ 岨中真洋) 目次へ
ペルー:2013年1~5月の鉱業投資額は3,794.7百万US$

 2013年7月17日付け地元紙によると、エネルギー鉱山省は、2013年1月から5月にかけての鉱業投資額は3,794.7百万US$ にのぼり、前年同期の2,944.4百万US$を28.9%上回ったと発表した。

 このうち、最も多額の投資を行ったのがXstrata Las Bambas社(727.2百万US$)で、次にChinalco Peru社(364.5百万US$)、Misky Mayo社(343.9百万US$)等と続いた。

 一方、同期間における探鉱投資額は784百万US$にのぼり、前年同期の378.7百万US$と比べて107%増加したことが明らかになった。

(2013. 7.22 リマ 岨中真洋) 目次へ
ペルー:Hochschild社銀生産量減少、給与及び人員カットによるコスト削減を実施

 2013年7月18日付け地元紙によると、Hochschild社(本社:米国)は、2013年上半期の銀生産量は9.7百万oz(約302 t)で、前年同期の10.2百万oz(約317 t)を下回ったことを明らかにした。生産量減少の理由は、Arcata銀・金・鉛・亜鉛鉱山(Arequipa県)による生産量の低下となっている。

 一方同社は、給与及び人員削減を行った旨明らかにした。

(2013. 7.22 リマ 岨中真洋) 目次へ
グアテマラ:農業・商業・工業・金融連合委員会が鉱業モラトリアムに懸念を表明

 2013年7月15日付け業界紙等によると、グアテマラ農業・商業・工業・金融連合委員会(CACIF)は、今月初旬にPérez Molina大統領が発表した鉱業モラトリアムに対し、投資及び雇用環境に重大な損失を与える旨の懸念を表明した。

 CACIFは、本鉱業モラトリアムに関して、鉱業部門は外国投資を増大させる鍵となるとする従来からの政府主張のメッセージと矛盾する上、雇用創出に必要となる投資と経済成長を鈍化させるものであり到底看過できないとし、国会に対し本鉱業モラトリアムの否決を要請した。

 また、投資アナリストの中には、グアテマラで増大しつつある鉱業部門に対する悪感情を踏まえると、本モラトリアムは軽率な内容であり、同国におけるEscobal多金属開発プロジェクトを含む現行プロジェクトの進捗を阻害するおそれがあると警告している。

(2013. 7.22 メキシコ 縄田俊之) 目次へ
コスタリカ:国立公園における深刻な違法金採掘・採集

 2013年7月17日付け業界紙等によると、コスタリカ国内の国立公園における違法な金採掘・採集は、放置できない極めて深刻なレベルにある。

 エネルギー環境省によると、地球上における生物多様性の3%を有する同国の主要国立公園の45,700 ha内において、金採掘・採集のために坑道を掘削したり、使用した有機化合物を河川へ放流するなどの違法行為により、河川の汚染や山腹の植生破壊等が深刻な状況に陥っていると共に、同国立公園内又は付近の住民に対しても健康や生活への被害が発生している。

 要因としては、国立公園内における現行の警備体制の不備に加え、同国法令上、これら違法行為に対して厳しい刑罰が科せられていないことなどが挙げられる。また、昨今の市況における金価格の割高感も、これら違法行為に拍車を掛けている。

(2013. 7.22 メキシコ 縄田俊之) 目次へ
米:Bingham Canyon銅鉱山の修復工事順調

 Rio Tintoの子会社Kennecott Utah Copper社が操業しているBingham Canyon 銅鉱山(米Utah州)で2013年4月に鉱山のピットの北東壁が崩れ約1億5千万tの岩石がピットに崩れ落ちる事故があったが、3か月後の現在、修復工事は順調に進んでいることが第2四半期報告で公表された。

 Bingham Canyon鉱山は世界最大の露天掘り鉱山で、事故当初、銅の生産量は12万5千t(Rio Tinto年間生産量の約20%)減少すると見られていた。しかし、第2四半期報告によると、第一修復計画のピット下部の修復工事が予定よりかなり早いペースで進み、生産量の減少は当初の予想を下回る10万tに修正された。

 事故により怪我人はなかったものの、1億US$相当の重機が破損したうえ、ピットへのアクセスランプが崩れ、現在も使用できない状態が続いている。これらは非現金費用として年間報告に計上される。

(2013. 7.19 バンクーバー 室井エリサ) 目次へ
加:ノバスコシア州Donkin石炭プロジェクトの環境評価承認

 Morien Resources Corp.(以下、Morien社)は、2013年7月16日、同社が権益25%、Xstrata Coal社が権益75%を保有するノバスコシア州のDonkin原料炭プロジェクトの環境評価に対して、連邦環境大臣が7月15日付で承認したことを発表した。

 環境大臣は承認決定に当たり、環境評価プロセスで作成された包括的評価報告書に記載されている緩和措置の確実な実施を監督官庁に要求すると共に、同報告書に記載されたフォローアッププログラムの確実な実施を監督官庁に要求した。

