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- 鉱種:
- プラチナ パラジウム PGM(白金族) ロジウム
ロシア:2022年、ウクライナ侵攻の影響で中国への白金族の輸出が増加
2023年3月24日付け現地紙によると、中国の通関統計において、ロシアから中国への白金族(PGM)の輸出が増えている。なお、ウクライナ侵攻後、ロシアは通関統計を公表していない。
2022年1~2月と2023年1~2月の輸出量を比較すると、プラチナが0.0059tから1.67tに増加し279倍、パラジウムが0.32tから2.72tに増加し8.5倍、ロジウムは0.026tから0.19tに増加し7倍となった。
なお、2022年のロシアから中国への年間プラチナ輸出量は重量ベースで前年比33%減少したが、パラジウム輸出量は同43%増加、ロジウム輸出量は同67%増加となった。
背景には、ウクライナ侵攻の制裁の影響で、Norilsk Nickel社の欧米からアジアへの販売先シフトがある。かつてはNorilsk Nickel社の売上の約7割が欧米向けであったが、欧州向けが減少する等、2022年から変化が見え始めている。同社自体は制裁の対象になっていないが、同社のVladimir Potanin社長は制裁の対象となっている。また、Norilsk Nickel社が白金族の製錬を委託しているJSC Krastsvetmet精錬所とPrioksky Non-Ferrous Metals Plantは、2022年4月、ロンドン・プラチナ・パラジウム市場(LPPM)の認定リストから外されている。
