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 No.15-38  10月14日
[ 中南米 ]
チリ:チリ財団の鉱山生産コスト低減のための技術革新に向けたプログラムの策定状況
チリ:2015年8月の非鉄金属生産実績
チリ:Antucoya銅鉱山、銅カソードの輸出を開始
チリ:Antofagasta Minerals社、7 %の人員削減計画を発表
チリ:Radomiro Tomic銅鉱山、監督員組合がストライキを開始
アルゼンチン:国連調査団、Veladero金鉱山シアン化合物流出事故による河川水汚染は発生していていないと報告
アルゼンチン:Cerro Negro金鉱山、ストライキにより一時操業停止
アルゼンチン:Las Coloradas銅金プロジェクトに対し、地域住民らが抗議デモ
ペルー:Las Bambas銅プロジェクト、現地での対話協議会設置へ
ペルー:エネルギー鉱山大臣ら、Las Bambasプロジェクト問題解決のため現地入り
ペルー:Las Bambasプロジェクト対話協議会、合意達成
ペルー:争議中のLas Bambas銅プロジェクト、2016年末のフル操業を計画
パナマ:加First Quantam社、Cobre Panamá銅・金プロジェクトに関し10億US$の資金調達
ニカラグア:El Limón金鉱山における暴動により警察官1名死亡のほか、31名負傷
メキシコ:El Boleo多金属鉱山における集団訴訟問題が和解へ
メキシコ:上院議員が自然保護地区における鉱業と環境のバランスについて言及
メキシコ:メキシコ政府、南部開発推進に鉱業部門を取り込む
メキシコ:Sonora州鉱業は現状と比べ40 %の生産増加が期待
ホンジュラス:ホンジュラスで活動中の米Clavo Rico社が米Inception Mining社に買収
[ 北米 ]
米:Alcoa社、第3四半期の純利益が対前年同期比70 %減、2016年のアルミニウムは供給不足と予測
カナダ:First Quantum社、価格低迷と市場変動への対応で大幅なコスト削減を計画
  [ 欧州・CIS ]
ポルトガル:ICSGの銅需給予測、2015年は供給過剰幅が縮小し2016年に12.7万tの供給不足へ
ポルトガル:INSGのニッケル需給予測、2015年は4.9万tの供給過剰も2016年には2.3万tの供給不足へ
ポルトガル:ILZSGの鉛需給予測、2015年はほぼバランスも2016年は9.7万tの供給過剰が継続へ
ポルトガル:ILZSGの亜鉛需給予測、2015年は供給過剰も2016年に15.2万tの供給不足に転じる
[ オセアニア ]
豪:Western Areas社、WA州Cosmosニッケルプロジェクトの買収完了
豪:Pilbara Minerals社、6件目のリチウム精鉱オフテイクに関するMOUを締結
豪:2015年8月の鉄鉱石の輸出額は前月比で6 %増、前年同月比では22 %減
豪:先住民に係るアドバイスを行う企業が資源不況の影響で管財人の管理下に
豪:OZ Minerals社は低費用かつ速度を速めて銅・金鉱山を開発し、PE投資会社に対応
豪:BHP Billiton、WA州Nickel West事業をジュニア企業の理念で継続
豪:金鉱山のSaracen社及びSt. Barbara社の第1四半期の業績は金価格の上昇で好調
豪:Glencore、亜鉛価格の低迷により年間亜鉛生産量500,000 t減産
豪:Evolution Mining社は2鉱山の買収により金を増産
豪:五鉱資源、豪州西部のニッケル鉱山開発分野に進出へ
[ アジア ]
インドネシア:Asiamet社、中央カリマンタン州BKM銅鉱床において高品位の銅鉱徴を確認
インドネシア:PT Freeport Indonesiaはインドネシアへの投資を継続
インドネシア:新華聯、フェロニッケルプロジェクトにおける合弁企業を設立
中国:北方レアアース集団、内モンゴル6社のレアアース企業に対する統合を終了
中国:フェロニッケル生産、次第に年間20万tまで縮小
中国:2015年ニッケル消費量は97万tに達する
中国:2016年フェロニッケル生産は35万tに減少する見込み

チリ:チリ財団の鉱山生産コスト低減のための技術革新に向けたプログラムの策定状況

 メディア報道によると、チリ財団は、Programa Nacional de Mineria Alta Ley(国の発展を後押しするために、国内鉱業および国内鉱業サプライヤーの生産性、競争力、技術革新を強化することを目的としたプログラム)の策定作業を進めており、今年末ごろに完了する見込み。

 プログラムの検討には、公共セクターや民間セクター、学術団体の有識者が参加しており、技術革新のために投資されるべき分野として、次の5つを選定している:1.Smart miningを通した継続的モニタリングによる尾鉱の管理 2.製錬・精錬技術の近代化 3.生産プロセスでの水利用効率向上 4.粉砕に使用される消費財の削減 5.操業プロセスの最適化やオートメーションシステムの導入。

 エネルギーコストの削減を目指して技術開発が進められているものとしては、Neptuno Pumps社の新型のポンプVTPXがあり、鉱山のポンプステーションでのエネルギー消費量を30 %まで減少することが可能で、Collahuasi銅鉱山、Los Pelambres銅鉱山、Lomas Bayas銅鉱山で使用されている。また、Power Train Technologiesが開発した輸送装置であるPower Train Attitude Packは、海抜3,500m以上に位置する鉱山で使用が可能で、年間5万~20万US$のコスト削減が可能とされる。

 鉱石品位低下に対応するための技術としては、K+S社が開発した硫酸と塩化ナトリウムを組み合わせることができる浸出リアクターがあり、これは硫化鉱の浸出も可能で、抽出率は40 %から80 %に増加する。Aguamarina社は、バイオリーチングの問題点を解決する技術開発を実施しており、レーザー装置による湿度や細菌濃度のモニタリングを継続的に行うことで、さらに30 %まで銅抽出率を高めることができるとしている。

(2015.10.8 サンティアゴ 山本邦仁) 目次へ
チリ:2015年8月の非鉄金属生産実績

 COCHILCO(チリ銅委員会)の月報電子版によると、チリの2015年8月非鉄金属生産実績(速報)は下表のとおり。

 銅の生産量は、前年同月比8.4 %減の44.17万tであり、2015年7月生産量:45.6万tと比較すると3.1 %減となった。2015年1~8月の生産量は前年同期比0.7 %増の382万tである。鉱山会社別の2015年1~8月銅生産量は、Escondida鉱山が前年同期比9.5 %増の852,600 t、Candelaria鉱山が同25.5 %増の105,800 tとなった。CODELCOの生産量は同0.9 %増の1,218,100 t。一方、Collahuasi鉱山は同13.1 %減の274,600t、Los Pelambres鉱山は同10.5 %減の241,200 tである。

