チリ:Collahuasi銅鉱山、リーチングパッド拡張事業の環境認可を取得見込み
メディア報道によると、SEA(環境評価局)が肯定的所見を提出したことから、Collahuasi銅鉱山のリーチングパッド拡張事業の環境認可が間もなく取得される見込み。
投資額50百万US$のこの拡張事業は、Rosario SurⅠピットおよびⅡピットから採掘される鉱石を対象とするもの。2011年に採掘を開始する計画であったが、操業上の理由から延期され、2015年1月になって環境影響評価書が提出された。
(2015.8.21 サンティアゴ 山本邦仁)
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チリ:White Mountain Titanium社、Cerro Blancoチタンプロジェクトの海水淡水化プラントに関するLOIを締結
2015年8月19日付けWhite Mountain Titanium社(White Mountain)のニュースリリースによると、同社は、同社のCerro Blancoチタンプロジェクト(第Ⅲ州)における海水淡水化プラント建設及び管理に関して、Nexo Capital Partners LLC社(米国、NEXO)とLOIを締結した。
拘束力のないこのLOIでは、White Mountain側が土地やアクセス、環境認可に関して便宜を図ること、NEXO側が資金を負担することが規定される。プラントで生産される淡水は、チタンプロジェクトの建設が開始されるまで周辺地域第三者へ販売される。鉱山操業時に余剰分が発生する場合も同様。NEXOは、米国ボストン近郊に本社を構える水処理企業の先端技術を導入する構想を有する。
Cerro Blancoチタンプロジェクトの鉱物資源量(精測および概測)は111.5百万t、TiO2 品位:1.75 %(TiO2 カットオフ:1.0 %)とされ、予測カテゴリーを含めた鉱物資源量は180百万t、TiO2 品位:2.1 %(TiO2 カットオフ:1.0 %)。2015年5月に環境認可を取得済み。現在、2016年中の完成を目標にFS調査が進行中。
(2015.8.21 サンティアゴ 山本邦仁)
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チリ:Sierra Gorda銅—モリブデン鉱山、拡張プロジェクトの環境認可手続きを開始
メディア報道によると、Sierra Gorda銅—モリブデン鉱山は、拡張プロジェクト(第二期開発プロジェクト)に係る環境認可手続きを開始した。初期投資額約15億US$とされる同プロジェクトの実施により、現状の粗鉱処理能力11万t/日(年産銅金属量12万t)が、19万t/日に拡張される。一方、酸化鉱開発プロジェクトは、FS調査の最終段階に入っており、同鉱山の55 %権益を保有し、オペレーターであるKGHM社の2015年上半期投資額は14百万US$であった。
Sierra Gorda鉱山は、2014年7月末に操業を開始して以降、粗鉱処理能力の65 %以上60日間以上の操業を達成したことなどから、2015年6月末に商業生産に移行したほか、モリブデン精鉱の出荷も同時期に開始している。2015年上半期の銅生産量は39,900 tであった。
(2015.8.24 サンティアゴ 山本邦仁)
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チリ:CODELCOとLi3 Energy社、Maricunga塩湖リチウムの共同開発を協議中
メディア報道によると、CODELCOとLi3 Energy社は、Maricunga塩湖でのリチウム開発のために両社間で考えられる提携について、数カ月前から協議を実施しているとされる。両社は、Maricunga塩湖において採掘権を保有している。
2013年、CODELCOは、Maricunga塩湖リチウム開発のための国際入札を発表したが、リチウム市場規模は銅市場規模に比べはるかに小さいといったことを主な理由に入札を中止している。その後、Li3 Energy社は、CODELCOに対して、Maricunga塩湖において両社が保有する採掘権を統合するといったアイデアを含むいくつかの提案を行なったとされ、その提案にCODELCOが関心を示しているとみられている。
(2015.8.24 サンティアゴ 山本邦仁)
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チリ:Anglo American、Mantos BlancosおよびMantoverde銅鉱山の売却で投資コンソーシアムと合意
2015年8月24日、Anglo Americanは、Audley Capital Advisors LLP(英国)が率いる投資コンソーシアムとの間で、Mantos Blancos銅鉱山とMantoverde銅鉱山の売却に関する合意に達したと発表した。
Anglo Americanは、本取引により前払い金として現金3億US$を受領することになるが、LME銅価格やMontoverde鉱山拡張プロジェクト(硫化鉱開発)についての将来の意思決定といった要素が考慮されることにより、最大2億US$を追加して受領する可能性があるとしている。メディア報道によると、追加受領において考慮される要素と額は、①今後3カ月間の平均LME銅価格:5千万US$、②取引成立後最初の4年間の生産における純売上高の割合:最大1億US$、③Mantoverde鉱山拡張プロジェクト開発判断時:5千万US$、とされる。
(2015.8.25 サンティアゴ 山本邦仁)
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ペルー:2015年6月鉱産物生産量
エネルギー鉱山省によると、ペルーの2015年6月の鉱産物生産量は、前年同月比で銅15.4 %、モリブデン43.7 %、金は7.0 %、亜鉛14.1 %、鉛11.9 %増加した。一方、錫は17.9 %、鉄鉱石は6.4 %減少した。2015年上半期では、錫が前年同期比14.5 %減だったものの、鉛17.6 %増、亜鉛13.3 %増、銅8.0 %増、金7.8 %増など、主要金属は軒並み増産傾向にある。
鉱種
単位
6月
1~6月
2014年
2015年
増減
2014年
2015年
増減
銅
t
126,275
145,735
15.41 %
686,202
740,854
7.96 %
金
g
10,727,691
11,475,289
6.97 %
65,187,663
70,246,627
7.76 %
亜鉛
t
102,355
116,732
14.05 %
604,039
684,580
13.33 %
銀
kg
324,983
347,711
6.99 %
1,809,947
1,874,815
3.58 %
鉛
t
22,457
25,130
11.90 %
129,053
151,820
17.64 %
鉄鉱石
t
781,588
731,410
-6.42 %
4,179,631
4,206,706
