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オーストラリア鉱物資源の短・中期需給見通し-オーストラリア農業資源経済局の2006/2007~2011/2012年度鉱物資源需給予測-
オーストラリア農業資源経済局(ABARE ; Australia Bureau of Agricultural and Resources Economics)は、3月6日、オーストラリアの鉱物資源輸出額が2008/2009年度にピークを迎え、その後2011/2012年度までに2006/2007年度の水準まで下がることなどを内容とする鉱物資源の短期・中期予測(short/medium term commodity outlook)を発表した。 本稿は、このABAREの短期・中期予測の概要を報告する。 |
1. はじめに
ABAREは、2007年世界経済は対前年4.3%、中期的(2012年まで)には対前年3.9%の成長率を続け*1、一方、中国は2007年が対前年9.5%、中期的には対前年平均8%の高い経済成長率を維持して鉱物資源需要の重要な位置を占め続けると予測している*2。また、オーストラリア経済は、2006/2007年度が対前年2.5%、2007/2008年度が対前年3.75%、2011/2012年度(中期的)までは対前年3.0%前後の経済成長を維持するとの予測のもと鉱物資源の価格及び需給予測を行っている*3。
*1 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p5
*2 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p11, p12
*3 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p5
2. 全体需給予測
オーストラリアの2006/2007年度の鉱物資源輸出額*は、金属価格高騰の影響が大きく対前年16.8%増加の1,077億A$に達すると予測、中期的には2008/2009年度まで増加した後、エネルギー鉱物資源輸出額は増加を続けるものの鉱物資源全体としては徐々に減少して2011/2012年度には2006/2007年度をわずかに上回る水準の1,084億A$程度(金属・非金属鉱物670億A$、エネルギー414億A$)になると予測している*4。
* エネルギー鉱物資源を含む
*4 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p20
3. 各鉱種の需給予測
(1) 銅
平均価格は、2007年は対前年18%下降の5,550US$/tと予測、中期的には地金生産が消費を上回り在庫が増加するものの大規模プロジェクト不在などから下げ止まり、2012年には2006年に達した高水準の半分程度(3,000US$/t台)となると予測している*5。
世界の銅生産は、2007年はCero Verde鉱山(ペルー)の増産(14,500t増加)・コンゴ共和国・米国における小規模鉱山の生産開始により6%増加の16.1百万tと予測、中長期的には鉱石生産は堅調で、チリ・アフリカ・アジアでの小規模プロジェクトなどにより2006年から2012年までの間に36%増加の20.6百万t程度に達すると予測している*6。
オーストラリアの鉱石生産は、2006/2007年度はTalanga(クィーンズランド州、生産能力 銅量20,000t/年)、Enterprise-Northern 3500鉱体(クィーンズランド州、22,000t/年)・Browns Oxide(北部準州、10,000t/年)・Jaguar(西オーストラリア州、9,600t/年)など各鉱山の生産開始により前年度1%増加の939,000tと予測、中期的にはErnest Henry鉱山(クィーンズランド州、生産能力120,000t/年)が2010年に閉山予定であるが、新規プロジェクトの生産開始により2011/2012年度まで平均年間7%増加して1.35百万tに達すると予測している。主要プロジェクトには、2008年生産開始見込みProminent Hill(南オーストラリア州、104,000t/年)・Einasleigh(クィーンズランド州、15,000-25,000t/年)・Cloncurry(クィーンズランド州、15,000-20,000t/年)、2009年にはCopper Hill(ニューサウスウェルズ州、32,000t)・Kanmantoo(南オーストラリア州、14,000-19,000t/年)などの鉱山に開発の可能性がある*7。
オーストラリアの地金生産は、2006/2007年度はOlympic Dam製錬所の減少分をTownsville製錬所の拡張(クィーンズランド州、20,000t/年)・Leichhardtプラント(10,000tカソード/年)の増加分が相殺して1%減少の460,000tと予測している*8。
輸出額は、2006/2007年度は価格高騰の影響から対前年13%増加の64億A$、中期的には価格低下を輸出量増加が相殺して2009/2010年度に71億A$とピークに達し、以後、生産量減少と輸出量の頭打ちによって2011/2012年度には55億A$程度となると予測している*9。
銅の生産量、輸出量シェア
*5 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p146, p147
*6 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p148
*7 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p150, p151
*8 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p150
