チリ:CODELCO、鉱石低品位化により銅生産量減 |
2012年5月16日付けメディア報道によると、CODELCOの2012年1~2月の銅生産量が前年同期比9%減少したことについて、Thomas Keller財務部門副総裁は「生産量は前年より減っているものの、想定の範囲内である。生産減は基本的に鉱石品位の低下による。」と述べた。Keller副総裁によると、2012年全体でも2011年の生産量を少し下回るものの、1~2月ほどの減少率ではない見込み。2012年3月及び4月の同社の銅生産は計画通り行われた。鉱石の品位低下は今後も続き、生産量回復には現在進行中の開発プロジェクトの生産開始を待たねばならない。 COCHILCO(チリ銅委員会)のデータによると、CODELCOの2012年Q1銅生産量は372.5千tで2011年Q1比10.1%減となっている。 |
(2012. 5. 16 サンティアゴ 縫部保徳) 目次へ |
チリ:チリ、2012年Q1銅生産量は前年同期比0.9%増 |
COCHILCO(チリ銅委員会)の月報電子版(2012年5月)によると、チリの2012年Q1銅生産量は127.6万tで前年同期比0.9%増加した。2012年3月単独の銅生産量は446.6千tで前年同月比1.2%減少した。 2012年Q1の大手鉱山各社の生産量は、CODELCOが10.1%減(372.5千t)、Collahuasi鉱山が30.0%減(76.7千t)、Escondida鉱山が2.8%増(240.2千t)となった。生産増が顕著だったのは、Anglo American Sur(86.4%増)、El Abra鉱山(72.2%増)、El Tesoro鉱山(38.9%増)である。一方で、Candelaria鉱山(26.2%減)、Anglo American Norte(17.2%減)、Cerro Colorado鉱山(17.3%減)が生産を減らした。 チリ全体での2012年Q1モリブデン生産量は7,923.4 tで前年同期比23.6%減となった。CODELCO(34.6%減)及びCollahuasi鉱山(62.7%減)の生産減が大きく影響した。 |
(2012. 5. 17 サンティアゴ 縫部保徳) 目次へ |
ブラジル:Paranapanema社、銅開発権益の確保を進める |
Paranapanema社は、銅開発権益を取得するため、12~14件の銅開発プロジェクトについて検討を行っている。これらの銅生産見込みは25千t/年である。また同社はブラジル国内の銅開発鉱区140件を保有している。これには銅以外に錫の権益等も含まれている。しかし同社が保有する銅開発鉱区の多くは、先住民土地、自然保護区に位置し開発が難しいという。 |
(2012. 5. 15 サンティアゴ 神谷夏実) 目次へ |
ブラジル:Thysssen Krupp社、CSA社及び米国圧延工場売却を検討 |
Thysssen Krupp社(TKS)は、リオデジャネイロにあるCSA社(製鉄及び鉄鋼中間製品生産の一貫製鉄所)と米国圧延工場(アラバマ州)を売却することを決め、売り先を探している。目下、株主間協定のあるVale(CSA社株式27%保有)への売却を持ちかけているが、ValeのFerreira社長は、ValeがCSAの経営に参加することはないと発言している。現地報道では、他にもアジアの製鉄会社にも売却の話を持ちかけているとされ、中国の鉄鋼企業に売却される可能性もある。売却を決めた理由は、建設コストが予算を大幅に上回った事と、昨今の鉄鋼需要の落ち込みとみられる。仮にValeがCSA株を買収すれば、Valeが鉄鋼業に本格進出する事を意味し、世界の鉄鋼業界に色々波紋を呼ぶ可能性がある。CSA社は、2010年に製鉄所の操業に漕ぎつけたものの、現在も操業は70%レベルと低迷している。また設備供給は、当初の中国メーカーから自社系メーカーに切り替えており、建設コストも、当初の30億€から52億€に約70%の大幅な上昇となった。同製鉄所の製鉄能力は、高炉2基で5百万t/年である。 |
(2012. 5. 16 サンティアゴ 神谷夏実) 目次へ |
ブラジル:EBXグループ、CCXを上場 |
EBXグループは、コロンビアで石炭開発を進めるグループ企業のCCXを、5月25日にサンパウロ市場に上場する。EBXグループでは、OGX(石油開発)、MMX(鉄鉱石開発)、MPX(エネルギー)、LLX(ロジスティックス)に次ぎ、5社目の上場となる。EBXグループのMPXは、既にコロンビアで鉱区取得を行っているが、CCXの上場は、コロンビアでの石炭開発をMPXから分離することにある。MPXは、独E.ONとのエネルギー開発での協力を発表しているが、コロンビアの石炭資産をこのJVから切り離す考えである。コロンビアのSan Juan石炭プロジェクトの資源量は50億tを超え、埋蔵量が6.7億tある。年産25百万tの石炭生産を20年行うことができ、コロンビアの現在の石炭生産の約25%に相当する。生産コストは48 US$(FOBベース、政府ロイヤルティを含む)とされている。同プロジェクトは、首都ボゴタから850 kmのLa Guajira州に位置し、積出港までの鉄道300 kmも含まれる。投資コストは、鉱山開発が35億US$、鉄道建設が11億US$、港湾整備が0.9億US$、合計46.9億US$である。開発した石炭は、MPXと独E.ONとのJVによるブラジルでの火力発電所に供給する他、欧州、北米、チリ等にも輸出するという。現在の計画では、環境許可等を2013年までに取得し建設に入り、2017年の生産開始を目指す。CCXは、今後、Canaverales、Papayal石炭プロジェクト(露天採掘、生産量5百万t)の開発も計画している。また、EBXグループ企業は、この他にAUXが金プロジェクト、OGXが石油プロジェクトを進めている。 |
(2012. 5. 16 サンティアゴ 神谷夏実) 目次へ |
ブラジル:鉄鉱石開発Manabi社上場へ |
鉄鉱石プロジェクトの開発を行っているManabi社が、サンパウロ市場(Bovespa)に対しIPOによる上場を申請した。また同時にカナダで国際預託株式(GDRs)を発行する。Credit Suisse、Goldman Sachs及びItaú BBAが引き受け会社となる予定である。Manabi社はすでに未上場株で3.43億US$を集めているとの情報もある。同社の現在の株式保有者は、カナダの年金基金、Korean Investment Corp.(韓国政府系投資ファンド)、Fabrica Holdings(リオデジャネイロ・ベースの投資ファンド)とされている。 |
