2007年10月31日~11月2日の3日間、ブリスベン市内(クィーンズランド州)において、探鉱投資セミナー「Mining 2007」が開催された。資源ブームを反映して例年になく盛況なものとなったが、参加者数の増加だけではなく、プレゼンテーションや展示ブースで紹介されるプロジェクトが、従来の金・ベースメタルからウラン・レアメタルへと大きく変わってきている。 本稿では、探鉱投資セミナー「Mining 2007」において紹介されたレアメタル関連プロジェクトについて報告する。 |
1. はじめに -探鉱投資セミナー「Mining 2007」の概要- 探鉱投資セミナー「Mining 2007」が、2007年10月31日~11月2日の3日間、ブリスベン市内において開催された。登録参加者数は、約1,000人と昨年の数100人から大きく増加し、また、展示ブース数も80件以上とオーストラリア国内では8月にカルグーリー(西オーストラリア州)で開催された「Diggers and Dealers」に匹敵する規模となった。 今回のセミナーでは、ウランに加え、タングステン・バナジウム・レアアースなどのレアメタル・プロジェクトを紹介するジュニア探査企業の講演やブース展示が目を惹いた。*
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展示ブース数は約80件であったが、鉱業関係サービス等を除くと探鉱プロジェクトを紹介する展示ブースは約70件、その内、レアメタル関係プロジェクトを紹介している企業は、10数件、全体の20%程度に及んだ。 |
2. レアメタル・プロジェクト 探鉱投資セミナー「Mining 2007」において、プレゼンテーションにて発表或いは展示ブースで紹介された主なレアメタル関連プロジェクトは以下のとおりである。 (1)タングステン 1)Watershedプロジェクト
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位置: |
クィーンズランド州(ケアンズの北西150km) |
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権益: |
Vital Metal社 100% |
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地質・鉱床: |
シルル紀~デボン紀の堆積岩起源の変成岩から成るHodgkinson累層に貫入した二畳紀のWhypalla花崗岩に伴った錫-タングステン鉱脈型鉱床(接触交代鉱化)。 |
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探鉱・開発: |
FS調査。1978年に発見、現在は資源量確認ボーリング、バルク・サンプリング、冶金(選鉱)試験を実施中。資源量21.79百万t・WO3品位0.26%(カットオフ品位0.1% WO3)・WO3量56,300t、露天採掘が検討されている。*1,2 |
2)Aberfoyle鉱山プロジェクト
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位置: |
タスマニア州(ホバートの北北東130km) |
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権益: |
Minemakers社 100% |
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地質・鉱床: |
褶曲した粘板岩・シルト岩中の急傾斜の鉱脈型鉱床(厚さ60m、長さ500m)。粗粒の錫石・鉄マンガン重石を含む主要石英脈は、5群9本で貫入花崗岩の上(地下300m付近)に発達。 |
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探鉱・開発: |
進んだ探鉱。1916年に低品位鉱化が地表で発見、1982年の閉山までに2.1百万t・錫0.91%・WO30.28%を採掘。現在の資源量は1.1百万t・錫0.45%・WO30.45%(プレJORC)。Minemaker社は、ボーリング調査実施中(幅2m・錫1.22%など)。*3 |
3)Mt.Mulgineプロジェクト
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位置: |
西オーストラリア州(パースの北500km) |
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権益: |
Vital Metal社 70% |
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地質・鉱床: |
堆積岩起源の変成岩に貫入したMulgine花崗岩周辺のスカルンに伴うタングステン・モリブデン鉱化作用。 |
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探鉱・開発: |
進んだ探鉱。1965~1980年までに低品位モリブデンを伴う鉱床(Hill鉱床、Trench鉱床)が発見される。既存データのGIS化・解析完了後、2007年第3四半期よりボーリング調査を予定。*2,4 |
4)Storey’s Creek鉱山プロジェクト
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位置: |
タスマニア州(ホバートの北北東130km) |
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権益: |
Minemakers社 100% (探鉱費の50%はWolfarm Bergbau und Hutten社が負担) |
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地質・鉱床: |
デボン紀の花崗岩貫入によるシルル紀~デボン紀の砂質頁岩の石英脈に伴う鉄マンガン重石・錫石鉱床(北北西系の主要鉱脈:厚さ30~50m、長さ300mと細脈)。 |
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探鉱・開発: |
進んだ探鉱。1870年代から沖積性の錫石が、1900年代からはタングステンが採掘され、これまでに推定1.1百万t・WO31.09%・錫0.18%が採掘されている。 |
Minemaker社は、すでに探鉱のデータベース化、露天採掘に向けた資源量確認、選鉱試験等を実施し、FS調査の完了を目指している。*5,6 5)White Rockプロジェクト
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位置: |
ニューサウスウェルズ州(Boorowaの南西25kmのRye Parkに隣接) |
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権益: |