 モリブデンの生産量は、前年同月比3.0 %増の4,291 tであり、2015年1~8月生産量は、前年同期比2.8 %増の32,717 tとなった。鉱山会社別の2015年1~8月モリブデン生産量では、Los Pelambres鉱山が前年同期比36.4 %増の6,486tとなった。CODELCOの生産量は11.5 %減の18,129 tであり、これはChuquicamata-Radomiro Tomic鉱山事業所の生産量が17.2 %減の8,904 tとなった影響が大きい。

  2015年8月
生産量
2015年1~8月
生産量
(参考)
2014年8月
生産量
前年同月比
 銅(千t) 441.7 3,818.8 482.1 8.4 %減
 モリブデン(t) 4,290.7 32,717.4 4,166.4 3.0 %増
 金(t) 3.34 26.58 3.59 7.0 %減
 銀(t) 125.6 997.3 127.6 1.6 %減
(2015.10.8 サンティアゴ 山本邦仁) 目次へ
チリ:Antucoya銅鉱山、銅カソードの輸出を開始

 メディア報道によると、2015年10月3日、Anotofagasta港国際ターミナルから、Antucoya銅鉱山(第Ⅱ州)で生産された銅カソードの輸出が開始された。Antucoya鉱山は、Antofagastaの北東140 kmの位置にあり、2015年7月に建設工事を完了し、その後、試運転段階に移行していた。年間の銅カソードの生産規模は85,000 t、2015年の生産目標は10,000 tとされる。

(2015.10.8 サンティアゴ 山本邦仁) 目次へ
チリ:Antofagasta Minerals社、7 %の人員削減計画を発表

 メディア報道によると、10月6日、Antofagasta Minerals社(AMSA)は従業員や役員を7 %削減する人員削減計画を発表した。AMSAは、競争力を維持するための生産コスト低減計画の一環であるとしている。これにより、Los Pelambres銅鉱山やCentinela銅鉱山のほか、サンティアゴ本社の、一般社員、専門職、役員合わせて約300名が解雇される。

 2015年に発表された大手鉱山会社の人員削減計画としては、2月発表のBHP Billiton(Escondida鉱山)、9月発表のFreeport McMoRan(El Abra鉱山で650名解雇)およびCODELCO(組織再編による管理職ポストの削減など)、10月発表のAnglo AmericanおよびGlencore(Collahuasi鉱山で110名解雇)に続くものである。

(2015.10.8 サンティアゴ 山本邦仁) 目次へ
チリ:Radomiro Tomic銅鉱山、監督員組合がストライキを開始

 メディア報道によると、2015年10月8日、Radomiro Tomic銅鉱山監督員組合(183名の専門職及び監督員職)がストライキを開始した。労働局が調停を行ったもの、解決に至らなかった。

 組合側は、会社側の提案(2.7百万ペソ(約4,000 US$)の団体交渉終結時ボーナス、賃上げなし、契約期間24カ月)に対し、「これまでに現在より銅価格が低い時期があったが、賃上げなしや、ボーナスについてこんなに低い額の提案を受けたことがなかった」と不満をもらしている。

 鉱山を操業するCODELCOは、「銅価格低下の影響で、他の鉱山会社同様、難しい状況に直面している。多額なボーナスの提案を行ってきたこれまでの状況とは異なる。組合側の提案に対し、会社側として精一杯の回答を行った」と述べ、新たに労働局に調停を求めない意向を示している。Radomiro Tomic鉱山を管轄するCODELCO Norte鉱山事業所は、ストライキによる生産への影響が出ないように対策が取られていると発表した。

 Radomiro Tomic鉱山の2014年の銅生産量は327,300 t。今後、酸化鉱の鉱量が枯渇していくことから、硫化鉱開発事業(投資額:52億US$、年間生産規模:35万t銅量換算、環境認可申請中)が進行している。

 団体交渉終結時ボーナスについては、人件費を押し上げるのみで生産能率向上に貢献せず、コスト競争力を低下させる要因になっていることから、廃止すべきであるとの有識者の意見がある。

(2015.10.9 サンティアゴ 山本邦仁) 目次へ
アルゼンチン:国連調査団、Veladero金鉱山シアン化合物流出事故による河川水汚染は発生していていないと報告

 メディア報道によると、国連調査団は、2015年9月13日に発生したVeladero金鉱山におけるシアン化合物の流出事故による周辺河川への汚染は発生していないとする報告をまとめた。報告では、事故発生を受けてUNOPSおよびUNEPにより実施された水質調査の結果は、2015年7月に実施された調査により得られた水質データと有意な差を示していないと結論された。

(2015.10.8 サンティアゴ 山本邦仁) 目次へ
アルゼンチン:Cerro Negro金鉱山、ストライキにより一時操業停止

 メディア報道によると、2015年9月30日、Cerro Negro金鉱山(Santa Cruz州)は、アルゼンチン鉱山労働者組合のストライキにより、操業を停止した。その後、Santa Cruz州労働局が15日間の調停期間を命令したことから、10月5日にストライキは解除され、操業を再開した。調停期間中、鉱山側は、州政府を交えて、労働組合側と交渉を継続する。

 Cerro Negro金鉱山は、Goldcorp社が2014年7月に操業を開始した鉱山で、2014年の金生産量は4.7 t、2015年の生産目標は13~15 t。

(2015.10.9 サンティアゴ 山本邦仁) 目次へ
アルゼンチン:Las Coloradas銅金プロジェクトに対し、地域住民らが抗議デモ

 メディア報道によると、Southern Copper社のLas Coloradas銅金プロジェクト(Neuquén州)に対する抗議デモが、地元Las Colorados(人口1,000名)において、地域住民や先住民、環境保護団体300名の参加により開催された。

 抗議デモは、Veladero金鉱山(San Juan州)のシアン化合物流出事故を契機として実施されたものであるが、反対派は、Las Coloradasプロジェクトが位置するCatán Lil山脈が周辺のAluminéやJunín de los Andes、San Martín de los Andesなどの生活用水源地となっているとして、鉱山開発による環境影響のリスクを懸念している。Las Coloradasプロジェクトに係る公聴会の開催地がLas Colorados地域から離れた場所に設定されたことに地域住民らが抗議したことから、裁判所は公聴会の停止を命じた経緯がある。また、プロジェクトにより鉱山が開発される場合、先住民に帰属する土地も影響を受けることから、先住民共同体の承認が必要とされるが、5つある共同体のひとつであるFelipínは全面反対との立場を表明している。