0.65 %
錫
t
2,044
1,679
-17.86 %
11,148
9,530
-14.51 %
モリブデン
t
1,174
1,686
43.61 %
7,929
10,104
27.43 %
タングステン
t
5
10
100.00 %
26
71
173.08 %
ボリビア:2015年上半期の鉱産物輸出額
国立統計院(INE)によると、ボリビアの2015年上半期の鉱物・精鉱輸出額(下表)は、前年同期比で3.9 %減少した。亜鉛精鉱が1.8 %増加した一方、銀鉱石は13.0 %、鉛精鉱は11.4 %減少した。地金・金属加工品は、金地金が737.7百万US$から377.8百万US$へ48.8 %減、錫地金が173.9百万US$から135.0百万US$へ22.4 %減と、より大きく減少した。2014年上半期の輸出総額6,657.3百万US$のうち、同期の鉱物・精鉱・地金・金属加工品輸出額は1,948.1百万US$で、占める割合は29.3 %であったのに対し、2015年上半期は、4,687.3百万US$のうち1,495.2百万US$で、占める割合が31.9 %と上昇した。
ボリビアの輸出の主体である天然ガス等の炭化水素資源は、2014年上期の3,475.3百万US$から、2015年同期2,214.3百万US$へ36.3 %減少し、輸出額全体に占める割合も52.2 %から47.2 %に縮小した。
政府は、2015年通期での鉱物・精鉱・地金・金属加工品輸出額について、前年比800百万US$減少するとの見通しを示している。
(単位:百万US$)
鉱種
1~6月
2014年
2015年
増減
錫精鉱
9.6
8.1
-15.6 %
亜鉛精鉱
438.4
446.2
1.8 %
タングステン鉱石
15.8
14.0
-11.3 %
アンチモン鉱石
2.8
3.0
7.2 %
鉛精鉱
78.5
69.6
-11.4 %
金鉱石
8.1
12.9
59.2 %
銀鉱石
355.3
309.2
-13.0 %
ホウ酸塩鉱
15.0
14.0
-6.7 %
銅精鉱
25.9
28.2
8.9 %
天然貴石類
0.6
0.6
0 %
天然硫酸バリウム
2.6
8.0
207.7 %
その他
1.5
2.7
80 %
合計
954.1
916.5
-3.9 %
ボリビア:2019年までにリチウム産業に925百万US$を投資
2015年8月17日付け地元紙各紙によると、2019年までに、ボリビア政府はリチウム産業に対して925百万US$を投資する計画である。本プロセスの一環として、政府は8月16日、K-UTEC AG Salt Technologies社(ドイツ)との間で、炭酸リチウムプラント建設プロジェクトの詳細設計作成契約(4.8百万US$)を締結した。契約式は、ウユニ塩湖近傍で行われ、Echazu蒸発資源局長と、K-UTEC社のMarx代表が署名した。Echazu局長によると、詳細設計は10か月後に提出される見通しとなっている。
一方、K-UTEC社のMarx代表は、建設予定のプラントでは、まず炭酸リチウムの生産を開始し、その後硫酸カリウムや硫酸マグネシウム等の生産を行う計画を示した。同氏によれば、ウユニ塩湖の化学成分は、これらの生産に適しているという。
一方、Morales大統領は、本契約について、リチウムの産業化に向けた重要な一歩を踏み出したと評価し、100 %自国資金を投資するリチウム産業は、国営産業であることを強調した。また、詳細設計が終わり次第プラント建設を開始する計画であるとし、本格化するリチウム産業への投資を保証した。さらに、2018年には1,500 tの炭酸リチウムを生産し、トンあたりの輸出額は7,000 US$となる見通しを示した。
同社のMarx代表は、国際品質レベルの炭酸リチウムの生産は、他の金属鉱物採掘よりもはるかに複雑だとし、現状では炭酸リチウムその他物質の生産に必要な専門家の数が不足しており、ボリビアのリチウム産業強化には技術者や労働者の養成が必要だとの考えを示し、先週、在ボリビアのドイツ大使と会談して人員養成計画への支援について話し合った旨明らかにした。同社は、ドイツ政府に対し、ボリビアのリチウム産業開発推進プログラムに対する融資を申請している。
この他、リチウム産業化に関連して、ボリビア政府は、7月13日に、CAMC Engineering社(中国)との間に、塩化カリウム工場の建設、立ち上げ、操業に関する契約を締結した。本プラントには178百万US$が投資される計画。さらに、周辺地域には送電線の設置や飲料水、液化天然ガス、電力供給プロジェクトなどが実施される計画である。
ニカラグア:2015年は探鉱と生産性向上のため鉱業投資を積極的に展開中
2015年8月14日付け業界紙等によると、ニカラグア鉱業会議所(CAMINIC)のPablo Venturo副会頭は、2014年の鉱業投資は前年に比べ減少したが、本年は探鉱と既存鉱山における生産性向上を重点として積極的に鉱業投資を行っている旨を明らかにした。
同副会頭によると、先ず初めに生産性向上として生産過程における効率化に焦点を当て投資を進め、次に探査に対し投資を行っており、現在2016~2017年に新しいコンセッションを獲得するために経済性評価及び環境影響評価を実施している。
(2015.8.24 メキシコ 縄田俊之)
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メキシコ:国家情報公開庁、Buenavista銅鉱山の銅浸出液流出事故に係る汚染状況モニタリング結果の提供を要請
2015年8月17日付け業界紙等によると、国家情報公開庁(INAI)は、Grupo México社の子会社Southern Copper社がSonora州で操業しているBuenavista銅鉱山において、昨年8月に発生した銅浸出液流出事故に関して、環境保護連邦検察庁(PROFEPA)に対し、同鉱山及び周辺地域で実施された汚染状況に係るモニタリング結果の提供を要請した。
この背景としては、一般市民が、当該事故後における同鉱山の銅浸出液貯留地、廃滓ダム及び周辺地域の井戸の重金属レベルや、大気中のガスや粒子の飛散状況を確認するために、PROFEPAに当該モニタリング結果の提供を要請した。これに対し、PROFEPAは、当該関連情報に関しては環境天然資源省(SEMARNAT)のウェブサイト上で既に公開済みである旨を回答するとともに追加情報の提供にも応じているとしたため、当該一般市民がこれに不服を申し立て、これを受けたINAIが状況を精査した。その結果、INAIは、PROFEPAが透明性及び公共情報アクセス法に規定される行政手続きを怠ったとして、PROFEPAに対しあらためて当該モニタリング結果の提供を要請した経緯を有する。
(2015.8.24 メキシコ 縄田俊之)
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メキシコ:国際金属市況の低迷により貴金属鉱業企業の収益に明暗
2015年8月18日付け業界紙等によると、本年Q2における国際金属市況の低迷が、メキシコで活動する貴金属鉱業企業の収益に明暗をもたらした。
