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報告書&レポート

2008年5月15日 ロンドン事務所  フレンチ香織報告
2008年38号

ILZSG(2008年春:定期会合)及び3研究会合同統計予測セミナー参加報告


 2008年4月23日、リスボンに於いてILZSG(国際鉛亜鉛研究会)の定期会合が開催された。以下、本稿ではILZSG及び3研究会(銅、鉛・亜鉛、ニッケル)合同の統計予測セミナーの概要について報告する。本研究会の会合は、新加盟国であるブラジルを加えたILZSG加盟23か国、EU本部、オブザーバー1か国(キューバ)、企業関係者で合計約70名が参加して開催された。本会合は、常任委員会、統計予測委員会、産業アドバイザリー・パネル、環境経済委員会によって構成され、同日午後には3研究会合同の統計予測セミナーも開催された。

1. 常任委員会
鉛・亜鉛需給の2008年の展望について
統計予測委員会においては、鉛・亜鉛の需給動向最新データを基に、加盟国代表者および統計専門家の統計データも討議しながら、本研究会の統計予測担当官であるPaul White氏によって、2008年の需給見通しに関する報告がなされた。
始めに、最近の鉛・亜鉛産業におけるM&A状況について説明された。最近発表されたZinifexとOxianaの合併によって、合併後の鉛生産は世界第6位、亜鉛生産は世界第2位になると予測され、また、PerilyaとCBH Resourcesの合併により、同社の鉛生産は世界5位、亜鉛生産は世界9位になる見通しである。2007年の世界の鉛鉱山生産量は、上位10社(第1位Xstrata 7.8% 、第2位BHP Billiton 6.7%など)で約1/3以上を占め、また同年の亜鉛の鉱山生産量は、上位10社(第1位Xstrata 8.3%、第2位Teck Cominco 5.8%など)で全体の40%を占めている。

〈鉛〉2008年の需給見込み -価格の高騰、微少の供給過剰予測-   (注:下図の数値は2008年ILZSG予測値を表示)

世界の鉛の鉱山生産

 2007年は前年比2.0%増の3.61百万tを記録し、2008年は前年比8.4%増の3.912百万tとなると予想されている。(2007年ILZSG秋会合の2008年予測では、10.4%増の4.02百万tであった。)主な増産要因は、2007年8月のボリビアSan Cristobal鉱山の稼動開始、欧州におけるマケドニアやポルトガルの生産能力向上によるものである。また豪州、カナダ、中国、イラン、メキシコ、ペルー、米国も増産予定である。


図1. 鉛:鉱山生産量”

世界の鉛地金の生産

 2007年は前年比3.9%増の8.241百万tに達し、2008年は前年比4.3%増で8.597百万tとなると予想されている。(2007年ILZSG秋会合の2008年予測では、5.4%増の8.67百万tであった。) 主な増産は、中国、カナダ、インド、日本、ポーランド、ロシア、英国に見られる。中国に関しては、前年比10.6%増で、3.05百万tが見込まれている。


図2. 鉛:地金生産量

世界の鉛地金消費

 2007年に2.3%増の8.253百万tを記録し、2008年の予想は、3.9%増の8.571百万tとされている。(2007年ILZSG秋会合の2008年予測は、4.1%増の8.67百万tであった。)消費が増加する主因は、中国の需要が12.7%増加するとする予測によるものである。一例として、中国の電動自転車の増産 (2007年25.8百万台を生産し、2008年には31百万台の生産予定)、そしてよりパワフルな電動自転車のモデル開発(48vバッテリーに加え、鉛含有量がより多い72vバッテリーを利用)が挙げられた。また、インド、日本、韓国でも消費量の増加が予想されているが、2008年のヨーロッパの需要は前年より2%減少、米国も前年と同じ程度と推測されている。


図3. 鉛:消費量

世界の鉛地金の需給バランス
下表のとおり、2008年は26千tの供給過剰が予想されている。2008年の需給バランスは5年ぶりに過剰を示すが、その量はわずかであり、予期せぬ供給減少が起これば供給不足になりかねない。

表1. 世界の鉛の地金生産量と消費量の比較 (単位:千t、P:予想値)

 

2004年

2005年

2006年

2007年

2008年P

増減 07/06

増減 08/07

生産合計

6,956

7,633

7,950

8,241

8,597

3.6%増

4.3%増

消費合計

7,282

7,807

8,060

8,253

8,571

2.3%増

3.8%増

需給バランス

-270

-138

-91

-12

26

 