(2015.10.9 サンティアゴ 山本邦仁) 目次へ
ペルー:Las Bambas銅プロジェクト、現地での対話協議会設置へ

 2015年10月2日~10月5日付け地元紙各紙によると、9月末の反対運動によって複数の死者やけが人の発生したLas Bambas銅プロジェクト(Apurimac州)の争議解決に向け、10月1日から2日にかけて、エネルギー鉱山省、環境省、内務省、運輸通信省、住宅省の大臣5名ら政府代表者とApurimac州Cotabambas郡の区長5名らが協議を行った結果、エネルギー鉱山大臣や環境大臣から成るハイレベル委員会が10月6日にCotabambas郡を訪問するほか、現地において対話協議会を設置すること等が決定された。ハイレベル委員会は、反対運動の主な要因となっているLas BambasプロジェクトのEIA修正について、地域社会への説明を行う計画となっている。一方、反対運動の中心となっているCotabambas郡民団体「Cotabambas利益保護戦線」のAbarca代表は、対話に応じる姿勢はあるとしつつ、中央政府が地方政府代表者(Cotabambas郡の区長ら)とだけ対話を行い、郡民団体の主張が考慮されていないことを批判した。また、地方政府と社会団体との間にも、中央政府との協議内容に関する話し合いは行われていないとコメントした。さらにCotabamba郡民団体は、あくまでも郡内におけるモリブデンプラント建設等を認めたEIA修正の取消などを要求する姿勢を示した。なお、プロジェクトのオーナーであるMMG社(本社:豪州、中国資本)のRivera操業部長は、本プロジェクトは98 %の開発状況にあり、対話実施と並行して開発を継続していく方針を示している。

(2015.10.9 リマ 迫田昌敏) 目次へ
ペルー:エネルギー鉱山大臣ら、Las Bambasプロジェクト問題解決のため現地入り

 2015年10月6日付け地元紙各紙によると、10月6日午前、エネルギー鉱山省、環境省、内務省の大臣ら4名はApurimac州Cotabambas郡Coullurqui区に到着し、Cotabambas郡知事や村長らとの対話協議会が設置された。本協議会では、反対運動の主な要因となっているLas BambasプロジェクトのEIA修正に関する説明が行われる計画となっている。一方、反対運動の中心となっているCotabambas郡の社会団体「Cotabambas利益保護戦線」のAbarca代表は、他の団体の代表者らと話し合った結果、本協議会の合意事項は認めないとする方針を明らかにした。これら団体は、協議会への参加が認められなかったことに反発しているほか、Apurimac州内におけるモリブデン選鉱プラント等の建設や、当初計画されていた輸送パイプラインを中止してトラックによる精鉱輸送を認めるEIA修正の取消等を要求している。さらに、Apurimac州の州都AbancayではLas Bambasプロジェクト反対の48時間ストライキが開始された。

(2015.10.9 リマ 迫田昌敏) 目次へ
ペルー:Las Bambasプロジェクト対話協議会、合意達成

 2015年10月7日付け地元紙各紙によると、10月6日、エネルギー鉱山省、環境省、内務省、住宅省の大臣ら4名及びその他中央政府代表者らは、Apurimac州Cotabambas郡Coullurqui区で、Apurimac州知事、Cotabambas郡知事や複数の村長らと3時間半にわたる対話協議を実施し、①Las BambasプロジェクトのEIA修正についての情報提供を行うワークショップの実施、②抗議デモの中止を前提とした非常事態宣言の解除の検討、③デモによる死者の遺族に対する支援実施、④けが人への対応の実施の4点を合意した。このうち、ワークショップは10月10日から10日間、Cotabambas郡内の各区で実施される計画となっている。また対話協議会において、Shinno鉱山次官は、EIAの修正を行う技術報告書が2013年に提出され規定を満たしていること、モリブデン精鉱プラント等の施設がCusco州からApurimac州へと変更されたことによる環境への影響は大きなものではないこと等を説明した。またOrtizエネルギー鉱山大臣は、Las Bambasプロジェクトを取り巻く問題は、Cotabambas郡の一部のセクターにおける情報不足が原因となったとした上で、対話協議に出席した同郡の代表者らは鉱業活動に反対していないことを明らかにし、合意達成の重要性を示した。なお、本対話協議会には、反対運動の中心となっている「Cotabambas利益保護戦線」をはじめとする社会団体の代表者らは参加していない。

(2015.10.9 リマ 迫田昌敏) 目次へ
ペルー:争議中のLas Bambas銅プロジェクト、2016年末のフル操業を計画

 2015年10月7日付け地元紙によると、MMG社(本社:豪州、中国資本)による鉱山建設が98 %の進捗状況にあり、争議中のLas Bambas銅プロジェクト(Apurimac州)では、現在、選鉱プラントにおける試験運転や設備の調整等が実施されている。この調整作業は2016年初頭まで続き、2016年第1四半期以降、商業生産が開始される見通しである。商業生産開始後、最初の6か月間でランプアップを進め、2016年末にはフル生産体制となることが計画されている。

 Las Bambasプロジェクトでは、生産開始後、最初の5年間で2百万t以上(含有銅純分)の銅精鉱が生産される見通し。Las Bambasプロジェクトは3つのオープンピットからなり、選鉱プラントから10 キロメートルに位置するFerrobamba鉱床に全体の約7割の鉱石が存在する一方、Chalcobamba鉱床とSulfobamba鉱床に残りの鉱石が存在している(下表参照)。なお、公式マインライフは少なくとも20年とされているが、2050年頃まで生産可能であると推測されている。

鉱床名 資源量 埋蔵量
鉱量(百万t) 飼品位(%) 飼量(千t) 鉱量(百万t) 飼品位(%) 飼量(千t)
Ferrobamba (硫化鉱) 1.080 0.64 6.894 657 0.73 4.819
(酸化鉱) 65 0.86 550
Chalcobamba (硫化鉱) 380 0.54 2.044 235 0.66 1.556
(酸化鉱) 35 0.56 203
Sulfobamba (硫化鉱) 220 0.54 1.190 60 0.86 516
合計 1.780 0.61 10.881 952 0.72 6.891
(2015.10.9 リマ 迫田昌敏) 目次へ
パナマ:加First Quantam社、Cobre Panamá銅・金プロジェクトに関し10億US$の資金調達

 2015年10月5日付け業界紙等によると、加First Quantum Minerals社(本社:バンクーバー)は、パナマに保有するCobre Panamá銅・金プロジェクトに関し、Franco-Nevada社との間で、同プロジェクトの将来における金及び銀の生産額の86 %を担保に10億US$の資金提供を受けることについて契約が合意に達した旨を明らかにした。

 First Quantum Minerals社によると、本契約により当初資金として本年10月に330~340百万US$の提供を受ける。一方、開発工事の効率化を始め、詳細設計の見直しや施設、設備等のコスト最適化により、投資総額を64.3億US$から59.5億US$へと圧縮を図る。なお、本プロジェクトにおける開発工事の進捗状況は現在のところ約35 %となっており、2017年末までには操業開始が見込まれている。

