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- 鉱種:
- ジスプロシウム テルビウム ネオジム プラセオジム レアアース/希土類
中国:2021年のレアアース関連企業の春節動向調査
現地報道によると、間もなく訪れる2021年の春節を前に、コンサル会社・我的有色網がレアアース業界へ春節の影響について調査を行った。状況は以下の通り。
1.レアアース分離・製錬企業では、通常生産を行い、磁石材料企業は早めの休みとなる
2021年のレアアース分離・製錬企業の生産現場は、春節期間中、ほぼ通常生産を保つ。江西地域の一部生産企業では、点検作業による2~3日間の生産停止を予定している。四川地域にある一部企業では、事務担当職員は交替で休みを取ることになっているという。磁石材料企業では、新型コロナや配送・原材料価格、末端需要等の影響で、休暇が早まるなど、各地域で休暇時間が異なるという。浙江省・山西省・広東省地域にある磁石材料企業では、2021年2月1日の週から休暇が始まり、江西・山東地域では2月以降休暇とする企業が多い。
2.価格は継続的に上昇する傾向、企業生産意欲が高まっている
レアアース分離・製錬企業は、例年と比べ、点検作業実施による生産停止や休暇予定が少なく、企業生産能力はほぼフル稼働している。川下需要が好調のため、発注が多い。また、主なレアアース製品価格が継続的に伸び、企業の生産意欲が非常に高まっている。磁石材料企業については、中小規模企業の休暇計画は一般的に10~15日が予定されている。大規模企業は受注が多いため、休暇時間も例年より減少する見通し。一部企業では新型コロナによる春節期間中の移動自粛により、地方から出稼ぎ労働者が帰郷しにくいため、現地で旧正月を過ごし、春節期間中でも通常生産を行い、職員が交替で休暇を取る形にする。
3.需要が好調のため価格の高騰を支える
レアアース分離・製錬企業は、春節期間中も通常生産を行い、稼働率が高い見通し。磁石材料企業もあまり大きな変動ない。現在、国内新エネルギー車・風力発電、インバーターエアコン・工業用電気モーター・消費型電子、省エネエレベーターなど末端分野でネオジム鉄ボロン系材料への需要が依然伸びている。春節後、軽希土であるプラセオジム・ネオジム製品市場における需給がタイトになり、短期間内に改善される可能性がある。現物供給も比較的緩めるが、中長期的にみると、酸化プラセオジム・ネオジム現物供給は依然不足問題がある。プラセオジム・ネオジム価格は、安定的に伸びる予想である。重希土製品であるジスプロシウムやテルビウムの価格は、新記録を更新し、市場の需要等の要因により、価格は小幅に上がり続ける可能性がある。