*9 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p146, p151
(2) 亜鉛
平均価格は、2007年はアジアを中心に需要に供給が追いつかない状況が続くことから対前年7%上昇の3,500US$/tと予測、中期的には供給が需要に追いつき価格は弱含みとなり2012年には1,670$/t程度まで低下すると予測している*10。
世界の亜鉛生産は、2007年は既存鉱山の拡張や南米などの新規プロジェクトにより6%増加の11.3百万tと予測、探鉱支出も増加している。中期的にはカナダ・メキシコ・ロシア・インドネシアやその他小規模プロジェクト、既存鉱山の拡張により2012年までには13.9百万t程度まで増加すると予測、更に中長期的にはアフリカの生産が伸びる可能性があると指摘している*11。
オーストラリアの鉱石生産は、2006/2007年度はMt Isa鉱山(クィーンズランド州)拡張(75,000t/年増加)・Golden Grove鉱山(西オーストラリア州、141,000t/年)の生産開始がその他鉱山の減少を相殺して前年度並みの1.38百万tと予測、中期的には新規プロジェクトにより毎年9%程度増加して2011/2012年度には2.2百万tに達すると予測している。主要プロジェクトには、2009/2010年度にLady Loretta(クィーンズランド州、生産能力125,000t/年)・Lennard Shelf(西オーストラリア州、70,000t/年)・Jaguar(西オーストラリア州、38,000t/年) Angas (南オーストラリア州、31,000t/年)・Flinders(南オーストラリア州、36,000t/年)、また、2015年頃に閉山予定のCentury鉱山(クィーンズランド州、515,000t/年)に代わりに立ち上がるDugald River(クィーンズランド州、200,000t/年)がある*12。
輸出量(精鉱と鉱石)は2006/2007年度は対前年3.6%増加の188.7万t、輸出額は金属価格の急騰の影響で68%増加の42億A$に達すると予測、中期的には輸出量は堅調な伸びが期待できるものの価格が軟化することから2011/2012年度には32億A$程度になると予測している*13。
亜鉛の生産量、輸出量シェア
*10 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p152
*11 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p154, p155
*12 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p152, p156
*13 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p156
(3) ニッケル
平均価格は、2007年は中国・インドを中心とした堅調な需要、生産能力不足、ストライキなど生産障害の懸念など需給の逼迫から対前年52%上昇の36,750US$/tと予測、中期的にはラテライトニッケルの開発が進み生産コストが上昇するものの価格は高い水準(12,000US$/t以上)を維持と予測している*14。
世界のニッケル生産量は、2007年は6.2%増加の143.3万t、2008年までは新規大規模プロジェクトの生産開始がなく横ばいと予測、中期的にはGoro(ニューカレドニア、CVRD/Inco社、60,000t/年)・Ravensthrope(西オーストラリア州、50,000t/年)・Koniambo(ニューカレドニア、60,000t/年)などの生産開始により2012年には194.8万tに達すると予測している*15。
オーストラリアの鉱石生産は、2006/2007年度が対前年度10%増加の202千tと予測、中期的には、Waterloo(生産能力4,000t/年)・Black Swan (13,000t/年)・Forrestania (8,000t/年)・Ravensthrope (50,000t/年)・Sherlock Bay(12,000t/年)・Sally Malay(19,000t/年)(以上は西オーストラリア州)・Avebury(タスマニア州、8,000t/年)など新規プロジェクトの生産開始・拡張完了・生産能力到達により2011/12年度までには38.5万t/年に達すると予測している*16。
ニッケル地金生産は、2006/2007年度はMurrin Murrin・Kwinana・Yabuluニッケル精錬所の生産増加により12%増加の12.4万tと予測、中期的には生産量は増加して2009/2010年度には18.2万tに達しその後は横ばいと予測している*17。
輸出量は、2006/2007年度は対前年11%増加の22.4万t、輸出額は約2倍に急騰した価格の影響で139%増加の84.1億A$に達すると予測、中期的には、輸出額は2008/2009年度にピークに達した後2011/2012年度には2006/2007年度の水準から20%程度減少して62億A$程度になると予測している*18。
* ニッケル輸出:金属純分、精鉱、中間製品、地金を含む
ニッケルの生産量、輸出量シェア
*14 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p140
*15 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p141, p143
*16 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p141, p145
*17 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p141, p145