(2012. 5. 17 サンティアゴ 神谷夏実) 目次へ |
ブラジル:2012年銅消費量、前年比5%増の予測 |
ブラジル銅工業協会(Sindicel)は、2012年のブラジルの銅の消費量は、インフラ整備の進展等により前年比5%増加するとの見通しを発表した。2011年のブラジルの銅電線、伸銅品の売り上げは86億US$であり、好調な建設、電気、自動車、通信等の分野が影響した。なお、2010年のブラジルの銅電線、伸銅品の生産能力は、前年比3.3%増の946千tであった。 |
(2012. 5. 18 サンティアゴ 神谷夏実) 目次へ |
ペルー:Barrick Gold、ペルーにおける金生産量減産の見通し |
2012年5月15日付け地元紙等によると、Barrick Goldの現地子会社であるBarrick Misquichilca社のWagner代表取締役は、同社が操業するPierina金鉱山及びLagunas Norte金鉱山の2012年の生産量について、前者は埋蔵量の低下に伴って2011年比で若干減産し、後者は2011年と同等規模になるとの見通しを明らかにした。 2011年の金の生産量は、Pierina金鉱山が152千oz(約4.7 t)、Lagunas Norte金鉱山が763千oz(約23.7 t)であった。 |
(2012. 5. 21 リマ 山内英生) 目次へ |
ペルー:Yanacocha社、Minas Conga金プロジェクトに関する提案書を数日以内に提出する見通し |
2012年5月15日付け地元紙等によると、Buenaventura社のBenavides社長は、数日以内にYanacocha社が、Minas Conga金プロジェクトのEIAの外部評価に対する回答として、提案書を政府に提出することを明らかにした。 同社長によれば、Newmont、Buenaventura社及びYanacocha社の経営陣や技術者が提案書を作成中であり、EIAの分析を基に、水資源問題の改善やプロジェクトにおける追加的投資の可能性、また、プロジェクトの実施の可否を左右する要因等についても記載される。 更に、同社長は、仮に政府が同プロジェクトの中止を決定したとしても、法的な対応は行わないとコメントした。 |
(2012. 5. 21 リマ 山内英生) 目次へ |
ペルー:Volcan社、銀を7%増産の見通し |
2012年5月15日付け地元紙等によると、Volcan社は、同社の2012年の銀の生産量が7%増加するとの見通しを明らかにした。 2011年にVolcan社は21百万oz(約653 t)の銀を生産したが、2012年は22.5百万oz(約700 t)の生産が見込まれている。 |
(2012. 5. 21 リマ 山内英生) 目次へ |
ペルー:Hochschild社、425百万US$の投資を計画 |
2012年5月15日付け地元紙等によると、Hochschild Mining社は、今後2年間にInmaculada銀・金プロジェクト(Ayacucho県)及びCrespo銀・金プロジェクト(Cuzco県)に対して425百万US$を投資する計画を明らかにした。両プロジェクトともに2013年末から2014年末に操業を開始する計画であり、前者は年間10百万oz(約311 t)、後者は年間2.3百万oz(約72 t)の銀を生産する見通しとなっている。 |
(2012. 5. 21 リマ 山内英生) 目次へ |
ペルー:Metminco社、Los Calatos銅プロジェクトのパートナーを模索 |
2012年5月21日付け地元紙等によると、Metminco社(豪)のHowe代表取締役は、Los Calatos銅プロジェクト(Moquegua県)について、2012年末にかけて新たに7,000 mのボーリング調査を行い、2014年にはFSを完了、2015年には鉱山建設を開始して2018年末から2019年初頭にかけて操業を開始する計画を明らかにした。また、年間200千tの銅精鉱を20年にわたって生産する見通しを示したほか、30億US$と見込まれる開発投資額を共同で出資するパートナーを模索しているとコメントした。 なお、同取締役によると、同プロジェクトは国有地に位置しており、優先度の高いプロジェクトであることが国によって認められていることなどから住民問題等は抱えていない。また、操業では海水を淡水化して利用する計画となっている。 |
(2012. 5. 21 リマ 山内英生) 目次へ |
パナマ:加Inmet社、Cobre Panamá銅プロジェクトの新規開発資金の調達を完了 |
Inmet Mining Corp.(本社:トロント)は、パナマに保有するCobre Panamá銅プロジェクトの開発資金として新規に総額15億US$のクレジットの調達を完了した旨2012年5月15日及び18日付け同社HPに公表した。 このクレジットは、無担保、償還期限は2020年、年利8.75%となっている。 同プロジェクトの開発資金は、当初計画の43.2億US$から61.8 US$に増加する見通しとなったため、新たな資金調達が必要となっていた。 同プロジェクトはInmet社80%、Korea Panamá Mining Corp.(韓国鉱物資源公社(KORES)とLS-NikkoがJVで設立した現地法人)20%のJVプロジェクトで、30年超のマインライフの年平均生産量は、銅255千t、金2.8 t、銀47.0 t及びモリブデン3.2千tと試算されている。 |
(2012. 5. 21 メキシコ 高木博康) 目次へ |
アルゼンチン:鉱業での輸入代替を強化 |
2012年5月14日付けメディア報道によると、Debora Giorgi工業大臣は鉱業界代表、鉱業関係の下請、財貨サービス業者との会合の席上、鉱山企業に輸入財貨サービスをアルゼンチン国内で調達し輸入を代替するよう指示するとともに、各社に具体的な輸入代替計画を提出するよう求めた。この会合にはCAEM(アルゼンチン鉱業協会)、Vale、Barrick Gold、Xstrata Copper、Cerro Vanguardia、Panamerican Silverの各社が出席した。輸入代替計画の第1段階では既存製品、サービスに限定されるが、第2段階では新製品や部品、精錬など、国内の工業化、加工処理化を進める計画である。 |
(2012. 5. 14 サンティアゴ 縫部保徳) 目次へ |