Paradigm Metals社 |
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地質・鉱床: |
鉱床:デボン紀の花崗岩に接するシルル紀の酸性火山岩(炭酸塩質な部分)及び堆積岩(石灰岩)を交代したスカルン鉱床(鉱床の深さは~40m)。主要鉱物の灰重石のほか輝水鉛鉱(molybdenite)を含む。 |
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探鉱・開発: |
進んだ探鉱。周辺地域では1900年代、1950年代に小規模な灰重石の採掘が行なわれた。資源量150,000t・WO3品位0.9%(同社は500,000tを目指している)。 |
予察的な選鉱試験を実施、磁力選鉱と重力選鉱の組合せにより精鉱生産が可能。*7,8 6)Moinaプロジェクト
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位置: |
タスマニア州(ホバートの北北西200km) |
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権益: |
Minemakers社 100% |
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地質・鉱床: |
オルドビス紀の堆積岩(砂岩、石灰岩)のDolcoath花崗岩との接触部に幅100m、長さ1kmにわたって分布するMoinaスカルン中の脈状及びグライゼン鉱床。 |
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探鉱・開発: |
探鉱。26.5百万t・蛍石(CaF2)18%・タングステン0.1%・錫0.1%。1970年代の冶金試験では難処理鉱石とされた。Minemakers社は新たに冶金試験を実施中。*9 |
7)Stanthorpeプロジェクト
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位置: |
クィーンズランド州(ニューサウスウェルズ州との境界) |
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権益: |
Auzex Resources社 100% |
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地質・鉱床: |
New Englandバソリスに属する二畳紀~三畳紀の分化の進んだ花崗岩が卓越、古くから沖積性の錫や金の採取が行われ、原岩中のビスマス・モリブデン・タングステンの鉱床が期待される。 |
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探鉱・開発: |
探鉱・開発:探鉱。2005年のボーリングで鉱化を捕捉(錫0.5%、タングステン2.9%、モリブデン0.3%)、2007年のRCボーリング調査(19孔、1,278m)の全ての孔で、鉱化を確認するが、高品位鉱化の連続性に欠ける。*10 |
8)Galala Rangeプロジェクト
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位置: |
クィーンズランド州(ケアンズの南西150km) |
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権益: |
Auzex Resources社 100% |
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地質・鉱床: |
鉱床は、北東系の絹雲母-珪化変質帯(6km×4km)中にあり、鉱化作用は変質を受けた両雲母花崗岩中の石英脈(厚さ0.5cm~1.5m)に伴う。後期石炭紀の花崗岩が根源岩。 |
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探鉱・開発: |
初期探鉱。2006年にRCボーリングを実施(幅14m・品位:モリブデン0.15%、幅4m・タングステン0.56%・金0.4 g/tなどの結果を得る)、2007年は金-タングステン-モリブデン鉱化帯の評価ボーリングを実施。*11 |
9)Mt.Alexanderプロジェクト
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位置: |
西オーストラリア州(パースの北1250km) |
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権益: |
Vital Metal社 100% |
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地質・鉱床: |
初期原生代の堆積岩起源の変成岩(Ashburn累層)に貫入した花崗岩体を核とし、その周辺の脈状タングステン鉱床(灰重石)。 |
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探鉱・開発: |
初期探鉱。1980年代にMoodang Wellで高品位タングステン鉱化が確認され、幅0.9m・WO3品位17.2%などのボーリング結果が得られている。2006/07年度は、空中磁気・放射線探査・地質図作成により精密調査対象地区の抽出作業中。*2,12 |
(2)バナジウム 1)Windimurraプロジェクト
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位置: |
西オーストラリア州(パースの北東600km) |
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権益: |
Precious Metals Australia社 90%(以下PMA社)、 Noble Resources社(香港資本Noble Group社子会社) 10% |
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地質・鉱床: |
層状斑れい岩質複合岩体(Windimurra Complex)を構成するShepherd’s Discordant Zone中の磁鉄鉱鉱床(Vanadiferous titano-magnetite)。 |
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探鉱・開発: |
FS調査。探査は1960年代から行われ、開発に向けた調査はPMA社が1980年末~90年代から実施。2000年から生産開始、世界最大のバナジウム鉱山(生産能力17.2百万lb/年)として操業、その後、Xstrata社(スイス資本)が参入したが、2003年に市況低迷を理由に閉山、2005年にはXstrata社がプロジェクトから撤退、PMA社が鉱山再開の準備を進めている。埋蔵量は79百万t・V2O5品位0.47%。資源量は148.82百万t・V2O5品位0.46%。*13,14,15,16,17 |
