報告書&レポート
国際鉛亜鉛研究会(2007年秋:定期会合)及び合同リサイクルセミナー概要報告

2007年10月1日~10月5日の間、リスボンに於いて国際非鉄金属研究会(銅、ニッケル、鉛亜鉛)の各定期会合、ニッケル及び鉛亜鉛研究会については総会が開催された。 以下、本稿では10月4日~5日にリスボン市内のホテルで開催された国際鉛亜鉛研究会会合及び10月3日に開催された3研究会合同リサイクルセミナーの概要について報告する。鉛亜鉛研究会の会合は、国際鉛亜鉛研究会加盟25か国、EU本部、オブザーバー3か国、その他企業関係者約150名が参加して開催された。2日間の鉛亜鉛研究会会合において、統計予測委員会、産業製錬所ダイレクトリー委員会、産業アドバイザリーパネル、経済環境委員会等が開催された。また、3研究会合同のリサイクルセミナーも同時に開催された。以下に、主要な報告、討議内容について報告する。なお、次回会合は、2008年4月21日(月)の週にリスボンにて開催される予定となった。 |
1. 国際鉛亜鉛研究会
(1)統計予測委員会
統計委員会においては、鉛亜鉛の需給動向の最新データをもとに、2007年の需給見込みの修正、2008年需給見込み等が報告された。また、過去の需給統計、需給予測の精度についての検証結果が報告された。この他、モンゴルの経済と資源開発、グローバリゼーションと銅需給についてプレゼンテーションが行われた。
2007年需給見込みの修正
<鉛>
世界の鉛の鉱山生産は、2007年は5.5%増の3.64百万t、2008年は10.4% 増の4.02百万tとなると予測。主な増産は、中国、ボリビア(San Cristobal鉱山の開山)によるものである。また、マケドニア、ポルトガル、ロシア、スウェーデンでも増産する見込みである。
世界の鉛地金の生産は、カナダ、中国、インド、カザフスタン、ポーランド、米国、英国等で増産し、2007年、2008年とそれぞれ3.9%増の8.23百万t、5.4%増の8.67百万tと増加すると予測。
世界の鉛地金消費は、2007年、2008年とも4.1%増で、それぞれ8.32百万t、8.67百万tと見込まれる。消費増の要因は、中国における鉛バッテリー向け消費が伸びることにより(自動車、電動自転車生産の伸び、通信、コンピュータ産業の伸び)、中国の消費は2007年は前年17%増、2008年は10.2%増と見込まれる。米国での消費は、2007年は伸びが期待できないが、2008年は2%増、また欧州では、2007年は0.6%減、2007年は1.6%増とみられる。
中国では、海外からの精鉱輸入が2007年は700千tで2008年はさらに延びるのとみられる。一方鉛地金の輸出は、輸出増値税還付廃止(2006年9月)、輸出関税課税(2007年6月)の影響を受け減少しており、2007年は前年35%減、2008年も同様に低いレベルで推移すると見られる。
以上の需給関係に基づいて検討すると、2007年の世界の鉛需給バランスは89千tの供給不足、2008年はほぼバランスするが、在庫レベルが低くタイトである。
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図1 鉛の在庫、バランス、価格の動向
単位 バランス、在庫:千t(左軸)、価格:ドル(右軸) |
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(2007年、2008年のバランスは予測、2007年在庫は2007年8月末、2007年価格は2007年10月10日現在)
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<亜鉛>
世界の亜鉛の鉱山生産は、2007年は7.4%増の11.18百万t、2008年は9.5% 増の12.24百万tとなる。主な増産は、ボリビア(San Cristobal鉱山の開山)によるものである。また、豪州、カナダ、ペルー、中国等においても増産する見込みである。
世界の亜鉛地金の生産は、中国、インド、欧州等で増産となり、2007年、2008年とそれぞれ5.9%増の11.32百万t、7.8%増の12.20百万tと増加すると見られる。その他、欧州、ロシア、豪州等でも増産すると見られる。
世界の亜鉛地金消費は、2007年は3.0%増で11.38百万t、2008年は5.15%増で11.96百万tと見込まれる。中国の消費は、2007年は前年8.8%増、2008年は12.1%増と見込まれる。そのほか、インドでの消費も伸びると見られるが、その他のアジア地域での消費は伸び悩むとみられる。また2007年は、米国では消費は1.9%減、欧州では2007年は2.5%増、2008年は1.4%増と予測している。
