報告書&レポート
銅原料中の不純物に関する技術開発について
はじめに
近年、銅原料中の不純物濃度、特にヒ素濃度が増加傾向にあることから、JOGMECでは経済産業省から委託を受け、銅原料中の不純物低減技術の開発を産官学連携して実施している。本事業では選鉱段階で含ヒ素鉱物を分離し、日本の銅製錬所の原料に含まれるヒ素を低減することを目的としている。国際的にみても環境に関する規制や基準が厳しくなってきており、各国は持続可能な発展のために銅原料中のヒ素問題に関心を寄せているところである。こうした状況下において、国内外の関係者が一堂に会してグローバルに情報交換を行うことは、銅原料中の不純物に関する現状の認識と課題および今後の取組みについて幅広く情報を共有でき、将来的な検討の一助になることから、JOGMECは2018年10月17日に「銅原料中の不純物に関する国際セミナー」を開催した。本レポートでは当該セミナー内容をまとめたものである。詳細についてご興味のある方々は発表資料をご覧いただければ幸いである(以下URL参照)。
銅原料中の不純物に関する技術開発について
(http://www.jogmec.go.jp/news/event/event_k_10_000073.html)
■銅原料中の不純物に関する国際セミナー開催概要
| 日時 | 2018年10月17日(水)9時00分~18時05分 |
| 場所 | 東海大学校友会館(霞が関ビル35階) |
| 共催 | 第3回チリ-日本学術フォーラム、 東京大学生産技術研究所(日本-ラテンアメリカ学術会議2018) |
| 後援 | 経済産業省、日本鉱業協会 |
| 協賛 | 東京大学生産技術研究所非鉄金属資源循環工学寄付研究部門 |
| 講演者・登壇者 | 国内外の政府機関、大学、研究機関、企業より、計22名 |
| 参加者 | 約210名 |
■セミナープログラム
開会の挨拶
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| Session I:銅原料中の不純物に関する法規制と社会的受容性 座長:秋田大学 柴山敦教授
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| Session Ⅱ:鉱山における銅原料中の不純物の傾向と対策 座長:秋田大学 柴山敦教授
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| Session Ⅲ:製錬業における銅原料中の不純物処理の現状 座長:東京大学 中村崇特任教授
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| Session Ⅳ: 銅原料中の不純物低減技術開発の進捗 座長:東京大学 中村崇特任教授
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| Session Ⅴ:ヒ素の最終処分と有効利用に関する研究紹介 座長:東京大学 中村崇特任教授
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閉会の挨拶
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| 情報交換会 |
■講演内容
1.銅原料中の不純物に関する法規制と社会的受容性
講演者:Carlos R. Risopatron氏(ICSG)
題目:Impurities in Copper Raw Materials and Regulatory Advances in 2018: A Global Overview
銅原料中の不純物濃度は増加傾向にあり、鉱山側においては採鉱コストや尾鉱処理コスト等が上昇している。また、水銀の輸出入に関する国際条約である、水銀に関する水俣条約など国際的な環境規制が強化される中、ヒ素などの銅原料中の不純物についても今後規制が強化されることも考えられる。現状、不純物濃度が高い銅精鉱はスペイン・ペルー・東アジア等の大規模なブレンディングプラントで各国の輸入基準を満たすように不純物濃度が低い精鉱と混合されている。
一方、製錬側においては世界最大の電気銅生産国である中国でも製錬過程で発生する廃棄物中のヒ素等の不純物濃度に関する規制を強める傾向にあり、不純物濃度が低い精鉱の需要がより一層高まっており、今後はクリーンな製錬技術への投資が奨励されている。鉱山国ではまだ見られていないが、各製錬所、特に中国では不純物濃度上昇に適応するためのデザインをしているところである。今後、社会的な規制のみならず政府の規制としても環境規制が強化されていく中、厳しい規制を遵守しつつ、製錬所の近代化を遅らせないように効率的な生産能力を有する技術に投資していく必要があると考えている。