本年Q2における平均国際金市況は前年同期の1,287.52 US$/ozから1,192.82 US$/ozへと下落したため、メキシコで活動する貴金属鉱業企業は、米ドルに対するペソ安による為替の恩恵に加え、積極的なコスト削減を行ったにもかかわらず企業収益に影響が現れた。
加Agnico Eagle Mines社は、生産性が高いにもかかわらず本年Q2における純利益は前年同期の22.1百万US$から10.1百万US$へと半減した。Fresnillo社は、金及び銀を増産したにもかかわらず前年同期の137百万US$から76.4百万US$へと大幅に純利益が減少した。加Timmins Gold社も同じく増産したにもかかわらず前年同期の3.22百万US$から629千US$へと純利益が減少した。Minera Frisco社は、集中豪雨による影響も相俟って、前年同期の199百万ペソの純利益から408百万ペソの損失へと転落した。加Alamos Gold社は、前年同期の733千US$の純利益から14.2百万US$の損失へと転落したが、当該損失には加AuRico Gold社との合併経費8.2百万US$を含むため、実質は1.4百万US$の損失である。加Primero Mining社及び加Argonaut Gold社は、ともに前年同期の純利益から数百万US$に上る損失へと転落した。
こうした中、加Goldcorp社は、金、銀、鉛及び亜鉛の増産により392百万US$の純利益を確保した。特に同社が保有するPeñasquito鉱山に関しては、粗鉱品位を向上させることにより、本年Q2における鉱山操業コストとしての全維持コスト(AISC)に関し全鉱山の平均である846 US$/ozに対し、416 US$/ozと極めて低コストを実現した。
(2015.8.24 メキシコ 縄田俊之)
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メキシコ:メキシコ金生産量上位10社の2015年における成長見通し
2015年8月19日付け業界紙等によると、メキシコ金生産量上位10社に関しては、2015年において力強い成長を遂げるとの見方がされている。
メキシコ国内で金を生産する企業18社の本年上半期終了時点における見通しとして、本年1年間における18社合計の金生産量が昨年と比べ12.2 %増加し117 tに達すると予想された。
上位5社の状況は、以下のとおり。
◯加 Goldcorp社(本社:バンクーバー)
本年Q2におけるメキシコ国内での金生産量は11.3 t、その内、Peñasquito多金属鉱山が9.3 tを占め、本年上半期では18.1 tであった。同社によると、本年1年間では32.3 tを見込む。
◯Fresnillo社
本年Q2におけるメキシコ国内での金生産量は5.7 t、本年上半期では11.3 tであった。同社によると、Herradura鉱山の力強い操業により、本年1年間では当初計画から1.4 t上積みして、22.2~22.7 t(前年19.7 t)を見込む。
◯Minera Frisco社
本年Q2におけるメキシコ国内での金生産量は3.2 t、本年上半期では6.9 tであった。金融サービス会社のGrupo Financiero Monex社によると、17.1 t(13.2 t)と推測される。
◯加 Agnico Eagle Mine社(本社:トロント)
本年Q2におけるメキシコ国内での金生産量は2.9 t、本年上半期では5.6 tであった。同社によると、メキシコ国内に保有する3鉱山により、本年1年間では9.8 t(9.1 t)を見込む。
◯加Alamos Gold社(本社:トロント)
本年Q2におけるメキシコ国内での金生産量は1.7 t、本年上半期では3.4 tであった。なお、同社によると、加AuRico Gold México社(本社:トロント)との合併により、本年1年間では11.7~13.2 tを見込む。
なお、上位5社以外に関しては、米 Argonaut Gold社(本社:レノ)は本年上半期が2.5 tで本年1年間では4.2~4.5 tを見込み、加Primero Mining社(本社:トロント)は本年上半期が2.4 tで本年1年間では4.5~4.8 tを見込む。
一方、加Timmins Gold社(本社:バンクーバー)は、San Francisco鉱山の操業スケジュール変更により、本年1年間では当初目標から0.5 t減らし3.1~3.4 tを見込む。また、加Yamana Gold社(本社:トロント)は、Mercedes鉱山の本年上半期の生産量が目標を下回ったが、下半期にはやや上向きとなるため、本年1年間では当初目標と変わらず3.3 tを見込む。最後に、加Pan American Silver社(本社:バンクーバー)は、本年1年間では当初目標どおり3 tを見込む。
(2015.8.24 メキシコ 縄田俊之)
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メキシコ:貴金属鉱業企業、国際貴金属市況の低迷による売上高ダウンを生産量で補う
2015年8月19日付け業界紙等によると、メキシコで活動する貴金属鉱業企業は、国際貴金属市況の低迷による売上高ダウンを記録的な金生産量で補っている。
メキシコ国立統計地理情報院(INEGI)の報告によると、本年1~5月におけるメキシコ国内金生産量は、前年同期比11.3 %増の43,475 ㎏であった。また、金融サービス会社のMonex Casa de Bolsa社のアナリストLaura Villanueva氏はINEGIの本報告を踏まえ、貴金属鉱業企業は国際金属市況の下落・低迷への対策として貴金属の生産量を増加させていると分析している。
具体的には、加Goldcorp社の場合、年初において本年の金生産量を前年比20 %増の103 t、その内メキシコのみに特化すると前年比52 %増の30 tとする計画を発表しており、確かに同社のメキシコにおける本年上半期の金生産量及び売上高は、ともに前年同期と比べ20.7 %増であった。また、Minera Frisco社の場合、本年の金生産量を同社としては記録的な15.6 tとする計画を発表したところ、本年上半期の金生産量及び売上高は、ともに前年同期と比べ26 %増、金生産量は6.9 tであった。Peñoles社の貴金属部門の子会社であるFresnillo社の場合、本年7月中旬に本年の金生産量を当初計画から6.6 %増の22.2~22.7 tへと上方修正を行った。
(2015.8.24 メキシコ 縄田俊之)
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メキシコ:ArcelorMittal México社、労働社会保障省の調停により労使間交渉合意
2015年8月20日付け業界紙等によると、ArcelorMittal México社は、全国鉱業労働者組合との賃上げ交渉に関し、労働社会保障省の調停により、基本給5.5 %の引き上げとともに一時金として労働組合員1人当たり13,500ペソの社会支援金を支給することで合意した。
