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報告書&レポート

2014年5月1日 ロンドン事務所 北野由佳
2014年15号

鉛・亜鉛ともに2014年は供給不足2014年春季国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)参加報告

 ILZSG(国際鉛亜鉛研究会)は1959 年に発足した国際機関で、鉛・亜鉛市場における透明性を確立することを目的とし、需給調査や経済動向など鉛・亜鉛市場に影響を与える分野の情報収集、分析、統計を行っている。

 2014 年4 月2 日、リスボンにて、ILZSGによる春季定期会合が開催された。本会合には、各国代表、EU、産業団体、企業、コンサルタント等から50 名弱が参加し、鉛・亜鉛に関するプレゼンテーション及び議論が行われた。以下、本稿ではその会合の概要について報告する。なお、本会合での講演資料は、ILZSGの公式HPから入手可能である。

 (http://www.ilzsg.org/generic/pages/list.aspx?table=document&ff_aa_document_type=P&from=1)

1. 第51 回 産業諮問委員会 (10:30~12:00)

1-1. 2014 年の鉛需給予測 (ILZSG主任予測統計官 Paul White氏による発表)

1-1-2. 鉛:鉱山生産量 ~ 中国と豪州で増産 ~
 2014 年の鉱山生産量は、豪州及び中国での増産により、対前年比5.2%増の566万tとなると予想した。中国は国内生産量が増加する一方で、継続的に大量の鉛精鉱を輸入すると考えられる。2013 年の輸入量は80万tで、2014 年も同程度の数値になる見込みである。豪州ではGlencore XstrataのMount Isa鉱山及びIvernia社のParoo Station鉱山における増産により、同6.8%増の75.9万tとなる。

1-1-2. 鉛:地金生産量 ~ 韓国の生産量が50万tを達成~
 製錬での地金生産量に関しては、対前年比4.3%増の1,167.7万tとなる見通しで、世界生産第3 位の韓国の生産量が50万tに達し同5.7%増となるほか、中国、インド、カザフスタンでも増産となる。米国では、Herculaneum製錬所の閉鎖による一次生産量の減少は二次生産量の増加によって部分的に相殺されるものの、同5.3%減となる見込みである。一方、欧州ではベルギー、フランス及びイタリアでの増産により、同4.4%増となることが予想される。

 なお、欧州の鉛地金生産量のうち約4 分の3 はリサイクル原料から生産されており、米国に関しては、2014 年以降は鉛地金生産の100%が二次生産となる。

1-1-3. 鉛:地金消費量 ~ 中国の消費量拡大、米国は2013 年並みの高水準~
 2014 年の鉛地金消費量は、対前年比4.4%増の1,172.6万tと予想した。世界の鉛地金消費量の約45%を占める中国が同7.4%増となることが主な原動力である。21 世紀の初めと比較すると、中国の消費量は当時よりも330万tも増えている。

 また米国に関しては、自動車販売数の増加やHerculaneum製錬所の閉鎖前に鉛地金の輸入量が増加したことから、2013 年の消費量は2000 年以降で最大となる171万tを記録し、2014 年も同程度の消費量が維持されることが見込まれる。

表1. 鉛の鉱山・地金生産及び地金消費量(単位:千t)

区分 鉛: 鉱山生産量 鉛: 地金生産量 鉛: 地金消費量
2013年
実績
2014年
予想
2013年
実績
2014年
予想
2013年
実績
2014年
予想
欧州 383 386 1,794 1,873 1,664 1,700
アフリカ 86 94 91 99 97 98
南北米 1,002 1,014 2,275 2,245 2,298 2,340
アジア 3,199 3,407 6,828 7,249 7,151 7,567
※(内、中国) 2,850 3,050 5,100 5,450 5,080 5,455
オセアニア 711 759 204 211 20 21
世界計 5,381 5,660 11,192 11,677 11,230 11,726

