ペルー共和国鉱業投資セミナーを開催

1. プログラム ［2010年2月17日(水)］
　＜第1部＞
　15:00～17:30　講演会(ホテル･ニューオータニ、ガーデンコート5階、シリウスの間)
　○挨拶：JOGMEC理事　鹿戸 丈夫
　○講演1：『JOGMECのペルー共和国での取り組み』
　(探査部門)　資源探査部 探査第一課長　五十嵐 吉昭
　(鉱害防止部門) 鉱害防止支援部 企画課長　霜鳥　洋
　○講演2：『ペルーにおける鉱業環境政策』
　ペルー共和国エネルギー鉱山省鉱山環境局　Ramirez Delpino局長
　○講演3：『ペルー：鉱業投資に有利な国』
　ペルー共和国エネルギー鉱山省　Gala Soldevilla鉱山次官
　＜第2部＞
　18:00～19:45　ネットワーキング・レセプション(同上、ガーデンコート5階、アリエスの間)
　○挨拶：JOGMEC理事長　河野 博文
　○挨拶：在京ペルー大使館　Fuan Carlos Capunay特命全権大使
　　　　　日本ペルー経済委員会　五味　篤(三井金属鉱業(株) 資源開発部長)

2. ペルー側講演の概要
　○『ペルーにおける鉱業環境政策』
　　鉱物資源開発の各段階で必要な環境対策のポイントが、以下のとおり述べられた。
　[1]探鉱(鉱区を取得後、探鉱活動を行う段階)で必要な許可
　　第1類：20基までの試錘座、延長50 m以内の坑道掘削、面積10 ha以内
　　エネルギー鉱山省(MEM)の認証による環境影響申告書(DIA)
　　第2類：20基以上の試錘座、延長50 mを超える坑道掘削、面積10超
　　MEM認証の環境影響調査書(EIA)＜準詳細＞
　[2]開発段階で必要な許可
　　エネルギー鉱山省鉱山環境総局(DGAAM)認証の環境影響調査書(EIA)
　　または環境適正化計画書(PAMA)
　　→鉱山の操業中並びに閉山に際して要求される環境保護対策を含む
　[3]閉山の1年前までに必要な許可
　・閉山計画書
　・環境汚染改善計画書

　講演では、特にEIAの仕組みや、環境調査書(DIAやEIAなど)を作成する際の市民参加のメカニズムに関して詳細な説明がなされ、さらに、ペルーにおける休廃止鉱山対策として、法的基盤や休廃止鉱山対策計画等に関する概要の説明がなされた。

　○『ペルー：鉱業投資に有利な国』
　ペルーの鉱業分野が世界的に注目されている理由として、競争力の優位性、鉱物資源、鉱業生産、鉱産物の輸出及び鉱業部門への投資の状況について、体系的な資料やデータに基づき、詳細な説明がなされた。
　特に、鉱産物の輸出額が過去10年間で30億800万US$から186億5,600万US$へと5.2倍に拡大し、生産量が着実に増え続けてきたのは、ペルー政府が適正な鉱業政策によって投資の安定性確保に努力し、それが企業や投資家に理解されてきた成果として自負している旨をアピールした。
　また、政府として探査活動を重視しているとして、2008年の探鉱投資額がチリを上回る第5位を占めていることや、今後、活動の行われていない鉱区での探鉱を活発化させるために何らかの政策を講じる用意があること等にも言及された。
　さらに、操業案件の事業拡張計画、投資決定済みプロジェクト、FS(企業化調査)プロジェクト、探鉱プロジェクトが目白押しで、今後6年間は年平均50億US$の鉱業投資が見込まれていることを説明された。

ペルー鉱業投資セミナー	Gala Soldevilla鉱山次官による講演
講演資料の一部

　なお、講演資料は、JOGMECホームページ“Virtual金属資源情報センター”の『セミナー・講演会』のサイトでの閲覧とダウンロードが可能であるので参照されたい。

3. まとめ
　今回のペルー共和国エネルギー鉱山省Gala Soldevilla鉱山次官の招聘は、資源国と我が国との関係強化・人脈形成を図ることを目的としてJOGMECが実施している有力者招聘事業の一環として行われたものである。
　資源国ペルーの鉱業政策を管轄する同国エネルギー鉱山省の鉱山次官を招聘して行われた本セミナーを成功裡に終えることができたのは、ペルー政府及び在京ペルー大使館、日本側は外務省、経済産業省及び関係企業に加え、日本ペルー経済委員会のご理解とご協力の賜物であり、ここに厚く御礼申し上げます。