閉じる

報告書&レポート

2009年7月16日 メキシコ事務所  小島 和浩
2009年35号

グアテマラ鉱業法改正の動向

 グアテマラは、金、銀、銅、鉛、亜鉛、アンチモン、ニッケル等の鉱物資源に富み、特にニッケル、金の資源ポテンシャルが高いことで知られている。同国の鉱業は1996年の内戦終結以降、発展の途上にあり、最近はFenixニッケルプロジェクトの開発動向が注目を浴びている。現行鉱業法は1997年に施行されたものであるが、同国政府は環境保護の強化、ロイヤルティの見直し等を目的とし、2005年から鉱業法の改正に取り組んでいる。本稿では、今後、中米鉱業の中心として発展が期待されるグアテマラの鉱業法改正動向について紹介する。

1. グアテマラ鉱業の概要
 グアテマラでは、スペイン植民地時代から金、銀、鉛の採掘が行われていた。1821年の独立後、同国鉱業は、着実に発展し20世紀初頭に最盛期を迎えたが、その後、1920年代に入ってからはクーデターが相次ぐような不安定な政治情勢もあり衰退した。
 近年のグアテマラ鉱業は、1996年の反政府ゲリラ活動の終焉を経て急速に発展した。現在、同国においては、2006年に商業生産を開始したGoldcorp保有のMarlin金・銀鉱山を筆頭に、5つの金属鉱山が操業を行っている。また、2009年1月現在、同国には5件の主要非鉄金属探鉱開発プロジェクトが存在する(図1、表2、表3参照)。
最近のグアテマラの金属鉱産物生産量を表1に示す。

表1.グアテマラの金属鉱産物生産量 (単位:t)
鉱種
2003 2004 2005 2006 2007 2008
0.741 5.036 7.068 7.5
金を吸着した活性炭 33  
7.074 49.719 88.247 99.9
鉛精鉱 19 47 23 28 1,815  
亜鉛 11  
アンチモン精鉱 291 20 2,686 915  
鉄リュータイト 163,636 44,344  
酸化鉄 2,276 2,823 11,268 7,341 23,788  
マグネサイト 8,022 8 5,636 1,084 7,612  
(出典:Departomento de Desarrollo Minero、2008年の数値はWMSによる)

表2. グアテマラの主要鉱山
鉱山名 権益所有企業(保有率) 鉱種・品位 埋蔵鉱量
Marlin Goldcorp(100) Au 5.0g/t、 Ag 85g/t 15百万t
Torlon Firestone Venture(100) Zn、Pb
El Sastre Castle Gold(50)
Rocas el Tambor(25)
その他(25)
Au 1.4g/t 18百万t(予測資源量を含む)
Clavito Ⅳ Minas de Guatemala Sb
Minero Cerro Colorado Rodolfo Cerna Linares
(個人:100)
酸化鉄

表3.グアテマラの主要鉱業プロジェクト
プロジェクト名 権益所有企業(保有率) 鉱種 備  考
Cerro Blanco Goldcorp (100) Au、Ag 概測資源量2.52百万t(Au 15.64g/t、Ag 72.0g/t)、予測資源量1.35百万t(Au 15.31g/t、Ag 59.6g/t)
Fenix Hudbay Minerals (89)
グアテマラ政府 (11)
Ni サプロライト:埋蔵量41.4百万t(Ni 1.63%)、精測・概測資源量43.9百万t(Ni 1.76%)、予測資源量70.3百万t(Ni 1.59%)リモナイト:精測・概測資源量64.9百万t(Ni 1.12%、Co 0.10%)、予測資源量48.6百万t(Ni 1.10%、Co 0.09%)
Sechol BHP (100) Ni 精測資源量14百万t(Ni 1.46%)、概測定資源量14.31百万t(Ni 1.57%)、予測資源量8.21百万t(Ni 1.66%)
El Pato Goldex Resources(100) Au 初期の探鉱段階
Torlon Hill Firestone Venture(100) Zn、Pb 精測資源量0.57百万t(Zn 8.79%、Pb 2.52%、Ag 14.01g/t)概測資源量1.32百万t(Zn 6.69%、Pb 2.36%、Ag 14.35g/t)カットオフ品位:Zn換算 3.00%
図1. グアテマラの主要鉱山・鉱業プロジェクト位置図
図1. グアテマラの主要鉱山・鉱業プロジェクト位置図