メキシコ:米Golden Minerals社、Velardeña金銀鉱山の資源量、50%増加 |
Golden Minerals Company(本社:コロラド州ゴールデン)は、メキシコ・ドゥランゴ州に保有するVelardeña金銀鉱山の新規資源量を下表のとおり2012年5月18日付け同社HPに公表した。銀換算の概測及び精測資源量は、従来比50%増となっている。
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資源量 (百万t) |
平均品位 (g/t) |
含有量 (t) |
金 |
銀 |
金 |
銀 |
銀換算 |
概測及び精測資源量 |
2.3 |
3.46 |
195 |
9.33 |
454.1 |
858.5 |
予測資源量 |
3.1 |
3.33 |
159 |
9.33 |
491.4 |
1,004.6 |
同社は、銅鉱山の隣接地域で資源量の増加を目的としたボーリング調査を実施しており、2012年Q2までボーリング調査を継続した後、2012年Q3にプレFSを行う予定である。 同鉱山は、2011年9月に操業を開始しており、2012年Q1の生産量は、金47 kg、銀3.0 t、亜鉛125 t、銀換算で5.3 tであった。 |
(2012. 5. 21 メキシコ 高木博康) 目次へ |
メキシコ:Baja Mining社、Boleo銅・コバルト・亜鉛プロジェクトの資金調達に懸念 |
2012年5月17日付け現地報道によると、Baja Mining Corp.(本社:BC州バンクーバー)のBoleo銅・コバルト・亜鉛プロジェクトの資金調達に懸念が生じていると報じている。 同社は以前にも、同プロジェクトのコスト超過のため、資金投入なしに6月中旬以降プロジェクトを継続することができないとの警告を発していた。 同社筆頭株主は、同プロジェクトを復活させるため、経営者を変えるよう要求。それに応える形で、同社最高経営責任者John Greenslade氏は5月15日に辞任した。 同社株価は、5月16日朝のTSXで6%急落し、0.31 C$とかつてない低さとなっている。 Boleo銅・コバルト・亜鉛プロジェクトは、メキシコ・バハ・カリフォルニア・スル州Santa Rosalia付近に位置し、Baja社が70%、韓国コンソーシアムが30%の権益を有しており、2013年上半期の生産開始を目標としていた。 |
(2012. 5. 18 バンクーバー 大北博紀) 目次へ |
米:アラスカ州Pebbleプロジェクトの許認可申請に向け1億700万US$の予算承認 |
Anglo American社とともにPebble Limited Partnership(以下、Pebble Partnership)を組成してアラスカ州Pebble銅・金プロジェクトを保有するNorthern Dynasty Mineral Ltd.(以下、Northern Dynasty社)は、2012年5月15日、2012年末に向けてPebbleプロジェクトにおける国家環境政策法(National Environmental Policy Act、以下NEPA)に基づく許認可申請を開始することを目的に、2012年予算として約1億700万US$の予算を承認したことを発表した。 Northern Dynasty社の社長兼CEOであるRonald Thiessen氏は、「今年始めの27,000ページのPebble環境ベースライン報告書の完成及び公開後、Pebble PartnershipはNEPAが必要とするその他の主要文書の完成に注力している。数年にわたる入念かつ徹底的な地質的、環境的、社会経済的、工学的調査の実施後、我々は現在、アラスカ州及び米国の環境規制、許認可規則を満たすとともにそれを超えるようなPebbleプロジェクトの設計案を完成させようとしているところである。」と述べている。 また、同氏はPebble Partnershipがプロジェクトのエンジニアリングの状況についてステークホルダーと共有するため、2012年秋にアラスカ州で一般集会を開始する計画であることを明らかにした。その他の活動の内容としては以下の通りである。 ● エンジニアリング調査では、2012年にプロジェクト説明書(Project Description)を完成させ、2013年にプレFSを完成させる。 ● 環境ベースライン調査を継続する。特に地表水、地下水の水理学的調査、水質、漁業資源に焦点を当てる。 ● 探鉱、地盤工学、冶金学的調査のためのボーリング調査等の調査。これには水理学的調査も含む。
● ステークホルダーの参加と広報業務。これには現在の鉱山計画、雇用やビジネス開発、一般教育、コミュニティへの投資などに対する現在の案を紹介する一般集会が含まれる。 |
(2012. 5. 18 バンクーバー 片山弘行) 目次へ |
米:連邦環境保護庁、アラスカ州Pebbleプロジェクトに対する調査報告書を一般公開 |
2012年5月18日、米国連邦環境保護庁(Environmental Protection Agency, EPA)は、Pebble銅・金プロジェクトが所在するアラスカ州Bristol湾における大規模鉱山開発による環境への潜在的影響について実施した科学調査のドラフト報告書を一般公開した。 本報告書では、通常操業時における鉱山サイト以外の地域における魚類生息域に対する環境リスクの可能性を指摘するとともに、尾鉱ダムやパイプラインにおける障害・事故発生時には湿原の消失、湿原・河川に依存するサケ等の遡河性魚類やそれらを食料とする野生生物の減少、先住民の伝統的狩猟・採取文化に対する影響を指摘している。 なお、本報告書はドラフトであるため、現時点では、EPAによる水質浄化法第404(c)条の適用を始めとして、Pebbleプロジェクトに対する許認可権限発動に関する判断材料とはならない。 |
(2012. 5. 18 バンクーバー 片山弘行) 目次へ |
加:Trevali Mining社、ニューブランズウィック州の亜鉛・鉛選鉱施設等を取得 |
