ニュース・フラッシュ
2011年11月1日
シドニー
原田富雄
豪:連邦政府、インドへのウラン輸出解禁を改めて否定
WA州のバーネット首相は、2011年10月28~30日の3日間、WA州パースで開催される英連邦首脳会議(CHOGM)の折に、インドとの間でウラン輸出解禁に向けた協議を始めるべきと主張していたが、インドのシン首相はスケジュールの調整がつかず、同会議への参加を見送ったことから、WA州の思惑は空振りに終わっている。
一方、連邦政府は輸出解禁に対し否定的な立場を継続している。2011年1月、インドのKrishna外務大臣の訪問を受けたファーガソン連邦資源エネルギー大臣は、インドへのウラン輸出を解禁しない立場を明言している。ギラード連邦首相、ラッド外務大臣(前連邦首相)は、CHOGMはこうした二国間の政策議論をするに相応しい場ではないと前置きしつつ、ファーガソン大臣の考えについて支持を表明している。
連邦政権を握る労働党は、インドへのウラン輸出の条件として「核拡散防止条約(NPT)」、及び「ウランに関する二国間協定」の締結を求めているが、インドは現在までNPTに署名していない。しかしながら、米国はインドに対して原子力に関する技術移転を認めるなど、今後の原子力市場の拡大を睨んだ動きに転じており、WA州でウラン鉱山開発を進めるToro Energy社(本社:SA州Adelaide)のHall社長は、インドへの輸出解禁の機運が高まることを期待する発言を行なっている。
