コスタリカ：政府、Crucitas金プロジェクトの露天掘り採掘許可を目的とする鉱業法改正案を国会に提出

　2024年11月25日、コスタリカ政府はCrucitas金プロジェクトに対する露天掘り採掘の許可を目的とする鉱業法改正案を国会に提出した。この法案は、Alajuela州San Carlos自治体のCutris地域に存在する鉱床を対象に例外的に開発を許可するもので、入札を通じて鉱業権を付与し、国に対し最低5％のロイヤルティ支払いを義務付けること等が示されている。
　Cutris地域には、過去に加Infinito Gold社が開発許可を得ていたCrucitas金プロジェクトが存在するが、2010年に露天掘りによる鉱業開発を禁止する法律が成立、その後同社に対する採掘権が取り消された経緯がある。Infinito Gold社は2014年、国際投資紛争解決センター（ICSID）を通じ政府に約400mUS$の賠償を求め提訴していたが、2024年7月に国の責任を認めない仲裁判断が下された。
　法案提出後の2024年11月27日に行われた大統領記者会見では、過去の政権下で鉱物採掘による深刻な環境被害がもたらされたことを痛烈に批判したうえで、現政権はCrucitasプロジェクトの開発を通して地元地域の環境保全、地域開発、治安改善を実現するため本改正に向け活動しているとアピールされた。