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 No.08-20    5月21日

[ 中 南 米 ]
チリ:下請従業員正社員化問題で最高裁がCODELCO及びEscondidaの主張を認める判決
チリ:2008年4月銅輸出額、前年同期比10.4%増の3,720百万US$
チリ:El Morro銅・金プロジェクトのFSをMetallica社が更新
チリ:Sierra Gorda銅探査プロジェクトの資源量をQuadra Mininig社が更新
アルゼンチン:La Rioja州はEMPSE(州営エネルギー資源公社)の設立を検討中
アルゼンチン:Pirquitas銀・錫・亜鉛探鉱プロジェクトの鉱量を更新
ブラジル:CPRMはMaranhao州の鉱物資源図を改版
ブラジル:MPX社 火力発電所へ豪州産及びコロンビア産の石炭調達を計画
エクアドル:鉱山・石油大臣、カナダ企業に平静を呼掛け
ボリビア:ウユニ塩湖でリチウム生産パイロットプラント建設が始動
ペルー:環境省の設立に向けて設立法を発布
ペルー:Cerro Lindo鉱山が海水淡水化装置を導入
グアテマラ:Fenixフェロニッケルプロジェクトの操業開始は1年延期の見込み
メキシコ:Bolivar銅・亜鉛鉱山の2008年第1四半期の操業実績
メキシコ:Cerro San Pedro金・銀鉱山の2008年第1四半期の操業実績
メキシコ:Great Panther Resources Ltd.(加)保有鉱山の2008年第1四半期の操業実績
メキシコ:First Majestic Silver Corp.(加)保有鉱山の2008年第1四半期の操業実績
メキシコ:Endeavour Silver Corp.(加)保有鉱山の2008年第1四半期の操業実績
メキシコ:Peñasquito(ペニャスキート)多金属プロジェクトで最初の金を生産
メキシコ:Piedras Verdes銅山の2008年第1四半期の損益は硫酸供給の問題により大幅に悪化
ベネズエラ:Crystallex International Corp.、ベネズエラ政府と協議

[ 北 米 ]
カナダ:ウランのDenison Mines Corp.、ザンビアの事業所得税値上げにより赤字幅が拡大
カナダ:Ivanhoe Mines、引続き赤字計上
カナダ:Silver Wheaton Corp.、メキシコCampo Morado鉱山からの銀買鉱権を取得
カナダ:Taseko Mine Ltd.、BC州Gibraltar銅鉱山を拡張
カナダ:BC州鉱業、好調なるも2007年は前年より減収減益
カナダ:Cameco、ウラン・金価格上昇とウラン需要増により売上高、純利益とも大幅増
  [ ア フ リ カ ]
ザンビア:First Quantum社の銅生産量はKansanshi銅山等の増産により大幅拡大
南ア:Platinum Australia社、南アのKalplats PGM探査プロジェクトの資源量を更新

[ 欧 州 ・ C I S ]
ロシア:Norilsk Nickel、2012年からChita銅山で年間125千tの銅精鉱生産を開始
英:Johnson Mattheyによる2008年プラチナ・パラジウム需給予測
フィンランド:Vulcan Resources社、Kuhmoニッケル探査プロジェクトでプラチナ及びパラジウムを捕捉

[ オ セ ア ニ ア ]
豪:Hunan社、豪ジュニアのAbra社に対して買収オファー
豪:Alumina社、ブラジルのAlumar精錬所拡張のため社債発行により350百万US$調達
豪:Zinifex、2008年の総利益減少の見通し
豪:Zinifex、Rosebery亜鉛鉱山(TAS州)の近傍で新鉱床発見
PNG:鉱山石油会議所、Frontier社のKodu銅・金・モリブデン開発プロジェクトを支援
PNG:Marengo Mining社、PNGのYandera銅・モリブデン開発プロジェクトのDFSの途中経過を発表

[ ア ジ ア ]
フィリピン:OceanaGold社、Didipio金プロジェクトの開発コスト上昇
フィリピン:経営破たんしたLafayette Mining社、Rapu Rapu多金属鉱山の権益を売却
ベトナム:天然資源開発に環境保護費の納付を義務化
マレーシア:第2次国家鉱業政策を公表、環境保護を重視
インドネシア:中国Sinosteel社、ニッケル鉱山開発
インドネシア:PT Antam、インドJindal Steel社とフェロニッケル、ステンレス製造で合意
インドネシア:Batu Hijau銅・金山、2008年第1四半期分ロイヤルティは458.3万US$
中国:ENRC社(カザフスタン)、14.5百万US$でXinjiang Tuoli Taihang Ferro-Alloy Co.Ltd.の株式50%を買収
中国:四川省川大地震による鉱業への影響
中国:西部鉱業株式有限公司、豪州のFerrAus社の権益10%買収へ
中国:雲南省、2008年第1四半期非鉄金属輸出減少
中国:2008年第1四半期電解アルミ生産量対前年同期比10.81%増