2)Barrambieプロジェクト
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位置: |
西オーストラリア州(パースの北東500km) |
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権益: |
Reed Resources社 100% |
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地質・鉱床: |
始生代のグリーンストーン帯に貫入した斜長岩-斑れい岩の層状岩体(Barrambie Complex、厚さ400m、走向延長22km)に伴う塊状・鉱染状の磁鉄鉱鉱床(Vanadiferous magnetite, Titaniferous magnetite、厚さ~160m)。 |
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探鉱・開発: |
FS調査。資源量23.6百万t・品位V2O5 0.82%・TiO2 17.9%・Fe2O3 48.5%(カットオフ品位V2O5 0.5%)。プレFSでは、年間生産量20百万t、初期投資額256百万A$、操業コスト2.67A$/lb、NPV 379百万A$、IRR 40%。*18,19 |
3)Jervoisプロジェクト
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位置: |
北部準州(Alice Springの北東290km) |
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権益: |
Arafura Resources社 100% |
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地質・鉱床: |
鉱床:周辺は堆積岩起源の変成岩(緑色岩~角閃岩相)が分布、変成を受けた斑れい岩(Attutra Metagabbro)に伴う磁鉄鉱鉱床(Vanadiferous titano- magnetite)。 |
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探鉱・開発: |
初期探鉱。Arafra社は、地化学探査、空中物理探査を経て、RCボーリングを実施、厚さ最大44mの塊状磁鉄鉱鉱化帯を確認(Fe29.2%、V2O50.47%、TiO26.48%)。*20 |
(3)白金族 1)Fifieldプロジェクト
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位置: |
ニューサウスウェルズ州(シドニーの西400km、Lachlan Fold Belt) |
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権益: |
Platina Resources社 100%(Helix Resources社から取得) |
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地質・鉱床: |
オルドビス紀のアラスカ型Owendale超塩基性貫入岩体中の白金族鉱床。 |
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探鉱・開発: |
進んだ探鉱。貫入岩体周辺の低重力異常帯の物理探査を実施。既存ボーリングからサンプリングを行い再検討。資源量10.2百万t・Pt 0.61g/t。*21 |
2)Munni Munniプロジェクト
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位置: |
西オーストラリア州(Dampierの南南東50km) |
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権益: |
Platina Resources社 100% |
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地質・鉱床: |
北東系に伸びた(25km×9km)始生代の超塩基性層状複合岩体(Munni Munni Layerd Complex)に伴う白金族鉱床。 |
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探鉱・開発: |
進んだ探鉱。過去7年間のボーリング調査から資源量23.6百万t・PGE 2.9g/t、露天採掘1.5百万t/年、初期投資額70百万A$、NPV 156百万A$、IRR 34%と評価。*22,23 |
3)Pantonプロジェクト
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位置: |
西オーストラリア州(Halls Creekの北60km) |
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権益: |
Platinum Australia社 100%、Sally Malay Mining社取得中。 |
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地質・鉱床: |
鉱床:原生代の堆積岩に塩基性~超塩基性層状岩体(Panton Intrusive)が貫入。超塩基性岩中の層状クロマイト層(Reef)に伴う白金族鉱床(Top Reefは厚さ1m・白金族+金品位6.1g/t、Middle Reefは厚さ0.5m ・白金族+金3.4g/t)。 |
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探鉱・開発: |
FS調査。2003年にFS調査を実施したが採算性は得られず、白金族価格の上昇を受けて再度FS調査を実施、2008年前半に完了予定。資源量14.3百万t・白金族+金5.2g/t(プラチナ2.19g/t)。*24 |
4)Skaergaardプロジェクト
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位置: |
グリーンランド(デンマーク) |
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権益: |
Platina Resources社 100% |
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地質・鉱床: |
第三紀の斑れい岩質層状複合岩体(11km×7.5km×厚さ3.8km)上部Triple Group(厚さ100m)中の5つの主要reef(10~40mの)中にある白金族-金鉱化作用。 |