Trevali Mining Corp.(以下、Trevali社)は、2012年5月14日、ニューブランズウィック州北部Bathurst地域のCaribou選鉱施設とCaribou鉱床を保有する私企業Maple Minerals Corp.(以下、Maple社)を買収する契約を締結したことを発表した。 契約によると、Trevali社はMaple社株主に対して、Trevali社普通株式2,000万株及びTrevali社1株価格が2C$以上になった時に行使可能な普通株式購入権付ワラントを400万株発行することで、Trevali社の完全子会社であるTrevali(New Brunswick)Ltd.とMaple社が合併することとしている。なお、2012年5月11日時点のTrevali社株価に基づくと、本買収に係る費用は総額で約2,380万C$となる。 Trevali社が取得する施設は、3,000 t/日の処理能力を有する近代的な選鉱設備と冶金学的/地化学的分析所、許可取得済みの尾鉱処理施設となっている。また、取得対象であるCaribou多金属鉱床は、深部及び走向方向に広がっており、2006年のNI43-101レポートによると概測資源量は381万t(平均品位7.5% Zn, 3.26% Pb, 92g/t Ag)と算出されている。 |
(2012. 5. 18 バンクーバー 片山弘行) 目次へ |
ロシア:ニッケル輸出関税を16.2%引き上げ |
2012年5月11日付け現地報道によると、2012年6月5日からロシアの非合金ニッケルの輸出関税は1,448 US$/tとなり、現行の1,245 US$/tから16.2%の引き上げとなる。 ロシア政府は2011年4月、一律10%だったニッケルの輸出関税をLMEのニッケル価格に基づく累進税率に変更した。このLMEに連動する関税率算定方式は四半期毎に実施されるLME価格モニタリングの結果を踏まえるものとして2011年5月28日に発行されている。前回は、2011年Q4実績に基づき、現行の関税率が、2012年3月5日から適用されていた。 |
(2012. 5. 22 モスクワ 大木雅文) 目次へ |
カザフスタン:Kazakhmys、年次株主総会を開催 |
2012年5月12日付け現地報道によると、2011年8月にKazakhmys(本社:アルマトイ市) 年次株主総会において、取締役会はボズシャコリ鉱床開発を承認、現在同鉱床では作業が鋭意進められているとの事である。また、2011年12月、Kazakhmysは中国国家開発銀行との間で、東カザフスタン州アクトガイ鉱床開発向け15億US$規模の与信協定に調印した。更に電力施設の能力拡大投資を含む総額60億US$のカザフスタン最大の投資計画を実施しており、この投資により銅生産量を今後6年間で30万tから50万tへと拡大できるとしている。 2012年、同社は銅生産量を29万5,000 tレベルに維持することを見込んでおり、同社の全事業所の安定した操業と国際市場における競争力保持に向け、作業方法とコスト管理の改善を継続するとした。 2005年10月のKazakhmysのロンドン証券取引所上場以来、取締役会長を務めるウラジーミル・キム氏は株主総会において、社外取締役会長に権限を委譲するとの決意を表明した。近いうちに取締役会は新候補の選定を開始し、次回年次株主総会までに権限委譲を終える予定である。キム会長は「私は権限委譲後も取締役会の非常勤役員として従来通り会社の業務に積極的に関与するし、会社における自身の持分を減らすつもりはない」としている。 |
(2012. 5. 22 モスクワ 大木雅文) 目次へ |
ボツワナ:Hana Mining、Ghanzi銅・銀プロジェクトに係る予察的経済性評価結果を発表 |
Hana Mining(本社:バンクーバー)は2012年5月14日付けのプレスリリースにおいて、同社が70%の権益を有するGhanzi銅・銀プロジェクト(Bananza ZoneとZone 5)に係る予察的経済性評価(Preliminary Economic Assessment)結果を公表し、経済性分析結果が良好であることを明らかにした。それによると、長期的な銅価格を3.40 US$/℔と想定したベースシナリオの場合、初期開発に係るCAPEXは285.5百万US$、トータルCAPEXは399.0百万US$であり、税引き後IRRは19.3%、資本の回収は5年で完了する見込みである。操業期間中における銅精鉱及び銀精鉱の平均生産量はそれぞれ31,000 t/年、28 t/年、マインライフは最低で13年を予定している。本結果を受け、同社は本プロジェクトのFS開始も併せて発表している。 |
(2012. 5. 21 ロンドン 小嶋吉広) 目次へ |
ジンバブエ:クロム鉱石輸出の解禁を検討 |
各社の報道によると、ジンバブエ共和国の鉱山鉱業開発省(Ministry of Mines and Mining Development)は、同国からのクロム鉱石の輸出禁止措置を解除することを検討している。ジンバブエ政府は同国内での製錬能力強化のため、2007年にクロム鉱石の輸出禁止措置を実施した後、2009年11月から18か月間輸出禁止措置を一時解除していたが、2011月4月から再びクロム鉱石の輸出が禁止されている。同省のGift Chimanikire副大臣によると、クロム鉱石の輸出禁止が同国の輸出収入に与えている影響を懸念する同国財務省を始め、クロム鉱石の製錬能力を持たない鉱山会社、製錬所を持っているが同国での電力不足によって生産に影響を受けた鉱山会社等から、クロム鉱石輸出禁止措置の解除を求める声が上がっている。Chimanikire副大臣は「クロム鉱石の輸出禁止に関する問題は検討中であり、まだ結論は出ていないが、寄せられた要請には耳を傾けており、検討している。」とコメントした。 |
(2012. 5. 21 ロンドン 北野由佳) 目次へ |
ナイジェリア:世銀による鉱物資源セクター支援プログラムが完了 |
世銀はナイジェリア政府に対し鉱物資源管理の改善に向けた支援を2004年より行ってきたところであるが、今般、プロジェクトの終了に当たり、首都アブジャで政府等関係者によるワークショップが開催されたと2012年5月17日付けでメディアは報じている。本プロジェクトは、鉱物資源開発を通じた経済の多角化に向け、政府が鉱物資源プロジェクトの管理を適切に行えるよう制度面及び技術面での支援を行うものであり、世銀は本プロジェクトの実施に当たりこれまで127.9百万US$の費用を投じてきた。また世銀は、鉱物資源分野での投資促進に向け、鉱業・地質情報に係る政府機関の設立をナイジェリア政府に対し提言している。 ワークショップにはSada鉱山・鉄鋼開発大臣も出席し、本プロジェクトに対し感謝の意が表され、ナイジェリアの鉱物資源産業における本プロジェクトの重要性についてコメントがあった他、鉱物資源産業の将来的な発展に向け、追加の支援プログラムを要望する旨発言があった。 石油産業への依存を脱却するため、ナイジェリア政府は鉱物資源分野への投資を積極的に誘致しているところであり、Glencore が鉱物資源分野での投資に向け10億US$のMOUをナイジェリア政府と締結したとの報道も流れている。 |
