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銅需給予測、2016年は12.7万tの供給不足へ―2015年秋季国際銅研究会(ICSG)需給予測―
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2015年10月5~6日にかけて、ポルトガル・リスボンにて国際銅研究会(ICSG)*の秋季定期会合が開催された。参加者は、ICSG加盟国や産業団体、企業、専門家等の約50名。6日に開催された統計委員会では、2016年までの銅需給バランスに関して、加盟国から提出された数値や中国の保税在庫の変動調整をベースに、専門家及び各国参加者により検証が行われた。本稿ではその詳細について報告する。 |
1. 需給バランス―2015年はほぼバランス、2016年は12.7万tの供給不足―
ICSGでは、表1のとおり、2015年の需給はほぼバランスし、供給過剰幅は4.1万tと見込んでいる。また、2016年の需給バランスは12.7万tの供給不足と予測しており、本年4月に開催された春季定期会合の2016年予測値(36.4万tの供給過剰)から大幅な下方修正となった。これは、本年4月以降の銅市場の急激な環境変化を反映したものであり、中国の経済成長鈍化に伴う需要の下方修正幅よりも、最近の各社の減産発表による供給の下方修正幅の方が大きかったためである。
表1. 世界の銅需給バランス
(単位:千t)
| 区分 | 2014年 実績 |
2015年 見込み |
前年比 | 2016年 予測 |
前年比 |
| 銅鉱石生産 | 18,527 | 18,751 | 1.2 % | 19,542 | 4.2 % |
| 銅地金生産(供給) | 22,479 | 22,669 | 0.8 % | 23,183 | 2.3 % |
| 銅地金消費(需要) | 22,893 | 22,628 | -1.2 % | 23,310 | 3.0 % |
| 需給バランス | ▲414 | 41 | ![]() |
▲127 | ![]() |
(出典:ICSG会議資料より作成)
2. 銅需給動向
2014年から2016年にかけての世界の銅鉱石の生産、銅地金の生産及び消費について、地域別の数値を表2及び図1にまとめた。
表2. 世界の銅鉱石生産、銅地金生産及び消費(2014~2016年)


※オセアニアの地金消費はその他アジアに編入
(出典:ICSG会議資料より作成)
図1. 銅鉱石、地金生産及び消費量
(1) 銅鉱石生産の動向
銅鉱石生産については、最近の銅生産大手の減産発表によるアフリカ、北米等での生産縮小やチリでの干ばつなどの天候被害等を受け、2015年は前年比微増(1.2 %)の1,875万トンの見込みとなった。他方、2016年は、既存鉱山の増産やフル生産化等により、2015年比4.2 %増の1,954万トンと予測されている。なお、銅生産大手の減産対象はほぼSx-Ew生産の鉱山とされていることから、上記両年の増分はほぼ銅精鉱と見込まれる。
(2) 銅地金生産及び消費の動向
次に、銅地金の生産については、2015年は前年に比べて中国が約7 %増産するものの、チリ、日本、米国の減産等により、0.8 %の伸びに留まり2,267万トンの見込みとなっている。また、2016年においては、前年比2.3 %増の2,318万トンと予測されている。これらのうち、一次地金生産及び二次地金生産はいずれも増加傾向にあるが、(1)と同様の理由によりSx-Ew生産は漸減となっている。
銅地金の消費については、2015年は前年比1.2 %減の2,263万tの見込みとなっている。これは、主に中国の“見かけ消費”が前年とほぼ同じ(中国以外の国の消費は1.5 %減)と見込まれることによるが、ICSGの中では、中国の“実質消費”は3~4 %程度増との意見もあった。なお、2016年は前年比3.0 %増の2,331万トンとされており、中国の産業向け需要が4 %増、他の国の需要が2 %程度の増加と予測されている。
おわりに
今回のICSG会合では、予想通り、ここ数か月の中国経済減速を背景とした銅価格低下及びそれに伴う各社の減産発表等を受けて、供給面を中心に4月の春季定期会合より大幅な数値改訂が行われた(2015年の銅鉱石生産の対前年比(4月4.4 %増→今回1.2 %増)、銅地金生産(4月4.1 %増→今回0.8 %増)など)。他方、需要面については、従来中国が牽引してきたような高成長は期待できないものの、世界全体で3 %程度の堅調な成長への見通しが示された。
また、世界の銅需給の太宗を占める中国の統計数値に対しては、従来同様、今回も消費面を中心により実態に沿った数値を発表すべきとの議論が行われ、中国側と継続協議していくこととなった。
いずれにせよ、短期的には今後も銅価格の低迷が続く見通しであるとの専門家からの声も多く、供給面を中心に引き続きその動向を注視していきたい。
(注記)
国際銅研究会(ICSG)※
国際銅研究会は、国際非鉄3研究会の中では最も新しい研究会で、国連の招請・勧告によって1992年に発足した国際機関である。世界の銅経済に関する情報の提供、政府間協議の場の提供及び銅に関する諸問題について国際協議・協力を推進することが目的で、世界の主要銅鉱石生産国、地金生産国及び消費国の23カ国及びEUが加盟している。事務局は、2006 年からポルトガル・リスボンに設置されている。
同研究会は、主に銅市場の需給予測に関する統計分析を始め、国際的な貿易取引に係る環境・経済面の課題について研究しており、統計等の刊行資料は、世界的に一定の評価を得ている。通常、定期会合は春季、秋季の年2回開催されている。