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探鉱・開発: |
進んだ探鉱。資源量1,520百万t・Au 0.21g/t・Pd 0.61g/t・Pt 0.04g/t、白金族・金量50百万oz以上、バナジウム・チタン・ガリウムなど副産物も期待。*23,25 |
5)Ravensthorpeプロジェクト
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位置: |
西オーストラリア州(Ravensthorpeの北東50km) |
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権益: |
Athena Resources社 100% |
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地質・鉱床: |
原生代の超塩基性岩から斜長岩からなる岩脈(differentiated dyke)に伴う硫化ニッケル・白金族鉱床。 |
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探鉱・開発: |
探鉱。硫化ニッケル・白金族を対象に探査を実施、選鉱試験を実施したが硫化物の回収率は期待よりも低かった。*26,27 |
6)Byroプロジェクト
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位置: |
西オーストラリア州(Geraldtonの北東290km) |
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権益: |
Athena Resources社 100% |
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地質・鉱床: |
始生代の片麻岩中の超塩基性岩に伴う鉱化作用。磁気・重力データが沖積層下の超塩基性岩の存在を示唆。 |
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探鉱・開発: |
初期探鉱。Athena社は、予察調査を実施、銅鉱化帯を囲む広域的重力と空中磁気探査データから塩基性~超塩基性貫入岩の可能性を期待。*28 |
7)Hammer Hill JVプロジェクト
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位置: |
北部準州(Alice Springsの北東180km) |
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権益: |
Mithril Resources社取得中、Arafura Resource社 100% |
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地質・鉱床: |
オルドビス紀に変成を受けた火山性堆積岩等からなるHarts Range Group中に分布する塩基性~超塩基性貫入岩体に伴ったニッケル-銅-白金族硫化物鉱床。 |
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探鉱・開発: |
初期探鉱。2005年よりMithril社が参入、土壌地化学探査によりニッケル-クロム異常を把握。2007年には空中電磁気探査(VTEM)を実施、ボーリング調査を予定。*29 |
8)Katanningプロジェクト
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位置: |
西オーストラリア州(パースの南西100km) |
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権益: |
Platinum Australia社 100% |
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地質・鉱床: |
Karahari白金族プロジェクト(南アフリカ)と同年代の塩基性~超塩基性岩体の貫入が認められる。 |
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探鉱・開発: |
初期探鉱。探査開始に関する諸手続は終了。過去の磁鉄鉱探査(近くにKatanningバナジウム探査鉱区がある)の土壌・岩石地化学探査が白金異常を示している。*30 |
9)Mt Vennプロジェクト
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位置: |
西オーストラリア州(Lavertonの北東150km) |
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権益: |
Platina Resources社 80%、Kelray Resources社 20% |
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地質・鉱床: |
Justonグリーンストーン帯の東部には幾つかの塩基性~超塩基性岩が貫入。斑れい岩・輝岩からなるMt Venn層状貫入岩体中の白金族鉱床(コマチアイト型)。 |
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探鉱・開発: |
初期探鉱。権益移転の交渉が完了。プロジェクト地区への立入りを認めるアクセス合意は近日中に完了の見込み。*23,31 |
10)Polar Bearプロジェクト
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位置: |
西オーストラリア州(Norsemanの北東30km Lake Cowan湖) |
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権益: |
Platina Resources社取得中(Barrick Gold社 71%、Croesus Mining 24%) |
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地質・鉱床: |
Lake Cowan塩湖中に始生代の超塩基性岩の露頭(ゴッサンを伴う)が島状に分布。 |
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探鉱・開発: |
初期探鉱。Barrick Gold社とのJVプロジェクト。Platina社は、3年間で探鉱費1.3百万A$を支出して権益70%。プレFS・FS調査費用の単独負担により権益80%を取得する。ただし、鉱床規模が5百万ozの場合、Barrick Gold社の買戻し権がある。 露頭サンプリングによりゴッサンを確認(PGM 18g/t)、地表・空中電磁気探査、ボーリング調査を実施予定。*23,32 |