 

 加えて、中国における鉛地金の輸出に関しては、輸出増値税還付廃止(2006年9月)、輸出関税課税(2007年6月)及び国内需要の増加の影響を受け、2007年は前年比35%減、2008年も低いレベルで推移すると見られる(図4.参照)。

図4. 中国の鉛精鉱輸入と地金輸出

鉛のLME在庫と価格
鉛のLME在庫は2007年10月以降、22千t台から45千t台へ増加しているが、この在庫の急増は、2007年10月後半期の18千tの在庫の積上がりによる結果であり、それ以降の在庫の増加は散発的で量が少ないため、鉛の市場は比較的タイトのままである。鉛のLME価格は、2006年の年間平均値は2,600US$/tで歴史上最高値を記録し、2007年8月24日以降、LME鉛価格が亜鉛価格を超えた状態が現在も続いている。

〈亜鉛〉2008年の需給見込み -価格の低迷、供給過剰傾向の予測- (注:下図の数値は2008年ILZSG予測値を表示)

世界の亜鉛の鉱山生産

 2007年に前年比4.5%増の10.941百万tを記録し、2008年は10.4%増の12.081百万tとなると予想されている。(2007年ILZSG秋会合の予測では、2008年9.5%増の12.24百万t)主な増産の要因は、2007年8月に開山したボリビアのSan Cristobal鉱山(年産:215千t)によるものである。他にも、カナダのPerseverance鉱山(年間生産:115千t)やインドのRampura Agucha鉱山(年産:170千t)などの増産も寄与している。また、豪州、中国、ペルー、ポルトガル、米国における増産が予想されている。
図5. 亜鉛:鉱山生産量

世界の亜鉛地金の生産

 2007年に前年比6.4%増の11.329百万tを記録し、2008年は6.4%増の12.058百万tとなると予想されている。(2007年ILZSG秋会合の予測では、2008年7.8%増の12.2百万t)主な増産の要因は、中国の7.4%増の3.99百万tとインドの32.6%増の61万tによるものである。また、インドに関しては、2007年12月に稼動し始めたChanderiya製錬所にて17万t/年の生産が計画されている。その他、ベルギー、オランダ、ポーランド、ロシア、スペインの増産により、ヨーロッパ全体は前年比3.2%の伸びが予想される。また、カナダ、イラン、日本、カザフスタン、韓国、メキシコ、ペルー、米国でも増産が見込まれている。
図6. 亜鉛:地金生産量

世界の亜鉛地金消費

 2007年に前年比2.5%増の11.27百万tを記録し、2008年は5.2%増の11.85百万tになると見込まれている。(2007年ILZSG秋会合の予測は、2008年5.15%増の11.96百万t)主な増加の要因は、アジアの消費量の増加である。中国は、国内のインフラ設備開発への更なる投資により、2008年の亜鉛需要は前年比10.4%増加すると予想されている。加えて、中国での高速道路建設、電力供給増、送電網整備、家電製品の増産、亜鉛メッキ鋼の消費量の増加(2007年は、2006年に比べて5百万t多い18百万tを消費)なども例として挙げられた。他のアジア諸国の需要増加は、インド、日本、韓国、台湾、タイに見られ、ヨーロッパはドイツとイタリアの需要減少とベルギー、フランス、ポーランド、ロシア、スペインの需要増加のバランスで0.9%増、米国は2007年、前年比11.8%の需要急減があったが、2008年は4.8%増が予想されている。
図7. 亜鉛:消費量

世界の亜鉛地金の需給バランス
需要の急増に伴った供給の増加で、215千tの供給過剰が予測されている(表2.参照)。

表2. 世界の亜鉛地金生産量と消費量の比較 (単位:千t、P:予想値)

 

2004年

2005年

2006年

2007年

2008年P

増減07/06

増減08/07

生産合計

10,366

10,229

10,647

11,329

12,058

6.4%増

6.4%増

消費合計

10,651

10,611

10,999

11,270

11,851

2.5%増

5.2%増

需給バランス

-253

-353

-324

67

215

 

 

 中国に関しては、鉛と同様の理由により、亜鉛地金の輸出量は減少する見込みで、亜鉛精鉱の輸入量は2007年と変わらず900千tレベルとなると予測されている(図8.参照)。