1-1-4. 鉛:世界の需給バランス ~供給不足が継続 ~
 需給バランスは、2013 年に引き続き2014 年も供給不足となる。不足幅は2013年の秋季会合時の予測値である2.3万tから拡大し4.9万tと予測した(表2)。

表2. 世界の鉛需給バランス(単位:千t)

区分 2011年
実績
2012年
実績
2013年
実績
2014年
予想
増減
13/12比
増減
14/13比
鉛供給合計 10,599 10,541 11,192 11,677 6.2% 4.3%
鉛消費合計 10,441 10,481 11,230 11,726 7.1% 4.4%
需給バランス 158 60 -38 -49    

1-1-5. 鉛の在庫と価格 ~ LME在庫が減少、半分弱はVlissingen倉庫に~
 上海先物取引所(SHFE)の倉庫に保管されている在庫量と生産者が報告する在庫量が共に増加したにもかかわらず、全体の在庫量は2013 年の初めと比較して約6万t減少している。これは、LMEの在庫量が12万t減少し、現在の在庫量が約20万tほどであることが主な原因である。LMEの在庫量のうち、半分弱はオランダのVlissingenのLME倉庫に保管されていて、残りは主にマレーシアとAntwerpの倉庫に保管されている。

 鉛価格は、2013 年のQ1に急落し、2013 年の残りは2,000~2,200 US$の比較的小幅な値動きで取引されていた。2014年3月現在の価格は2,040 US$で、最近の価格帯の底辺部に近い。

図1. 鉛の在庫及び価格(出典:ILZSG)

図1. 鉛の在庫及び価格(出典:ILZSG)

1-2. 2014 年の亜鉛需給(ILZSG主任予測統計官 Paul White氏による発表)

1-2-1. 亜鉛:鉱山生産量 ~ 中国及び豪州で増産~
 2014 年の鉱山生産量は、対前年比2.6%増の1,357万tと予想した。中国は同3.6%増となることに加えて、豪州ではXstrataのMount Isa及びMcArthur River鉱山及びPerilya社のBroken Hill鉱山における増産により同6.7%増となることが世界の鉱山生産量増加の主な原動力となる。南米に関しては、メキシコとペルーにおける増産がボリビアでの減産によって部分的に相殺され、欧州でも同様にポルトガルとスウェーデンにおける増産がアイルランドにおける減産によって相殺されることが予想される。

1-2-2. 亜鉛:地金生産量 ~中国と米国で増産~
 2014 年の製錬での亜鉛地金生産は対前年比4.4%増の1,346万tと予想し、中国で同7.3%増となることが主因である。米国では、Horsehead HoldingのSxEw二次亜鉛プラントがNC州に建設されたことから、同10%増となると予想される。欧州では、ベルギー、イタリア、ノルウェーで増産となり、同3.6%増となる見込みである。その他、インド、韓国、メキシコ、ナミビアでも増産が予想される。

1-2-3. 亜鉛:地金消費量 ~中国の消費量が600万tを超える見込み~
 2014 年の亜鉛地金消費量は、対前年比4.5%増の1,357.7万tと予想した。世界の亜鉛地金消費量の44%を占める中国は同5.8%増となり、消費量が600万tを超える見込みである。2000 年と比較すると、中国の亜鉛地金消費量は約450万t増加しているが、中国を除く国々の消費量は約50万t減少している。

 またインド、韓国、メキシコ、トルコといった国々でも消費量が大幅に増加することが予想される。一方、欧州及び米国は、それぞれ同3%増と同1.7%増の微増にとどまる見込みである。

表3. 亜鉛の鉱山・地金生産及び地金消費量(単位:千t)