同社及び同組合によると、世界的に直面する鉄鋼業の冷え込み、米ドル高に加え、メキシコへ輸入される中国及びロシア製の鉄鋼製品のダンピングにもかかわらず、本調停により賃上げの合意に至った。
同省の調停担当官によると、今回の合意に先立ち本年5月1日時点で、本労使間交渉は同社と労働組合との間において、企業の生産性、労働者への利益分配、及び、メキシコにおける新規投資による競争力、以上3点が尊重されることが求められていた。
なお、今回の合意により、一時金として労働組合員1人当たり13,500ペソの社会支援金が支給されることとなったが、支給される社会支援金は労働組合員による消費活動を通じ、同社が所在するMichoacán州Lázaro Cárdenasに対しても間接的に還元されることが期待される。
(2015.8.24 メキシコ 縄田俊之)
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ドミニカ共和国:Glencore、Falcondoニッケル鉱山を売却
2015年8月14日付け業界紙等によると、Glencoreは、同社の現地法人であるFalconbridge Dominicana社が管理するFalcondoニッケル鉱山をAmericano Nickel Limited (ANL)に売却した旨を発表した。
Grencoreによると、Falcondoニッケル鉱山の売却費用は、フィリピンに保有するTampakan銅プロジェクト及びコートジボワールに保有するSipilouプロジェクトの売却費用と合わせて総額290百万US$にのぼる。Falcondoニッケル鉱山に関しては、2013年にXstrata社を買収し傘下に収めたが、ニッケル市況の下落・低迷を理由に一時閉鎖に踏み切り、現在まで操業停止の状態が続いていた。
同鉱山の新たな保有者となったANLによると、今後数か月の間には操業を再開する見通しである。
また、エネルギー鉱山省は、ANLが同鉱山の改善計画とともに操業に必要となる一連の要求事項を満たすことを期待している旨を明らかにした。
一方、Antonio Isa Condeエネルギー鉱山大臣は、同省が要求する事項には経済的及び財政的支払い能力も含まれている旨を指摘するとともに、同鉱山の操業再開が国及び地域に対し有益ではあるが、関係法令に基づく手続きに厳格に従わなければならない旨言及した。
(2015.8.24 メキシコ 縄田俊之)
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米:Metso社、York工場を2016年3月まで閉鎖
2015年8月20日付地元報道によれば、鉱山機器大手のMetso Corporation(本社フィンランド、以下、Metso社)は、市場が不安定なため、ペンシルバニア州にある同社のYork工場を2016年3月まで閉鎖すると発表した。York工場以外の工場閉鎖の予定はなく、閉鎖により80名の従業員に影響が出るとされている。同社は今年早々にもカナダ・ケベック州のLachine工場が閉鎖されており、191名の従業員に影響を与えていた。
Metso社は、50ヶ国に16千人の従業員を雇用しており、昨年5月以降、機器製造から収益の85 %を占める販売・サービス提供へ方針を転換していた。
(2015.8.20 バンクーバー 昆野充登)
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米:Nevada Copper社、NV州Pumpkin Hollow銅プロジェクトの開発許認可を取得
2015年8月17日、Nevada Copper社は、NV州のPumpkin Hollow銅プロジェクトの開発・操業を行うため必要となる全ての許認可を取得したと発表した。最後に残されていた跡地修復に関する修正認可について、パブリックコメント期間の8月14日までにコメントが寄せられなかったことで当該認可が確定した。
また、8月21日には開発予定地に含まれる連邦所有地(10,058 ac:約40.7平方キロメートル)のYerington市への委譲が前日の8月20日に完了したことも発表した。これにより、当該用地はYerington市の管轄下に入り、同市はNevada Copper社との間で締結している合意書に基づき、当該用地の内の9,130 ac(約36.9平方キロメートル)を同社に譲渡する手続きに入るが、同社に対しては開発に必要な作業の開始にゴーサインを出した。
2015年7月に公表されたFSによれば、同プロジェクトは確定及び推定埋蔵量が572百万st(約519百万t、平均品位が銅0.47 %)、露天採掘と坑内採掘により15年の操業を計画しており、年間平均銅生産量は最初の5年間が274,700 lb(約124,602 t)、その後10年間が246,300 lb(約111,720 t)となっている。
(2015.8.21 バンクーバー 山路法宏)
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加:中国人民元切り下げ、カナダ経済に悪影響
2015年8月11日付地元報道によれば、中国人民元の通貨切り下げ(約2 %)により、カナダ及び米国の株式市場では株価が急落し、カナダドルは米ドルに対し76.08セント安となった。通貨切り下げにより、カナダから中国に向けた輸出が減少すると見られるほか、これにより石油価格と物価の下落も懸念されている。
BC州では、すでに金属部門と原料炭部門で中国の需要後退による影響が出ている。Gold Corp社は金価格の下落により生産コストをカバーできず、資産売却・減配措置を余儀なくされており、また、バンクーバー港からの積荷が減少したため、地域経済にも悪影響を与えている。
カナダ最大の輸出市場である米国の経済は上向いているが、オンタリオの自動車製造業を中心とした製造業全般は、カナダドル高が続いていたこと及び人件費の低い海外に工場を所有していることから、カナダドル安となっても直ちに回復しにくい状況にあると指摘されている。
(2015.8.11 バンクーバー 昆野充登)
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ロシア:ロシア系企業、レアアース開発プロジェクトに中国側投資者と連携
現地報道によれば、ロシア系企業Rosterの子会社である“RT環球資源”は、中国の協力パートナーと協議を行い、ロシア国内のレアアース鉱床を共同開発する。
中国は、全世界の90 %以上のレアアースを生産している。レアアース採掘技術も世界をリードする地位にある。ロシアは、唯一レアアース鉱床を保有しているが、それはウラル地域である。中国企業は技術を保有しているが、それを外国企業に移転するには制限があるため、現在、中国側投資者は、中国政府ととともに同問題について解決案を考えている。
中国側協力企業は、ロシア側とともにロシアのレアアース鉱床を開発する意欲があるが、そのためには、ロシアへのレアアース抽出技術の移転許可を中国国務院から取得する必要がある。