以上の需給関係に基づいて検討すると、2007年の世界の鉛需給バランスは62千tの供給不足と見られるが、2008年は逆に供給が増加することにより245万tの供給過剰となると見られる。
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図2 亜鉛の在庫、バランス、価格の動向
単位 バランス、在庫:千t(左軸)、価格:ドル(右軸) |
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(2007年、2008年のバランスは予測2007年在庫は2007年8月末、2007年価格は2007年10月10日現在)
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(2)統計の精度 - 需給予測を検証
1999年以降の需給予測について、予測値の精度について検証した結果が報告された。鉛亜鉛研究会では、秋の会合において次年度の需給予測を発表しており、秋の会合の予測値、修正予測値(当該年度の春の会合)を、実際の結果と比較した。研究会の統計データは、基本的に、加盟国政府の報告(日本の場合は、経済産業省が報告)によるが、非加盟国については、政府、企業への直接聴取、コンサルタント企業のデータの活用等によって需給予測を作成している。データの入手が難しい場合、研究会が独自に推定を行っている。
<鉛>
(i) 鉱山生産
1999年から2005年については、前年度予測は+1.8%から+8.5%、当年度予測は-1%から+6.3%の範囲となった。2006年については、前年度(2005年10月、以下同じ)が+10.2%、当年度(2006年4月、以下同)が+11.9%と大幅な過剰予測であった。これは、2006年の豪州の鉱山生産が、前年より増産と予測されていたにもかかわらず100千t減少したためである。2006年の減産は主に、Mt.Isa鉱山、Cannington鉱山での減産によるであった。
(ii) 地金生産
1999年から2005年については、前年度予測は+5.2%から-1.3%、当年度予測は+2.4%から-0.9%の範囲となった。2006年については、前年度、当年度とも+2.3%の予測であった。これは、2006年の豪州の鉱山生産が、前年より増産と予測されていたにもかかわらず100千t減少したためである。2006年の過剰予測は主に、ドイツ、インド、韓国、豪州等において生産が予測を下回ったことによるものあった。
(iii) 地金消費
1999年から2005年については、前年度予測は+3.8%から-2.7%、当年度予測は+3.8%から-2.4%の範囲となった。2006年については、前年度予測は+1.3% 、当年度は+0.2%の予測であった。2006年の過剰予測は主に、ドイツ、インド、韓国、台湾等において生産が予測を下回ったことによるものあった。
(iv) バランス(2006年)
上記のように、予測値は鉱山生産は前年度が+10.2%、当年度が+11.9%、地金生産が前年度、当年度とも+2.3%、地金消費が前年度が+1.3% 、当年度が+0.2%の差があった。全体のバランスでは、前年度が51千tの不足、当年度が67千tの過剰と予測され、実際はバランスは±ゼロであったので、2006年の実際の地金消費(7,989千t)に対して、前年度が-0.6%、当年度が+0.8%の差となった。
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鉱山生産
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地金生産
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地金消費
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図3 鉛需給の予測値と実際の値の差(縦軸:%)
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<亜鉛>
(i) 鉱山生産
1999年から2005年については、前年度予測は+10.4%から-0.9%、当年度予測は+4.3%から-2.7%の範囲となった。2006年については、前年度が+6.3%、当年度が+3.9%と過剰予測であった。これは、鉛の場合と同様に、2006年の豪州の鉱山生産が、前年より予測より伸びなかったのと、ペルー、米国での生産が伸びなかったためである。
(ii) 地金生産