区分 亜鉛: 鉱山生産量 亜鉛: 地金生産量 亜鉛: 地金消費量
2013年
実績
2014年
予想
2013年
実績
2014年
予想
2013年
実績
2014年
予想
欧州 991 1001 2,392 2,479 2,355 2,426
アフリカ 300 299 148 159 164 169
南北米 3,862 3,892 1,843 1,891 1,728 1,782
アジア 6,546 6,752 8,012 8,428 8,555 9,000
※(内、中国) 4,730 4,900 5,100 5,470 5,748 6,080
オセアニア 1524 1626 498 503 186 200
世界計 13,223 13,570 12,893 13,460 12,988 13,577

1-2-4. 亜鉛:世界の需給バランス ~供給不足が継続 ~
 需給バランスは、2013 年に引き続き2014 年も供給不足が継続し、不足幅は11.7万tに拡大すると予想した。(表4)。

表4. 世界の亜鉛需給バランス (単位:千t)

区分 2011年
実績
2012年
実績
2013年
実績
2014年
予想
増減
13/12比
増減
14/13比
亜鉛供給合計 13,074 12,631 12,893 13,460 2.1% 4.4%
亜鉛消費合計 12,698 12,388 12,988 13,577 4.8% 4.5%
需給バランス 376 243 -95 -117    

1-2-5. 亜鉛の在庫と価格 ~LME在庫、70%がニューオリンズ~
 LMEの在庫量は2013 年の初めと比べると約40万t減少した。しかしながら、まだ83万tもの在庫が残っており、うち70%以上がニューオリンズのLME倉庫に保管されている。

 報告されている亜鉛の在庫量が減少したにもかかわらず、LMEの亜鉛キャッシュ価格は、2013 年上半期に着実に減少し、6 月末には1,800 US$を下回った。しかしそれ以降は価格が徐々に回復し、2014年3月現在は約1,970 US$である。

図2.亜鉛の在庫及び価格(出典:ILZSG)

図2.亜鉛の在庫及び価格(出典:ILZSG)

1-3. 講演『欧州鉛市場の展望』

(AIRPB(鉛電池リサイクル業者協会)、Giancarlo Urbani氏)

 欧州における鉛消費量は、2001 年から2012 年で約22%減少した。鉛地金の生産量も同期間で約6.5%減少した。欧州はもともと鉛地金の純輸入地域であったが、2008 年に鉛消費量が激減して以来、鉛地金生産量の約10%を輸出している。欧州における鉛の鉱山生産量は過去10 年間でほぼ横ばいであるが、需要を満たすには不十分であるため、鉛精鉱を主に北米、南米、豪州から輸入している。他の先進国と同様に、欧州における鉛地金の大部分は使用済み鉛蓄電池等のスクラップ素材から生産されているため、鉱山生産量の変化から受ける影響は比較的少ない。他の地域での鉛地金生産に関しては、米国では二次生産が95%、中国では29%を占めている。二次生産の拡大の背景には、処理技術の向上が挙げられる。鉛の用途に関しては、他の国々と同様で鉛酸蓄電池が主である。

 近年、欧州の規制当局は鉛市場に更なる注意を払っており、EU政府による決定は鉛市場に関係する全ての部門に影響を与える。製品における鉛使用量、鉛廃材の回収及びリサイクル、貿易等がEUにおける規制の対象となっている。

 EUにおける鉛スクラップの価格は2007 年から上昇を続けている。欧州には十分なリサイクル処理能力があり、鉛スクラップが不足していることから、スクラップ価格が近い将来に急激に下落するとは考えられない。

 可能性のある鉛蓄電池の代替利用に関しては、リチウムイオン電池、ナトリウム電池、ニッケル電池が挙げられるが、リチウム電池の生産量はまだ規模が小さく、またナトリウム電池及びニッケル電池は自動車のSLI(スターティング、ライティング、イグニション)用途には使用できないため、鉛酸蓄電池に代わる有効な代替電池は今のところないと思われる。また鉛酸蓄電池の自動車以外の用途も現在開発が進んでいる。