 Morien社は、本決定を受けて、プロジェクトを前進させるためにその他のステークホルダーと入念に協議するとしている。

(2013. 7.19 バンクーバー 片山弘行) 目次へ
加:Teck Resources 社、Schaft Creekプロジェクトの権益買戻し

 Teck Resources Ltd(以下Teck社)は2013年7月16日、Copper Fox Metals Inc(以下Copper Fox社)とSchaft Creekプロジェクトの権益を買い戻すJV契約を締結することを発表した。Schaft CreekプロジェクトはBC州北西部にある銅・金探鉱プロジェクトで、Teck社が50%所有するGalore Creek鉱山の26 ㎞北東に位置する。

 このJV契約でTeck社は75%、Copper Fox社は25%の権益をそれぞれ取得する。このJV契約は2002年、両社間で結ばれたJVオプション契約に代わるもので主な契約内容は以下の通り。

○ Teck社がSchaft Creek JVのオペレータとなること

○ Teck社はCopper Fox 社にJV契約署名時、生産決定時そして鉱山設備工事完了時の3回分割でそれぞれ2千万C$、合計6千万C$を現金直接払いすること

○ 生産決定前にかかる経費の6千万C$までをTeck社が負担し、6千万C$を超えた場合は、Copper Fox社の配分の25%までをTeck社が負担し、その超過負担額は上記分割払い時に清算する

○ Copper Fox社による鉱区取得費393万C$をTeck社が払い戻す
Teck社は7月末までに1000 mのダイヤモンドボーリングを実施し鉱区拡張の可能性、及び地質工学の調査を行う。

(2013. 7.19 バンクーバー 室井エリサ) 目次へ
加:NICO金-銅プロジェクトの開発承認

 Fortune Minerals Limited(以下、Fortune社)は、2013年7月19日、同社が北西準州に保有するNICO金-コバルト-ビスマス-銅プロジェクト及び選鉱施設に対して、地元先住民政府であるTlicho政府と連邦先住民・北方開発省から承認が得られたことを発表した。

 本承認は、2013年1月25日付けのMackenzie Valley検討委員会(Mackenzie Valley Review Board)による環境評価報告書及び決定理由書に対するものであり、この承認により、鉱山開発に必要となる主たる許認可が確実なものとなり、さらに水利用ライセンス及び土地利用許可のプロセスの完了につながる。

 Fortune社は、2013年夏に建設準備に着手し、2014年に建設を開始したいとしている。

(2013. 7.19 バンクーバー 片山弘行) 目次へ
フィンランド: Talvivaara Mining社、2013年のニッケル生産目標を撤回

 Talvivaara Mining社は2013年7月19日、2013年Q2におけるTalvivaara鉱山の進捗状況を報告し、昨年の大雨により引き起こされた過剰な水が堆積場に残っており、ヒープリーチングによるニッケル生産の見通しが不明確であるとして、2013年のニッケル生産目標(1.8万t)を撤回すると発表した。一方、地下水位の上昇により2012年9月から停止していた鉱石採掘は2013年5月に再開し、7月には160万t/月の生産レベルに達した。なお、2013年H1のニッケル生産量は4,508 t、亜鉛生産量は7,593 tで、2013年H2には生産量の大幅な回復が見込まれている。

(2013. 7.22 ロンドン 北野由佳) 目次へ
キプロス:山東省発展改革委員会、祥光銅業のEMED社への増資を承認

 安泰科によれば、山東省発展改革委員会は、陽谷祥光銅業有限公司によるキプロスEMED社への増資プロジェクトを承認した。

 陽谷祥光銅業有限公司は、子会社である香港祥光国際持株有限公司を通じて産銅・金会社のキプロスEMED鉱業有限公司が発行する転換社債を引き受ける。債券期限は18ヵ月とする。取引完了後、陽谷祥光銅業有限公司はEMED社から17.8%の株式を取得することになる。

(2013. 7.16 北京 篠田邦彦) 目次へ
ザンビア: Sentinel銅鉱山、発電用ダムの建設再開を許可される

 2013年7月22日付けメディア報道によれば、First Quantum社が現在建設中のSentinel銅鉱山に関し、一時中断されていた発電用ダムの建設が再開した模様である。2013年5月、ザンビア政府は環境への懸念からChisola川に建設予定の発電用ダムに関し、建設の一時中断をFirst Quantum社に対し命じていたが、2013年7月18日付けでザンビア政府環境管理局(ZEMA)が建設再開を許可した。本鉱山はFirst Quantum社が100%の権益を保有しており、生産開始は2014年、年産量は銅300千tを予定している。