講演者:Rodrigo Urquiza氏(Cochilco)
題目:Regulations and Social Receptivity about Impurities in Copper Raw Material,
Chilean situation at 2018
チリにおける銅原料中の不純物の現状、規制および取り組み方について講演した。チリは銅原料中の不純物の増加に対応するため、国内銅製錬所に対して新しい環境規制を設け、銅製錬の過程で発生するダスト、二酸化硫黄、ヒ素および水銀の低減に取り組んでいる。こうした環境規制への対応によるコスト上昇の中で国際競争力を維持するためにはさらなる生産性向上や銅精鉱からのレアメタルの回収等といった銅製錬業の高付加価値化が必須である。
一方、チリの鉱業については鉱山の深部化や老朽化といった課題に加え、銅原料中の不純物が増加している。さきほどCarlos R. Risopatron氏が述べたように今後こうした不純物に関する国際的な規制が強化された場合、チリ国内で生産した精鉱が全く輸出できなくなる恐れもある。
しかしながら、チリの銅産業が直面するこれらの大きな課題はチリ銅産業がより発展する機会であり、そのためにはテクノロジーとイノベーションが大きな焦点となるだろう。
講演者:村上進亮氏(東京大学)
題目:Ongoing Studies on SLO, Focusing on Operator’s and Site’s Nationality
鉱山会社の国籍が、資源国に住む一般住民の鉱山開発あるいは操業に対する社会受容性(Social License to Operate)に及ぼす影響に関するアンケート調査を行った結果、例えば、カナダや豪州では自国に対する信頼や受容性はとても高く、日本に対する信頼性は相対的に減るがそれでも信頼されていると言える結果となった。チリでは自国の評価と日本の評価は殆ど変わらない。ミャンマーでは、自国に対する信頼感はあまりないが、日本を相対的に高く信頼している。ペルーでは、全体的に鉱業に対する受容が厳しく、特に自国よりも外国企業である日本企業に対する信頼は著しく低い。つまり、受け入れられにくいと捉えることができる。したがって、調査結果から鉱山開発への社会受容性には企業の国籍という要素も大いに関係していることが確認された。
2.鉱山における銅原料中の不純物の傾向と対策
講演者:Catalina Baez氏(CODELCO)
題目:Leading the Treatment of Complex Copper Concentrates
CODELCOではMinistro Hales鉱山が操業を始めた2013年からヒ素の処理を始めた。同時に、Chuquicamata鉱山のオープンピットのヒ素含有量も増えてきており、坑内掘りに移行してもこの傾向は変わらない。両鉱山とも粗鉱に約0.5%のヒ素を含んでいる。Ministro Hales鉱山の開発当初は、精鉱の焙焼設備がなく、精鉱をブレンドしていたが、2015年に焙焼設備が導入されたので、Ministro Hales鉱山の精鉱はブレンドに回す必要がなくなり、世界的にみてもブレンディング施設の能力に問題はないと考えられる。
CODELCOはチリ国内に4つの製錬所を所有しており、チリ北部・中部のChuquicamata製錬所とPotrerillos製錬所で高ヒ素精鉱を扱っている。これらの製錬所から排出されるヒ素を含むダストは回収され、子会社であるEcometales社で処理され、銅を回収し、ヒ素はスコロダイトの形で安定化されている。
Chuquicamata鉱山、Marcapunta鉱山、Collahuasi鉱山、Santa Maria de la Paz鉱山などから産出される複雑精鉱中にヒ素は年平均35.6千t含まれるとされているが、2030年以降はヒ素の量は大きく減ると予測されている。CODELCOの今後の課題としては、競争力を高めつつ環境規制を満たすために製錬所の最適化を進めていくことが挙げられる。焙焼と浸出処理の両技術を持っているので、ヒ素処理の世界的リーダーとして長期にわたってこれらを活用していきたい。
講演者:Ivan Valenzuela氏(Ecometales Ltd.)
