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英国:Rio Tinto、2015年納税額を公表、租税回避への批判を受けてタックスヘイブンに位置する事業体を削減へ
Rio Tintoは「Taxes paid in 2015」において全世界において総額45億US$にのぼる2015年の税金及びロイヤルティ納付実績を公表し、租税回避として非難が高まっているタックスヘイブンに位置する事業体の削減を明らかにした。
Rio Tintoによれば、600以上の事業体のうち17事業体が現在タックスヘイブンにあり、そのうち8事業体は休止状態で清算中または清算の目途が立っていると報告している。残りの9事業体については、4事業体が投資持株会社、3事業体がRio Tintoの事業会社へ無利子貸付融資機関、1事業体は鉱山付近のコミュニティーのための事業体ですでに閉鎖していること、また残りの1事業体は売上が100万US$、利益も50,000US$に満たないと説明している。
また、Rio Tintoはタックスヘイブンを、“通常の法人所得税率が10%またはそれ以下の国”と定義し、Rio Tintoの平均法人所得税率は29.9%と報告している。Rio Tintoのレポートでは、シンガポールでは通常法人所得税率は17%になるが、Rio Tintoは低い法人所得税率でビジネスを行う資格を得ていることについて、シンガポールの“少数”企業は、奨励制度のおかげで10%、またはそれ以下の法人所得税率が適応されていると説明し、シンガポール事業体における取引はOECDガイドラインと現地の法的必要条件に沿った公正な基準と価格で行われていると報告している。
さらに、税回避疑惑のリスクを軽減するために、豪州、カナダ、シンガポール税務当局と事前確認制度(Advance Pricing Agreement:APA)の合意を結んだとも報告している。同社CFOのChris Lynch氏はレポートにおいて、我々は採取産業透明性イニシアチブ(Extractive Industries Transparency Initiative)を支援し、資源企業は世界中の政府に対して適切な納付実績を公表する必要があるとして、租税回避防止を支援し、OECD勧告書を受けて国別に税金を報告していると言及している。
なお、Rio TintoとBHP Billitonは、2015年4月、多国籍企業に相次ぐ租税回避疑惑により、両社とも豪州の税務当局による調査を受けていると認めていた。