(2013. 7.22 ロンドン 小嶋吉広) 目次へ
マラウィ:Kanyikaニオブプロジェクトの契約交渉のため、政府が国際的な法律の専門家を雇用

 2013年7月19日付のメディア報道によると、マラウィ政府はGlobe Metals & Mining社(本社:Perth)のKanyikaニオブプロジェクトに関して、双方に利益のあるwin-win条件の契約を交渉するため、国際的な法の専門家複数名を雇用した。Kanyikaニオブプロジェクトは酸化ニオブ3,000 t/年及びタンタル150 t/年を生産予定であり、Globe Metals & Mining社は既に同プロジェクトの開発契約案をマラウィ政府に提出している。同政府は同プロジェクトに関するロイヤルティを5%、政府の権益持ち分比率(Local shareholding)を30%としたい意向であり、Globe Metals & Mining社との交渉を効果的に進めるために法の専門家が招かれた。

(2013. 7.22 ロンドン 北野由佳) 目次へ
シエラレオネ: 石炭鉱山開発等の費用として17億US$の投資受け入れに関し中国企業と合意

 2013年7月12日付けメディア報道によれば、中国を訪問したKoroma大統領は、石炭鉱山開発や港湾整備に向けた17億US$相当の投資受け入れについてKingho Groupと合意する他、首都Freetownでの新空港建設費として3億US$の支援を受けることとなった。Kingho Groupは中国最大の民間石炭会社であり、シエラレオネでは鉄鉱石やボーキサイトの探鉱を行っている。

 シエラレオネでは、African Minerals社と山東鉄鋼集団が権益を保有するTonkolili鉄鉱石鉱山が2011年より生産を開始しており、大統領は今回の合意によってTonkolili鉄鉱石鉱山の生産拡大に意欲を示している。

(2013. 7.22 ロンドン 小嶋吉広) 目次へ
コンゴ共和国: Mayoko-Moussondi鉄鉱石プロジェクトのScoping Study結果

 Equatorial Resources Ltdは2013年7月16日付けプレスリリースでMayoko-Moussondi鉄鉱石プロジェクトに係るScoping Study結果を発表した。それによれば、マインライフ23年、フル生産時の年産量2百万t、インフラ整備(鉄道、港湾)も含めた全体のCAPEXは231百万US$(鉱山のみは114百万US$)、OPEXはトン当たり41 US$、出荷する鉱石の平均品位はFe 64%となっている。生産開始はFDI(Final Investment Decision)から15ヶ月後を予定。

(2013. 7.22 ロンドン 小嶋吉広) 目次へ
南ア: Boikarabelo石炭プロジェクト、鉄道建設に向けた準備を開始

 Resource Generation社(本社:Sydney)は2013年7月18日、同社が南アWaterbergに有するBoikarabelo石炭プロジェクトに関して、鉱山と既存の鉄道ネットワークとを結ぶための38 kmの鉄道建設の準備を開始したと発表した。同社のPaul Jury MDは「鉄道建設はBoikarabelo鉱山の総建設に向けた重要な一歩である。」とコメントした。なお、Boikarabelo石炭プロジェクトにおける石炭の推定埋蔵量は7億4,480万tで、鉱山開発の第一段階(Stage1)では年間600万tの石炭生産を目標としている。

(2013. 7.22 ロンドン 北野由佳) 目次へ
豪:連邦裁判所、Tas州Tarkine地方の鉄鉱石プロジェクトの開発認可を覆す

 2013年7月18日付地元紙は、連邦裁判所はShree Minerals社(本社WA州パース近郊)がTAS州北西部Tarkine地方で進めるNelson Bay River鉄鉱石プロジェクト開発に対する認可を覆したと報じた。2012年12月、連邦政府はNelson Bay River鉄鉱石プロジェクトの開発を承認したが、その決定に対し自然保護団体‘Save the Tarkine’はShree Minerals社に対する訴訟を起こし、鉱山開発は絶滅の危機にあるタスマニアデビルに影響を与えると主張していた。TAS州エネルギー資源大臣は判決を‘administrative error’とし、それでもプロジェクトは進むだろうと述べ、新しい連邦の環境大臣Mark Butler氏にプロジェクトについて再考するよう求めると述べた。Lara GiddingsTAS州首相は、州政府は連邦裁判所の判決を再検討しShree Minerals社を支援していくと述べた。

(2013. 7.9 シドニー 栗原政臣) 目次へ
豪:貨物鉄道会社Aurizonのコスト削減計画

 2013年7月19日付け地元各紙は、貨物鉄道会社Aurizonが今後2年間で約2.3億A$のコスト削減を行う計画であることを伝えている。計画では資産売却及び人員削減等による1億A$のコスト削減と生産性向上による1.3億A$のコスト削減を予定しており、生産性向上には燃料費の低減による0.35億A$のコスト削減、人件費の圧縮による0.7億A$のコスト削減が含まれている。同社はこれまでの2年間で1,600人の人員削減を行っており今回のコスト削減計画で更なる人員削減を行う予定。

