報告書&レポート
豪州NSW州Northparkes鉱山、Endeavor鉱山の現地調査報告
| オーストラリアは、鉱石の生産量において亜鉛が世界第2位、銅が生産量が世界第4位、金が世界第2位の主要非鉄金属生産国である。その中で、ニューサウスウェルズ州は、金、亜鉛、銅鉱石の生産で上位を占めている。 今回、NSW州を代表するNorthparkes銅・金鉱山、Endeavor亜鉛鉱山を訪問する機会に恵まれたので、その訪問内容について報告する。 なお、Northparkes銅・金鉱山はブロックケービング法を、Endeavor亜鉛鉱山はバックフィル法を用いた坑内掘鉱山としてオーストラリアでもユニークな存在である。 |
1. ニューサウスウェルズ州の鉱業生産
金は、28t(2003/2004年、金量)(2004/2005年は30t)でオーストラリア全体の約10%を占め、西オーストラリア州に次いでオーストラリア第2位、銅鉱石は、16.3万t(2003/2004年、銅量)で全体の約20%を占め、クィーンズランド州、南オーストラリア州に次いで第3位を占めている。
亜鉛鉱石と鉛鉱石は、それぞれ22.5万t(2003/2004年、亜鉛量)で全体の約17%、10.5万t(2003/2004年、鉛量)で全体の約16%を占め、クィーンズランド州についで第2位を占めている。
(参照 図1、表1、表2)
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図1ニューサウスウェルズ州の鉱業生産シェア(2003/2004)
出典:2003-2004 Australian Mineral Statistics, ABARE, March Quarter 2005
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出典:Mineral Commodity Summaries 2005
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出典:Mineral Commodity Summaries 2005
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2. Northparkes銅・金鉱山
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位 置:
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ニューサウスウェルズ州Goonumbia(Parkes の北北西18km)(図2) |
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鉱 種:
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銅・金 |
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採鉱方法:
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露天掘・坑内掘(ブロックケービング) |
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権 益:
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Rio Tinto Limited 80.00%、住友金属鉱山 13.3%、住友商事 6.7% |
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沿 革:
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1994年に操業開始、当初、E22鉱体とE27鉱体で露天掘を行うが採掘終了。1997年よりE26鉱体にて坑内掘(ブロックケービング)を行っている。銅精鉱の67%は長期契約による日本向け、14%がオーストラリア国内、19%がその他となっている。従業員は約190名。2004年よりE26鉱体の深部(Lift2)からの生産を開始。銅鉱石と低品位金鉱石を採掘中。 |
(1) 探鉱・操業の状況
| 地質: | 母岩は、Monzonite斑岩で、鉱床は、パイプ状のポーフィリー銅・金鉱床。鉱石は斑銅鉱、黄銅鉱の硫化鉱で、金は斑銅鉱に随伴。平均品位、Cu 1.2%、Au 0.5g/t、Ag 2.5g/t。 |
| 採鉱: | 採掘法に豪州で初めてのブロックケービング法(鉱体を鉱画に分けて下透かしを行い、自然崩落させ、さらにその下部のドローポイントから引き抜く)を採用し、坑内掘では世界でトップレベルの生産性を誇る。 |
| 選鉱: | 当初、酸化銅鉱の処理、1995年から斑銅鉱・黄銅鉱の処理、硫化鉱の伝統的浮選。約5.5百万t/年処理し、130千tの銅精鉱を産出する。 |
| 探鉱: | E48の探鉱は概ね終了。今後は、E22&E27北部のE50及びKundibah地区の探査、E22&E27の東部のGRP314の探査を予定。 |
(2) 最近の話題
E26とE22&E27鉱体の中間に位置するE48鉱体について、探鉱をほぼ終了して、フィジビリティ調査段階。E26の立坑と坑内坑道を活用して開発し、2009年から2017年にかけて生産予定。鉱量は、62.5百万t、品位はCu 0.97%、Au 0.49g/tの見込み。
3. Endeavor亜鉛鉱山
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位 置:
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ニューサウスウェルズ州(Cobarの北西47km)(図2) |
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鉱 種:
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鉛・亜鉛・銀 |
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採鉱方法:
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坑内掘 |
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権 益:
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CBH Resources Limited(東邦亜鉛24.62%) Coeur d’Alene Mines Corporation(銀に関する100%権益) |
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沿 革:
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Endeavor鉱山は、Korean Zinc社、Pasminco社などを経て2003年9月よりCBH社の100%所有となる。
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図2 鉱山位置図
(1) 探鉱・操業の状況
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地質:
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コバ・ベーズンの珪化シルト岩が母岩。鉱床は塊状の硫化鉱体で、閃亜鉛鉱、方鉛鉱、 磁硫鉄鉱等を産出。 |
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採鉱:
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鉱床の形状は円筒状であリ、前身のPasminco社はOpen Stoping法で採掘し、後に尾鉱で充填するBackfill Stoping法に移行。CBHは、セメントをつなぎに使うPaste Backfillシステムを採用、これにより、ピラーの回収が効率的にできるようになった。ペースト充填設備は2005年6月に稼動し、2つの採掘区域に供給されている。 |
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選鉱:
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鉱石をボールミルで磨鉱した後、Znを浮選で回収している。能力は1.4百万t/年。 |
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探鉱:
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現在、採掘中の鉱床の下部にも鉱床が確認されており、現在400mまである立坑を700m延長して、1,100mとする計画。 |
(2) 最近の話題
CBH社は、2005年4月、Endeavor亜鉛-鉛-銀鉱山の銀資源を1,770万ozを上限に5,000豪ドルにてCoeur d’Alene Mine Corp社に売却すると発表。
Coeur d’Alene社は、この銀売却によって既存の生産、販売網を利用して探鉱・開発リスクを回避しつつ、Endeavor鉱山の銀資源を取得し、CBH社は、Endeavor亜鉛-鉛-銀鉱山の低コストによる深部開発と、Broken Hillでの資源量の獲得、西豪州のSulphur Springs銅-亜鉛鉱床プロジェクトへの投資へ資金を向けることが出来る利点がある。
4. おわりに
今回、飛行機と車を乗り継いで鉱山を訪問したが、同じNSW州内とは言え、かなり遠いというイメージである。当該鉱山では近くの町に社宅があるとのことであるが、豪州では、フライイン・フライアウトという週交替で従業員を空輸するという方式が普及し始めているというのも理解できる。
Northparkes鉱山の坑内は、非常にきれいで、ISO14001を取得しており、坑内現場も含めて取得されているというのが驚きである。また、斜坑(人道)の下盤がコンクリートで舗装したかのようにフラットになっているのが印象的であり、採掘場では、LHDの作業効率の向上に大きく貢献している。
現在、金、銅、亜鉛等金属価格の高値と中国経済成長を中心とした需要増に支えられ、豪州鉱業は好調であり、Northparkes鉱山は新規のE48鉱体、Endeavor鉱山は深部開発と、両鉱山とも探鉱・開発意欲と活気にあふれている。








