OGX社(EBXグループ)の石油埋蔵量発表による株価下落は、同グループ各社の格付け引き下げもあり、7月に入っても続いている。時価総額は、270億レアル(135億US$)から197億レアル(98億US$)に下がったとされる。今回の株価下落はTubarao Azul油田の二つの試掘井の生産量が、これまでに同社が発表していた20千バレル/日よりはるかに少ない5千バレル/日であったことに端を発している。今後、3番目の試掘井の結果が発表される2012年末に、プロジェクト全体が再評価される見込みである。また投資関係者には、これまで多額の投資を行ってきたEBXグループの経営手法そのものに対する不安も高まっているとみられる。一方、中国では、Wuhan Iron & Steel社は、2009年にEBXグループのLLX社と、Rio de Janeiro州Acu港で輸出用鋼板プラント建設で合意していたが、このほどこれを断念したと報じられている。この計画は年産5百万tの鋼板プラントを50億US$で建設するもので、中国としてはブラジルに於ける最大で、かつ、中国が国外で行う最大の鉄鋼プロジェクトでもあった。中国側の判断とOGX社との関係は不明であるが、中国側は、ブラジルでの新規プラントの建設は、ロジスチック、石炭及びコークスの輸送、供給に問題があると同時に生産コストも高いという。Wuhan Iron & Steel社はLLX社と製鉄所建設でも合意しているが、これも難航しているとされている。なお一連の報道で、EBX各社の株価は大きく下落したが、反面、MMX社(金属資源開発)の株は5.95%上がったとされる。
2012年7月9日付け地元紙等によると、San Juan de Cañaris農民コミュニティ(Lambayeque県)では、裁判所の指示に基づく住民総会が実施された結果、Candente Copper社のCañariaco銅プロジェクトにおける今後3年間の探鉱活動を受け入れることが決定された。総会には住民4,000名のうち400名のみが参加したが、裁判所は本決定を有効なものとし、尊重しなければならないと表明した。 総会では市民オンブズマンや、Lambayeque県エネルギー鉱山局の代表者、またCandente Copper社の代表取締役等が出席し、同プロジェクトにおける探鉱活動、社会的活動に関する説明が行われた。 一方、同プロジェクトに関して無関心或いは反対の立場を取る住民は、総会に参加しなかった。プロジェクト反対派は、8月に別途住民投票を行う旨表明している。
2012年7月2日、連邦政府・資源エネルギー経済局(BREE:Bureau of Resources and Energy Economics)は2025年までの鉄鉱石、石炭、LNGの輸出量予測等を報告書として発表した。報告書によればこれら輸出産品の世界の貿易量に占める豪州のシェアは過去10年間の平均値で鉄鉱石34%、一般炭18%、原料炭58%であり、2025年の鉄鉱石のシェアは45%~55%(最少予測値~最大予測値:以下同様)に拡大し、輸出量は2011年の4.4億tから8.85億t~10.82億tに倍増する見通しである。2025年の一般炭のシェアは23%~33%となり、輸出量は2011年の1.5億tから2.67億t~3.83億tになる見通しである。原料炭の2025年のシェアは56%~66%となり、輸出量は2011年の1.3億tから2.6億t~3.06億tに倍増する見通しである。LNGの輸出量は2016年頃にカタールに次いで世界第2位となり、2025年のシェアは10%~15%、輸出量は2011年の1,900万tから8,600万t~1.3億tに急増する見通しである。
安泰科によれば、河南省及び安徽省の国土資源庁は、2012年タングステン・アンチモン採掘総量規制指標をそれぞれ通知した。
・ 河南省
タングステン精鉱(WO3 65%)
洛陽栾川モリブデン業集団株式有限公司5,200 t
栾川県赤土店長青モリブデン・タングステン選鉱場800 t
アンチモン(金属量)
中国黄金集団中原鉱業有限公司赤合院アンチモン鉱山400 t
中国黄金集団中原鉱業有限公司慶家溝アンチモン鉱山300 t
中国黄金集団中原鉱業有限公司五里川アンチモン鉱山800 t
・ 安徽省
タングステン精鉱(WO3 65%)
安徽省績渓タングステン業有限公司200 t
青陽県鼎勝鉱業発展有限公司に900 t
100 t保留(企業の生産状況により別途通知)
アンチモン(金属量)
400 t保留(現在、休寧県里広山鉱山など4鉱山が技術改善プロジェクト実施中のため、現時点で配分せず、状況に応じ別途配分)
現地報道によると、2012年6月29日に着工式典のあった四川省什邡(シーファン)市の宏達モリブデン銅多金属資源総合利用プロジェクトが、7月1日~2日にかけての住民によるプロジェクト停止要求の抗議行動を受けて、什邡市委員会と市政府は以下の3点を明示。事態は収拾された。 ① 人民住民の合法的権益の保護を堅持する。一部群衆に支持されず理解されていないプロジェクトの着工を停止する。 ② 社会の安定を堅持する。 ③ 住民に対して理性ある行動を求める。 なお、このプロジェクトは、2008年四川大地震の復興プロジェクトの一つで、四川什邡宏達集団が104億元を投資し、モリブデン4万t、銅カソード40万t、硫酸180万t、随伴の金回収10 t、銀500 t(いずれも年産)を生産する計画で、1期工事は2012年内に完成させ、生産開始を予定していたもの。2015~16年に2期工事の完成を目指していた。