(2012. 5. 21 ロンドン 小嶋吉広) 目次へ |
DRCコンゴ:浙江海亮株式有限公司、Semhkat銅・コバルトプロジェクト開発協力協定を締結 |
安泰科・各社報道によれば、浙江海亮株式有限公司は、英Mwana Africa社が100%の権益を有するDRCコンゴのSemkhat銅・コバルトプロジェクトの共同開発のために、「SEMHKAT銅・コバルトプロジェクト開発協力協定」を締結した。同公司は、総額4千万US$を投資し、Mwana社と協力し銅・コバルト資源の探査・開発事業を行う。 SemhkatプロジェクトはDRC東南部のカッパーベルトにあり、探査面積は4,875 ㎢で、今後3年間に2.5千万 US$を探査に投入、残り1.5千万 US$は確認された資源のFS及び設計費用の一部に充当される。 Semhkatプロジェクトでは27のライセンスが発効されていて、Mwana社はその100%を保有、ライセンス期間は2008年10月16日から2013年10月15日となっている。ライセンス切れの後は、Mwana社は一定の費用により延長手続きを行う計画。 なお浙江海亮公司は、香港市場上場の海亮集団有限公司傘下で、2001年に設立され、銅管及び銅棒を生産している。 |
(2012. 5. 18 ロンドン 北野由佳)(2012. 5. 21 北京 土居正典)(2012. 5. 14 金属企画調査部 渡邉美和) 目次へ |
南ア:Implats社、Rustenburg鉱区で競合する労働組合が衝突 |
南ア・白金生産大手Impala Platinum Holdings社(以下Implats社、本社:南アNorthlands)は2012年5月17日、同社のRustenburg鉱区において、南ア全国鉱山労働組合(NUM: National Union of Mineworkers)と最近勢力を拡大している鉱山労働者・建設組合連合(AMCU:Association of Mineworkers and Construction Union)との間で衝突が発生したと発表した。17日の朝、同鉱区内の2か所においてNUMとAMCUが衝突し、警察の介入を要する事態となった。結果として、一名が銃撃を受けて重傷となったが命に別状はなかった。Rustenburg鉱区では2012年2月に違法ストライキが発生しており、その際にはAMCUが暴力行為を誘発したとされている。同社の発表によると、今回の衝突による生産への影響はないものの、競合する労働組合の対立により緊張状態が継続している。なお、NUMとAMCUとの勢力争いは、Lonmin等他の企業の鉱区でも起こっており、各企業の経営側は同様の武力衝突が起こらないよう対応を余儀なくされている。 |
(2012. 5. 21 ロンドン 北野由佳) 目次へ |
豪:鉱業界が今後数年間における新規雇用の約半数を創出 |
2012年5月14日、豪州準備銀行(Reserve Bank of Australia)Dr Philip Lowe副総裁はメルボルンで講演し、鉱業界が今後数年間における新規雇用の約半数を創出するだろうと述べた。また、統計局のデータによると、現在、資源セクターは、関連する建設の製造部分を含めて豪州GDPの16から17%を占める一方で、鉱山関係の雇用は豪州全体の8%を占めその3分の1は鉱山及びその処理関係の直接雇用となっている、としている。 |
(2012. 5. 22 シドニー 栗原政臣) 目次へ |
豪:鉱業界が2012年Q1の給与を引き上げる |
2012年5月16日に発表された統計局のデータによると、2012年Q1における賞与を除いた時給賃金を示すwage price indexは、1.0%上昇した前四半期比よりさらに0.9%上昇している。これは鉱業セクターの上昇に影響されており、他の州より鉱業セクターの存在の大きいWA州では1.5%の上昇が見られており、年間では4.5%の上昇となる(豪州平均では3.6%)。鉱業界の2012年Q1のwage price indexは2.2%上昇し、年間では4.6%の上昇となった。 一方、失業率は3月の5.2%から4月の4.9%へと低下しており、WA州では3.8%まで低下している。 |
(2012. 5. 22 シドニー 栗原政臣) 目次へ |
豪:BHP Biliton、総額800億A$規模のプロジェクトは見直しも |
2012年5月17日付け地元紙等によると、BHP Billiton(以下BHP)Jacques Nasser会長は2012年2月に発表した今後5年間に実施するとした総額800億A$規模のプロジェクトを見直す可能性があると述べた。 Nasser会長は、削減額などには言及していないものの、計画は現在より鉱物市場が良かった時に作成されたものと説明し、現在は、豪州国内では労使関係法、鉱物資源利用税等の問題、外的には欧州、米国、中国における経済的、政治的不安定さにより、投資の不確定要素が増している、としている。 BHPは既に投資家に対して、市況が悪化すれば大規模プロジェクトの進行を減速させると説明している。Olympic Damプロジェクト、カナダのJansenカリウムプロジェクト及びPilbara鉄鉱石プロジェクトは全て取締役会の承認が必要となる。Nasser会長はA$270億と見込まれるOlympic Damの拡張プロジェクトは2012年末までに決定するとしている。 |
(2012. 5. 22 シドニー 栗原政臣) 目次へ |
豪:WA州における2012/2013年度の鉄鉱石ロイヤルティは42億A$に達すると予想 |
2012年5月18日付け地元紙等によると、2012/2013年度のWA州の鉄鉱石ロイヤルティの収入は42.6億A$と予想されている。さらに2013/2014年度には52.6億A$に達すると予想されている。これらの予想は、年間平均鉄鉱石価格が2012/2013年度では115.2 A$/t、2013/2014年度では102.90 A$/tに下落すると仮定されているが、さらなる鉄鉱石の拡張工事に基づいているためだとの事である。 2012年7月1日からWA州における鉄鉱石ロイヤルティ(fines)は5.625%から6.5%に引き上げられ、さらに2014年度からは7.5%に引き上げられる。 |
