ニュース・フラッシュ
2007年4月18日
ロンドン
及川 洋
カザフスタン:ENRC社によるKazkhmys社買収の動き
4月11日、ENRC社はKazakhmys社の買収について、英国の買収規制当局(UK Takeover Panel:英国でM&Aのモニタリング・規制を行う独立の自主規制機関)から、5月15日、17:00までに正式な買収のオファーをするのか否か意思表示をするよう勧告を受けた。
ENRC社は、3月にKazakhmys社の株式の一部買付けの可能性を公表しているが、Kazakhmys社は、これまでのところENRC社からなんら正式な提案は受けていないとしている。ENRC社の動きに対して、Kazakhmys社は4月上旬、英国買収規制当局に対して、M&Aコード(買収合併に関するCity規約)に基づき、ENRC社に買収の意思を明確にするよう裁定を求める申請を行っており、今回の勧告は、これを当局が認めたものである。
英国のM&Aコードでは、当局は買収案を有している者に対して、期限を切ってその意思を命じさせることができ、また、その者が、買収の意図が無い旨表明した場合には、同コードに基づき、その後6か月間はその買収を実施できないこととなっている。
なお、Kazakhmys社は2006年にロンドン証券市場(LSE)に上場しており、株式の時価総額約150億US$、現在、カザフスタン政府がその株式の約15%を取得する計画が進んでいる。また、ENRC社は2007年12月にLSEに上場しており、現時点での株式時価総額は277億US$、その株式の24.3%をカザフスタン政府が保有し、14.6%をKazakhmys社が保有している。