(出典:ILZSG)
図8. 中国における亜鉛精鉱輸入と地金輸出

亜鉛のLME在庫と価格
亜鉛のLME在庫は、2007年10月の約58千tより、70千tレベルに増加している。LME価格は、2006年11月後半に達成した4,620US$のピーク値より50%程下落し、現在では5年半前の最低レベルの3倍程度の2,270US$/t台に留まっている。

2. 事務局実施プロジェクト報告
統計予測委員会および産業アドバイザリーパネル(IAP)
・完成したプロジェクト
(1)鉱山・製錬所のデータベースシステムおよび本研究会のホームページ更新
(2)ニュースレター、プレスリリース、月刊統計報告の継続
(3)関連業界の専門家による講演の提供(2006年のJOGMECの講演が例で挙げられた。)
・進行中のプロジェクト
(1)統計予測データの精度:現在、統計データは基本的に加盟国政府の報告(日本の場合は、経済産業省が報告)によって作成されるが、非加盟国については、政府、企業への直接聴取、コンサルタント企業のデータの活用等によって需給予測を作成している。統計担当者は、加盟国政府、業界団体、産業アドバイザーとの更なる密接な協力を行うよう努める。
(2)鉛・亜鉛の一次用途(Principal/first use)に関する統計データの開発:一次ようとに関する最新の統計データは2008年2月に発行されている。現状、鉛・亜鉛の一次用途に関するデータの量と質は共に低下しており、主な要因は、企業の情報機密化と見られている。そこで、ナミビア政府代表のLandi Themba氏は、「市場を正確に把握するためには、本研究会が各企業に精度の高いデータを提供する必要性を強調することが重要である。」と主張し、参加代表者全員が同意した。
(3)リサイクル統計の改善も現在進行中で、欧州の国際亜鉛協会(IZA)及び国際鉛開発協会(LDAI)の協力を継続し、データの精度を高めていく方針。また、関連団体と本研究会が設立したリサイクルプロジェクトチーム(RPT)が、リサイクル率算定方法を提案し、この算定方法の使用を広めている。(リサイクル率算定方法の詳細については、2007年ILZSG秋会合のカレントトピックスを参照。)
(4)一次・二次亜鉛製錬所のワールド・ディレクトリ(World Directory of Primary and Secondary Zinc Plants)を作成中で、カナダの代表団とデータベースを開発し、Google mapを使って各施設の位置を確認できるようにする。

環境経済委員会
・完成したプロジェクト
(1)鉛の環境衛生管理(Environment and Health Controls of Lead)は、血液中の鉛含有量の許容値についての情報に変更を加えた。
(2)鉛ファクト・ブック(The Lead Fact Book)が完成し、2007年の最新データは入手可能。
・進行中のプロジェクト
(1)亜鉛酸化物・亜鉛ダスト生産者ダイレクトリー(Directory of Zinc Oxide and Zinc Dust Producers)の改定作業。マーケット・レビュー、生産者のInternet上コンタクトを更新中。
(2)商品共通ファンド(Common Fund for Commodities:CFC)の現行プロジェクト:国際亜鉛協会(IZA)、国際鉛亜鉛研究機構(ILZRO)、国際鉛管理センターと共同で、2008年度新規プロジェクトを検討中。また、「中国の亜鉛溶融めっき、技術移転と消費拡大」プロジェクトも継続して進行中。
(3)商品共通ファンド(Common Fund for Commodities:CFC)の新規プロジェクト:アフリカの電力網が繋がっていない遠隔地に24時間電力を供給することを目的として、Zinc Air バッテリーの使用を広めるプロジェクト草案を提出する予定。(試験段階ではMalawiを検討中。)Zinc Airバッテリーは、太陽パネルを使って生じた電気を蓄積するために使用される。
(4)生産物スチュワードシップ:Green Lead Working Groupが実施する「Green Lead Protocols」プロジェクトに参加し、鉛バッテリーの環境調和的管理を支援。
(5)ILZSG Insightニュースレター発行