(2012. 5. 22 シドニー 栗原政臣) 目次へ |
豪:Rio Tinto、鉄鉱石拡張事業を見直し |
2012年5月21日付け地元紙等によると、Miami ConferenceにおいてTom Albanese最高責任者は、豪州の開発価格の上昇及び株主からのより多くの利益還元の求めによってPilbara地方の拡張計画を減速させると述べた。 Albanese氏は以前、現行の鉄鉱石年産2億8,300万tから3億5,300万t強の拡張を行った後、さらに1億tの拡張を行うとしていた。しかし、この1億tの拡張は現在の経済環境では困難であると述べている。 |
(2012. 5. 22 シドニー 栗原政臣) 目次へ |
インド:Hindalco社、2013年1月までにオリッサ州新規アルミナ精錬所の操業開始 |
2012年5月19日付け各社報道によれば、インド・アルミ生産企業のHindalco Industries社は、年産量150万t規模となるオリッサ州の新規アルミナ精錬所の操業を2013年1月までに開始する。また、同精錬所に供給するため、新たなボーキサイト採掘も2012年10月から開始し、当初430~440万tの年間供給量を計画している。 また、Hindalco Industries社は、50億US$を投資し、2013年までにインドでのアルミ年産量を3倍となる190万t規模に拡大させる計画を進めている。 |
(2012. 5. 21 ジャカルタ 高橋健一) 目次へ |
インドネシア:政府、新たに235鉱業ライセンス(IUP)を適法と認定 |
2012年5月16日の地元報道によれば、インドネシア・エネルギー鉱物資源省は、新たに235件の鉱業ライセンス(IUP)について、鉱区の重複が無く、法定手続きにより発行されたものであるとして、適法(Clean & Clear)と認定した。ただし、この235件のIUPは、同省がClean & Clearの認定要件として掲げている、探鉱IUPの各法定手数料の納付、生産IUPの環境影響評価の実施等の環境法令義務の履行並びに総括調査レポート作成及びFSの実施については未完了である。正式な認定を受けるためには30日以内に各要件を完了することが条件となる。最終的に今回の追加認定が実施されれば、既発行IUP全10,235件のうち4,386件がClean & Clearとなる。 なお、IUPのClean & Clear認定は、鉱物資源輸出許可取得のために必要なエネルギー鉱物資源省からの推薦状の発行条件の一つとなっている。 |
(2012. 5. 21 ジャカルタ 高橋健一) 目次へ |
インドネシア:政府、鉱物資源輸出税5月16日からの施行を発表 |
2012年5月16日の地元各報道によれば、インドネシアAgus財務大臣は、鉱物資源輸出税に関する同大臣令を5月16日から施行したと正式に発表した。 課税対象は、先にエネルギー鉱物資源省などから示されていたボーキサイト、ニッケル、鉄鉱石、銅などの金属鉱物14種から鉱産物65品目に拡大・変更された。これは先行して5月7日に公布・施行された「鉱物資源輸出に関する商業大臣令(2012年第29号)」に規定する65品目に合わせた形となり、金属鉱物に係る21品目、非金属鉱物に係る10品目、岩石鉱物に係る34品目の内訳も同商業大臣令と同様となっている模様。また、税率は平均で20%としているが、各品目の税率は明らかにされなかった。 なお、上述の商業大臣令(2012年第29号)で規定されている金属鉱物の21品目は以下のとおり(各品目は日本語HS分類品目名に準じている)。 1. 硫化鉄鉱:焼いてないもの 2. 鉄鉱(精鉱を含む。):凝結させてないもの 3. 鉄鉱(精鉱を含む。):凝結させたもの 4. 硫化鉄鉱:焼いたもの 5. マンガン鉱(精鉱を含む。)及び含鉄マンガン鉱(精鉱を含む。) 6. 銅鉱(精鉱を含む。) 7. ニッケル鉱(精鉱を含む。) 8. コバルト鉱(精鉱を含む。) 9. アルミニウム鉱(精鉱を含む。) 10. 鉛鉱(精鉱を含む。) 11. 亜鉛鉱(精鉱を含む。) 12. クロム鉱(精鉱を含む。) 13. モリブデン鉱(精鉱を含む。):焼いたもの 14. モリブデン鉱(精鉱を含む。):その他のもの 15. イルメナイト鉱(精鉱を含む。) 16. チタン鉱(精鉱を含む。) 17. ジルコニウム鉱(精鉱を含む。) 18. 銀鉱(精鉱を含む。) 19. 金鉱(精鉱を含む。) 20. 白金族鉱(精鉱を含む。) 21. アンチモン鉱(精鉱を含む。) |
(2012. 5. 21 ジャカルタ 高橋健一) 目次へ |
インドネシア:工業相、特定鉱物資源の国営化の考えを示す |
2012年5月16日の地元報道によれば、インドネシアHidayat工業相は、鉱物資源の高付加価値化政策をさらに推し進めるため、特定の戦略的鉱物資源の生産・輸出を国の管理下に置く考えがあることを示した。 同相によれば、いくつかの戦略的特定鉱物資源について、新たな輸出規制の実施や、国又は国営企業のみが開発可能とするレギュレーションを発行し、例えば金に関しては、国営企業の独占化を検討していることを明らかにした。特定鉱物資源を国営化することで、鉱物資源下流産業の育成を推進させることが狙いであるとしている。 |
(2012. 5. 21 ジャカルタ 高橋健一) 目次へ |
ベトナム:Vinacominの5カ年計画を政府首相が決定 |
2012年5月11日、ベトナム国営鉱山企業であるVinacominの2011年から2015年までの5カ年計画が政府首相により決定された(No.549/QD-TTg)。この決定は国のエネルギー安全保障に関わるVinacominの石炭及び電力政策について目標を与えると共に、Vinacominが抱える鉱物資源や機械・化学産業についても目標が示されている。金属鉱物資源についての詳細は以下の通り。 ・銅:既存のシンクエン銅鉱山と新たに開発するTa Phoiプロジェクトにより、2013年までに年産8万tの銅精鉱生産を目指す。 ・クロム:タインホア省のCo Dinhクロム鉄鉱プラントに投資して、2015年までに年産15万tまでクロム精鉱生産を拡大する。 ・鉄鉱石:カオバン省のNa Lung及びNa Rua鉄鉱山に投資して、2013年までに年産80万tまで鉄鉱石生産を拡大する。 ・アルミナ:Nhan Co及びTan Raiプラントに投資して、2015年までに年産150万tのアルミナ生産を達成する。 ・海外案件:ラオスのPhu Nhoun鉄鉱石プロジェクトに投資して、年産54万tの採掘及びスクリーニング能力を目指す。 |