2. 現行鉱業法の概要
グアテマラの現行鉱業法は、1997年に施行された”グアテマラ共和国議会法令第48-97号(Decreto Numero 48-97 Ley de Mineria)”である。以下にその概要について述べる。
(1) 鉱物資源の国家への帰属
 共和国の領土、大陸棚及び排他的経済水域内に存在する全ての鉱床は国家に帰属する(第8条)。

(2) 鉱業権(ライセンス)の付与
 鉱物を探査、探鉱及び採掘する権利は、ライセンスの付与を通じて、国家によって与えられる(第21、24、27条)。

(3) 石油及びその他の炭化水素の適用外
 石油及びその他の炭化水素は、本法の定めるところからは除外される(第4条)。

(4) 鉱業権の取得資格
 全ての国内外の個人または法人は、鉱業法と鉱業法施行規則の条項を遵守する場合に限り鉱業権の名義人となることができる(第9条)。

(5) 鉱業ライセンスの種類とその概要
 鉱業ライセンスには、鉱産物の探査(予備的調査)、探鉱および採掘の3種類がある(第21、24、27条)。各ライセンスの概要は以下のとおりである。

[1]探査(予備的調査)ライセンス
 本ライセンスは、権利者に対して、ライセンスが設定された地域における全ての鉱物に関する探査活動の実施を占有的に保証するものである。有効期間は6か月間、1回につき6か月を限度に延長が可能である。同一の自然人または法人に与えられる地区の面積は500km2以上3,000km2未満である。
[2]探鉱ライセンス
 本ライセンスは、権利者に対して、ライセンスが設定された地域における全ての鉱物に関する探鉱活動の実施を排他的に保証するものである。有効期間は3年間、2回に限り2年を限度に延長が可能である。同一の自然人または法人に与えられる鉱区の最大面積は100km2。有効期間終了前に鉱区面積の保留延長の申請をしない限り、延長の度に鉱区面積の50%を削減することが義務付けられている。
[3]採掘ライセンス
 本ライセンスは排他性の原則の下、権利者に対して、ライセンスの設定された地域内の鉱物について、採掘の占有的権限を付与する。有効期間は25年間、権利者の申請によって、さらに25年間延長することが可能である。同一の自然人または法人に与えられる鉱区の最大面積は20km2

(6) ロイヤルティ
 ロイヤルティは、国内市場と国際相場における鉱産物の建値を基礎として、商業化された鉱産物量の宣誓を伴った申告を通じて確定される(第62条)。鉱物採掘のロイヤルティは、売上高の0.5%を国家に対して、同じく0.5%を市町村に支払う(第63条)。

(7) 環境影響調査
 探査あるいは探鉱ライセンスの名義人は、探査または探鉱活動が環境に与える影響の軽減調査報告を当該作業の開始以前に鉱山総局に提出しなければならない。鉱山総局は、提出後30日の期間内に当該報告に対する裁定を下さなければならず、その期間内に裁定が下されない場合には当該報告は承認されたものとみなされる(第19条)。
 採掘ライセンスを取得しようとする者は、当該作業の開始以前に国家環境委員会(CONAMA:Comision Nacional del Medio Ambiente)に環境影響調査報告を提出しなければならない。ライセンスの取得には、本調査報告の承認が必要となる。採掘鉱区が自然保護区内に存在する場合には、本調査報告は国家自然保護区審議会(CONAP:Consejo Nacional de Areas Protegidas)にも提出されなければならない。本調査報告に対する裁定は提出後30日の期間内に下されなければならず、その期間内に裁定が下されない場合には当該報告は承認されたものとみなされる(第20条)。