題目:Trends and Treatment of Impurities in Copper Mining
世界的な問題であるヒ素をどこでどのように保管し廃棄するのか。現状では銅製錬の過程で発生するヒ素を含んだ廃棄物を本当に安定的な形態で固定化していない。この大きな原因はコストであり、それがヒ素処理技術の進歩を妨げているが、銅産業に携わるすべての関係者が競争力のある安価な新技術の開発に責任を負っている。さらに今後は規制も厳しくなると考えられる。大事なことは、我々はこの変革する世界の真っただ中にいることを認識し、直面している問題から目をそらさず、あらゆる手段を模索して解決の手がかりを導き出すことである。Ecometales Ltd.ではヒ素等の有害元素をスコロダイトと呼ばれる安定的な物質として固定することができるオートクレーブによる銅精鉱浸出技術を開発しており、近い将来商業化を目指している。
講演者:山崎信男氏(日本メタル経済研究所)
題目:銅精錬事業における砒素の動向とその技術的対応
日本の製錬所が銅精鉱を受け入れる際のヒ素品位基準は通常0.1%以下であるが、以前は0.04%であったヒ素品位が近年0.09%と受入基準の上限に達しつつある。また、銅精鉱の銅品位の低下傾向もあり、20年前に比べてAs/Cu比が2.8に上昇している。これは本邦の製錬所にとって極めて大きな負荷であり、早めに対策を講じなければならない状況となっている。また、Rodrigo Urquiza氏が述べたとおり、チリでは新たな規制によりチリの銅製錬所はヒ素排出量を35%減らさなければならない。この規制値を守るためにチリでもヒ素品位の低い銅精鉱の需要が高まるとすれば、チリ国外に輸出される銅精鉱のヒ素品位が高まることになり、中国、日本、欧州のような銅精鉱輸入国ではさらなる設備を有さなければならなくなり、コスト増につながる。このような状況下において、何をすべきか2つ提案する。1点目は日本のすべての製錬所がヒ素を含有する中間産物を共同で処理し、安定的なスコロダイトとして貯蔵する設備を一元的に管理・運営する。それにより国際競争力は高まり原料対応能力や環境保全能力も増す。2点目は世界を欧州、中国、日本、南米の4地域に分け、それぞれの地域で安定なスコロダイトを作り、長期的に貯蔵する。このような仕組みづくりには国際的な協力システムが必要である。
3.製錬業における銅原料中の不純物処理の現状
講演者:中村健作氏(JX金属株式会社)
題目:Current Arsenic situation –JX Nippon & Metals-
製錬所に投入されるヒ素が増加した場合、3つの問題(環境、スラグ品質、コスト)が考えられる。環境面では、日本の排水や大気への排出に関する規制を満たせないリスクが高まる。スラグ品質面では、ヒ素に関する環境基準を満たせずスラグが外販できなくなる懸念がある。コスト面では、製錬所系内でのヒ素を含む中間産物の繰り返しによる負荷、廃酸処理、浄液工程などでコストが増大する。JX金属ではヒ素対策として、不活性雰囲気下の焙焼や、アルカリ浸出でヒ素を分離する技術開発に取り組んでいる。創業者の久原房之介が残した「苦心惨憺」という想いで、国内外の関係者と協力しこの苦難を乗り越えていこうと思っている。
講演者:青木英和氏(住友金属鉱山株式会社)
題目:Arsenic (As) balance and its impact on Toyo Smelter & Refinery
同社の新居浜製錬所で処理する銅精鉱のヒ素濃度は上昇しており、過去には亜ヒ酸を生産し販売していたが、現在は系外への排出はスラグのみとなっており、スラグ中のヒ素濃度も上昇している。また、ヒ素は電解工程にも分配されるが、工程内の配管のスケーリングの問題や電解コストの上昇といった問題がある。今のところ銅製錬所にヒ素が入ると、排出先はスラグしかない。しかしながらこのスラグについても、販売をするためには環境基準などの制約があり、限界がある。銅製錬所に入る前にヒ素を除去することが望まれる。
講演者:後藤裕治氏(三菱マテリアル株式会社)
題目:Treatment of impurity derived from copper raw materials at Naoshima Smelter and Refinery