3. 各専門家による講演
(産業アドバイザリーパネル)
講演1:『亜鉛産業の再構築:今後の推移と開発(Teck Cominco・市場調査担当Andrew Roebuck氏)』
過去10年間の亜鉛産業を振り返りながら、2012年までの亜鉛の需給推移、鉱山開発に伴う問題点などについて述べられた。
[1]亜鉛の需給推移
・過去10年前、亜鉛地金は低価格から開始。世界の需要が増えるなか、生産量は変わらず、在庫が不足し、需給タイトな状態が続く。
・2008年~2011年までの亜鉛鉱山の供給量は2009年まで増加傾向にあり、その後は14百万t台で推移すると予測されている。世界の亜鉛需要は米国を除いて増加傾向にある。
・亜鉛の地金生産は中国で急増し、2012年までには世界の地金生産量の1/3を占め、世界の増産の63%を占めることが予想されている。
[2]鉱山開発に伴う問題点
・鉱山開発に伴う様々な難点が挙げられる。(例、政府介入、課税金、ロイヤルティ、ライセンス取得、高い開発コスト、技術度の高い人材の雇用、水やエネルギーの供給設備などの設置、インフラ開発、財政管理、地質学的に開発困難な場所および地政学リスクの高い地域の開発など。)
・亜鉛の低価格が、更なる生産性向上と探鉱開発の妨げとなる。

講演2:『非エネルギー原料に対する欧州連合のイニシアティブ(欧州委員会・産業支援課次長Paul Anciaux氏)』
「欧州委員会が非エネルギー原料の供給維持を促進するためには、どのような政策に注目すべきか」を企業やビジネス団体などにアンケート調査し、その結果などが報告された。また、欧州委員会のイニシアティブとして、「欧州諸国による非エネルギー原料採取産業の競争力の分析」を2007年に発行しており、これらの概要が紹介された。
(参考ホームページ:http://ec.europa.eu/enterprise/steel/index_en.htm、
http://ec.europa.eu/enterprise/newsroom/cf/itemlongdetail.cfm?item_id=1249)

講演3:『再活性した鉛市場への機会と不安(イタリア・AIRPB社・Giancarlo Urbani氏)』
ILZSGのデータに基づいて現在の鉛市場のレビューが紹介された。

(環境経済委員会)
講演1:『亜鉛含有肥料の使用促進(IZA事務局長Stephen Wilkinson氏)』
少量の亜鉛は、人体の成長調整そして農作物の成長促進に必要不可欠な元素であることを強調し、亜鉛含有肥料の利点をアピールした。また、亜鉛含有肥料が作物の増産を促進する駆動力であることを強調した。
(参考ホームページ:www.zinc-crops.org、www.zinc-health.org)

講演2:『UNECEの重金属プロトコル、UNEPの鉛とカドミウムの科学レビュー(カナダ天然資源省、コモディティ分析専門家Douglas Panagapko氏)』
[1]UNECEの重金属プロトコル
・UNECE(United Nations Economic Commission for Europe’s Convention)は、カドミウム、鉛、水銀を中心とした重金属の排出量をコントロールする。36カ国が加盟。
・本プロトコルは排出量の限度値を設定し、最良技術(BAT=Best Available Techniques)を推進する。AnnexⅥ(商品規制方法)、AnnexⅦ(商品管理方法)などの規定も設定し、これらの公布を図る。
(参考ホームページ:www.unece.org/env/lrtap/hm_h1.htm)
[2]UNEPの科学レビュー
・UNEP(United Nations Environment Programme)は、長期にわたる環境変化に注目し、鉛や亜鉛の科学的レビューを行っている。また、リスクアセスメント、リスク管理も行っている。
(参考ホームページ:www.chem.unep.ch/Pb_and_CD/)

講演3:『Zinc Airバッテリー技術(IZA事務局長Stephen Wilkinson氏)』
米ドルの下落及びエネルギー資源の価格高騰により、「地球にやさしい」代替エネルギー源の開発が進んでいる。その例として、Zinc Airバッテリー技術が紹介された。
・Zinc Airバッテリーは携帯用電池及び産業電池の2種があり、再充電可能なZinc Airバッテリーも存在する。
・IZAは、電動の乗物(バスやスクーターなど)や遠隔地へエネルギーを供給するための設備に、Zinc Airバッテリー技術を導入するよう推進している。
・2008年7月にはFast Track Project (CFC proposal)を提出し、Zinc Airバッテリーを利用したRAPS (Remote Area Power Supply=遠隔地へのエネルギー供給)技術を南アフリカへ導入するよう薦める。Zinc Airバッテリーは、太陽パネルを使って生じた電気を蓄積するために使用される。
・亜鉛をベースとしたエネルギー蓄積システムの開発及び適用を促進するグループとして、ZESTec (Zinc Energy Storage Technology Consortium)が紹介された。
(参考ホームページ:www.zincenergystorage.org)