(2015.10.12 メキシコ 縄田俊之) 目次へ
ニカラグア:El Limón金鉱山における暴動により警察官1名死亡のほか、31名負傷

 2015年10月5~7日付け業界紙等によると、加B2 Gold社(本社:バンクーバー)が保有するEl Limón金鉱山において、デモ隊と警察当局が衝突し、警察官1名が死亡したほか、一般市民8名を含む当局関係者31名が負傷した。

 警察当局によると、本デモ隊は同鉱山の一部少数の従業員、地域コミュニティのメンバー及び同鉱山と無関係な者により構成され、9月28日から同鉱山及び関連施設へのアクセス道を封鎖しており、本違法行為により同鉱山の操業は現在停止している。また、本デモ隊により、警察車両や同社所有の車両等も破壊された。

 一方、同社は本件に関し、一部少数の従業員が、従前ストライキ及び同鉱山の違法封鎖に関与した3名の従業員が解雇されたことに対する抗議によるものとの見方を示している。なお、同社によると、3名の従業員解雇に関しては、正式な法的手続きにより行われており、労働省も本解雇に関しては正式に承認したものである。

(2015.10.12 メキシコ 縄田俊之) 目次へ
メキシコ:El Boleo多金属鉱山における集団訴訟問題が和解へ

 2015年10月1日付け業界紙等によると、加Baja Mining社(本社:バンクーバー)は、同社と韓国コンソーシアム(韓国鉱物資源公社(KORES)が筆頭)とが1:9の割合で出資しBaja California Sur州に保有するEl Boleo多金属鉱山に関し、開発段階におけるコスト超過に対する集団訴訟問題が和解した旨を明らかにした。

 本集団訴訟は、原告が同社の元取締役等に対し、同鉱山の開発段階におけるコスト超過をタイムリーに開示せず、また、開示内容を詐称したとして訴訟を起こしていたものである。そもそも、同鉱山の開発投資額に関しては、当初の11.4億US$に対し2012年に246百万US$増加した旨が発表され、その後、総額18億US$にまで増加した経緯を有する。

 同社によると、本和解は裁判所における条件付きの裁定であり、同社に対し責任の所在は問われず、また、重い罰則も科せられないこととされた。なお、同社CEOであるTom Ogryzlo氏は、本和解により、今後同鉱山の価値を高めるための投資機会を広げることが可能となった旨を明らかにした。

(2015.10.12 メキシコ 縄田俊之) 目次へ
メキシコ:上院議員が自然保護地区における鉱業と環境のバランスについて言及

 2015年10月5日付け業界紙等によると、野党国民行動党(PAN)のSilvia Garza Galvánメキシコ議会上院議員は、メキシコ鉱業は直接及び間接雇用者として1.3百万人の雇用を創出する等メキシコ経済にとって多大な貢献を示す重要な産業部門であるが、鉱業における経済的利益は環境保護の必要性とのバランスを考慮すべきであるとの報告を発表した。

 同上院議員によると、連邦政府令に基づく自然保護地区は177か所で総面積にして25.6百万haに及び、これに自主的な自然保護地区を含めると合計404百万haに達する。鉱業は開発段階、採鉱段階及び閉山段階のそれぞれにおいて環境に対しダメージを与えることから、自然保護地区内での鉱業コンセッションの詳細を知ることは重要である。したがって、貿易・産業委員会において、鉱業コンセッションの詳細を分析する方策を検討する必要がある。

 一方、鉱山や鉱業プロジェクトの一部は、既存又は新たに提案された自然保護地区に位置しており、近年鉱業に対する反対活動が増加している。

 なお現在、環境天然資源省(SEMARNAT)の関係機関であるメキシコ国家自然保護地区委員会(CONANP)が、Zacatecas州北部の2.5百万ha(同州面積の約1/3に相当)を半乾燥砂漠生物圏保護地域として自然保護地区指定の申請を行っているが、当該地区は同国主要金及び銀生産地であり、また、加Goldcorp社(本社:バンクーバー)が保有する同国最大の金鉱山であるPeñasquito多金属鉱山が位置していることから、自然保護地区の指定はメキシコ鉱業に多大な影響を与える可能性を秘めている。

(2015.10.12 メキシコ 縄田俊之) 目次へ
メキシコ:メキシコ政府、南部開発推進に鉱業部門を取り込む

 2015年10月5日付け業界紙等によると、メキシコ政府は、メキシコ南部の州において68億US$となる成長計画を策定するとともに、2016年には3つの経済特区を設立し総額31億ペソ(186百万US$)を投資する旨を発表した。

 先日、Enrique Peña Nieto大統領は、メキシコ南部において最も貧しい5州に対し経済特区を新設し開発を促進する計画を発表した。政府当局は、これら南部の州において、インフラ、発電及び炭化水素を始めとし、鉱業のほかに物流、石油化学及び農業を開発分野の対象としている。

 なお、メキシコ政府としては、今後2年間において予備建設工事が開始されるよう、本年メキシコ議会にて本件が承認される見通しである旨を明らかにした。

(2015.10.12 メキシコ 縄田俊之) 目次へ
メキシコ:Sonora州鉱業は現状と比べ40 %の生産増加が期待

 2015年10月5日付け業界紙等によると、Sonora州鉱業クラスターのXavier García de Quevedo代表は、同州鉱業は2014年8月にGrupo México社の子会社Southern Copper社が同州で操業しているBuenavista銅鉱山において発生した銅浸出液流出事故や、昨今の金属市況下落・低迷等ネガティブな周辺状況に置かれているものの、今後現状と比べ40 %程度の生産増加が期待できる旨を明らかにした。

 同代表によると、40 %程度の生産増加が期待できる要因としては、銅、金、銀、タングステン、グラファイト及びモリブデンの年間総生産量が600千tに達する可能性が見込まれること、及び新たな鉱種としてリチウムの産出の可能性が見込まれていることである。また、Southern Copper社が同州で操業しているBuenavista銅鉱山及びLa Caridad銅鉱山に関して、これまでに40億US$以上を投資し生産能力の拡大に取り組んでいることも要因の一つである。一方、銅浸出液流出事故に関しては、同鉱山近隣河川の除染対応や修復工事が大きく進捗しており、また、Grupo México社は周辺地域における事故後の経済・環境影響問題を解決するため既に20億ペソを補償しており、更なる補償の必要性が生じた場合への対応も検討している。

(2015.10.12 メキシコ 縄田俊之) 目次へ
ホンジュラス:ホンジュラスで活動中の米Clavo Rico社が米Inception Mining社に買収

 2015年10月8日付け業界紙等によると、米Inception Mining社(本社:ソルトレイクシティ)は、ホンジュラスで活動中の米Clavo Rico社(本社:ソルトレイクシティ)を買収した旨を発表した。