*18 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p141, p145
(4) 金
平均価格は、2007年は堅調な需要、米国金利見通し等から対前年11%上昇の670US$/ozと予測、中期的には価格は緩やかに軟化と予測している*19。
世界の金生産は、2007年はオーストラリア・米国・ペルーでの増加が南アフリカの減産を相殺して2.8%増加の2,531tと予測、中期的には緩やかに増加傾向にあり、昨今の価格上昇が初期探鉱を後押ししていると指摘している。2008年までの新規大規模プロジェクトにはKittila(フィンランド、150,000oz/年)・Hidden Valley(PNG、250,000oz/年)などがある*20。
オーストラリアの金生産は、2006/2007年度はCadia Hill鉱山(ニューサウスウェルズ州)の生産増加・Lavertonプロジェクト(西オーストラリア州)の生産開始などにより対前年度2%増加の255tと予測、中期的には、2009年にProminent Hill鉱山(南オーストラリア州、110,000oz/年)が生産開始・Boddingto鉱山(西オーストラリア州)・Ridgeway Deep鉱床及びCadia Hill East鉱床(ニューサウスウェルズ州)の拡張が生産増加に寄与し、2009/10年度には335tに達すると予測している*21。
輸出額は、2006/07年度は価格高騰と生産増加により対前年30%増加の92億A$、中期的には113億A$(2011/12年度)程度と予測している*、*22。
金の生産量、輸出量シェア
* 金の国内生産量を輸出量が上回るのは、オーストラリア国外からの原料輸入があるため。
*19 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p125
*20 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p126, p127
*21 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p128, p130, p131
*22 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p131
(5) アルミニウム
アルミニウムの平均価格は、2007年の価格高騰に対応した供給及び在庫増加により対前年度8%下降の2,350US$/tと予測、中期的にも価格の下降傾向は続いて2012年には1,500US$/t程度まで低下すると予測している*23。
世界のアルミニウム生産は、2007年はロシアやアイスランドでの生産能力拡張により対前年8%増加の36.5百万tと予測、中期的には毎年6%程度増加して2012年には47百万tに達すると予測している*24。
オーストラリアの2006/2007年度生産量は製錬所の能力拡大はなく横ばい、中期的にはPortland(ビクトリア州)・Kurri Kurri(ニューサウスウェルズ州)両製錬所の拡張・Rusal社の新規製錬所建設(クィーンズランド州)計画はあるものの、天然ガスや水力などによる電力の低コスト化が期待できるPNGが製錬所新設の競争相手となる可能性があることなど、先行き不透明な要素があり生産量に大きな変化はないと予測している*25。
輸出額は、輸出量の増加と価格により15%増加して55億A$に達すると予測、中期的には輸出価格の下落から2011/2012年度には2006/2007年度の3分の2程度の37億A$まで減少すると予測している*26。
アルミニウムの生産量、輸出量シェア
*23 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p132, 133
*24 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p135
*25 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p138
*26 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p138
(6) アルミナ
アルミナ平均価格は、2007年は中国・インド・ギリシアの生産増加もあり2006年の半分程度の236US$/tに下降すると予測、中期的にも同様の水準で推移して2011/12年度には212US$/t程度と予測している*27。
オーストラリアのアルミナ生産量は、2006/2007年度はGove精錬所拡張(北部準州、1.8百万t/年)などにより前年%6増加の19百万tと予測、中期的にはWorsley精錬所拡張(西オーストラリア州)やCHALCO社新規精錬所建設計画(クィーンズランド州、2.1百万t/年)などにより2012年には22百万t程度と予測している*28。
輸出額は、2006/2007年度は輸出量増加により22%増加の64億A$に達すると予測、中期的には輸出価格が下降して2011/2012年度に52億A$程度となると予測している*29。
*27 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p139
*28 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p139
*29 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p138
(7) ウラン