(4)レアアース 1)Norans Bore/(Aileron / Reynolds Range)プロジェクト
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位置: |
北部準州(Alice Springsの北西140km) |
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権益: |
Arafura Resources社(以下Arafra社) 100% |
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地質・鉱床: |
花崗岩-片麻岩類中のフッ素燐灰石(fluorapatite)岩体中の網状、細脈状、塊状鉱床。レアアースは、主にチェラライト(cheralite:[REE,Ca][P,Si]O4)に含まれる。 |
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探鉱・開発: |
プレFS調査。18.6百万t・REO品位3.1%・P2O5 14.0%・U3O8 0.21%。*33,34 |
2)Kokomoスカンジウム・プロジェクト
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位置: |
クィーンズランド州(タウンズビルの西200km) |
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権益: |
Straits Resources社 20%(取得中)、Metallica Minerals社 80% |
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地質・鉱床: |
超塩基性岩が伸長方向に16km分布する。ニッケル-コバルト・ラテライト鉱化(幅~600m)に高品位スカンジウム鉱化作用(>100g/t Sc)及び白金族鉱化作用が伴う。 |
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探鉱・開発: |
探鉱。ボーリング(12孔)により、高品位鉱化帯(170g/t Sc)を確認、鉱化は走向・深部方向へと伸びている。資源量1百万t・200~250g/t Scが目標。*35 |
(5)インジウム 1)Baal Gammon錫・銅・銀プロジェクト
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位置: |
クィーンズランド州(Herbertonの西10km) |
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権益: |
North Queensland Metals社 100% |
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地質・鉱床: |
Hodgkinson堆積岩中にElizabeth Creek花崗岩が貫入し、同花崗岩の分別作用によるグライゼン(石英-絹雲母-トパーズ-雲母岩で構成)からなるUNAシル(走向方向1,200m、傾斜方向700m)周辺の銅-銀-錫硫化物鉱床(インジウムは閃亜鉛鉱と固溶体)。 |
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探鉱・開発: |
FS調査。2007年7月埋蔵量を発表、周辺探鉱(土壌地化学探査労)を実施、埋蔵量3.1百万t・銅0.96%・錫0.22%・銀34.2g/t・インジウム29.6g/t、資源量(埋蔵量分含む)5.48百万t・銅0.8%・錫0.2%・銀29g/t・インジウム29g/t。*36,37 |
(6)ビスマス 1)Khartoumプロジェクト
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位置: |
クィーンズランド州(ケアンズの南西100km) |
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権益: |
Auzex Resources社 100% |
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地質・鉱床: |
石炭紀~二畳紀の分化の進んだ花崗岩活動に伴う金-モリブデン-ビスマス鉱床及び錫-タングステン-モリブデン-金鉱床。 |
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探鉱・開発: |
初期探鉱。地化学探査によりEmuford花崗岩帯中に長さ8km×幅2kmの錫異常(Sn 0.02~0.5%)を把握、2007年末にボーリングを計画。*38 |
2)West Tinarooプロジェクト
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位置: |
クィーンズランド州(ケアンズの南西50km) |
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権益: |
Auzex Resources社 100% |
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地質・鉱床: |
Tinaarro花崗岩(石炭紀~二畳紀の花崗岩活動)と基盤岩類の西縁接触部における石英脈・ネットワーク状の金鉱化作用に伴うビスマス鉱床。 |
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探鉱・開発: |
初期探鉱。RCボーリングで金鉱化を伴う石英脈の分布確認。地化学探査を継続。*39 |
3. おわりに 11月は、南半球に位置するオーストラリアでは夏が始まる。北部準州・西オーストラリア州・クィーンズランド州の北部は雨季に、内陸部は高温となり、これらの地域ではフィールドシーズン(現地調査可能期間)が概ね終わる。この時期に開催された本探鉱投資セミナーは、現地調査の予備的結果を公表するのに適していることから、多くの企業が参加したと考えられる。 なお、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)シドニー事務所は、9月にシドニーで開催された「Excellence in Exploration & Mining 2007」に続き、展示ブースを出展、オーストラリア国内のプロジェクト及び同国企業とのJV探鉱プロジェクト形成の機会創出、探鉱等鉱業関連情報の収集と意見交換を行った。
 (写真1.Mining 2007 JOGMEC展示ブース)
 (写真2.Mining 2007 展示ブース会場)
参 考・引用文献
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