 Clavo Rico社は、ホンジュラス南部において2003年に小規模金鉱山を買収、その後、大規模な拡張を実施し2012年にフル操業を開始した。その他にも、同国において探鉱プロジェクト等を保有し鉱業活動を行ってきた。

 Inception Mining社によると、本買収により、各プロジェクトに関し地質調査とボーリングを行い、2年以内には生産開始となるよう計画する見通しである。

(2015.10.12 メキシコ 縄田俊之) 目次へ
米:Alcoa社、第3四半期の純利益が対前年同期比70 %減、2016年のアルミニウムは供給不足と予測

 2015年10月8日、米アルミ合金メーカーのAlcoa社は2015年第3四半期の決算を発表し、純利益が44百万US$だったと発表した。前年同期は149百万US$であったため、対前年同期比で約70 %の減少となった。資産の売却や事業の閉鎖、市場低迷等が純利益を21 %減少させたが、航空機産業や自動車産業の本業における成長や買収、アルミナの販売等により純利益が10 %増加したことで一部相殺した。収益は56億US$(対前年同期比で約11 %減)で、そのうち付加価値ビジネスが34億US$、上流ビジネスが22億US$であった。

 また、Alcoa社は、2015年に6.5 %増加し、2020年には2010年から倍増すると予想した同社の世界のアルミニウム需要見通しについて、これまでのところ需要は予定より早く増加しており、2016年には供給不足になると予想した。

(2015.10.8 バンクーバー 山路法宏) 目次へ
カナダ:First Quantum社、価格低迷と市場変動への対応で大幅なコスト削減を計画

 2015年10月5日、加First Quantum Minerals Ltd.(First Quantum社)は、現在の金属価格の低迷や市場の変動に対応するため、開発プロジェクトにおける投資コスト削減等の取り組みを発表した。

 フラグシッププロジェクトであるパナマのCobre Panama銅プロジェクトでは、同日にFranco-Nevada Corpiration(Franco-Nevada社)との間で副産物の金や銀に関するストリーミング契約(鉱山からの生産される一部又は全ての副産物の権利を売却することで事前に資金を得る契約)を締結したことで、10月中にFranco-Nevada社より3.3~3.4億US$が支払われることに加え、推定資本コストを詳細に再評価した結果、以前の推定額と比較して約7 %(約4.5億US$)少ない59.5億US$となり、更に圧縮される可能性もある。また、ザンビアでは、電力供給能力不足がSentinel銅プロジェクトの増産に影響を及ぼしていたが、ルサカ市から同鉱山への第2の送電線の建設が完了したことで今後十分な電力が供給されるようになるため、同社は2015年末までに商業生産レベルまで増産できると見通している。

 一方で、Cobre Panamaプロジェクトの投資コスト圧縮に加え、同社が計画しているその他の投資プログラムを全体で約7億US$削減するほか、全ての操業コストの詳細レビュー、644名の従業員の解雇、最大20 %の給与削減等により約4.2億US$のコストを削減する等の対策を明らかにした。

(2015.10.5 バンクーバー 山路法宏) 目次へ
ポルトガル:ICSGの銅需給予測、2015年は供給過剰幅が縮小し2016年に12.7万tの供給不足へ

 2015年10月5日から6日にかけて、ポルトガル・リスボンで国際銅研究会(ICSG)が開催され、銅の2015年及び2016年の需給予測が発表された。4月に開催された春季会合の予測では、2016年は22.8万tの供給過剰であったが、今回の会合において、中国の経済減速に伴う世界需要全体の低下が予想されるも銅生産者による最近の減産発表により生産量が需要量を下回るとして、12.7万tの供給不足に見直した。なお、2015年の需給についてはほぼバランスするとして供給過剰幅は4月予測値の36.4万tから4.1万tに縮小した。

 サプライサイドについて、銅鉱山生産量は、2015年は前年比1.2 %増の1,875.1万t、2016年は生産大手の減産発表があったものの既存鉱山や新規鉱山において増産がなされるとして前年比4.2 %増の1,954.2万tと予測した。銅地金生産量については、2015年はチリ、日本及び米国での減産が中国の増産により相殺され前年比0.8 %増の2,266.9万t、2016年は2.3 %増の2,318.3万tと推定した。デマンドサイドについて、銅地金消費量は、2015年は中国の見かけ消費は前年からフラットも中国外では1.5 %減少するとして前年比1.2 %減の2,262.8万t、2016年は中国の産業向け需要成長率が4 %、中国以外では2 %の伸び率と推定し、前年比3 %増の2,331.0万tと予測した。

(2015.10.12 ロンドン 竹下聡美) 目次へ
ポルトガル:INSGのニッケル需給予測、2015年は4.9万tの供給過剰も2016年には2.3万tの供給不足へ

 2015年10月5日から6日にかけて、ポルトガル・リスボンで国際ニッケル研究会(INSG)が開催され、ニッケルの2015年及び2016年の需給予測が発表された。INSGは2015年の需給について4月の春季会合において推計した供給過剰幅2.0万tを4.9万tに拡大する一方で、2016年には2.3万tの供給不足に転じると予測した。

 サプライサイドについて、ニッケル鉱山生産量は、2015年は前年比1.7 %減の210.0万t、2016年は前年比6.8 %増の224.3万t、一次ニッケル生産量は、2015年は前年比2.0 %減の195.4万t、2016年は前年比0.6 %減の194.2万tと見通した。INSGによれば、中国のニッケル銑鉄(NPI)はフィリピンからの鉱石輸入により当初予測よりも高い水準で生産が行われているとして、また2016年以降インドネシアでのNPI生産が増加すると推計した。デマンドサイドについては、一次ニッケル消費量は、中国が引き続き世界需要の牽引役であるとしながらも、欧州でのステンレス鋼生産者は中国及び台湾製造の冷延鋼板へのアンチダンピングにより恩恵を受けるとして、2015年は前年比2.3 %増の190.5万t、2016年は前年比3.1 %増の196.5万tと予測した。

(2015.10.12 ロンドン 竹下聡美) 目次へ
ポルトガル:ILZSGの鉛需給予測、2015年はほぼバランスも2016年は9.7万tの供給過剰が継続へ

 2015年10月8日から9日にかけてポルトガル・リスボンで国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)が開催され、鉛の2015年及び2016年の需給予測が発表された。なお、統計委員会は8日に開催され、Glencoreが9日に発表した鉛鉱山生産量10万tの減産発表については本予測には考慮されていない。ILZSGは、2015年は僅か0.4万tの供給過剰でほぼ需給はバランスし、2016年は9.7万tの供給過剰と予測した。