3. 新鉱業法案の概要及び主な改正のポイント
 エネルギー鉱山省は、現行鉱業法の根本的な見直しを目的とし、同省副大臣、環境天然資源省副大臣、大学関係者、及びグアテマラ・カトリック教会代表者からなる”鉱業上級審議会(Comision de Alto Nivel sobre Mineria)”を2005年2月に組織した。
 同審議会は、鉱物資源の技術的及び合理的な採掘の達成、環境保護・監督等の強化、先住民の鉱業ライセンス付与プロセスへの参加、鉱区税及びロイヤルティの見直し等を主要議題として鉱業法改正についての検討を行った。エネルギー鉱山省は、同審議会の議論を踏まえた改正案(法案第3528号)を策定し、同法案は2006年8月にグアテマラ議会に上申された。上申された法案は、エネルギー・鉱山委員会(Comision de Energia y Minas)の審議を経て大幅に修正され、2009年1月に本会議に送付された。この法案第3528号修正案は13編110条から成る。以下に同法案の概要と改正のポイントを述べる。

(1) 第I編 基本的条項(第1~5条)
 第Ⅰ編は鉱業法の目的、適用範囲、略語及び語句の定義について規定している。現行法では、鉱業活動を予備的調査(reconocimiento)、探鉱(exploracion)、採掘(explotacion)の3つに分類していたが、新法案では予備的調査(探査)を探鉱に含めるものとし、予備的調査に係る条項を削除した。

(2) 第II編 行政組織(第6~14条)
 第Ⅱ編は行政組織及びエネルギー鉱山省の所管範囲について規定している。現行法(第56条)では、鉱業法及び同法施行規則の違反者に対する罰則手続きは税法で定めるとしていたが、新法案(第7条)では当該手続きは鉱業法施行規則で定めるとしている。また、現行法には規定のない鉱業総局(Direccion General de Mineria)の鉱業活動に関する機能・権限について、第8条~14条で規定している。

(3) 第III編 環境保護に関する規定(第15~17条)
 第Ⅲ編は現行法では不十分な環境保護に関する規定を取り扱っている。
 法案第15条は現行法第19条を改正したものであり、「探鉱ライセンス保有者は、事業開始前に、承認された区域で行う鉱業活動に関する初期環境影響評価報告(Evaluacion Ambiental Inicial)を鉱業総局に提出しなければならない」と規定されている。
 法案第16条は現行法第20条を改正したものであり、「採掘ライセンスを申請する者は、MARN (環境天然資源省:Ministerio de Ambiente y Recursos Naturales)に環境影響評価報告(Estudio de Evaluacion de Impacto Ambiental)を提出しなければならない。また、同ライセンスの付与に先立ち、同報告の写し及びMARNが発行した同報告の承認裁定証明書を鉱業総局に提出しなければならない」と規定している。
 法案第15条、第16条共に、現行法にある環境影響評価報告の自動承認規定(提出後30日以内に鉱業総局の裁定が下されない場合は、報告書が承認されたとみなされる)は、憲法裁判所の違憲判決(注)に従って削除された。
 法案第17条は、「諮問に関することは全て、特定の法規の定めるところに従う」と規定している。本条項は、先住民のライセンス付与プロセスへの参加を規定するべく法案第3528号に盛り込まれた条文を置き換えたものである。

(4) 第IV編 鉱業制度(第18~34条)
 本編は第Ⅰ章 鉱業権(第18~30条)と第Ⅱ章 鉱業活動(第31~34条)から成る。
 法案第19条は、現行法第8条と同様に、グアテマラ領域内の鉱物及び鉱床が国家に帰属することを規定している。
法案第18条、第20~23条及び第31~34条は、現行法第6条の”定義”に相当するものであり、”鉱物”、”鉱床”、”岩石”、”鉱産物”、”鉱業権”、”鉱業権者”、”鉱業活動”、”探鉱”、”採掘”、”伝統的採掘”を定義する条項である。
 法案第24条は現行法第9条に相当する条項であり、「法律に従う限り、国内外の全ての個人及び法人が鉱業権を取得できる」と規定している。また、現行法に規定の無い「鉱区の拡張」に関する条項が法案第29条に規定されている。