同社の直島製錬所におけるヒ素とアルミナの処理について講演した。同製錬所へ入ってくるヒ素のほとんどは銅精鉱に由来しているが、最近はヒ素の量が減ってきており、所内に滞留しているヒ素は低いレベルで管理できている。一方、スラグへの銅ロスの一因となるアルミナに関しては、鉱石中のアルミニウム品位の上昇だけでなく、同製錬所で積極的に行っているリサイクル事業により、スラグ中のアルミナ濃度が上昇してきており、鉄/シリカ比をコントロールするなどして、適切に管理している。
講演者Gerardo R. F. Alvear Flores氏(Aurubis AG)
題目:Arsenic management for the Copper Smelting Industry
ヒ素の問題は、標準的な精鉱中のヒ素濃度が上昇していることと高ヒ素含有精鉱をどのように処理していくかという2つの面から検討する必要がある。ブレンディングについては高ヒ素含有精鉱の処理という点からは解決手段になりうるが、平均的なヒ素濃度が上昇してきているために、長期的な解決策にならない。製錬所として環境規制に対応するには追加の設備投資が必要になってくる。解決には多面的な検討が必要であるが、ケースバイケースでどういった方法が良いか検討する必要がある。
講演者:Huang Zhiwei氏(Dongying Fangyuan Nonferrous Metals Co., Ltd.)
題目:Treatment of Arsenic in copper smelting
2017年の中国内における電気銅生産量は889万tであり、処理を必要とするヒ素は約5万tであった。銅生産1tあたり70~100kgの煙灰が生じるが、この煙灰中には10~15%のヒ素が含まれる。
同社は銅製錬にSubmerged Lance SmeltingとSubmerged Lance Converting & Refiningを導入しており、このプロセスでは、ヒ素は煙灰に45%、硫化ヒ素残渣として35%、残りの20%はスラグに分配される。これらのヒ素は、亜ヒ酸カルシウムとして固定化されるか、三酸化ヒ素として外販されている。
4.銅原料中の不純物低減技術開発の進捗
講演者:神谷太郎氏(JOGMEC)
題目:JOGMEC Project on arsenic reduction
JOGMECでは経済産業省からの委託を受け、銅原料中の不純物を選鉱段階で低減する技術開発事業を実施している。当該事業では単体分離促進に関わる粉砕技術、浮選や磁選を用いた物理的な選別技術、得られる高ヒ素精鉱のリーチングや固定化技術といった要素技術の研究を組み合わせて一連のプロセスを開発することを目標としている。
講演者:大木達也氏(産業技術総合研究所)
題目:Dearsenization of copper ore by high gradient magnetic separator
ヒ素を含まない銅鉱物とヒ素を含む鉱物では磁性が若干異なる物性を利用し、独自開発したマトリックスを用いて高勾配磁選により両鉱物の分離を試みた。その結果、銅鉱物とヒ素鉱物が互いに分離しているような精鉱ではヒ素除去率96%を達成した(銅回収率41.1%)。銅回収率を78%にまで上げた場合のヒ素除去率は69%であり、ヒ素除去率か銅回収率かどちらを優先するかに依るものの、磁選によるヒ素と銅の分離効果が確認できた。
講演者:Neville Plint氏(Queensland大学)
題目:Technical Development of Impurity Removal in Mineral Processing, Reduction of Arsenic in Copper Concentrates
Queensland大学のSustainable Minera Instituteでは「持続可能な鉱業への変革」をスローガンに掲げ、将来の資源分野を率いていく人材の育成に努めている。銅鉱石中のヒ素の問題は、採掘、選鉱、製錬およびそれらに付随する廃棄物処理の一連のプロセス全体で取り組まなければならない。特に、選鉱の段階で高ヒ素銅精鉱と低ヒ素銅精鉱に分離し、原料中のヒ素濃度に適したプロセスを選択するべきである。同大学では、浮選パルプの電位を制御することによるヒ素鉱物分離プロセスの研究を実施している。同大学での技術開発の他、汚染された土壌からヒ素を吸収する特殊な植物を利用した環境修復の研究など世界ではヒ素の問題に関する様々な研究がなされており、そうした研究を組み合わせるなどして取り組んでいくことが望ましい。