 サプライサイドについて、鉛鉱山生産量は、2015年は豪州での減産が影響して前年比2.5 %減の480.2 万t、2016年は豪州Century鉱山及びアイルランドLisheen鉱山の閉山による減産が想定されるも、中国、メキシコ及びロシアでの増産により相殺され、前年比1.2 %増の486.1万 tと予想した。鉛地金生産量については、2015年は中国及びペルーでの減産が影響し、前年比1.0 %減の1,082.5万t、2016年についてはベルギー、中国、インド、イタリア及び韓国での増産により、前年比3.4 %増の1,120.2万tと推定した。デマンドサイドについて、中国のe-bikeの生産及び販売の減退が影響し、鉛地金消費量は、2015年は前年0.7 %減の1,082.1万tとなるも、2016年は世界での自動車及び産業用バッテリー需要が増加するとして前年比2.6 %増の1,110.5万tと予測した。

(2015.10.12 ロンドン 竹下聡美) 目次へ
ポルトガル:ILZSGの亜鉛需給予測、2015年は供給過剰も2016年に15.2万tの供給不足に転じる

 2015年10月8日から9日にかけて、ポルトガル・リスボンで国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)が開催され、亜鉛の2015年及び2016年の需給予測が発表された。なお、統計委員会は8日に開催され、Glencoreが9日に発表した亜鉛鉱山生産量50万tの減産発表については本予測には考慮されていない。ILZSGは、2015年は8.8万tの供給過剰、2016年には15.2万tの供給不足に転じると予測した。

 サプライサイドについて、亜鉛鉱山生産量は豪州及びアイルランドの大型鉱山の閉鎖に伴う減産が中国で予想される増産によって相殺され、2015年は前年比0.3 %増の1,354.7万t、2016年は1.8 %増の1,379.7万tと推定した。亜鉛地金生産量は、2015年はカナダ、中国、インド及び韓国での増産が影響し、前年比3.5 %増の1,399.0万t、2016年はオランダ、タイ及び日本での減産を韓国、メキシコ及びナミビアでの増産が相殺して1.6 %増の1,421.5万tと推計した。デマンドサイドについては、中国の溶融亜鉛鋼板向け需要が期待され、2015年の亜鉛地金消費量は前年比1.1 %増の1,390.2万t、2016年は3.2 %増の1,436.7万tと予測した。

(2015.10.12 ロンドン 竹下聡美) 目次へ
豪:Western Areas社、WA州Cosmosニッケルプロジェクトの買収完了

 2015年10月1日、WA州のWestern Areas社(WA社)は、Glencoreの子会社Xstrata Nickel Australasia Operations社からWA州のCosmosニッケルプロジェクトの買収を完了したことを発表した。買収金額は2,450万A$であり、WA社は既に1,150万A$を現金で支払い、残りの700万A$を2016年7月1日、600万A$を2017年4月1日までに支払う予定。Cosmosニッケルプロジェクトは休止中のCosmosニッケル鉱山、未開発のOdysseus鉱床等から構成されている。WA社は買収した同プロジェクトに関する過去の探鉱データの再解析を実施し、JORC規定に準拠したニッケル資源量を567,297 tと算出しており、資源量の増加を目指してこれから24ヶ月間探鉱を実施する計画である。

(2015.10.12 シドニー 矢島太郎) 目次へ
豪:Pilbara Minerals社、6件目のリチウム精鉱オフテイクに関するMOUを締結

 2015年10月5日、Pilbara Minerals社は6件目のリチウム精鉱オフテイクに関するMOUを欧州の貿易会社と締結したと発表した。同社は中国、日本、韓国、欧州、米国の企業とMOUを締結し、世界各国への販売ルートを確保している。同社はWA州ピルバラ地域にペグマタイト型のリチウム-タンタル鉱床として世界2位の規模を有するPilgangoora鉱床の権益100 %を所有している。同鉱床のリチウム鉱石中のリチア輝石は鉄分が少なく高品質のため、ガラス・陶器及びリチウム電池の原料として利用される予定。同社は現在F/Sを実施中で2017年に生産開始を目指している。

(2015.10.12 シドニー 矢島太郎) 目次へ
豪:2015年8月の鉄鉱石の輸出額は前月比で6 %増、前年同月比では22 %減

 2015年10月6日、豪州統計局(ABS)が2015年8月の貿易・サービス収支を発表。輸出額は265.1億A$、輸入額は296.0億A$であり、物品とサービスを合わせた貿易収支は31.0億A$の赤字となった。前月の貿易収支は27.9億A$の赤字であったことから、前月比で赤字が11 %拡大したことになる(以上、いずれも季節調整値)。鉄鉱石の輸出額は41.5億A$であり前月比で6 %増、前年同月比で22 %減となった。石炭の輸出額は35.9億A$であり前月比で12 %増、前年同月比で16 %増となった。天然ガスは14.7億A$であり、前月比で6 %増、前年同月比で1 %増であった(以上、いずれも原数値)。

(2015.10.13 シドニー 山下宜範) 目次へ
豪:先住民に係るアドバイスを行う企業が資源不況の影響で管財人の管理下に

 2015年10月6日付け地元紙は、資源企業等に対して先住民の権利や文化・遺産に係るアドバイスを提供しているAustralian Cultural Heritage Management(ACHM)社が、資源不況の影響を受けて管財人の管理下に入ったと報じた。同社はこれまで15年間に亘って事業を実施しており、顧客にはBHP Billiton、Rio Tinto、Fortescue Metals社、Woodside Petroleum社、Iluka Resources社、OZ Minerals社などの資源企業の他に連邦政府や州政府、電力、水等のインフラ関係企業も含まれている。

(2015.10.13 シドニー 山下宜範) 目次へ
豪:OZ Minerals社は低費用かつ速度を速めて銅・金鉱山を開発し、PE投資会社に対応

 2015年10月7日付け地元紙の報道によれば、OZ Minerals社は、Carrapateena鉱山の開発を、従前の計画よりも低費用、かつ速度を速めて実施する。同社は、SA州の同鉱山の銅及び金鉱床について、2014年のF/S段階では約30億A$の費用で開発するとしていたが、今般、これを縮小し、10億A$以下の費用で、最も浅部で高濃度の箇所のみを開発する予定とした。生産量については、従前は12.4 mt/年で24年間の生産を行うこととしていたが、今般の縮小策により生産量は3 mt/年とする。これらの実施により、従前の見込みよりも早くキャッシュを生み出す予定。OZ Mineral社の株式については、10月1日にプライベート・エクイティ(PE)投資会社のKKR社が保有割合を10 %に引き上げたことが明らかになっている。市場では今後の完全買収も予想されているものの、KKR社が長期的な意図を有しているのか否か懐疑的に見られている。RBCのアナリストのPaul Hissey氏は、「将来KKR社がOZ Minerals社を支配することになれば、資本及び探査への支出は最少化させ、効率的に資産を活用してキャッシュを生み出させることになるだろう」と予想し「これは伝統的なPE投資のモデルと一致する」と述べている。