 鉛が有害な金属であるとの認識はあるが、過去十年間、鉛産業は環境に最大の注意を払えるということを証明してきた。短中期的に見ると、欧州の鉛市場が抱える主な懸念とは、鉛精鉱及び鉛の二次素材の安定供給であると考えられる。

1-4. 講演『LMEの新倉庫ルールが鉛亜鉛市場にもたらしうる影響』

(Natixis、Nic Brown氏)

 ベールメタル市場において、LME価格は金属の需要と供給の状況を反映し、プレミアムは地域における需要と供給の差を反映しており、LME価格にプレミアムを足したものが、その地域における全込み価格(all in price)となる。効率的な市場においては、LME価格は世界におけるファンダメンタルズ(需要や供給)の変化をとらえ、一方で地域ごとのプレミアムは、金属が余剰状態にある地域から不足状態にある地域に移動することを促すのに十分なだけの値上がりを示す。過去数年間の全込み価格の推移をみてみると、それほど大きな変化は見られないが、全込み価格のうちにプレミアムが占める割合が拡大している。全込み価格に占めるLME価格の割合が減少するにつれて、透明性や価格形成といったLME価格の機能効率が低下する。結果として、生産者や顧客が、LMEを用いて将来的なリスクをヘッジすることがより困難になる。

 プレミアムの上昇の原因として挙げられるのがLME倉庫からの金属の受渡しの待ち時間の長期化である。この仮説は、アルミニウムに関しては、待ち時間が長い倉庫におけるプレミアムが待ち時間とほぼ比例して上昇していることから適当であると結論付けられる。しかし、銅、亜鉛、鉛に関しては、受渡しにかかる待ち時間が減少した後にも高いプレミアムが継続しており、またニッケルに関してはプレミアムの上昇はインドネシアのニッケル鉱石禁輸の動きとの関連性が高いことから、上記の仮説は適切でないと思われる。

 他に考えられる理由としては、LME倉庫が複数の金属を保管している場合、ある金属の受渡しの待ち時間が他の金属の受渡しにも影響を与えるということである。LME倉庫では、他の金属に加え、一日最低60 tのニッケルまたは錫を搬出することが規定されているが、銅、亜鉛、鉛に関してはアルミニウムの受渡しの長蛇の列に巻き込まれるという「二次汚染(cross-contamination)」の可能性がある。例えば、Vlissingen倉庫に保管されている8.3万tの亜鉛はアルミニウムの待ち時間に影響を受けており、Detroit及びシンガポールの倉庫にある亜鉛もリスクがある。

 LMEは、LME指定倉庫における待ち時間を50 日に縮小するための改訂ルールを2014 年4 月1 日から施行する予定であったが、英国高等法院の判決により倉庫の搬出入量に関するルールの施行が中断した。これは倉庫問題の解決において大幅な後退である。少なくとも、新ルールの施行延期はシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)に市場シェアを獲得する絶好のチャンスを与え、最悪の場合、倉庫における待ち時間が悪化し、新たな訴訟問題や規制機関によるLMEの業務の取り調べにつながるだろう。

2. 第26回 経済環境委員会 (12:00~13:00)

2-1. 講演『亜鉛市場に影響を与えている主要な課題』

(国際亜鉛協会(IZA)、Frank van Assche氏)

 「化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS:Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals)」とは、物質が有する固有の危険有害性を特定するために国連等の国際機関によって策定されたシステムで、物質の分類に関して世界レベルでの整合性を確立することを目標としている。GHSは、国際海事機関(IMO)といった輸送関係の規制、水規制、そしてREACH(欧州化学品規制)といった物質の使用に関する規制など、製品のラベルやリスク評価の基盤となる分類システムである。