5.ヒ素の最終処分と有効利用に関する研究紹介
講演者:渡部毅氏(DOWAメタルマイン株式会社)
題目:Arsenic Fixation by the DMSP® -DOWA Metals & Mining Scorodite Process-
同社が開発したDOWA Metals & Mining Scorodite Process(DMSP)法は、同社がかつて処理していた黒鉱で蓄積されたヒ素処理技術とフェライト粉を作る技術を融合して開発したものである。この方法により生成するスコロダイトは、結晶性が高く、粒子径が大きいことから脱水性や溶出特性に優れ、銅電解過程等で生じた殿物のヒ素を安定的なスコロダイトに固定することに成功している。商業プラントの実施例では、生成したスコロダイトは溶出基準の1/5であり、最終処分での安定性が実証された。また、製錬過程で発生する煙灰中のヒ素をスコロダイト化する試験を実施したところ、煙灰中の6~7割のヒ素をスコロダイト化できた。このように、DMSP法では高濃度のヒ素溶液や化合物から、安定的なスコロダイトを生成することが可能である。
講演者:小俣孝久氏(東北大学)
題目:Functional Materials Containing Arsenic and Other Hazardous Elements
ヒ素などのリスクの高い元素の最終処理は、現状では安定的な形で保管することが最良とされているが、保管にかかるコストや保管する場所を誰がどのようにするかという点が大きな問題となる。一方、そうした元素は半導体として特殊な性質を持つものが多く、例えばヒ化ガリウムはソーラーパネルとして高い発電効率を持つ。したがって、ただ保管するのではなく、そうした元素を機能性材料として活用しつつ、安全に管理する方法を探ることは重要である。例えば、大規模ソーラー発電用のソーラーパネルのように大量の高リスク元素を1か所で管理できる形で活用することが考えらえる。
講演者:George Demopoulos氏(McGill大学)
題目:Impurity Control in Copper Metallurgical Plants with Special Focus on Arsenic
全世界的な環境への意識の高まりから、ヒ素を処理していく上では当然のように最終的には固定化が求められる。最近はスコロダイトが注目を浴びているが、スコロダイトの生成には極めて繊細な条件付けが必要である。同じスコロダイトといっても生成法によって似て非なるものであり溶解性もそれぞれ異なる。したがって、スコロダイトの性質によっては溶解するリスクもあり、スコロダイトを保管する地域との関係も考慮していく必要がある。
講演者:David Dreisinger氏(British Columbia大学)
題目:Arsenic: The Argument for Hydrometallurgical Processing and Stabilization at the Mine Site
ヒ素の問題について、原点に立ち返り鉱山サイトで安定化し保存するべきと考える。現在、ヒ素処理に関する技術のオプションは複数あり、適切な条件で適切な結晶性の安定化したスコロダイトを得る技術はある。このような処理技術と安全性を包括的に組み合わせて鉱山サイトの現地で如何に解決策を探索するかが重要になってくる。
まとめ及び今後の見通し
本稿では銅原料中の不純物に関する国際セミナーで発表された講演について紹介した。各国関係者の取り組みについて貴重な情報を共有いただき、鉱山サイトから製錬、保管、法規制や有効活用まで幅広い要所での現状や課題を認識した。本課題は、当事者単独では解決できない側面もあるため、国際的なアプローチで各国関係者が協力して解決に向かう必要がある。また、持続可能な操業をする上では法規制や地域それぞれのコミュニティで協力や信頼を得ることも重要であり、複雑な問題で非常に難しい課題でもある。我々は全ての関係者間で引き続き共通課題を認識し、この問題に取り組んでいく必要がある。今後も技術開発のみならず、こういったセミナー開催に協力し、将来的な検討の一助になれば幸いである。
おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。