(2015.10.13 シドニー 山下宜範) 目次へ
豪:BHP Billiton、WA州Nickel West事業をジュニア企業の理念で継続

 2015年10月8日、BHP Billiton (BHPB)のWA州Nickel West事業のEddy Haegel社長は、パースで開催されたニッケル会議で、BHPBはニッケル価格が低迷する中でも低コスト化を推進しながら、ジュニア企業の理念でNickel West事業を継続していくと発表した。BHPBは2014年5月にMt Keith鉱山、Cliffs鉱山及びLeinster鉱山並びにKalgoorlie製錬所、Kambalda選鉱所等からなる同社のNickel West事業の売却を発表したが売却先が見つからず、ノンコア事業を実施するためにBHPBから分社したSouth32へ引き継ぐほどの価値もないため、結局2014年11月にノンコア事業としてBHPBに残すこととなった。Kalgoorlie製錬所は第三者からの鉱石供給に大きく依存しているが、ニッケル価格の低迷によりニッケル鉱石の供給量が減少している。そのため、BHPBは休止していたRocky’s Reward鉱山の操業再開を検討しており、さらに休止していたVenus鉱床の探鉱も再開する予定である。Kalgoorlie製錬所の運用について再検討を行った結果、当初2020年までとされていた運用期間も2023年まで延長できる見込みとなった。一方、地元紙はBHPBがNickel West事業への第三者からのニッケル鉱石の供給量が大きく減少しているため、Kambalda選鉱所の37名の職員を解雇する予定と報じている。

(2015.10.12 シドニー 矢島太郎) 目次へ
豪:金鉱山のSaracen社及びSt. Barbara社の第1四半期の業績は金価格の上昇で好調

 2015年10月8日付けの地元紙は、豪ドル建ての金価格の上昇を受けて、金鉱山会社のSaracen社及びSt. Barbara社の業績が好調であると報じている。

 Saracen Mineral Holdings社が10月7日に発表した第1四半期(6月~9月)の事業報告によれば、同期におけるWA州のCarosue Dam鉱山からの金の生産量は38,140 oz(1.19 t)であり、通年の生産目標である150,000~160,000 oz(4.67~4.98 t)に沿うものとなっている。また同期末におけるThunderbox金鉱山及びKarai金鉱山の開発に対して22.6 mA$の支出をしたにも関わらずキャッシュ及び地金の残高は44.9mA$と前期(4~6月)と変わりないものになっている。同社はこれらの2鉱山からの生産開始により今後2年間で金の生産量を現在の2倍である年間300,000 oz(9.33 t)とし、生産コスト(All-in Sustaining Cost:AISC)は1,075 A$/oz以下を見込んでいる。

 一方、St Barbara社は、10月5日に発表した第1四半期(6月~9月)の事業報告によれば、同期の金の生産量は111,039 oz(3.45 t)であった。このうち、WA州のGwalia金鉱山からの金の生産量は72,388 oz(2.25 t)であり、同鉱山の品位はAu 9.7 g/tである。また、同じくPNGのSimberi金鉱山からの金の生産量は29,539 oz(0.92 t)であり、年間の生産目標の100,000 oz(3.11 t)を上回るペースになっている。さらに同社の同期末におけるキャッシュの残高は前期の77 mA$から増加して115 mA$になった。

 豪州における金の価格は1,602 A$/ozであり前年と比べて17 %上昇している。

(2015.10.13 シドニー 山下宜範) 目次へ
豪:Glencore、亜鉛価格の低迷により年間亜鉛生産量500,000 t減産

 2015年10月9日、Glencoreは亜鉛価格低迷により亜鉛の年間生産量を500,000 t(金属純分量)減産すると発表した。減産予定の亜鉛500,000 tは同社の年間生産量の1/3に相当する。同社はオーストラリア、南米、カザフスタンで操業する亜鉛鉱山で減産を実施する予定であるが、減産の大部分はオーストラリア国内の亜鉛鉱山で行われる。QLD州Mt Isa地域のGeorge Fisher鉱山及びLady Loretta鉱山で合わせて年間245,000 t、NT準州のMcArthur River鉱山で年間135,000 t減産が行われる。George Fisher鉱山とMcArthur River鉱山は減産を行うが、Lady Loretta鉱山は操業を休止する。同社は減産の際に人員整理も実施すると伝えている。

(2015.10.12 シドニー 矢島太郎) 目次へ
豪:Evolution Mining社は2鉱山の買収により金を増産

 2015年10月9日、Evolution Mining社が第1四半期(6~9月)の業績を報告。先般、NSW州のCowal鉱山、WA州のMungari鉱山の2箇所の金鉱山を買収したことにより同社は豪州における産金量第2位の上場企業となり、同期における7鉱山からの金生産量は174,169 oz(5.42 t)となった。仮に同社が両鉱山を期初から操業していたと仮定した場合の生産量は216,693 oz(6.74 t)となる。これに対して同社の通年での生産目標は730,000~810,000 oz(22.71~25.19 t)である。また、2016年度の金の生産コスト(All-in Sustaining Cost:AISC)は990~1,060 A$/ozと見込んでいたが、第1四半期は882 A$/ozであった。堅調なキャッシュフローを受けて、Cowal鉱山の買収に係る支払いに加えて77 mA$を債務の返済に充てたこと等により、同社のキャッシュの残高は前期の205.8 mA$から、今期は58.3 mA$にまで減少した。

(2015.10.13 シドニー 山下宜範) 目次へ
豪:五鉱資源、豪州西部のニッケル鉱山開発分野に進出へ

 安泰科によれば、五鉱資源有限公司は事業分野を銅、亜鉛と鉛以外の分野に拡張する予定で、2020年までにトップレベルの中規模ベースメタル企業になることを目指す。また、ニッケル探査分野へ進出し、今後豪州西部のFraser Rangeニッケル鉱山開発に乗り出す。

 同社は、2021年までに、探査分野に対し1,400万A$(1,000万US$に相当)を投入し、Sirius Resources社傘下のPlumridgeニッケルプロジェクトの株式権益70 %を取得する計画。

(2015.9.24 北京 森永正裕) 目次へ
インドネシア:Asiamet社、中央カリマンタン州BKM銅鉱床において高品位の銅鉱徴を確認

 2015年10月8日付地元メディアによると、Asiamet Resources Limited(ARS社)は、中央カリマンタン州のBeruang Kanan Main(BKM)銅鉱床でのボーリング調査で、高品位の銅鉱徴を捕捉したと報告した。