1999年から2005年については、前年度予測は+7.7%から-0.4%、当年度予測は+4.8%から-0.3%の範囲となった。2006年については、前年度予測は+5.8%、当年度予測は+2.9%であった。これは、米国での鉱山再開発の遅れ、メキシコでの生産障害等によるものである。
(iii) 地金消費
1999年から2005年については、前年度予測は+6.2%から-3.4%、当年度予測は+4.7%から-2.5%の範囲となった。2006年については、前年度予測は+3.9% 、当年度は+1.0%の予測であった。2006年の過剰予測は主に、イタリア、米国、インド、台湾における生産を過剰に予測したことによる。
(iv)バランス(2006年)
上記のように、予測値は鉱山生産は前年度が+6.3%、当年度が+3.9%、地金生産が前年度が+5.8%、当年度が+2.9%、地金消費が前年度が+3.9% 、当年度が+1.0%の差があった。全体のバランスでは、前年度が430千tの不足、当年度が437千tの不足と予測され、実際のバランスは-316千tであったので、2006年の実際の地金消費(11,043千t)に対して、前年度が-1.0%、当年度が-1.1%の差となった。
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鉱山生産
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地金生産
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地金消費
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図4 亜鉛需給の予測値と実際の値の差(縦軸:%)
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2. 鉱山製錬所プロジェクト委員会
「鉛亜鉛の新規鉱山製錬所プロジェクト」(2007年版)の編集を実施中のところ、委員会よりドラフト原稿が提出され、修正、意見が行われた。最終的に2008年初頭に完成、発行の予定である。さらに委員会では、データベースのデジタル化を進めており、ウエブサイトからのアクセス、検索が行えるよう整備する計画である。
2007年、2008年とも、新規開発、拡張による生産能力増が計画されており、主なものは下記のとおりである。鉱山生産の能力増は1997年以来の大幅なものがあり、製錬所能力増に関しては、主に中国を中心に増産が行われるとみられる。
<鉛>
鉱山:2007年は生産能力は、6カ国、9鉱山で15万t/年が追加。主な鉱山にSan Cristobal鉱山(ボリビア、8.4万t/年)がある。2008年は生産能力35万t/年と、1997年以来の大幅増の見込み。主な新規プロジェクトに、Angus鉱山(豪州)、Aljustrel鉱山(ポルトガル)、Galena鉱山(米国)等がある。
製錬所:2007年、2008年とも中国での4製錬所の操業開始、拡張計画があるのみ。(湖南省二次鉛製錬所:10万t/年、YubeiMetal製錬所の拡張:12万t/年他)
<亜鉛>
鉱山:鉛と同様に、2007年はこれまでに62万t/年の生産能力増があり、主な鉱山開発にSan Cristobal鉱山がある。その他に、ペルー(Cerro Lindo鉱山)、豪州(Lennard Shelf鉱山)、カナダ(Caribou鉱山、Langlois鉱山)での操業開始がある。さらに2008年は、20鉱山、88万t/年の新規能力増が予定されている。主要な鉱山は、Comstock鉱山、Mt.Isa鉱山、Mungana鉱山(豪州)、Perseverance鉱山(カナダ)、Perkoa(ブルキナファソ)、Duddar鉱山(パキスタン)、Aguas Tenidas鉱山(スペイン)等がある。
製錬所:鉛と同様に、中国を中心に生産能力増が行われている。中国では、内モンゴル、雲南、四川、湖南各省で10万t/年の製錬所の生産開始が予定されている。中国以外では、Cartegena製錬所(スペイン)再開、Rajasthan二次製錬所(インド)操業開始、Big River製錬所(米国、一次・二次)がある。
3. 産業・アドバイザリー・パネル(IAP)
産業アドバイザリーパネルは、他の議論に先立って産業界として意見集約をし、産業界の関心事項を、研究会の各委員会の議論にインプットしていくことにある。
このために、3件のプレゼンテーションとIAP委員によるパネルディスカッションが行われた。プレゼンテーションとして、中国の鉛亜鉛産業の発展(事務局)、日本およびアジア地域での鉛亜鉛産業動向(三井金属鉱業㈱名井肇氏)、ペルーAntamina鉱山の生産状況(Mineral Antamina 社Mr.Javier Mendez)が行われた。