ロシア:Rosgeologia社、ヤマロ・ネネツ自治管区のクロム有望エリア調査へ
2015年8月17日付け地元報道等によると、Rosgeologia社は、Voikar-Synya山塊(ヤマロ・ネネツ自治管区シュルィシカルィ地区)のクロム含有有望性評価を目的とする探査を開始した。
探査は、2015年夏にウラル連邦管区地下資源利用局と締結した契約に基づき行われ、2017年終了を予定している。
クロム鉱床の地質予測モデルをVoikar-Synya山塊向けに改良し、これに基づきクロム鉱床の有望エリアの選定と予測資源量(カテゴリP2)評価を行う。
山塊の構造・形成地図(縮尺5万分1)作成、山塊の形成・構造の特性評価、鉱床分布の法則性特定、鉱床の物質組成研究が予定されている。
(2015.8.24 モスクワ 木原栄治)
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ロシア:Rosgeologia社、ハバロフスク地方南部でタングステン探査開始へ
2015年8月19日付け地元報道等によると、Rosgeologia社は、ハバロフスク地方南部におけるタングステン探査を開始する。探査は極東連邦管区地下資源利用局(Dalnedra)との契約に基づき、連邦予算資金により、子会社のDalgeofizika社(ハバロフスク)が実施する。
探査対象はKhorskayaエリアの3鉱区(Arsa、Kafen、Svetly)で、かつて多数のタングステン鉱化帯が発見されたものの地質調査が不足している地域である。
2015~2017年に、Khorskayaエリア内で商業的なタングステン鉱化帯の発見・範囲確定・内部構造調査を行う。また、地下資源鉱区をライセンス供与計画に加えるための提案書作成も予定している。
(2015.8.24 モスクワ 木原栄治)
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ロシア:UMMC、鉛生産をウラルに移転
2015年8月13日付け地元報道等によると、ウラル採鉱冶金会社(UMMC)は、傘下のUralelectromed社の製錬プラント(スヴェルドロフスク州ヴェルフ・ネイヴィンスキー)における新規生産により、二次原料による精製鉛の年産能力を1.5倍の2万t(ロシアの生産量の約4分の1)に拡大することを決定した。
2010年に操業を休止した鉛生産施設の再装備計画に8億4,850万ルーブルを投入する。建設はすでに開始され、主要設備(2基のドラム炉)の設置が進められており、2015年秋の操業開始が予定されている。
原料の約75 %は鉛ケーク(鉛含有率40 %)で、亜鉛プラントが主要供給元となる。残りの原料は、UMMCの事業所及び外部企業が供給する廃バッテリーのスクラップである。
これまでUMMCでは、Electrozinc社(ウラジカフカス)が鉛ケークによる精製鉛生産を行ってきたが(2014年の生産量1万3,900 t)、Uralelectromed社の鉛生産開始に伴い、同社の鉛生産原料はバッテリー・スクラップのみとなる。
(2015.8.24 モスクワ 木原栄治)
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ロシア:チェリャビンスク亜鉛精錬所(CZP)、2015年上期は国内向け亜鉛供給が拡大
2015年8月14日付け地元報道等によると、チェリャビンスク亜鉛精錬所(CZP)の2015年上期実績は下記の通り。
CZPのSHG亜鉛及び同ベース合金の生産量は8万7,772 t(前年同期8万7,649 t)で、うち57.4 %が国内市場で販売された(前年同期52.7 %)。
系列企業Nova Zinc社(カザフスタンのAkzhal鉛・亜鉛鉱床オペレーター)の亜鉛精鉱生産量(純分)は1万8,074 t(前年同期1万7,936 t)、鉛精鉱生産量(純分)は3,054 t(前年同期3,026 t)であった。
ダイカスト用亜鉛合金メーカーの子会社、英・Brock Metal社の亜鉛合金販売量は1万9,513 tで、前年同期比23 %増となった。
(2015.8.24 モスクワ 木原栄治)
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ロシア:Tominsky採鉱選鉱コンビナート、2017年操業開始予定
2015年8月17日付け地元報道等によると、チェリャビンスクのRCC社(Russian Copper Company)において、Tominsky採鉱選鉱コンビナート・プロジェクトの技術面と社会的経済的意義に関する円卓会議が開催され、同コンビナート、科学技術センター「Geotechnology」、社会団体の関係者が参加した。
円卓会議では、採鉱方法の妥当性、発破作業時の安全確保に対するコンビナートの責任、銅精鉱処理技術の環境的側面、選鉱技術の妥当性が議論され、尾鉱集積場の建設及び稼働の安全性について多数の質問が出された。また、鉱石選鉱に使用される試薬の毒性に関する問題提起もあった。特に重視された議題は、土壌再生及び事業活動においてコンビナートが計画している土地再生策であった。
Tominsky採鉱選鉱コンビナート・プロジェクトは二期に分けて実施され、採鉱選鉱コンビナートの建設期間は最大20ヵ月、第一期の操業開始は2017年11月を予定し、2019年には鉱石年産能力が2,800万tに達する予定である。
(2015.8.24 モスクワ 木原栄治)
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カザフスタン:Kazzinc社、2015年上期は亜鉛・鉛生産が減少
2015年8月14日付け地元報道等によると、Kazzinc社の2015年上期の亜鉛生産量は前年同期比10 %減の8万9,200 tとなった。減産はMaleevsky鉱山で生産される精鉱の品位低下による。
鉛生産量は30 %減の8,000 t、銅生産量は稼働率向上により26 %増の2万4,000 t、金生産量はほぼ横ばいの24万7,000 ozとなった。
(2015.8.24 モスクワ 木原栄治)
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ウズベキスタン:AGMK、Khandiza多金属鉱山の能力30 %拡大へ
2015年8月19日付け地元報道等によると、AGMK(Almalyk Mining-Metallurgical Complex)は、掘削作業の強化と鉱石運搬設備の更新により、Khandiza多金属鉱床(ウズベキスタン南部カシカダリヤ州)の採鉱選鉱コンビナートを2015年内にフル操業化(年間採鉱・処理能力65万t)する予定である。
同コンビナート(投資額1億4,700万US$)は2011年1月に操業を開始した。選鉱プラントの計画年産能力は、銅精鉱5,000 t、鉛精鉱2万t、亜鉛精鉱6万tである。2014年の同コンビナートの鉱石年間処理能力約50万tから30 %拡大された。
(2015.8.24 モスクワ 木原栄治)
