ニュース・フラッシュ
2011年3月28日
ロンドン
小嶋吉広
ニジェール:中国核工業集団公司(CNNC)、Azelikウラン鉱山の試験生産開始
中国最大の原子力発電所事業者である中国核工業集団公司(CNNC)は、同社にとって初の海外プロジェクトであるニジェールAzelikウラン鉱山での試験生産を開始したと発表した。同鉱山はCNNCが37.2%権益を保有し、フル生産時には700 t(U)のウラン生産が見込まれている(下表参照)。
プロジェクト名 | 国名 | 鉱種 | 品位(U3O8換算) | 資源量(U3O8) | 権益比率 |
Azelik | ニジェール | ウラン | 0.2% | 15,000 t | CNNC:37.2% ニジェール政府:33% 中国ZXJOY社:24.8% KORES:5% |
同社はニジェールの他、ロシア、ジンバブエ、豪州、カザフ、タンザニア、ザンビアでのウラン資源獲得を検討しており、今後10年間で、5,000 t(U)のウランを海外から調達すると発表している。中国のウラン需要は急拡大しており、2010年は2009年の3倍近い17,136 t(U)のウランを輸入している。中国国内では、2011年に新たに2基の原子炉が運転を開始する予定であり、これにより120 t(U)のウランが更に必要となっている。中国での原子力発電は2011年末には11.7 GWの発電規模に達する見込みである。
中国は自国のウラン資源開発にも取組んでおり、2020年には40 GW相当のウラン資源を自国内より調達することを目指しているが、国内鉱の手当てが十分になされるまでは、海外からの輸入で補う予定である。今月上旬、広東核電集団がナミビアでHusab(Rossing South)鉱山を有するKalahari Mineralsに対し12億US$での買収を提示しており、中国のアフリカにおけるウラン資源獲得の動きが目立っている。
