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ニュース・フラッシュ

2008年7月7日 バンクーバー 武富義和

カナダ:Teck Comincoをはじめとした資源株S&P/TSXインデックス、大幅な下げを記録

7月2日、Teck Comincoの株価が、過去6か年で最大となる8.4%の下げを記録した。背景としては、第1四半期の売上の37%を占める亜鉛の価格下落、過剰生産、過剰在庫が上げられる。亜鉛価格は過去2か年で最低となる価格を記録、また、供給については、2008年4月の国際鉛亜鉛研究会によると2008年は215千tにも上る供給過剰が見込まれている。その他、売上の14%を占める石炭も価格が反落しており、このような要因が複合的に作用しTeck Cominco株の下落に繋がっているとの見解を地元紙は述べている。
カナダの主な資源会社の株価を比較すると、Fording Canadian Coal Trust(石炭)の上半期の株価上昇率は154%、7月2日の下落率は16.2%、Potash Corp.(カリウム)の上半期の株価上昇率は65%、7月2日の下落率は8.4%、Teck Cominco(亜鉛、石炭、銅)の上半期の株価上昇率は27%、7月2日の下落率は8.4%となっている。エネルギー株も同様に下落している。株価の大きく変動した要因は取り扱う商品の需給だけではないようである。
更にカナダ株式市場全体に着目すると、TSX(トロント証券取引所)のベンチマーク・インデックスであるS&P/TSXインデックスも2008年1~6月間に4.6%上昇したが、7月2日のみで2008年2番目となる3%の下げを記録している。
今回のTeck Comincoの株式の記録的下落は、石油高騰、世界的な景気後退、インフレ懸念、サブプライムの影響による更なる評価損発生の可能性等を嫌い売りが加速化したためと見られる。

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