ディスカッションでは、鉛亜鉛需給を見る上で重要なポイントして、中国での過剰な生産能力、投資ファンド介入による価格変動等について議論が行われた。この結果、中国の動向が世界の需給に与える影響が大きいので、事務局が直接的な情報収集を行う等中国の動向をより注意深くモニタリングする必要性が指摘された。
4. 環境経済委員会
(1)事務局実施プロジェクト報告
事務局が実施する下記のプロジェクトについて下記のとおり報告があった。
<完成または完成間近のプロジェクト>
(i) 鉛の環境衛生管理(Environment and Health Controls of Lead):国際鉛開発協会(LDAI)の協力で、2007年第一四半期発行。
(ii) 亜鉛の建築及び公共インフラ分野での利用(The Use of Zinc in Construction and Public Infrastructure):2002年発行の報告書の改訂版で、2007年第2四半期発行済み。
(iii) 鉛ファクトブック(The Lead Fact Book):国際鉛開発協会(LDAI)の協力で、近々完成の予定。
(iv) 南部アフリカベースメタル会議報告:2007年6月、ナミビアの首都Windhoekで開催。参加国は、アンゴラ、ボツワナ、コンゴ民主共和国(DRC)、モザンビーク、ナミビア、南ア、ザンビア、ジンバブエの8カ国の他、主要参加者として鉱山企業、ジュニア企業、JOGMEC等。
(v)熱帯環境における亜鉛めっき鉄筋の特性(Performance of Galvanized Reinforcing Bars in Tropical Marine Conditions):CFC支援によるプロジェクトで2007年に完成済み。情報普及にためのセミナーをシンガポール、メキシコシティー、ケープタウンで開催。
*CFC:商品共通ファンド、Commond Fund for Commodities
<進行中のプロジェクト>
(i) LCA調査及びリサイクルセミナー:非鉄業界、鉄鋼業界はリサイクル率を使ってリサイクルの動向を調査することに合意。リサイクル率の定義、調査手法等について作業を継続。今回10月3日開催の「3研究合同リサイクル会議」で議論する。
(ii) 鉛亜鉛産業界の経済社会指標データセット:鉛亜鉛産業界の社会的貢献度に関する情報収集中。鉛ファクトブック中の「経済貢献度」の章に反映。
(iii) CRCプロジェクト:「中国の亜鉛溶融めっき、技術移転と消費拡大」(国際亜鉛協会担当)、「遠隔地共同体用小規模発電システム開発(RAPS)」(国際鉛亜鉛研究機構(ILZRO)に委託し、ペルーアマゾン地域対象)を実施中。
(iv) 鉛亜鉛研究会ウエブサイト拡充:「プレゼンテーション」、「新規プロジェクト」等項目を追加し利用者利便性を向上する。
(v) 生産物スチュワードシップ:Green Lead Working Groupが実施する「Green Lead Protocols」プロジェクトに参加し、鉛バッテリーの環境調和的管理を支援。
(vi) ILZSG Insightニュースレター発行:「鉱山業界透明性イニシアチブ」、「非鉄金属のためのスチュワードシップイニシアチブ」、「鉛の長期的需要」について発行済み。
<新規プロジェクト>
亜鉛酸化物・亜鉛ダスト生産者ダイレクトリー(Directory of Zinc Oxide and Zinc Dust Producers):2003年発行版の改定作業。
鉛の需給動向(The Market Situation for Lead):鉛の需給、貿易、スクラップ、中国の動向を含んだ報告書。国際的環境規制、化学物質規制も含む予定。
商品共通ファンド(Commond Fund for Commodities:CFC)新規プロジェクト:国際亜鉛協会(IZA)、国際鉛亜鉛研究機構(ILZRO)、国際鉛管理センターと共同で、2008年度新規プロジェクトを検討中。
需給効率向上のための構造改革:鉛亜鉛産業の生産コスト、投資効率改善のために、コスト構造、製錬処理手数料、機関投資家から見た産業イメージ、他の非鉄金属産業との比較を行う。
鉛亜鉛の最終消費分野の調査とセミナー開催:鉛亜鉛消費の川下分野における新技術、新製品、リサイクル関連情報、特定国の動向等を調査し情報ニーズを発掘する。さらに適宜セミナーを開催するなどして、研究会参加国の増加を図る。
(2)プレゼンテーション
経済環境委員会では以下のプレゼンテーションが行われた。
<経済分野>
先進型鉛バッテリー技術の改善(Mr. Nark Stevenson、Zinifex Ltd.)