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豪:Fortescue Metals Group社の権益に中国企業が関心持つものの売却価格が障害
2015年8月18日付けの地元紙は、Fortescue Metals Group社(FMG社)が、中国のHebei Iron & Steel社とTewoo Group社との間で、FMG社が保有するWA州のピルバラ地区の鉄鉱石鉱山の権益の売却に向けて協議中であるものの、売却価格が障害であると報じている。同紙によれば、先頃、FMG社のNev Power CEOをはじめとする経営陣が中国を訪問した由。FMG社の株価は約6年間にわたって低水準であるが、同社は、実際の資産価値は現在の株価には反映されていないと主張している。売却価格に対する考え方の差は鉄鉱石の価格予測の相違によるもの。
業界関係者は、現下の状況で中国企業がFMG社の権益を取得することに疑問を呈していると報じる一方、FMG社のような一定水準以上の資産が売却される機会は頻繁にはないので、今後の足掛かりのために少し高い金額を払っても良いのではないか、という中国の関係者の見方も報じている。
(2015.8.24 シドニー 山下宜範)
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豪:Alumina社の中間決算は好調で、今後、ボーキサイトを輸出する意向
2015年8月19日、Alumina社が上半期(2015年1~6月)の中間決算を発表。税引後の純利益は122 mUS$となり、前年同期の47 mUS$の純損失からプラスに転じた。中間配当は1株当たり4.5 US¢。これらはアルミニウム価格が下落している中での達成となった(同社はAlcoa社との合弁企業であるAWAC社(Alumina社40 %、Alcoa社60 %)を通じてボーキサイト生産、アルミナ製造及びアルミニウム製錬を実施)。
同20日付けの地元紙は、今回の決算に係るPeter Wasow CEOの発言を伝えている。同CEOによれば、最近のボーキサイトの価格の下落はマレーシアからの輸出の増加によるものだが、同国のボーキサイトは豪州産よりも低品質で埋蔵量も少ないことから、その輸出は持続可能ではなく、2017年までに市場から消滅し、中国の長期的な需要を満たすことは出来ないと述べ、今後、ボーキサイトを輸出する意向を示した。同社は現在WA州で生産しているボーキサイトの輸出の認可の取得に向けて、州政府と交渉中である。
(2015.8.24 シドニー 山下宜範)
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豪:鉄鉱石鉱山会社のArrium社は経営難により鉱山用消耗材販売部門の売却を検討
2015年8月19日、鉄鉱石鉱山会社のArrium社は2015年度の決算を発表。多額の評価損の計上により税引後の純損失は1.9 bA$、純債務は1.75 bA$となった。経営難に陥っている同社の中で、粉砕機用の鉄製ボール等を扱う鉱山用の消耗材販売部門は好調であり、鉱山部門の利益(EBITDA)が前年比で87 %減であるのに対して同部門の利益(同)は前年比で13 %増であった。
同20日付けの地元紙は今回の決算に係るAndrew Roberts 社長の発言を伝えている。同社長は、鉱山用の消耗材販売部門には多くのビジネス関係筋から様々な関心が寄せられており、これらについて調査を開始すると述べたが、現段階で同部門の売却を発表することはしないとも述べた。更に、2016年度は、ブレークイーブンとなる鉄鉱石の価格を、現下のスポット価格57 US$/tを下回る47 US$/tにまで低減させ、今後もコストの削減を続けるとも述べている。同社は本年1月に500名の人員削減を行うと共に、高コストのSA州の鉄鉱石鉱山の操業を中止している。
(2015.8.24 シドニー 山下宜範)
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インドネシア:エネルギー鉱物資源省、11件の鉱業許可申請を投資調整庁に引き渡す
2015年8月14日付地元メディアによると、エネルギー鉱物資源省(MEMR)Said Sudirman大臣は、石炭及び鉱物セクターに属する11件の鉱業許可申請を投資調整庁(BKPM)内のワンストップサービスに引き渡したと、正式に公表した。
本件は、インドネシア国内における重要な産業分野への投資を加速するための、現政権が行っている合理化の一部である。MEMRは以前、石油・ガス分野における42件の事業許可のうち10件をBKPMに引き渡している。
(2015.8.24 ジャカルタ 山本耕次)
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インドネシア:Antamが検察局と覚書を締結
2015年8月17日付地元メディアによると、国営鉱山公社PT Aneka Tambang(Antam)は、2015年8月14日にインドネシア検察局と、同社が事業を行っている管区における法的弁護の規程に関する覚書を締結した。
AntamのTedy Badrujaman取締役社長は、「覚書の締結は、Antamの事業ユニット及びその子会社が、既に公布されている規則を遵守するという姿勢を示すものである。この協力を通して、Antamは国営企業として、民法及び連邦が制定した法に関する検察局の弁護サポートと助言を受けていく」と述べた。
(2015.8.24 ジャカルタ 山本耕次)
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インドネシア:FreeportのL/C保留権限は商業省に
2015年8月19日付地元メディアによると、エネルギー鉱物資源省(MEMR)鉱物石炭総局のBambang Gatot総局長は、PT Freeport Indonesia(PTFI)による信用状(L/C)決裁の保留に関する勧告を発出した。
Bambang総局長によると、L/C保留の権限は商業省側にあるという。同局長は「MEMRの勧告は完了した。しかし、L/Cに関しては商業省に権限がある」と述べた。
商業省が出した規則(2015年No.25)により、特定物品に関するL/C決裁による取引が決められている。L/Cが必要とされる物品は、鉱物、石炭、石油、天然ガス及びパーム油とそれらの派生商品である。
(2015.8.24 ジャカルタ 山本耕次)
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中国:広西賀州、レアアース等3大産業を重点的に拡大
現地報道によれば、広西省賀州市政府は、石材炭酸カルシウム、レアアース、タングステン・チタン・錫の3大産業を重点的に拡大する。
現在、賀州炭酸カルシウム業界には、合計503社が存在し、内訳は鉱山採掘企業56社、板材・加工企業291社、炭酸カルシウム粉末体93社、末端及び関連設備企業54社であり、多くの企業は炭酸カルシウム産業モデル基地に位置している。