(2013. 7.20 シドニー 伊藤浩) 目次へ
豪:山東黄金、豪州の金鉱山生産中止へ

 安泰科によれば、山東黄金集団有限公司(以下、山東黄金)が2億2,500万A$ (約13億人民元に相当)の資金を豪州Focus Minerals社に投入したわずか7か月後、豪州Focus Minerals社は全ての金鉱山を閉鎖することを公表した。金の価格が史上最高値に達した時に実施した海外買収プロジェクトだが、今年以降、金価格は継続的に下落し、これは山東黄金にとって悪い結果となった。

 山東黄金がウェブサイトで公表した情報によると、2012年、山東黄金国際鉱業有限公司(以下“黄金国際”と略称する)が株式を保有するFocus Minerals社の金生産量は17万oz、探査権面積は1,600 ㎢である。山東黄金は黄金国際の65%の株式を保有しており、黄金国際は主に海外鉱物資源の開発事業を展開している。

(2013. 7.22 北京 篠田邦彦) 目次へ
豪:Glencore Xstrata、Ernest Henry銅・金鉱山からの磁鉄鉱生産を停止

 2013年7月16日付地元紙は、Glencore XstrataがQLD州Cloncurry近郊のErnest Henry銅・金鉱山における磁鉄鉱生産を2013年8月に停止すると報じた。輸送費と生産コストが高騰する一方で、鉄鉱石価格が下落している事が理由。Ernest Henry鉱山の広報担当者は、現在の鉄鉱石市場では(低品位鉱でありながら、競争力を失ってしまった状態の)磁鉄鉱を生産することは困難と述べている。磁鉄鉱プラントは、Ernest Henry鉱山の生産年数を延ばす事を目的に坑内採掘へと移行し、2011年6月に操業を開始した。これまで年間約1百万tの鉄鉱石精鉱が生産された。同設備は銅の増産プログラムで再利用される。磁鉄鉱プラントの閉鎖で12名の従業員が影響を受ける。

(2013. 7.23 シドニー 栗原政臣) 目次へ
豪:QLD州政府、EISプロセスを簡素化し資源セクターへの投資を改善

 2013年7月17日QLD州政府は政府ウェブサイトにて、Newman政権の資源閣僚委員会がQLD州への資源投資を促進するために規制を緩和し手続きを効率化すると発表した。今回の変更にはEIS(Environmental Impact Statement)プロセスの簡素化が含まれ、また地方政府、コミュニティ及び産業界が連携するのを助ける“Managing Impacts of Major Projects in Resource Communities”が紹介された。Jeff Seeney副首相兼州開発・インフラストラクチャー・計画大臣は、今回の変更によって環境に必要な事項を維持しながらプロセスを簡素化することで、企業は時間とコストを削減できると述べた。

 Association of Mining and Exploration Companies(AMEC)の地域マネージャーBernie Hogan氏は発表を歓迎し、今回の変更はコスト削減及び資源セクターへの投資増に寄与するだろうと述べた。

(2013. 7.23 シドニー 栗原政臣) 目次へ
豪:BHP Billiton、2012/2013年度生産実績を発表、WAIO鉄鉱石生産量は13年連続で過去最高を記録

 2013年7月17日、BHP Billitonは同社ウェブサイトにて2012/2013年度(2012年7月~2013年6月)生産実績を発表。WA州Pilbara地方におけるWestern Australia Iron Ore(WAIO)の鉄鉱石生産量は1.87億t(権益率100%換算、2011/2012年度は1.74億t)と13年連続で過去最高を記録したと報告した。2013年12月四半期(2013年10月~12月)にはJimblebar鉱山の生産開始が計画されており、WAIOの2013/2014年度生産量は2.07億t(同100%換算)まで増加すると予想している。その他のコモディティについては、以下の通り。

・ 銅:2012/2013年度生産量は前年度比10%増の1.2百万t。Escondida(チリ)の2012/2013年度生産量は鉱石品位上昇及び選鉱能率向上のため前年度比28%増の1.1百万t(同100%換算)。

・ 原料炭:2012/2013年度生産量は前年度比13%増の38百万t。QLD州における6月四半期(2013年4月~6月)生産量は前年同期比54%増加した。これは年間生産量では61百万t(100%換算)に相当する。

・ 一般炭:2012/2013年度生産量は前年度比3%増の73百万t。

・ 鉛:2012/2013年度生産量は前年度比11%減の21.4万t。Cannington鉱山(QLD州)の操業悪化が影響。

・ 亜鉛:2012/2013年度生産量は前年度比14%増の12.8万t。Antamina鉱山(ペルー)の拡張及び亜鉛高品位ゾーンの採掘が寄与。

・ ウラン:2012/2013年度生産量は前年度比6%増の4千t。Olympic Dam鉱山(SA州)における実収率の改善が寄与。

・ アルミナ:2012/2013年度生産量は前年度比18%増の4.9百万t。Worsley精錬所(WA州)のランプアップが寄与。

・ アルミニウム:2012/2013年度生産量は前年度比2%増の1.2百万t。

・ マンガン鉱石:2012/2013年度生産量は前年度比7%増の8.5百万t。GEMCO(NT準州)のプラント稼働率の改善が寄与。

・ マンガン合金:2012/2013年度生産量は前年度比1%増の61万t。前年度一時操業を停止し今年度再開したTEMCO(TAS州)の増産分はMetalloys(南アフリカ)の操業停止分に相殺された。