ウランの平均価格は、2006年は対前年73%上昇の49.30US$/lb U3O8であったが、2007年は供給は増加するものの二次ウラン資源(軍事用からの転用等)の供給減少と発電所需要の伸びから対前年度91%上昇の94.2US$/lb U3O8と予測、中期的には2008年に103US$/lb U3O8のピークに達した後は、カザフスタンからの供給増加等により数10US$/lbに落ち着くと予測している*30。
世界のウラン生産は、2007年はアフリカ・カザフスタンでの増産により対前年17%増加の55,100t U3O8と予測、中期的にもカザフスタン・カナダ・アフリカの増産により年間平均9%増加して2012年には78,000t U3O8に達すると予測している*31。
オーストラリアのウラン生産は、2006/2007年度は既存のOlympic Dam鉱山(南オーストラリア州)・Ranger鉱山(北部準州)の増産により対前年4%増加の10,400t U3O8と予測、2007/2008年度は新規鉱山Honeymoonの生産開始(南オーストラリア州、400t U3O8/年)やRanger鉱山拡張(400t U3O8/年追加)により11,500t U3O8に達すると予測している。中期的には新規ウラン鉱山開発を禁止する各州政府の政策変更があれば、Valhalla・Ben Lomond(クィーンズランド州)・Mount Gee(南オーストラリア州)・Lake Way・Centipede(西オーストラリア州)などが開発・生産の可能性や2013年のOlympic Dam鉱山が現在の3倍の15,000t U3O8/年規模の拡張計画がある*32。
輸出額は、2006/2007年度は価格高騰と増産により対前年33%増加の726百万A$、中期的には増産と売買契約の価格見直しにより14億A$(2011/2012年度)に達すると予測*33。
ウランの生産量、輸出量シェア
*30 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p101
*31 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p104, p105
*32 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p109, p110
*33 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p110
(8) 鉄鉱石
オーストラリアの鉄鉱石生産は、2006/2007年度は対前年度13.6%増加の299.7百万t、2007/2008年度は鉄道・港湾施設の能力向上を含む鉄鉱山の拡張の効果から対前年度8%増加の324.1百万tと予測、中期的には鉄鉱山の生産能力増強の効果により2011/2012年度には対2005/2006年度177百万t増加の440.5百万t(世界の鉄鉱石輸出量の37%)に達すると予測している*34。
輸出量は、2006/2007年度は対前年14.8%増加の274.8百万t、輸出額は2006/2007年度は176億A$と予測、中期的には輸出量は毎年9%程度増加して2011/2012年度には対2005/2006年度165百万t増加の405.0百万t、輸出額は2007/2008年度が200億A$、2011/2012年度には220億A$程度に達すると予測している*35。
鉄鉱石の生産量、輸出量シェア
* dltu:dry long ton unit
*34 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p118
*35 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p118, p119
(9) 石炭(原料炭)
オーストラリアの原料炭生産は、2006/2007年度は前年度並みの131.8百万tと予測、中期的には新規開発・既存炭鉱の拡張により2011/2012年度には対2005/2006年度26百万t増加の159.2百万tに達すると予測している*36。
輸出量は、2006/2007年度は126.6百万t、輸出額は2006/2007年度が150億A$と予測、中期的には輸出量は毎年数%増加して2011/2012年度には対2005/2006年度32.7百万t増加の153.9百万t、輸出額は価格の軟化によって横ばいかやや減少して2011/2012年度には155億A$程度となると予測している*37。
石炭(原料炭)の生産量、輸出量シェア
*36 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p118
*37 ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007, p118, p121
4. おわりに
鉱物資源需要は短・中期的に堅調に推移するが、価格は短期的には現状の高水準を維持するものの中期的には下降した水準に落ち着くとみられている。オーストラリアの鉱物資源生産能力は、現状の旺盛な需要に対応して新規開発及び既存施設の拡張プロジェクトが一定のリードタイムの後、短~中期的にその効果が現れるため増加傾向にある。中期的には価格下降分を生産・輸出量が相殺してオーストラリアの輸出額は緩やかに減少すると予測している。
近年の金属価格高騰が大方の予測を超える急激なものであったように、高値を続けた後の金属価格の落ちどころと供給サイドへ与えるインパクトどの程度のものとなるかがオーストラリア鉱業の最大の関心事であると言えよう。
参考文献
The Australian Financial Review, 07/03/2007,“Resource Price at Risk”
ABARE, Australian Commodities, Vol.14, No.1 March Quarter 2007
ABARE, Australian Commodities, Vol.13, No.4 December Quarter 2006