同基地内に建設中である“希土機能材料産業団地”は、中国アルミ業株式有限公司からの投資を主に建設され、今後同団地に設立される予定のプロジェクトは10件、投資総額は10億元近くになる。建設完了後、生産額は95億元、税込み利益額は6億元である。現在、稼動しているレアアース企業は3社で、主に希土類酸化物、希土類合金、希土類機能材料等を生産している。
中国:内モンゴル、上半期のレアアース輸出は数量増加、価格下落
現地報道によれば、フフホト税関によると、中国国内レアアース輸出割当管理制度の廃止等要素の影響を受け、2015年上半期(1~6月)は内モンゴルレアアース輸出量が急速に伸びていたが、輸出の平均価格は前年同期比で大幅に下がり、明らかに数量増加・価格下落という態勢を見せている。
税関統計データによると、2015年上半期(1~6月)の内モンゴルのレアアース輸出量は前年同期比36.5 %増の2,663.88 t。紹介によると、今年上半期に内モンゴルのレアアース製品は主に米国及び日本に輸出されている。そのうち米国に輸出したレアアースは前年同期比40 %増の1,365 t、日本に輸出したレアアースは前年同期比130 %増の770.4 tであった。
2015年上半期に内モンゴルから輸出したレアアースの平均価格は1t当たり3.2万元で、前年同期比34.7 %減となった。
中国:タングステン・錫業界への許可条件を引き上げ
安泰科によれば、重要な戦略的資源を保護するため、中国工業情報化部は「タングステン産業の規範条件」及び「錫産業の規範条件」を設定し、現在、意見を募集している。
タングステン、錫は中国の重要な戦略的資源で、国内市場で供給と需要が賄われることで市場の安定成長が保たれるため、高い輸出関税により輸出が制限されている状態であった。
WTOの関連規定に基づき、2015年5月1日より、中国政府は、鉄鋼粒子粉末、レアアース、タングステン等製品の輸出関税を撤廃した。
無秩序的な開発、資源の破壊や環境汚染を避けるため、中国工業情報化部は、「タングステン産業の規範条件」及び「錫産業の規範条件」において、採掘企業の規模と実力に対し厳しい要求を設定した。
そのうち、「タングステン産業の規範条件」では、タングステン資源を開発する場合、法律に基づき採掘許可証と安全生産許可証を取得しなければならない。鉱物資源や安全生産の法律法規、鉱物資源計画及び関連政策を守らなければならない。採掘権者は、承認された鉱物資源開発利用計画案とグリーン鉱山の建設基準や採掘の一次設計と安全施設の設計に従い、鉱山の建設と開発を行わなければならず、指標以上の採掘、無許可採掘と乱採掘行為を禁止される。鉱山の建設規模は6万t/年以上と設定し、サービス期間は5年以上と設定する。
製錬及び加工企業は、原料の供給を実施し、違法採掘や無計画採掘と計画以上の採掘により獲得した鉱産品、パラタングステン酸アンモニウム等原料を購入してはならない。
「錫産業の規範条件」では、錫資源を開発する場合、法律に基づき採掘許可証と安全生産許可証を取得しなければならない。鉱物資源や安全生産の法律法規、鉱物資源計画及び関連政策を守らなければならない。採掘権者は、承認された鉱物資源開発利用計画案とグリーン鉱山の建設基準や採掘の一次設計と安全施設の設計に従い、鉱山の建設と開発を行わなければならず、無許可採掘や乱採掘行為、資源の破壊・浪費行為を厳しく取り締まる。鉱山の建設規模は6万t/年(鉱石量)以上と設定し、サービス期間は10年以上と設定する。
本条件により、中国工業情報化部は、同規範条件に適合するタングステン鉱山、製錬、加工及びリサイクル企業に対し公告管理制度を実施する。
中国工業情報化部は、規範基準に基づき、申請する企業に対し検証を行い、必要な際に環境保護等部門の意見を求めた後、公表する。中国工業情報化部は、公表した企業リストに対し動的管理を行い、社会に向けて公表した企業の規範状況に対し監督を行う。公表した企業は違法行為がある場合、事業資格を取り消される。
中国:中国レアアース産業協会投資・融資部会の発起人会議、北京で開催
現地報道によれば、中国レアアース産業協会投資・融資部会の発起人会議が、2015年7月28日に北京で開かれた。会議には合計12社の発起企業が参加した。発起企業は、レアアース企業、投資機構、商業銀行及び会計士事務所からなり、個別企業名は以下のとおり。
・贛州レアアース鉱業有限公司
・広東省広晟資産経営有限公司
・鋼研大彗投資有限公司
・北京盛世景投資管理有限公司
・深圳市中合招銀投資企業
・(有限パートナー)昆吾九鼎投資管理有限公司
・承錦基金管理(北京)有限公司
・中国民生銀行冶金事業部
・興業銀行株式有限公司冶金産業金融センター
・上海能譜実業有限公司
・盛和資源持株株式有限公司
・大信会計士事務所
会議は、投資・融資部会を設置する重要性及び意味について議論され、当該部会の創設を認可し、且つ当該部会の登録地及び事務所を中国レアアース産業協会に設けること決定された。同時に「中国レアアース産業協会の投資・融資部会の採決方法」及び「中国レアアース産業協会投資・融資部会の作業ルール」(草案)が採択された。
中国:包頭昭和希土が解散
中国北方希土集団ハイテク株式有限公司の7月31日の公表よると、同社は資本参加している包頭昭和希土ハイテク新材料有限公司に対し、株主3社の承認に基づき、昭和希土取締会議における決定により、包頭昭和希土に対し解散且つ清算を行うことに定めた。
この決定を出した理由としては、2012年以降、同社の生産が停止しており、2013年または2014年度には大幅に欠損を出したことが挙げられる。
同社は、希土類永久磁石合金の製造、販売事業を展開しており、2002年10月に創設され、登録資本金は10億円、日本・昭和電工株式会社、北方希土、日本・東海貿易株式会社がそれぞれ60 %、30 %、10 %の株式権益を保有している。2014年末時点における、純資産額は3,724.71万元である。
北方希土が保有する昭和希土の株式権益が、北方希土の資産に占めている割合は少ないため、この決定は北方希土に大きな影響を与えない。
中国:中国北方希土の設立作業を2017年に完了
現地報道によれば、2015年8月8日に開かれた“第7回中国包頭レアアース産業フォーラム”での張世明包頭市副市長の発表によると、中国北方希土(集団)は、2017年に実質的な設立作業を完了する見込み。
2014年12月、国務院の承認、国家工商総局の審査認可によって、中国北方希土(集団)ハイテク株式有限公司が設立許可された。3年をかけ、上流企業に対する再編統合作業を終え、レアアース資源に対する効果的な管理規制を取得した。現在、包頭市にはレアアース企業合計95社、そのうちレアアース新材料及び実用企業35社があり、主にレアアース永久磁石、水素吸蔵と研磨材料等分野に集中している。
2015年から今後3年間、“レアアース産業の構造転換と高度化モデル”作業の実施を通じ、2017年までに、中国北方希土(集団)に対する実質的な作業を終え、レアアース選鉱、製錬、機能材料、実用製品、科学研究及び貿易事業を一体化する国内最強、世界トップの大規模レアアース企業集団を築く。
中国:中国政府、レアアース産業の構造転換と高度化促進に対しいくつかの措置を実施