自動車産業における亜鉛めっきの技術開発(Mr.Frank Goodwin,国際亜鉛協会IZA):
鉛の持続的将来像(Dr.David Wilson, 国際鉛開発協会LDAI):
亜鉛めっき鉄筋の先進的使用(Mr.Frank Goodwin, 国際亜鉛協会IZA)
<環境分野>
La Oroya鉱山(ペルー)における企業責任(Doe Run Peru社)
欧州化学物質規制(REACH)の鉛への影響について(Mr.Ian Barrel、国際鉛亜鉛研究会)
国連環境プログラムと鉛、カドミウム(Mr.Juan Fernando Caicedo, UNEP)
<リスク評価、管理分野>
IZAにおけるREACH対策組合と化学、技術、法務に関するサブグループの結成の目的、自主的リスク評価とこれを審査する欧州新化学物質技術委員会(TACNES)の対応についてプレゼンテーションが行われた。
REACH対策組合の結成(Mr.Raymond, IZA-Europe)
鉛の自主的リスク評価(Dr.David Wilson, LDAI)
5. 合同リサイクルセミナー
背景
金属リサイクルを促進するために統一的なリサイクル率の定義、算出方法を決めるために、関係団体が集まり“リサイクルプロジェクトチーム(RPT : Recycling Project Team)を発足させ検討している。参加団体は、3研究会の他に、欧州金属協会(Eurometaux)、欧州鉄鋼協会(Eurofer)、国際鉛開発協会(LDAI)、国際亜鉛協会欧州支部、ニッケル協会、欧州ニッケル工業協会、IWCC、欧州銅協会、欧州アルミニウム協会、ICMM等である。
リサイクルを円滑に進めるために、金属のライフサイクルにおける各段階においてリサイクル動向を把握することが重要と考え、共通の“リサイクル率”を定義する。リサイクル率は、金属製品、地域、産業セクターにおけるリサイクル動向を把握するための重要な指標であり、法的な規制より効果的にリサイクルを推進できる。
(1)金属研究会による定義
鉛亜鉛のリサイクル率を推定するために、研究会では、リサイクルインプット率(RIR)、使用済み製品のリサイクル率(EOL RER)を使うことを提案した。これらのリサイクル率の定義は以下のとおりであるが、今回関係団体からリサイクル率に関する考え方、意見が報告された。
(i) リサイクルインプット率:Recycling Input Rate(RIR)
リサイクル投入率(RIR)は、スクラップ及び他の低濃度で金属を含有する残渣物から生産される金属、金属製品の地金生産量に占める割合とする。RIRは、プロセスや製品におけるリサイクル効率を示すものではなく、リサイクル原料の把握、供給の動向を測定するものである。
(ii) 使用済み製品のリサイクル効率:End-of-Life Recycling Efficiency Rate(EOL RER)
使用済み製品から回収される金属の量を推定するもので、使用済み製品からのリサイクル効率を示す。金属リサイクル、製品設計、ライフサイクル分析、環境管理計画等において重要な情報を提供することを目的とする。
(2)リサイクル率算定方法
リサイクル率を算定するためには、現在及び過去(数十年単位)における金属製品の生産、消費にかかる正確な統計データ及び推定が必要で、こうしたデータが、金属ごとに、さらに異なるライフサイクルを持つ製品ごとに把握される必要がある。金属の使用状況が、製品、半製品の供給から消費段階にかけて、スクラップの発生、利用状況とともに把握される必要がある。