・ ニッケル:2012/2013年度生産量は前年度比2%減の15.4万t。Cerro Matoso(コロンビア)での生産量増加はNickel WestのKalgoorlie製錬所及びKwinana精錬所(ともにWA州)の計画的保守により相殺された。

(2013. 7.23 シドニー 栗原政臣) 目次へ
PNG:PNG政府、Glencore XstrataのFrieda River銅・金鉱山プロジェクトの取得を検討

 2013年7月19日付け地元紙は、PNG政府Byron Chan鉱山大臣がFrieda River銅・金プロジェクトについて、同政府が取得を検討していると表明したことを伝えている。同プロジェクトの開発規模は56億US$であり、Glencore Xstrataが権益の81.82%を保有、Highlands Pacific が権益の18.18%を保有している。同プロジェクトでは銅20.4万t/年、金30.5万oz/年の生産を見込んでおり、鉱山寿命は20年とされている。Byron Chan鉱山大臣は、PNG政府は鉱山開発の専門知識を有しているとともに、鉱山開発のパートナー及び資金拠出者としての経験を有していると発言。Glencore Xstrataの報道官は同プロジェクトについて現時点で持ち株の売却に関しては何の決定もなされていないと表明。

(2013. 7.20 シドニー 伊藤浩) 目次へ
イラン: 鉱業投資を拡大させる方針

 2013年7月20日付けメディア報道によれば、イラン鉱業開発振興機構(IMIDRO:Iranian Mines and Mining Industries Development and Renovation Organization)は、国内の探鉱促進に向け120百万US$の投資を行うとともに、鉱山の生産拡大を支援するため道路、電気等の80件のインフラ整備プロジェクトを推進することを明らかにした。鉱業生産拡大に当たっては、メジャー企業による投資を積極的に受け入れる方針を掲げている。

(2013. 7.22 ロンドン 小嶋吉広) 目次へ
インドネシア:興盛鉱業、100万tのチタン精製・粉末生産基地を建設する計画

 安泰科によれば、インドネシアのチタン精鉱輸出規制政策の影響を受け、山東興盛鉱業集団(以下、興盛鉱業)がインドネシアで投資建設するチタン精鉱プロジェクトが延期となった。国際政策の変更による影響から抜け出すため、興盛鉱業の李運徳理事長の話によると、山東省で100万tのチタン精製・粉末生産基地を建設する予定。

 インドネシア、ベトナムなどの国で、チタン精鉱への輸出規制政策がますます厳しくなる国際的背景の下、中国のチタン業界は大きな打撃を受けている。中国有色金属工業協会のチタン・ジルコン・ハフニウム部会と中国ペンキ工業協会二酸化チタン産業部会が2013年7月16日に開催した第1回中国チタン塩化技術及び原料実用フォーラムの円卓会議で、世界のチタン(塩化)原料の配置及び供給について協議を行った。

 李運徳理事長の話によると、同公司は、山東省でチタン原料生産基地を建設し、年間生産能力100万tのチタン精製・粉末生産基地を投資建設する予定で、山東日照港を輸出入の拠点とし、3年~5年間でチタン産業工業団地を築く。

 インドネシア政府は、2012年2月に公表した政策で、同年5月1日からチタン鉱石を含む14種の未加工金属鉱石の輸出禁止を実施するとしたが、その後採掘ライセンスを持つ鉱業企業に対し20%の輸出関税を徴収した後は輸出が可能となった。2014年からは未加工鉱石の輸出を全面的に禁止する予定。

 興盛鉱業も上述の政策の影響を受け、李運徳理事長の話によると、同公司がインドネシアで投資・建設したチタン鉱山で採掘されたチタン精鉱の最初の船便輸送が延期となった。

(2013. 7.19 北京 篠田邦彦) 目次へ
インドネシア:政府、鉱業ライセンス発行・管理方法変更の方針

 2013年7月6日付け地元報道によれば、インドネシア・エネルギー鉱物資源省は、鉱業ライセンス(IUP)の発行方法を変更する方針である。同省のThamrin Sihite鉱物石炭総局長が明らかにしたもので、これまで大部分が管理されない状態で地方政府がIUPの発行を実施してきたが、新鉱業法(2009年法第4号)の規定に従い、全ての鉱業区域(WP)でのIUP発行は、中央政府による管理の下、オークションを通じ行うこととし、中央政府は全体の管理・監督を行う。具体的には、オークションの実施及びIUPの発行自体は地方政府が実施することとなるが、中央政府は、情報システム(e-tracking System)を通じ、また、全国7地域に探鉱及び採掘活動を監督するための専門組織(Technical Implementation Unit:UPT)を設置し、IUPの管理・監督を行う。今回のIUP発行方法の変更は、現在大きな問題となっているIUPの乱発及び管理不十分による鉱区重複問題に対処する措置の一つとなる。