 いくつかの国や地域では、GHSに基づいた分類方法を開発している。しかしながら、GHSという同一の規定に基づいているにもかかわらず、実際の分類にはバラつきが見られる。例えば、酸化亜鉛は、EUでは健康有害性の分類がされておらず、日本では生殖毒性に分類されており、そしてマレーシアではCMR物質(発ガン性、変異原性、生殖毒性があるとされる物質)のリストに記載されている。IZAでは、鉱業の産業ネットワークを利用して、地域によって分類に差異が生じている場合には、それを特定し、保健当局との対話によって危険有害物質の分類で整合性を確立するために働きかけている。適切な分類は、物質規制の将来において、直接的にも間接的にも大変重要である。

 IMOが「マルポール条約付属書V」を改正し、バラ積み貨物船から「海洋環境に有害な物質(HME)」を含む残さの海洋への排出が2013 年1 月から規制されていることは、亜鉛精鉱の輸送に影響を与える問題である。HMEの基準はGHSに基づいて設定されており、硫化亜鉛精鉱(sulphidic zinc concentrates)は海洋環境に有害な物質には該当しないと言える。現在IMOはHMEに該当する物質のリスト作成を検討している。日本の有識者をコーディネーターとするコレスポンデンスグループが設置されており、リストの作成方法等が検討されている。IZAでは、鉛の含有量が13%未満の硫化亜鉛精鉱を「非HME(non-HME)」のリストに分類するように既に提案書をIMOに提出している。今後の動きとしては、2014 年4 月頃に編集及び技術グループ会合(Editorial & Technical)が、9 月に貨物運送小委員会(Carriage of Cargoes and Containers)が開かれ、HMEのリストが検討される予定である。

 概して、健康や環境に関する規制が亜鉛を含む金属業界に与える影響は年々増してきている。これらの規制が持つ潜在的な影響力は多大であるため、規制は適切な分類やリスク評価方法に基づいて、正しく実施されなければならない。IZAは会員企業と協力し、今後も亜鉛に影響を与え得る規制に対する働きかけを継続していく。

2-2. 講演『鉛の持続可能性を強調するライフサイクル評価(LCA)』

(国際鉛協会(ILA)、Alistair Davidson博士)

 鉛は現代の暮らしに欠かせない金属で、世界中で約10億台の車両が鉛ベースの電池を用いており、通信やITシステムの多くも鉛電池を使用している。また鉛は他の主要金属に比べて最もリサイクル性が高く、鉛蓄電池に関しては、現在のリサイクル率は95%以上である。ILAでは、鉛のライフサイクル全体を分析する「ライフサイクル評価(LCA)」というプロジェクトを実施しており、2012 年にはEU27か国における一次及び二次鉛地金生産に関するLCAを行い、鉛地金の生産が与える影響をカテゴリーごとに分析した。

 車両用の鉛酸蓄電池に関するLCAは、他の産業団体の協力を得て2014 年3 月に完了した。3 つのタイプの車輌用鉛酸蓄電池があり、一つ目は標準タイプでSLI(起動、照明、イグニッション)用、二つ目は改良タイプでスタート・ストップ(アイドリング防止)用、そして三つ目は最新タイプでスタート・ストップ機能と回生ブレーキを兼ね合わせたタイプである。LCAの結論によると、最新タイプの鉛酸蓄電池を用いることで得られる二酸化炭素排出量の削減量は、その生産過程で発生する環境への悪影響を大きく上回っている。また車両全体の生産過程を見ると、鉛酸蓄電池の生産が及ぼす環境への影響は取るに足らない。またニッケルやリチウム電池など他の電池と比較しても、鉛酸蓄電池の生産に関連するエネルギー消費量や二酸化炭素排出量は低い。ILAでは鉛酸蓄電池に加えて、EU27 か国における鉛板(lead sheet)生産に関するLCAも実施している。

 LCAは物質や製品のライフサイクル全体における環境への影響を評価するのに役に立つツールであり、EUのELV指令(使用済み自動車に関する指令)やREACHといった法律への対応においても用いることができる。また、環境への影響に関して、製品のライフサイクルのどの部分で改善が可能であるかを特定したり、鉛産業の環境面でのパフォーマンスの指標を示したりする場合にも用いることができる。