(5) 第V編 鉱業ライセンス(第35~52条)
 本編は、第Ⅰ章 手続(第35~42条)、第Ⅱ章 探鉱ライセンス(第43~45条)、第Ⅲ章 採掘ライセンス(第46~50条)、第Ⅳ章 採掘ライセンスの手続(第51~52条)から成る。
 法案第35~42条は、鉱業ライセンスの定義、鉱区面積の上限、鉱業権申請要件、先願権、鉱業権登記、申請の却下等について規定している。法案第43~50条は、探鉱及び採掘ライセンスの内容を規定するものであり、鉱区面積の上限、有効期間、ライセンス保有者の義務等については、現行法の規定とほぼ同様である。法案第51~52条は採掘ライセンス取得の公示手続き、及びライセンス付与に対する不服申し立て手続きについて規定したものである。

(6) 第VI編 鉱業利益特別区(第53~55条)
 本編は現行鉱業法の第Ⅱ編(第32~39条)を引継ぐもので、「国家の利益に適う場合、エネルギー鉱山省は鉱業利益特別区を設定することができ、特別区内の鉱物の探鉱及び採掘は、一般公募によって選定された国内外の個人もしくは法人が行う」と規定されている。

(7) 第VII編 鉱業権の無効、停止、失効及び消滅(第56~61条)
 法案第56条は現行法第50条の規定を引継ぐもので、法律に定められた要件を満たさずに付与された鉱業権を無効としている。法案第57条及び58条は現行法第51条及び52条を修正したもので、鉱業活動の停止措置が下される場合について規定している。法案第59条は現行法の第53条を引継ぐもので、鉱業権が失効する場合を規定している。法案第60条は現行法第54条を修正したもので、鉱業権が消滅する理由として、現行法の規定に、「鉱区料またはロイヤルティの不払い」、及び「鉱業活動の停止措置が決定してから6か月が経過しても不備が訂正されない場合」を追加している。

(8) 第VIII編 財政制度(第62~75条)
 本編は、第Ⅰ章 鉱区料(第62~65条)、第Ⅱ章 占有資金(第66条)、第Ⅲ章 ロイヤルティ(第67~73条)、第Ⅳ章 鉱業連帯基金(第74~75条)から成る。表4に法案第3528号修正案と現行法に基づく鉱区料及びロイヤルティを示す。

表4. 鉱区料及びロイヤルティ (単位:GTQ)
税金タイプ 法案第3528号修正案 現行鉱業法
鉱業権取得または同譲渡申請 2,000 GTQ(250US$) なし
鉱業権付与 3,000 GTQ(374US$) 1,300 GTQ(162US$)
探査ライセンス 120 GTQ/km2(15US$)
探鉱ライセンス    
    最初の3年 300 GTQ/km2/年(37US$) 300 GTQ/km2/年(37US$)
    初回の2年延長 600 GTQ/km2/年(75S$) 600 GTQ/km2/年(75US$)
    2回目の2年延長 900 GTQ/km2/年(112US$) 900 GTQ/km2/年(112US$)
採掘ライセンス 3,000 GTQ/km2/年(374US$) 1,200 GTQ/km2/年(150US$)
探鉱ライセンス譲渡 3,000 GTQ(374US$) 300 GTQ/km2(37US$)
採掘ライセンス譲渡 3,000 GTQ(374US$) 500 GTQ/km2(62US$)
ロイヤルティ 生産量×市況価格×料率 売上高の1%
    ベースメタル 2%
    貴金属 市況価格に応じて1~7%
    非金属鉱物 1%
    建材(砂、砂利等) 1%
    宝石・貴石・装飾用岩石 3%
*)1US$=8.01167GTQ (Banco de Guatemala発表の2009年1~5月平均レート)

(9) 第IX編 鉱業活動の検査及び監査(第76~79条)
 本編は現行法第Ⅴ編に相当するもので、鉱業活動が技術的かつ合理的に実施されているか否かを確認するために、鉱山エネルギー省が行う検査及び監査について規定している。