(2013. 7.22 ジャカルタ 高橋健一) 目次へ
インドネシア:IUPの適法認定(Clean & Clear)、454件が追加認定

 2013年7月19日付け地元報道によれば、インドネシア・エネルギー鉱物資源省は、鉱業ライセンス(IUP)の適法認定(Clean & Clear:CnC)に関し、9回目となるCnCリストを発表し、追加で454件のIUPがCnCと認定された。今回の追加認定により、全IUP10,884件中、CnC認定が5,957件、未認定が4,927件となった。今回追加された454件が正式に認定されるためには、各法令で定められている各種手数料の納付、報告書類の提出などを7月中に完了する必要がある。CnC認定は、これまで地方政府が発行してきたIUPの多くが法定書類未提出であったり、鉱区重複の問題が発生していたりしていたため、エネルギー鉱物資源省がその適法性を審査するもの。また、CnC認定は2012年5月から実施されている鉱物資源輸出許可取得のために必要なエネルギー鉱物資源省からの推薦状の発行条件の一つとなっている。

(2013. 7.22 ジャカルタ 高橋健一) 目次へ
インドネシア:政府の見込では、製錬所11か所が2014年中の操業開始予定

 2013年7月19日付け地元報道によれば、2014年1月からの未加工鉱石輸出禁止の施行が迫る中、インドネシア・エネルギー鉱物資源省は、2014年中に稼働開始予定である製錬所は11か所となる見込みを示した。具体的な製錬所名は明らかにしていない。また、同省のThamrin Sihite鉱物石炭総局長によれば、現時点で企業から同省に提出された製錬所建設計画件数は285件と多数に上っているが、その内、同省で評価を完了したのが23件のみに留まっているとしている。同省では、引き続き2014年1月から未加工鉱石輸出禁止する方針に変更は無いとしており、建設を開始している製錬所へは政府が鉱石の供給を保証する方針であることも示している。

(2013. 7.22 ジャカルタ 高橋健一) 目次へ
モンゴル:豪Haranga社、Selenge鉄鉱石プロジェクトF/S、2013年中に完了

 現地メディアによると、オーストラリア証券取引所に上場しているHaranga Resources社は、モンゴルでSelenge, Shavdal, Khundlun, Tumurtei Khudagなどの鉄鉱石プロジェクトを実施している。報道によるとSelengeプロジェクトのF/Sは2013年中に完了する模様。Haranga Resources社は鉱業省の鉱物資源委員会へ採掘許可を申請する予定である。2013年5月にSelengeプロジェクトエリアで平均品位が17.2%の2億5,400万tの鉄鉱石埋蔵量を確定したと発表していた。

(2013. 7.15 北京 篠田邦彦) 目次へ
モンゴル:Voyager Resources、Khul Morit銅プロジェクトの探鉱権を3年間延長

 現地メディアによると、豪Voyager Resources社はモンゴルのKhul Morit銅プロジェクトの探鉱権を3年間延長した。同社は南西モンゴルのBayankhongor県に位置するKhul Moritプロジェクトエリアで高品位の銅鉱石が存在すること期待し、最深部を中心に掘削する計画を立てていた。

(2013. 7.15 北京 篠田邦彦) 目次へ
中国:2013年1-6月の国内主要銅生産企業の銅カソード生産量、対前年同期比14.26%増

 安泰科によれば、国内主要銅カソード生産企業12社の2013年6月の合計生産量は37.8万tで、対前月比7.06%減少した。硫酸生産企業6社の生産量は87.17万tで、対前月比12.20%増加した。

 2013年1月~6月の主要銅カソード生産企業12社の生産量は226.43万tで、対前年同期比で14.26%増加した。その内訳をみると、江西銅業が26.72%、銅陵有色が23.31%、金川集団が16.05%、雲南銅業が8.76%をそれぞれ占めた。硫酸生産企業6社の硫酸生産量は498.0万tで、対前年同期比23.52%増加した。その内訳をみると、銅陵有色が36.89%、江西銅業が32.35%、金川集団が19.71%を占めた。

(2013. 7.15 北京 篠田邦彦) 目次へ
中国:宝鋼株式有限公司、攀承バナジウム業と2013年-2016年戦略協力協定を締結

 安泰科によれば、宝鋼株式有限公司は、北京攀承バナジウム業貿易有限公司と2013-2016年の長期戦略協力協定を締結した。両社は、バナジウム製品分野でより長期的かつ安定的な協力事業を目指している。北京攀承バナジウム業貿易有限公司は世界最大手のバナジウム製品供給企業で、2011年におけるバナジウム製品の世界市場占有率は30%以上であり、国内市場での占有率は60%以上に達する。同社は、攀枝花鉄鋼バナジウム・チタン有限公司及び河北鉄鋼株式有限公司による共同出資会社である。