3. 各委員会のプロジェクト進捗報告

3-1. ILZSG統計予測委員会

  完了したプロジェクト 進行中のプロジェクト 新規プロジェクト
報告書

・ 2013年版鉛・亜鉛鉱山のリスト

・ 2014年版亜鉛一次及び二次生産プラントリスト

・ 中国の鉛・亜鉛産業に関する報告書

・ 鉛・亜鉛市場の年間レビュー

・ 月間統計報告書

・ 統計データの精度報告書

・ 鉛・亜鉛の一次利用に関する報告書

・ 中国の鉛一次及び二次産業に関する報告書

・ 3研究会合同プロジェクト、バルカン諸国における鉛・亜鉛、ニッケル、銅産業に関する調査

その他

・ ILZSGウェブサイト用の鉛・亜鉛鉱山・製錬所に関する新しい対話型インターフェースの開始

・ 鉛の一次及び二次生産プラントに関するデータベースの更新

・ ILZSGのウェブサイトの向上

・ プレゼンテーションの実施

・ 統計データの監視と向上

・ 鉛・亜鉛需給調査(年2回発表)

・ リサイクル率計算法の向上(継続)

・ 地方セミナーの計画(継続)

・ 国際金属リサイクルセミナーの開催

3-2. ILZSG鉱山及び製錬所プロジェクト委員会

進行中のプロジェクト 新規のプロジェクト

・ 新規の鉛・亜鉛鉱山及び製錬所プロジェクト報告

 

3-3. ILZSG経済環境委員会

  完了したプロジェクト 進行中のプロジェクト 新規のプロジェクト
報告書

・ ILZSGインサイト報告書
『リサイクルのための鉛酸蓄電池デザイン』
(2013年3月発行)
『ハイブリッド車及び電気自動車による鉛消費量への影響調査』
(2013年7月発行)

・ 3研究会合同プロジェクト、鉛・亜鉛の副産物に関する追加報告

・ 3研究会合同プロジェクト、財政上の優遇政策に関する調査

・ 3研究会合同プロジェクト、鉱業プロジェクトの開発に付随するリスク要因の調査

・ ILZSGインサイト報告書(継続)

・ 電炉残渣からの亜鉛回収に関する調査

・ 鉛の環境及び健康面での規制に関する調査

・ 酸化亜鉛と亜鉛末の生産及び使用用途に関する調査

・ 紛争鉱物に関する調査

・ 産業用鉛酸蓄電池に関する調査

・ 銅、鉛、亜鉛、ニッケルの副産物に関する追加調査

その他  

・ ILZSGのウェブサイトの向上

・ 製品スチュワードシップ及び持続可能な開発に関する活動への協力

・ CFCプロジェクト
『インドでの亜鉛ダイカストに関するプロジェクト』
『マラウィにおける空気亜鉛電池の利用』
『マラウィでのIZAによる亜鉛含有肥料促進プロジェクト』
『インドにおける溶融亜鉛めっきのプロジェクト』
『セネガルでの使用済み鉛蓄電池の回収プロジェクト』

・ 国際金属リサイクルセミナーの開催

4. 2014 年秋季会合について

国際非鉄研究会の2014 年秋季会合は、2014 年10 月13 日~10 月17 日にポルトガルのリスボンにて開催される予定である。

< 2013 年秋季の国際非鉄金属3 研究会の日程 >
 10 月13 日:国際銅研究会(ICSG)、国際ニッケル研究会(INSG)
 10 月14 日:国際銅研究会(ICSG)、国際ニッケル研究会(INSG)
 10 月15 日午前:国際ニッケル研究会(INSG)
         午後:3 研究会合同セミナー、『国際金属リサイクルセミナー』
 10 月16 ~17 日:国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)

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