報告書&レポート
中国政府、またもや輸出増値税還付率を調整-2007年7月1日から
財政部、国家税務総局は国務院の承認を経て、国家発展計画委員会、商務部、税関総署と連携して「一部の商品に関する輸出増値税還付率の引き下げに関する通達」財税「2007」90号を2006年6月19日に公布した。通達の狙いは① 輸出の急激な増加の抑制、② 中国の貿易黒字がもたらす問題点の緩和、③ 輸出商品構成の改善、④ エネルギー消費量、環境負荷が高い商品、資源性商品の輸出の抑制、⑤ 対外貿易成長モデルの転換と輸出入のバランスの促進、⑥ 貿易摩擦の軽減、⑦ 経済成長モデルの転換と社会・経済の持続可能な発展の促進などで、対象品目は輸出増値税還付率を取り消す品目が553品目、輸出増値税還付率を引き下げる品目が2,268品目である。 非鉄金属製品で輸出増値税還付率を取り消された主な製品はアルミニウムの棒・形材・線材などの8品目である。また、輸出増値税還付率を引き下げられた品目は、鉛、亜鉛、ニッケル、錫、タングステン、タンタル、マグネシウム、コバルト、ビスマス、カドミウム、チタン、ジルコン、マンガンなど他品目の加工製品が対象とされている。なお、非鉄金属製品の輸出増値税還付率が大幅に調整されたのは2006年9月15日以来である。 通達では輸出増値税還付率の施行日時については、輸出企業が7月1日以前に当該商品の船舶輸出契約を締結していた場合は、7月20日までに同契約書を税関に報告・登録すれば現行の還付率が適用されるとしている。 本稿では通達の詳細と輸出増値税還付率を取り消し及び引き下げられた主な非鉄金属製品のリストを紹介する。 財政部と国家税務総局による一部の商品に関する輸出増値税還付率の引き下げに関する通達 財税「2007」90号 各省、自治区、直轄市、計画単列市財政庁(局)、国家税務局: 国務院の承認を得て、一部の商品の輸出増値税還付率を調整する。ここに関連する事項について以下のとおり通達する。 |
一、以下の商品の輸出増値税還付を取り消す
(1)
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絶滅の危機に瀕する動物、植物及びその製品 |
(2)
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塩、溶剤油、セメント、液化プロパン、液化ブタン、液化石油ガスなどの鉱産品 |
(3)
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肥料 (既に輸出増値税還付を取り消した尿素と燐酸アンモンを除く) |
(4)
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塩素、染料などの化学工業品(ファインケミカルを除く) |
(5)
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金属炭化物、活性炭品 |
(6)
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皮革 |
(7)
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一部の木板、使い捨ての木製品 |
(8)
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一般の溶接鉄管(石油用を除く) |
(9)
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非合金アルミ棒などの簡単な非鉄金属加工品 |
(10)
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船舶ブロックと非動力船舶 具体的な商品名と税則番号は「附件1」を参照 |
二、以下の商品の輸出増値税還付率を引き下げる
(1)
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植物油の輸出増値税還付率を5%に引き下げる。 |
(2)
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一部の化学品の輸出増値税還付率を9%か5%に引き下げる。 |
(3)
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プラスチック、ゴム及びその製品の輸出増値税還付率を5%に引き下げる。 |
(4)
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バックの輸出増値税還付率を11%に、その他の皮革品の輸出増値税還付率を5%に引き下げる。 |
(5)
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紙製品の輸出増値税還付率を5%に引き下げる。 |
(6)
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衣裳の輸出増値税還付率を11%に引き下げる。 |
(7)
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靴・帽子、傘、羽毛品などの輸出増値税還付率を11%に引き下げる。 |
(8)
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一部の石材、セラミック、ガラス、真珠、宝石、有価金属及びその製品の輸出増値税還付率を5%に引き下げる。 |
(9)
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一部の鋼鉄品(石油パイプを除く)輸出増値税還付率を5%に引き下げる。国内販売による海洋工事構造物の還付率については、財政部と国家税務総局が合同で出した「海洋工事構造物に関する付加価値税の還付に関する通達」(財税「2003」46号)の中で規定している還付率に基づき実行する。 |
(10)
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その他の卑金属及びその製品の輸出増値税還付率を5%に引き下げる (既に輸出増値税還付を取り消した商品、今回輸出増値税還付を取り消した商品及びアルミ箔、アルミ管、アルミ製構造体などを除く)。 |
(11)
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平削盤、中ぐり盤、スライス盤、ブローチ盤の輸出増値税還付率を11%に、ディーゼルエンジン、ポンプ、ファン、排気バルブ・部品、転炉、コークス炉、ミシン、ステイプラー、ゴルフカート、雪上車、オートバイ、自転車、トレーラー荷台車、エレベーター・部品、蛇口、溶接機などの輸出増値税還付率を9%に引き下げる。 |
(12)
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家具の輸出増値税還付率を11%か9%に引き下げる。 |
(13)
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時計、玩具、その他の雑貨の輸出増値税還付率を11%に引き下げる。 |
(14)
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一部の木製品の輸出増値税還付率を5%に引き下げる。 |
(15)
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粘着繊維の輸出増値税還付率を5%に引き下げる。 具体的な商品名と税則番号は「附件2」を参照 |
三、下記の商品は輸出を免税扱いとする
落花生、油絵、彫刻ボード、切手、印紙など
具体的な商品名と税則番号は「附件3」を参照
四、施行日時
以上の輸出増値税還付率の見直しは2007年7月1日から執行する。具体的な執行時間は、税関の「輸出貨物通関申告書(輸出増値税還付専用)」に書かれた輸出日付を基準とする。
輸出企業が2007年7月1日以前に、輸出増値税還付取り消しの対象となる当該商品の船舶輸出契約を締結していた場合には、2007年7月20日までに輸出契約書(正本と副本)を持参し、輸出増値税還付を主管する税務機関で報告・登録すれば、元の還付率を適用することができる。2007年7月20日までに登録手続きを行っていない場合には、一律に還付取り消しとする。
海外からの建設プロジェクト請負資格を持つ輸出企業は、2007年7月1日以前に長期請負プロジェクトを落札したか、既に価格の見直しができない長期契約を結んでいた場合には、輸出する設備や建築材料について、2007年年7月20日までに有効な落札証明(正本と副本)または請負契約書(正本と副本)とその概算決済書を持参し、輸出増値税還付手続きを担当する税務機関で報告・登録すれば、元の還付税率を適用することができる。2007年7月20日までに登録手続きを行っていない場合には、一律に見直し後の還付税率に基づき施行する。
添付書類 1.
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輸出増値税還付を取り消し商品リスト |
2.
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輸出増値税還付を引き下げ商品リスト |
3.
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免税扱い商品リスト |
2007年6月19日
輸出増値税還付を取り消す商品リスト ( 非鉄金属のみ ) 2007 年 7 月 1 日実行 |
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輸出増値税還付を引き下げ商品リスト ( 非鉄金属のみ ) 2007 年 7 月 1 日実行 |
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