(2013. 7.15 北京 篠田邦彦) 目次へ
中国:中鉄資源集団有限公司、年間1,500万tのモリブデン採掘許可権を取得

 安泰科によれば、国土資源部が開催した探査権・採掘権審査会議で、中鉄資源集団有限公司(以下、中鉄集団)は鉄力鹿鳴モリブデン鉱山の年間1,500万t鉱石採掘権の取得を承認された。

 黒竜江省に位置する鉄力鹿鳴モリブデン鉱山は超大規模鉱山であるが、もともとの設計生産能力はわずか100万t/年で、拡大する需要を十分に満たせなかった。2010年3月、中鉄集団が伊春鹿鳴鉱業有限公司の株式を保有した後、100億元を投資し、3~5年間で国内一流のクリーン鉱山の構築を計画した。そのうち第1期の採掘選鉱プロジェクトでは48億元を投資して、年間鉱石処理能力1,500万tの設備を新規増加する計画である。

 調査によると、8月末までに、同鉱山を稼動することができ、年間平均売上額は22億元以上、年間平均納税額は5.7億元である見込み。

(2013. 7.16 北京 篠田邦彦) 目次へ
中国:湖南省、重金属及びアンチモン採掘・選鉱企業に対する取り締まり特別活動を継続展開 

 安泰科によれば、2013年湖南省環境保護庁、省発展・改革委員会、省経済・情報化委員会、省司法庁、省住宅・城郷建設庁、省工商行政管理局及び省安全生産監督局は、省全体で違法排出企業への取り締まり・民衆の健康保証に関する環境保全特別活動を実施することを決定した。同時に「2013年違法汚染物排出企業への取締及び民衆の健康保証に関する特別活動計画案」(以下計画案と略称する)を公表した。

 同「計画案」に基づき、2013年11月までに、湖南省は大気汚染、廃水による地下水汚染などの環境違法問題及び医薬製造産業の環境違法行為を対象として調査し、同省内のエネルギー、化学工業、冶金、医療などの産業に属する企業が重要な調査対象になる。

 同「計画案」では、同省のアンチモン関連採掘・選鉱・製錬企業に対し全面的に整理を行い、アンチモン関連企業の環境保全法律の実施状況及び汚染物の排出状況について精査し、環境違法行為に対し法律に基づき調査し、取り締まりを行う。関連手続きをとらない違法企業及び汚染が深刻化する企業に対しては閉鎖を政府に進言し、アンチモン産業の構造調整を促進する。

(2013. 7.17 北京 篠田邦彦) 目次へ
中国:青河県哈腊蘇銅鉱山の第1期湿式銅製錬所が建設完了

 安泰科によれば、青河県哈腊蘇銅鉱山の採掘・選鉱プロジェクトは2期に分けて建設され、第1期の2,000 t/年湿式銅製錬プロジェクトと第2期の120万t/年の鉱石採掘・選鉱プロジェクトから構成される。第1期プロジェクトは投資総額5,000万元で、建設は既に完了した。2013年1~6月の銅板生産量は130 tで、年間鉱石処理量は30万tに達する規模で、銅板生産は1,000 tになる見込み。第2期の投資額は7億5,000万元で、同プロジェクトに対するF/Sを終えた。

(2013. 7.17 北京 篠田邦彦) 目次へ
中国:銀都鉱業、2013年上半期の生産量は安定的に増加

 安泰科によれば、盛達鉱業株式有限公司は2013年上半期報告書を提出した。報告によると、盛達鉱業の持株子会社である内モンゴル銀都鉱業有限責任公司(以下、銀都鉱業)が所有する鉱山の品位は国家基準を上回っており、可採鉱量、鉱山の既存生産能力及び継続可能生産能力に基づき計算した同鉱山のマインライフを14年としている。現在、比較的強い収益力を持っている。

 安泰科の調査によると、銀都鉱業の鉛亜鉛鉱石の埋蔵量は1,200万t、鉛亜鉛の品位は6.6%である。年間生産能力は90万t、2013年上半期の鉱石処理量は約41万tで、前年同期と比べ成長率は比較的安定している。

 銀都鉱業は、内モンゴル鉱業開発有限責任公司、甘粛盛達集団株式有限公司、赤峰克什克騰旗鑫宇鉱業有限公司及び赤峰紅燁投資公司が共同投資により設立した株式会社で、そのうち盛達鉱業が62.96%の株式を所有している。

(2013. 7.18 北京 篠田邦彦) 目次へ
中国:工業情報化部が新材料の標準化を促進、レアメタルに好機到来

 安泰科によれば、工業情報化部が、「新材料産業標準化事業3年行動計画」を発表した。同「計画」では、2015年までに、200項目の重要標準に関する改訂作業を完成し、300項目の新材料標準を立案または作成する。50項目の重要標準に対する予備研究を行い、第12次五ヵ年計画の中に挙げた400件の重要な新材料製品をカバーすることになる。