(2012. 5. 22 ハノイ 五十嵐吉昭) 目次へ |
中国:四川省鉱業投資集団有限責任公司、権益5%を譲渡へ |
安泰科によれば、四川省鉱業投資集団有限責任公司は2012年5月初め、保有する四川江銅レアアース有限責任公司の権益5%を5,000万元(7.9百万US$)で、冕寧県投資発展有限責任公司に譲渡した。 四川江銅レアアース有限責任公司は、2008年8月に冕寧地域レアアース資源開発のため、江西銅業集団により登録資本金4,000万元(6.3百万US$)で設立された。2009年8月、江西銅業は四川鉱業投資集団と協力協定を締結し、登録資本金を10億元(1.6億US$)に増資、権益は江西銅業56%及び四川鉱業投資44%であった。 |
(2012. 5. 21 北京 土居正典) 目次へ |
中国:深圳市西鉱投資有限公司、銅製錬及び銅箔プロジェクト建設へ |
安泰科によれば、深圳市西鉱投資有限公司は、38億元(6億US$)を投じ、江西省瑞昌市工業パークで生産能力15万t/年の銅製錬設備及び同2万t/年の銅箔生産設備の建設を開始する。 工事は2期に分け実施する計画で、生産開始後の生産額は120億元(19億US$)/年を見込んでいる。 |
(2012. 5. 21 北京 土居正典) 目次へ |
中国:河南省、Q1電解アルミ生産量は89.62万t |
安泰科によれば、河南省の一定規模のアルミ製錬企業(酸化アルミ及び電解アルミ生産) 37社の2012年Q1売上額は、前年同期比15.12%増の244.58億元(38.6億US$)で、利益は同173.92%増の13.97億元(2.2億US$)であった。このうち、電解アルミ生産は同3.18%増の89.62万tで、酸化アルミ生産も同10.83%増の276.48万tであった。また、アルミ材生産は同5.56%増の125.78万tであった。 |
(2012. 5. 21 北京 土居正典) 目次へ |
中国:四川省、Q1非鉄金属生産量は32.5%増 |
現地報道によれば、四川省の2012年1月~3月期の10種非鉄金属生産量は、対前年同期比9.5%減少し2.85万tであった。このうち、電解アルミは前年同期比19.78%増の14.82万t、亜鉛は同27.64%減の7.98万t、金は同76.70%増の741 kg、レアアースは同32.54%増の39.44 tであった。市場の需要停滞を受け、亜鉛製品販売状況は悪く、生産量は大幅に減少した。 |
(2012. 5. 21 北京 土居正典) 目次へ |
中国:商務部、2012年レアアース輸出枠の第1回分の追加枠を発表 |
商務省は、2012年5月16日付けで2012年レアアース輸出枠の第1回分追加枠を発表し、11企業12社に軽希土類9,490 t及び中重希土類1,190 tの計10,680 tが配分された。今回、新規として中国アルミ業公司(内訳:中国アルミ稀土(江蘇)有限公司)に軽希土類739 t及び中重希土類231 tの計970 tが配分された。他の企業10企業11社は、環境保護基準未達成のため、2011年12月26日に発表された「2012年第1回レアアース輸出枠」で配分が留保された企業である。今回の発表で、2012年の輸出枠は21,226 t、留保分4,758 tとなる。
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2012年 企業別希土類輸出枠数量 |
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(単位:トン) |
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1 |
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2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
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11 |
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12 |
13 |
14 |
15 |
16 |
17 |
18 |
19 |
20 |
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|
10 |
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21 |
22 |
23 |
24 |
25 |
26 |
27 |
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企業名 |
第1回分(2011.12.26) |
追加分(2012.5.16) |
計 |
軽希土 |
中重希土 |
軽希土 |
中重希土 |
五鉱集団公司 |
2,148 |
309 |
0 |
0 |
2,457 |
五鉱有色金属株式有限公司 |
1,267 |
199 |
|
|
1,466 |
贛縣紅金稀土有限公司 |
288 |
42 |
|
|
330 |
江西南方希土ハイテク株式有限公司 |
593 |
68 |
|
|
661 |
中国中鋼集団公司 |
1,010 |
145 |
|
|
1,155 |
中国有色金属輸出入江蘇公司 |
1,101 |
202 |
|
|
1,303 |
有研希土新材料株式有限公司 |
716 |
135 |
|
|
851 |
広東広晟有色金属輸出入有限公司 |
866 |
141 |
|
|
1,007 |
贛州虔東希土集団株式有限公司 |
688 |
144 |
|
|
832 |
楽山盛和希土株式有限公司 |
917 |
112 |
|
|
1,029 |
江陰加華新材料資源有限公司 |
899 |
154 |
|
|
1,053 |
宜興新威利成希土有限公司 |
750 |
109 |
|
|
859 |
包鋼集団公司 |
|
|
1,369 |
78 |
1,447 |
包頭華美希土ハイテク有限公司 |
|
|
984 |
61 |
1,045 |
包頭天驕清美希土研磨剤有限公司 |
|
|
385 |
17 |
402 |
中国アルミ業公司 |
|
|
739 |
231 |
970 |
中国アルミ稀土(江蘇)有限公司 |
|
|