(10) 第X編 鉱山の閉鎖(第80~83条)
 本編は、現行法には規定の無い、閉山に際しての鉱業権者の原状復帰義務、環境保護義務、閉山時の公的管理について規定したものである。

(11) 第XI編 補完条項(第84~102条)
 本編は、第Ⅰ章 水資源の利活用(第84~85条)、第Ⅱ章 法定地役権(第86~96条)、第Ⅲ章 廃棄物、安全条件及び禁止事項(第97~99条)、第Ⅳ章 鉱産物の輸出(第100~102条)から成る。
 第Ⅰ章は、鉱業活動に関する水資源の利活用が憲法、その他法規及び現行の環境基準に従って行われることが規定されている。
 第Ⅱ章は、鉱業活動を効率的に実施するための地役権についての規定である。法案第87条には地役権の種類が列挙してあり、現行法では設定されていない「占有地役権」、「換気・避難用地役権」、「排水・放流地役権」を追加している。また、法案第87条では地役権の設定に伴う鉱業権者の権利が規定されているが、最高裁の違憲判決(注)に従って、現行法で付与されている「水の排出権」が削除された。
 第Ⅲ章は、廃棄物の管理、鉱山保安規則、及び鉱業活動禁止区域に関する条項であり、これらの詳細については、別途、施行規則を定めるとこととしている。
 第Ⅳ章は鉱産物の輸出に関する条項であり、現行法第85条を引継ぐものである。

(12) 第XII編 罰則及び上告(第103~104条) 
 法案第103条は現行法の第57条を改正したものであり、罰金が引き上げられている。法案第104条では、「政府の下した裁定に不服な場合は、行政訴訟法(Ley de Contencioso Administrativo)に基づき上告できる」と規定されている。

(13) 第XIII編 最終規定
 経過措置等についての規定である。

4. 新鉱業法案に対する反応
 新鉱業法案(法案第3528号修正案)に対しては、先住民の権利を侵害するものであるとして、先住民団体から猛反対の声が上がっているほか、ロイヤルティが低過ぎること等を理由に、カトリック教会や議会、環境天然資源省等の政府内部からも不満の声が聞こえている。このため、同法案の成立は予断を許さない状況にある。
 先住民組織の連合体である西部先住民審議会(Consejo de Pueblos de Occidente)は、2009年2月24日に発表した声明文の中で、新鉱業法案の策定を検討した”鉱業上級審議会”のメンバーに地域共同体の代表が選任されなかったことを非難すると共に、法案第3528号修正案の問題点を列挙している。
同声明文で指摘された新鉱業法の問題点は、次のとおりである:
[1]”独立国における先住民及び種族民に関する条約(ILO第169号)”、”先住民族の権利に関する国連宣言”、”環境と開発に関するリオ宣言”等、グアテマラ政府が批准している人権に関する国際協定に定められた基本的人権を尊重していない。
[2]共同体の協議、健全な環境、生活権、水利権等、憲法に規定された基本的人権を弱体化する。
[3]国民の合意によるものではなく、政府と鉱業界の二者による提案に過ぎない
[4]予備的調査ライセンスの廃止(先住民の鉱業への参加機会を奪う)
[5]諮問への参加機会が無いこと
[6]ロイヤルティが低すぎる(企業の利益が大きすぎる)、等である。

 一方、同国憲法裁判所(Corte de Constitucionalidad)が、現行鉱業法の規定の一部が環境保護の観点から憲法違反に当たるとの裁定(注)を2008年6月に下していることもあり、鉱業法改正はグアテマラ政府の喫緊の課題となっている。

(注)憲法裁判所が違憲と判断した規定は以下のとおり。
 [1] 環境影響報告が提出されてから、30日以内に政府の裁定が下されない場合は、当該報告は自動的に承認されたとみなす(第19条、第20条)。
 [2] 鉱区の範囲が地下の無限深度まで及ぶこと(第21、24、27条)。
 [3] 法定地役権として排水を認めていること(第75条)。
 [4] 浪費と損害を及ぼす行為を可能な範囲で防止する(第81条:「可能な範囲」と限定していることが違憲)。

ページトップへ