 同社はBKM32250-03(掘進全長101.9メートル)の分析結果を受領し、51.9メートル間(50メートル以深)で1.36 %Cu、掘進長64メートルからの13.0 メートル間で1.46 %Cu、掘進長85メートルからの7.0 メートル間で2.15 %Cu、掘進長94メートルからの7.9メートル間で2.61 %Cuを示したことを公表した。

 BKM32250-03のおおよそ250メートル北方にも、BKM32500-01(掘進全長116.7メートル)及びBKM2500-02(掘進全長120.9 メートル)の試錐を実施しており、同様の高品位の銅鉱徴を捕捉している。

 BKMのボーリング調査は2015年に完了し、71孔のうち66孔の分析結果を受領している。冶金試験は現在実施中であり、開発調査は近日中に実施予定である。

(2015.10.13 ジャカルタ 山本耕次) 目次へ
インドネシア:PT Freeport Indonesiaはインドネシアへの投資を継続

 2015年10月9日付地元メディアによると、PT Freeport Indonesia(PTFI)は、2021年以降の鉱業事業契約の更新が未だ保証されていないにもかかわらず、インドネシアにおける長期的投資を維持し続ける。

 エネルギー鉱物資源大臣Sudirman Said氏は10月8日の声明の中で、Joko Widodo大統領及び同氏とのハイレベル協議の中でPTFIが同国鉱山に投資を継続することを説明したとの旨を明らかにした。

 パプア州における坑内採掘に18 bUS$、及び、東ジャワ州での製錬所建設に2 bUS$を投資するというPTFIのコミットメントは、同社の契約が更新される可能性があることを示している。

 PTFIは、現在の鉱業事業契約において、さらに20年の延長を要求しており、インドネシア政府に対し、早期の延長承認を再三求めている。

(2015.10.13 ジャカルタ 山本耕次) 目次へ
インドネシア:新華聯、フェロニッケルプロジェクトにおける合弁企業を設立

 安泰科によれば、新華聯集団は、インドネシア中央大資源とともに、フェロニッケル製錬プロジェクトのために合弁子会社を設立する。同子会社の名称はPT Macrolink Omega Adiperkasa (MOA)である。当合弁企業は、新華聯集団が60 %の権益を保有し、インドネシア中央大資源が40 %の権益を保有する。

(2015.9.24 北京 森永正裕) 目次へ
中国:北方レアアース集団、内モンゴル6社のレアアース企業に対する統合を終了

 現地報道によれば、内モンゴル包頭市内にある北方レアアース集団は、内モンゴル地域にある6社のレアアース企業に対する統合を終えた。残り3社についても計画通りに進んでおり、年内に統合が完了する予定である。

 2015年初め、包鋼希土は、内モンゴルの一部レアアース企業を統合し、北方レアアース集団に企業名を変更した。包鋼集団は、2014年に内モンゴル自治区政府に提出した「中国北方レアアース(集団)ハイテク株式有限公司の設立に関する実施計画案」が同政府認可、及び中国工業情報化部の登録承認・回答に基づき、内モンゴルにある全てのレアアース採掘、製錬分離、総合利用企業及び甘粛レアアース集団の統合を行い、包鋼(集団)公司傘下の包鋼希土を主体とした北方レアアース集団設立を進めてきた。

 現在は、株式権益の買収を通じ、内モンゴル自治区内の6社のレアアース企業との統合作業を終え、関連企業も北方レアアース集団枠内に組み入れて運営している。同社はさらなる他社との統合と甘粛レアアースとの連携事業も推し進めている。また、同社は末端実用分野への事業展開を行い、製品の付加価値引き上げを試みている。

(2015.9.14 北京 森永正裕) 目次へ
中国:フェロニッケル生産、次第に年間20万tまで縮小

 安泰科によれば、中国はニッケル価格の下落や厳しい環境保護規制によって、中国のフェロニッケル生産は次第に年間20万tの生産レベルまで減少する。

 中国は、2006年に日本を抜き、世界最大のニッケル消費国となり、過去10年間で日本のニッケル消費伸び率は2.7 %まで下がった一方、中国のニッケル消費伸び率は21.6 %に達した。中国の経済成長率は2015年は7.5 %目標まで低下したものの、ニッケル及びステンレスの消費量は継続して増加しており、国内フェロニッケル生産減による不足分については、ニッケル中間製品を輸入することによって補足する。

 インドネシアのニッケルプロジェクトが順調に進めば、中国のフィリピンのニッケル鉱山に対する需要は減少する見込みだが、日本のニッケル鉱石と中間製品原料に対する需要は次第に増加する見込み。

(2015.9.16 北京 森永正裕) 目次へ
中国:2015年ニッケル消費量は97万tに達する

 安泰科によれば、中国2015年のニッケル消費量は97万tに達し、対前年比5.3 %の増加となる見込み。そのうちステンレスの消費は82 %、電気メッキ7 %、鋳造合金5 %、バッテリー2 %、その他3 %を占めている。

 2015年ステンレス粗鋼生産量は2014年の生産とほぼ一致し、2,190万tで、世界総生産の52 %を占める。そのうち300系生産は1,102万t、200系661万t、400系の生産量は427万tである。2015年中国一次ニッケルの生産量は62万tだが、消費量が約97万tであるため、供給不足の補充にニッケルを輸入する必要がある。

 2020年中国のニッケル消費量は110万tに上る予想である。成長は多少減速するが、発展の余地がある。中国は各種ニッケル原料を輸入すると同時に海外投資も拡大する。現在数多くの投資案件はインドネシア、パプア・ニューギニア、ミャンマーとカナダにあり、豪州やベトナムでも買受け協力事業も展開している。

(2015.9.16 北京 森永正裕) 目次へ
中国:2016年フェロニッケル生産は35万tに減少する見込み

 安泰科によれば、2015年中国一次ニッケル生産量は約62万tで、対前年比11 %の減少となる見込み。そのうちフェロニッケル生産は38万t、2013年には中国フェロニッケルの生産は最高生産量の50万tに達した。安泰科の予測によると、ニッケル価格は比較的低く、中国国内の環境保全に対し力を入れ、いくつかのフェロニッケル生産をインドネシアに移転するため、中国2016年フェロニッケル生産量は35万tに減少する見込み。

 市場には、数多くの報道またはうわさが流れているが、インドネシアで60ヵ所または100ヵ所以上の製錬所を建設するという噂について2015年6社の企業が生産計画を実施し、ニッケル生産量は3万tになるということが確認できた。

 中国企業は新規プロジェクトを投資建設する他に、インドネシア現地の生産企業も生産能力拡大計画を持っており、2014年~2020年までインドネシア製錬所の生産能力は11万tから38万tに引き上げる予定で、インドネシアは世界大手ニッケル生産国になる見込み。

(2015.9.16 北京 森永正裕) 目次へ
おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
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