739 |
231 |
970 |
江西稀有稀土金属タングステン業集団有限公司 |
|
|
647 |
11 |
658 |
贛州晨光希土新材料株式有限公司 |
|
|
800 |
117 |
917 |
益陽鴻源希土有限責任公司 |
|
|
832 |
34 |
866 |
甘粛希土新材料株式有限公司 |
|
|
1,290 |
163 |
1,453 |
山東鵬宇実業株式有限公司 |
|
|
594 |
88 |
682 |
徐州金石彭源稀土材料廠 |
|
|
754 |
87 |
841 |
溧陽羅地亜希土新材料有限公司 |
|
|
714 |
227 |
941 |
包頭羅地亜希土有限公司 |
|
|
1,463 |
129 |
1,592 |
包頭三徳電池材料有限公司 |
|
|
288 |
25 |
313 |
計 |
9,095 |
1,451 |
9,490 |
1,190 |
21,226 |
留保分 |
|
|
|
|
|
包鋼集団公司 |
1,789 |
195 |
|
|
1,984 |
内モンゴル包鋼希土(集団)ハイテク株式有限公司 |
997 |
111 |
|
|
1,108 |
内モンゴル和発希土科技開発株式有限公司 |
792 |
84 |
|
|
876 |
常熟市盛昌希土製錬所 |
94 |
12 |
|
|
106 |
江蘇卓群納米希土株式有限公司 |
122 |
16 |
|
|
138 |
阜寧希土実業有限公司 |
519 |
71 |
|
|
590 |
広東珠江希土有限公司 |
124 |
27 |
|
|
151 |
平遠三協希土製錬有限公司 |
42 |
5 |
|
|
47 |
フフホト融信新金属製錬有限公司 |
425 |
44 |
|
|
469 |
湽博加華新材料資源有限公司 |
1,131 |
142 |
|
|
1,273 |
保留分計 |
4,246 |
512 |
|
|
4,758 |
|
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(2012. 5. 21 北京 土居正典) 目次へ |
中国:江西省で15万t無酸素銅ワイヤロッド設備建設計画整う |
現地メディアは、最近、広東正騰集団と江西省上饒市玉山県政府は投資協議に調印、総投資額15億元(2.4億US$)で玉山県工業パークに年産15万tの上引き法の無酸素銅ワイヤロッド製造設備生産プロジェクトを立ち上げると報じた。 協議によれば、今回の投資は、主に無酸素銅ワイヤロッド、銅棒、銅管、銅線などの生産設備について2年計画で実施される。 |
(2012. 5. 15 金属企画調査部 渡邉美和) 目次へ |
中国:広西壮族自治区の亜鉛製錬再稼働に伴い亜鉛生産回復 |
中国での報道によると、中国国内亜鉛製錬重点企業調査により2012年4月の稼働率は63.32%と前月比2.08ポイント上昇した。また、広西壮族自治区では亜鉛製錬企業の再稼働に伴って4月の亜鉛生産量が増加している。 2012年初め、同自治区では龍江河でカドミウム汚染事件が発生し、多くの企業が検査のために生産停止となった。これにより、同自治区での亜鉛生産量は2月から大幅減産となり、3月に至り生産量はゼロとなった。4月に入り徐々に生産は増加し、同自治区の稼働率は68%前後に回復した。2011年の稼働率平均は74%であったが、価格低迷などの影響により、5月になっても基本的に4月の稼働率維持に留まっている。 |
(2012. 5. 16 金属企画調査部 渡邉美和) 目次へ |
中国:フェロニッケル市場混迷 |
現地報道によると、現在、中国のフェロニッケル市場は混迷を深めている。生産者の価格は下がり、一部ではコスト割れすらあるという。上流も下流産業もフェロニッケル市場への信頼は低下、トレーダーもまだこの先価格は低下すると見通している。計画的な生産停止を実施する企業も増加していることから、或いは需給は今後バランスし、やっと転機を迎えるのではないかとの見方もある。 一方、ステンレス業界では、市場低迷により、少なからぬメーカーが今後のリスクを避けるために減産措置を取っている。消息筋によれば、宝鋼集団は今月50%の減産をしているという。また、酒泉鋼鉄集団が今月計画しているフェロニッケル調達量は2万tに満たないという。さらに、張家港鉱浦項ステンレス鋼有限公司も今月に同様な減産計画を有しているとのことである。 下流のステンレスメーカーの減産により300系の生産は低下、ニッケル市場は縮小している。一部のフェロニッケル生産者が減産又は生産停止しているといえども、供給過剰の状態は変わっていない。売主にとって価格決定権を掌握できない状態が続いている。 |
(2012. 5. 17 金属企画調査部 渡邉美和) 目次へ |
中国:中国、江西省上饒市で新たな鉛蓄電池工場竣工 |
中国での報道によると、2012年5月14日,江西舒楽新能源科技有限公司が江西省余干県工業パークに建設していた年産能力が蓄電池で500万個、極板製造で6万tの新蓄電池工場が竣工した。投資額は1.5億元(23百万US$)。製造する蓄電池は、鉛-カルシウムの密閉型MF蓄電池で、向け先は自動車、電動自転車、バイクそして固定型の無停電電源装置用などと報じられている。 2011年の蓄電池生産企業の検査対象リストにはこの江西舒楽新能源科技有限公司の企業名は確認できないが、2012年1月には同社の投資に伴う環境対策承認が公示されている。 |
(2012. 5. 18 金属企画調査部 渡邉美和) 目次へ |
モンゴル:国家大会議、「戦略的企業における外国投資に関する法」を制定 |
現地情報によると、国家安全保障・外交政策委員会が2012年5月8日に開催され、「戦略的企業における外国投資に関する法案」を審議し、これを支持、法案を国家大会議へ送った。 モンゴル政府の情報によると、5月18日に開催された国家大会議で法案は可決された。当法律の対象となる分野は①鉱業、②銀行・金融、③報道・通信で、該当企業への外国投資が49%以上となる場合、若しくは外資の投資額が1千億トグログ(8千万US$相当)を超える場合はモンゴル政府の承認が必要となる。また、戦略的企業の特定製品・サービス購入時は、民族企業を優先することが規定されている。民族企業とは、モンゴル人が設立し、50%以上を保有する企業。 |
(2012. 5. 21 北京 土居正典) 目次へ |
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