講演4:『鉛のREACH規制コンソーシアム(ILA事務局長David Wilson氏)』
LDAI(Lead Development Association International)が管理する鉛のREACH規制コンソーシアムが紹介された。本コンソーシアムは、金属鉛、酸化鉛、鉛安定剤、その他鉛を含む中間品のREACH規制登録の支援を行い、現在は57社の企業が加盟している。
(参考ホームページ:www.reach-lead.eu)
加えて、2008年1月1日に発足したLDAIの親組織であるILA(International Lead Association)が紹介された。2008年2月6日に初のILA総会を開催。ILAはグローバルな鉛産業のために存在し、LDAIはILAの組織の下、従来どおり欧州の事項を取り扱う協会として活動を行っている(下の構造図を参照)。尚、2008年6月にLDAIの名称は変更される予定である。


(参考ホームページ:http://ila-lead.org)

講演5:『鉱業と金属産業に於けるUNCSD会議への準備(ILSG事務局長 Don Smale氏)』
・UNCSD(United Nation Commission on Sustainable Development)のCHAPTER46は、鉱業と金属産業の持続的発展を目標として制定された。内容は、a)探鉱のインパクトや恩恵に関する情報の普及、b)鉱業界において地元住民や女性が重要な役割を果たすよう推進、c)発展途上国の技術者に対して持続可能な探鉱技術の教育、などが掲げられている。
・ILZSGは、2008年のワークプログラムの一環として、何らかの形でUNCSDのプロセスに参加し、情報提供などを試みる予定である。

講演6:『亜鉛のREACH規制コンソーシアム(IZA特別顧問 Christian Canoo氏)』
REACH規制の対象物質および対象者、そして本コンソーシアムの活動内容などが報告された。(参考ホームページ:www.reach-zinc.eu)REACH規制の対象物質や対象者に関しては、ILZSGの公式ホームページにある「Presentation」の項目の「Lead REACH Consortium Update」に概要が紹介されている(2008年5月現在)。

4. 統計予測の合同セミナー
ILZSG、ICSG、INSGの3研究会による合同セミナーが、スウェーデン代表Sven Arvidsson議長のもと23日午後に開催された。政府団体およびコンサルタント企業からの代表者が、統計予測方法を報告し、パネル討議が設けられた。ILZSGの公式ホームページにある「Presentation」に下記の一部の講演が紹介されている(2008年5月現在)。

・講演:『チリの銅生産量の統計予測方法(チリ銅委員会 Ana Zuniga氏)』
・講演:『日本国における統計予測方法(経済産業省鉱物資源課 川村伸弥氏、
非鉄金属課 福田一徳氏)』
・講演:『米国における統計予測方法(米国地質調査所 Dan Edelstein氏、
米国商務省Christian Brittle氏)』
・講演:『中国の統計予測と中国の金属産業の将来(Macquarie Bank社Jim Lennon氏)』
・講演:『メタル市場の予測技術に係る生産コスト分析の影響(Brook Hunt社
David Coombs氏)』
・講演:『銅の価格変動に影響する外的傾向(CRU社Ross Strachan氏)』
・講演:『産業原料パラメーターに基づいた金属の価格変動(Bloomsbury Mineral Economics社Christopher Welch氏)』
またプレゼンテーションの他に、中国の統計データの不透明性および本研究会の統計精度について話し合われた。

5. 次回の会合に関する報告
次回、第53回国際鉛亜鉛研究会2008年秋季会合は、2008年10月9~10日の2日間、リスボン(ポルトガル:Altis Hotel)にて開催される予定である。また、10月8日には、中国のCNIA(China Nonferrous Metals Industry Association)を招き、『Metals in China』と題した3研究会合同セミナーが設けられる予定である。

<2008年秋季の国際非鉄金属3研究会の日程>

10月6~7日

INSGおよびICSG
(場所:事務局本拠地、リスボン)

10月8日

3研究会合同セミナー『Metals in China』
CNIAが参加(場所:Altis Hotel、リスボン)

10月9~10日

ILZSG(場所:Altis Hotel、リスボン)

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