報告書&レポート
アフリカにおける投資環境の現状 ―INDABA2005(アフリカ鉱山投資会議)報告―
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2月8日から10日までの3日間、南アフリカ共和国ケープタウンで「アフリカ鉱業投資会議(INDABA2005)」が開催され、地元鉱山企業、世界の鉱業・金融機関、アフリカ政府関係者など約900名が参加した。INDABAは、アフリカ最大の鉱業関係会議であり、南アフリカ共和国の民主化10周年を迎える今年で10回目を数える。 |
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INDABA2005会議報告
- Albidon社とWMCが南マラウィで銅、ニッケル、PGMを対象に空中物理探査を実施。
- Lisungwi Minerals Resources(英)が、中央南部のKuk山脈地域で金、PGM、ベースメタルの探査を実施。
- 西部:白金、ニッケル、リチウム、銅、亜鉛、鉛、クロム、チタン、バナジウム
- 北部:鉛、亜鉛
- 南部:金、銀、鉛、亜鉛、銅
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南アフリカ共和国によるBEE投資促進
- プラチナ:既存鉱山や新規プロジェクトについて株式購入による事業への参画
- 石炭:鉱山設備の新設や拡張への投資
- 鉄鉱石:既存所有権の拡大
- フェロクロム・フェロアロイ:既存鉱山や新規プロジェクトへの株式購入への参画
- ダイヤモンド:鉱業憲章の要求する事象が起こった場合
- 銅-コバルト:新規プロジェクトへの参入
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おわりに
今回のセッションは、アフリカ各国の鉱業大臣等による投資促進のための鉱業政策紹介、アフリカを舞台とするメタル企業の探鉱活動状況、アフリカの投資環境に係る法整備や鉱山経営におけるリスクマネージメントに関する報告などが主であった。3日間のうち、前半はメジャー企業、PGM関連企業、金融機関等、投資・進出側が多く講演し、新進ジュニア企業、アフリカ鉱業国及びBEEの紹介等はプログラムの後半に行われた。主な参加機関は以下のとおり。
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| (1) | 各国政府関係者による基調講演又は鉱業事情紹介 | ||||||||||||||||||||
| 探鉱投資額の多い南アフリカ共和国、モーリタニア、コンゴ民主共和国では鉱業政策及びプロジェクト事例について具体的な紹介があったものの、治安や政情不安、法整備の遅れ見られる国々は、講演内容に具体性が薄く同じような改善目標項目の紹介があるのみで、国毎の投資事情の濃淡が伺われるものであった。 | |||||||||||||||||||||
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| (2) | 鉱山企業による経営方針及び探鉱・開発状況の紹介 | ||||||||||||||||||||
| 既にアフリカで事業を営んでいるメジャー企業の講演では、探鉱・開発状況の話題よりもむしろ、財務体質の健全さ、CSRマネージメント、労働安全衛生への取り組み、地域社会への貢献、BEE方針、さらにリスクマネージメントといった経営方針を強調していた。一方ジュニア企業は、既知鉱体の周辺での探鉱開発活動の紹介が主であり、投資家向けという点では対照的であった。 | |||||||||||||||||||||
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| (3) | 投資環境に係るリスクの現状の紹介 | ||||||||||||||||||||
| アフリカで鉱業活動を行う企業へのコンサルタント経験が豊富なリスク管理会社より、アフリカにおける事業及び投資リスクの現状が報告された。 | |||||||||||||||||||||
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BEE(黒人への経済権限付与)は、南アフリカ共和国経済界の目標として掲げられ、産業界毎に目標などが制定されている。最初にターゲットとなったのは鉱業界であり、いくつかの数値目標が憲章として既に合意され、発効から5年以内に全ての稼行プロジェクトについてBEEパートナーへ15%のシェア、10年以内に27%のシェアを義務づけるとしている。BEEの促進は鉱業界の次に金融界、そして農業が続いているが、金融界では鉱業憲章のように得点表による法的規制はないものの、黒人の人材開発、黒人企業からの各種調達の推進、黒人企業支援、黒人低所得者に対する金融サービスへのアクセス確保、株主構成の黒人・黒人企業への分散化といった課題に対してベストプラクティスが求められるというものである。
南アフリカ共和国が関与する投資会社であるInternational Development Corporation(IDC)は、外資のBEEパートナーとして最も実績を有する企業の一つである。同社最高執行責任者のGert Gouws氏は、歴史的に不利な状況に置かれた南アフリカ人(HDSAs)というのは、過去に限定した狭義のものであり一部の黒人を指すものではなく、現状において経済的に不利な状況に置かれているとされる全ての黒人を対象とする広義の概念であると説明。既に鉱業憲章では、5年以内に全ての稼行鉱山にBEEパートナーへ15%(10年以内に27%)の経営参加を義務づけるよう目標値が設定されている。IDCの鉱業セクターへの投資は、この10年間で417百万USドル、全産業への投資のうち25.5%に相当するとのこと。
さらに、IDCでは鉱業セクターへのBEE投資に際し、鉱種別に参画戦略を策定しており、以下のとおり、現状ではメジャー企業が既に権益を確保済みの分野への参画を狙っている。
アフリカは資源埋蔵ポテンシャルが高いと言われる一方で偏在性が指摘されており、且つ政治及び安全保障環境の未整備から、一部の地域を除いては探鉱投資があまりなされていなかった。最近になり、治安状況の回復、銅、ニッケル、PGMの需要増、金属価格の上昇による探鉱投資の増加などから、多くの海外探査関連企業が投資機会をうかがっている状況が見て取れる。一方、受け入れ側の各国政府の鉱業投資環境の整備状況には大きく開きがあり、投資センターの開設、法規制の改善など、域内での投資を促す経済的誘因を具体的に整備している国と、そのプランのみに留まっている国との差が明確に分かれ、その差は会議場の聴衆数にも反映されていた。
また、探鉱開発企業、金融機関関係者によれば、BEEは南アへの鉱業投資における企業の社会的責任として当然負担すべきコストとして前向きに捉える向きが示され、同時に政府機関に対し倫理的な統治責任を求めたいとの見解も聞かれた。ジュニア探鉱会社の講演の中で、10年前のようにアフリカを一括りに捉えるのではなく、国毎に独自の機会とリスクを併せ持つことに留意しつつ投資活動を行っていきたいとのコメントが印象的であった。