 今回、「新材料産業標準化事業3年行動計画」を公表することによって、新材料産業の標準化を促進し、更に新材料産業の発展を促進することができる。また、新材料産業の標準システムを確立・完備する。

 半導体材料、磁石材料、高性能超硬合金材料、リチウムイオン電池、レアアース、高熱合金材料、超伝導材料などレアメタル材料は、新材料産業の重要構成部分である。新材料産業と関連する品目から見ると、タングステン、コバルト、シリコン、ゲルマニウム、インジウム、ガリウム、テルル、ビスマス等多種のレアメタルが含まれている。

 2012年に、工業情報化部は「新材料産業第12次五ヵ年発展計画」を発表した。同「発展計画」では、第12次五ヵ年計画期間中に、中国の新材料産業の生産総額は2兆元に達し、年間平均成長率は25%以上となる見通しを明確に表明した。

 現在、タングステン、コバルト、シリコン、ゲルマニウム、インジウム、ガリウム、ビスマスのレアメタルは昆明泛亜有色非鉄金属取引所で上場している品目である。銀を除く、インジウム、ゲルマニウム、コバルト、タングステン、ガリウム、ビスマス、金属シリコンなどの9品目の取引量は既に世界第1位に躍進している。

(2013. 7.18 北京 篠田邦彦) 目次へ
中国:新疆和静で金鉱床を発見、資源埋蔵量は50 tに達する

 安泰科によれば、新疆地質鉱産局は、イリ河谷で埋蔵量53 tに達する超大規模金鉱床を発見した後、イリ河谷と隣接する和静県で資源埋蔵量50 tの金鉱床を発見した。

 新疆地質鉱産局の曾小剛局長の紹介によると、6年間の探査を通じ、新疆地質鉱産局傘下の第3地質隊が和静県の敦徳鉄鉱床の評価プロセス中に亜鉛、金が随伴共生していることを発見し、現在鉄資源1.87億t、亜鉛150万t、金50 tを獲得した。更に探査事業を進めることで、鉄、亜鉛及び金の資源量が増える可能性があり、潜在的な経済価値も1,000億元に達する見込み。

 現在、敦徳鉱区における探査事業は続いており、同時に選鉱場も建設中である。生産開始後には、支払税額は1億元以上になる見込み。

 2013年5月、新疆地質鉱産局は5年間の探査と評価を通じて、イリ河谷で金鉱床を発見し、金資源量53 t、推定資源量は100 t以上に達する可能性があり、潜在的な経済価値は200億元に達する見込み。現在まで、新疆の天山南部・北部で既に超大規模金鉱床4か所が発見されている。

(2013. 7.19 北京 篠田邦彦) 目次へ
中国:陝西省、金属スクラップ回収・製錬企業に対する放射性測定など監督管理に注力

 安泰科によれば、2013年、放射線環境特別検査活動を展開している中、陝西省環境保護庁は、金属スクラップの回収・製錬企業における放射線の安全性を検査の中心とし、各関連企業に監視設備を配備し、監視制度を整備することを求めた。金属スクラップを回収・製錬する前や製品を出荷する前に、放射線の監視測定を実施しなければならない。同作業を徹底的に実施するため、省環境保護庁の放射線ステーションが省内の金属スクラップ回収製錬企業の数及び放射線監視測定の関連状況を把握し、監視管理資料を作成する。

(2013. 7.19 北京 篠田邦彦) 目次へ
中国:コバルトリッチクラスト鉱区の探査権を取得

 安泰科によれば、中国は国際海底機構の許可により、西太平洋のコバルトリッチクラスト鉱区の排他的探査権を取得した。太平洋で任務執行中の中国科学考察隊によると、蛟竜号は8月末に同地域に赴き科学調査を展開する予定。

 国際海底機構は、2013年7月19日に中国太洋鉱産資源研究開発協会(太洋協会と略称する)が提出した西太平洋コバルトリッチクラスト鉱区への探査申請を承認した。中国は、3種類の主要国際海底鉱産資源に対し独占探査権を所有する最初の国である。

 19日に開かれた国際海底機構第19回総会で、理事会が中国の申請を許可した。同時に日本のコバルトリッチクラスト探査申請も許可したが、ロシア、イギリス、インド、シンガポールが異なる資源について提出した4か所の鉱区探査申請については来年度の審査に延期した。

 コバルトリッチクラストとは深海底に存在する鉱物資源のひとつで、コバルト、マンガン、ニッケル、銅などの元素を含み、主に鉄マンガン酸化物から構成され、海底800 m~4,000 mの海山の斜面や頂上などの岩盤を皮殻のように覆う。

 中国が今回取得した排他的探査権の鉱区は、コバルトリッチクラスト資源が最も豊富に分布する西太平洋の海山地域に位置し、面積は3,000 ㎢である。

(2013. 7.22 北京 篠田邦彦) 目次へ
おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

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