現地報道によれば、2015年8月8日に開かれた“第7回中国包頭レアアース産業フォーラム”からの情報によると、今後、中国は以下一連の措置を取り、レアアース産業の構造転換と高度化や健全な発展を促進する。
1. レアアース違法・規則違反行為を徹底的に取り締まる
中国工業情報化部は、関連部署や地方政府とともに検査・監督・処分を強化し、レアアース専用領収書情報や一般人による通報筋等を利用し、調査する。処分しない、先延ばしするまたは責任を転嫁する地方政府部署に対し期限付きで監督処分し、関係者の責任を追及する。レアアース産業協会の役割を発揮し、特別チームを発足し、レアアースの違法。規則違反情報に対し直ちに検証し、且つ通常業務メカニズムに組み入れる。代表的な案件の公開に力を入れ、犯罪者を怯えさせ、厳しく取り締まる。「希少金属管理条例」を速やかに公表し、レアアース違法・規則違反行為への取り締まりに対し法律的な保障を提供する。
2. 大規模レアアース集団に対する実質的な統合作業を加速する
大規模レアアース集団6社は、設立計画案の要求に従い、国内全てのレアアース鉱山と製錬分離企業に対する再編を加速し、実質的な統合を実現させ、年末までに全ての統合作業を完了させる。
3. ハイレベル実用産業を大いに成長させる
中国工業情報化部は、関連部署ととともにレアアース産業の発展に対し大いに支援し、工業的構造転換と高度化特別項目に対し資金を提供し続け、ハイレベルレアアース機能材料と部品の産業化など事業を支援する。
4. レアアース第13次5ヵ年計画作業を実施する。
中国:2015年上半期のレアアース塩類の輸出量が対前年同期比34 %減
安泰科によれば、中国税関の統計データによると、中国の2015年6月のレアアース塩類の輸出量は668.5 t、対前月比61.5 %増、同月の輸出額は244.2万US$、前月比0.5 %増。2015年1~6月の中国レアアース塩類輸出量は合計2,535.8 t、対前年同期比34 %減。輸出額は合計1,223万US$、対前年同期比45.7 %減であった。
2015年1~6月日本への輸出量は1,594 t、輸出総量の62.8 %を占め、米国への輸出量は330 t、輸出総量の13 %を占めている。ドイツとイタリアへの輸出量はそれぞれ121 t、162 tで、輸出総量の4.8 %、6.4 %を占めている。
中国のレアアース塩類の輸出は主に炭酸セリウムで、2015年1~6月炭酸セリウム輸出量は合計1,982 t、レアアース塩類輸出総量の78.2 %を占め、そのほか、他のセリウム化合物による輸出量は184 t、輸出総量の7.3 %を占め、フッ化希土類の輸出量は235.5 t、輸出総量の9.3 %を占めている。
中国:2015年上半期のレアアース塩類の輸入量は4,422 t
安泰科によれば、中国税関の統計データによると、中国の2015年6月のレアアース塩類の輸入量は825 t、対前月比41.7 %増、同月の輸入額は166.4万US$、前月比1.8 %増加した。2015年1~6月の中国レアアース塩類輸入量は合計4,422 t、対前年同期の193.8 tと比べ遥かに上回る。輸入額は合計1,013.2万US$、対前年同期の240万US$と比べ遥かに上回る。
2015年1~6月のマレーシアからの輸入量は2,252 t、輸入総量の50.9 %を占めている。米国からの輸入量は1,201 t、輸入総量の27.2 %を占めている。ベトナムからの輸入量は574 t、輸入総量の13 %を占めている。
2015年前半6ヵ月主に輸出したレアアース塩類の輸入量は、炭酸セリウム654 t、輸出総量の14.8 %を占め、混合炭酸希土類の輸入量は1,715 t、輸入総量の38.8 %を占め、未混合炭酸希土の輸入量は1,197 t、輸入総量の27.1 %を占め、混合塩化希土類の輸入量は844 t、輸入総量の19.1 %を占めている。
中国:包頭レアアース製品取引所の成約額は、大幅に増加
現地報道によれば、包頭レアアース製品取引所2015年1~7月の成約額は大幅に増加した。
包頭レアアース製品取引所が2015年1~7月に取引した酸化物、金属、合金等各種レアアース製品は11.64万t、取引総額は157.55億元で、2014年の取引総額と比べ277 %増加した。
取引に参加する国内外の会員企業も増え続けている。2015年7月末まで、国内レアアース上流企業や末端企業、中間取引業者など包頭レアアース製品取引所に口座を開設し、市場参入した企業は120社近くに上る。
規定に基づき、包頭レアアース製品取引所は“e現物取引 (オンライン取引) ”、現物オークション取引及び現物上場取引の3種の取引方法を導入している。大口商品の中・長期取引、大口商品の中・長期取引市場管理、倉荷証券事業は行っていない。今後、クロスボーダー電子商取引事業への参入を促進し、将来的に先物取引方法も導入する予定。
包頭レアアース製品取引所は、中国国内初の専門レアアース製品取引所として、2014年3月28日に発足した。
中国:2015年上半期、中国非鉄金属工業生産は安定的に運営
安泰科によれば、2015年上半期は複雑な国際経済環境及び国内経済の低迷による影響が大きいという状況の中にもかかわらず、中国非鉄金属工業の全体生産は安定的に運営されている。
1. 生産は安定的に増加
2015年1~6月、中国の10種の非鉄金属生産量は2,526.58万t(対前年同期比9.32 %増)、成長率は対前年同期より3.92ポイント増加。そのうち銅・アルミニウム・鉛・亜鉛の生産量はそれぞれ377.83万t(対前年同期比9.39 %増)、1,560.82万t(対前年同期比11.69 %増)、204.83万t(対前年同期比3.49 %減)、307.02万t(対前年同期比13.4 %増)となっている。
2. 固定資産への投資の増加率が反落
2015年1~6月、中国有色金属工業(独立した黄金企業を含まず、以下同様)の固定資産への投資額は3,100.48億元(対前年同期比2.19 %増)であったが、増加率は対前年同期より4.39ポイント反落した。そのうち非鉄金属鉱山への固定資産投資は457.59億元、対前年同期比7.31 %減、製錬プロジェクトへの投資が810.22億元、対前年同期比で3.50 %減、加工プロジェクトへの投資が1,832.68億元、対前年同期比7.76 %増加した。
3. 非鉄金属輸出入貿易額が下落
2015年1~6月、中国主要非鉄金属の輸出入貿易額(独立した金企業を含まず、以下同様)は561.0億US$(対前年同期比10.7 %減)、そのうち輸入額は414.6億US$(対前年同期比15.7 %減)で、輸出額は146.5億US$(対前年同期比7.0 %増)であった。輸入超過額は268.1億US$(対前年同期比24.4 %増)であった。
4. 非鉄金属の価格は低下
2015年1~6月、中国国内市場の銅、アルミニウム、鉛の平均価格はそれぞれ4.33万元/t(対前年同期比12.4 %減)、1.30万元/t(対前年同期比1.7 %減)、1.29万元/t(対前年同期比7.0 %減)。国内市場の亜鉛平均価格は1.65万元/t(対前年同期比7.8 %増)、2014年下半期より2.3 %低下した。