チリ:下請従業員正社員化問題で最高裁がCODELCO及びEscondidaの主張を認める判決
 5月13日付け地元各紙の報道によると、チリ最高裁判所は、CODELCO及びEscondidaに多数の下請従業員を両社の正規社員として採用するよう命じた労働局の決定を違法な行為であるとして、この決定を無効とする判決を下した。
 2007年、下請従業員のストライキに起因して、CODELCO他の鉱山会社の下請業務を監督していた労働局は、監査業務終了後、CODELCOの5ディビジョンに合計約5,000人、Escondidaに767人の下請従業員を正社員として採用するよう命じる決定を行った。これに対し、CODELCO及びEscondidaは不服を申し立て、それぞれのディビジョンを管轄する高等裁判所に提訴した。Antofagasta、Valparaiso及びRancaguaの高等裁判所はCODELCOの主張を認め、労働局には下請従業員を発注企業の正社員として採用するよう命じる権限はなく、このような命令は下請企業とその従業員が締結した労働契約を無視する違法行為であるとの判決を下したが、CODELCOのSalvadorディビジョンを管轄するCopiapo高等裁判所はCODELCOの訴えを却下したため、CODELCOは最高裁判所に上告していた。また、労働監督局もAntofagasta、Valparaiso、Rancagua高等裁判所の判決を不服として最高裁判所に上告していた。
 今回の最高裁の判決をもって、下請従業員を発注企業の正社員として採用すべきか否かに関する問題は完全な決着をみるものと考えられる。
 最高裁判所の判決を受けてPatricia Silva労働局長は新聞記者団に対し、言葉少なく、判決を遵守するとのみ語った。一方、CODELCO弁護団のCarlos Figueroa弁護士とEscondidaの弁護士Gonzalo Fernandez氏は、「労働局は業務監督機能を有しているのであり、労働局が下請従業員を正規社員として採用するよう我々に命じたことは、労働局の行政権限を越えた行為であり、そうした命令ができるのは裁判所だけであるとの主張をしてきた。最高裁判所の判決は我々のこの主張を認めたものである」と語った。
hirai-koji@jogmec.go.jp (2008. 5. 20 サンティアゴ 平井浩二) 目次へ
チリ:2008年4月銅輸出額、前年同期比10.4%増の3,720百万US$
 チリ中央銀行の発表によると、2008年4月の銅輸出額は、銅価格の高止まりにより前年同期比10.4%増、前月比9.4%減の3,720百万US$となった。2008年1~4月の累積額は、前年比15.7%増の14,111百万US$を記録した。
 モリブデン輸出額は、前年同期比25.7%増、前月比14.0%増の337百万US$、鉄輸出額は前年同期比83.0%増、前月比92.3%増の45.2百万US$であった。
 金を除く鉱産物輸出額は、前年同期比10.8%増、前月比7.8%減の4,212百万US$、鉱産物輸出額の2008年1~4月の累積額は、前年比同期間比13.6%増の15,933百万US$となった。

(単位:百万US$)

 

2007年4月

2008年3月

2008年4月

前年同月比

前月比

2007年
1月~4月

2008年
1月~4月

前年比

3,369.0

4,105.8

3,719.8

10.4%

-9.4%

12,197.4

14,110.7

15.7%

モリブデン

268.2

295.6

337.0

25.7%

14.0%

1,246.7

1,225.9

-1.7%

24.7

23.5

45.2

83.0%

92.3%

119.4

126.4

5.9%

鉱産物合計

3,801.2

4,569.8

4,211.7

10.8%

-7.8%

14,022.5

15,933.1

13.6%

hirai-koji@jogmec.go.jp (2008. 5. 20 サンティアゴ 平井浩二) 目次へ
チリ:El Morro銅・金プロジェクトのFSをMetallica社が更新
 5月15日付地元業界紙によると、カナダのMetallica Resources社は権益30%を有するEl Morro探査プロジェクト(チリ・第Ⅲ州)のFSを更新した。同社の発表によると、EL Morroプロジェクトの初期投資額は25.3億US$、生産量は開発当初から5年間が銅:203,000t、金:302,000oz、残り14年間が銅:172,000t、金:313,000ozである。
 El Morroの権益70%を有するXstrataのKey Financial Resultsによると、同プロジェクトの生産量は開発当初から5年間が銅:195,000t、金:355,000oz(11t)、残り15年間が銅:157,000t、金:337,000oz(10.5t)で初期投資額は25.0億US$であった。
 Metallica Resources社によると、今回のFSはPincock Allen & Holt社が最新(2007年10月時点)の鉱物資源量に基づき算出したもので、ピットデザインが修正された。

カテゴリー 鉱量(千t) 品位 含有量
Cu(%) Au(g/t) Cu(千t) Au(t)

確定

208,473

0.66

0.53

1,375

110.1

推定

241,761

0.50

0.41

1,219

98.7

鉱石埋蔵量計

450,234

0.58

0.46

2,595

208.7


hirai-koji@jogmec.go.jp (2008. 5. 20 サンティアゴ 平井浩二) 目次へ
チリ:Sierra Gorda銅探査プロジェクトの資源量をQuadra Mininig社が更新
 5月12日付け地元業界紙の報道によると、Quadra Mining社(本社:バンクーバー)は同社がチリ第Ⅱ州に保有するSierra Gorda銅床探査プロジェクトの資源量を更新した。
 初生+二次富化帯の概測鉱物資源量は鉱量923百万t、品位Cu:0.44%、Mo:0.023%、予測鉱物資源量は鉱量590百万t、品位Cu:0.46%、Mo:0.016%(いずれもカットオフ品位Cu:0.3%)である。また、酸化鉱の概測鉱物資源量は鉱量206百万t、品位Cu:0.34%、予測鉱物資源量は鉱量83百万t、品位Cu:0.30%(いずれもカットオフ品位Cu:0.2%)である。
 Quadra Mining社は今後、36.7百万US$を投資しFSを実施する計画で、2009年3月までにFSを完了させたいとしている。同社は米国NV州にRobinson銅・金山を保有している。
hirai-koji@jogmec.go.jp (2008. 5. 20 サンティアゴ 平井浩二) 目次へ
アルゼンチン:La Rioja州はEMPSE(州営エネルギー資源公社)の設立を検討中
 5月13日付の地元業界紙によると、アルゼンチンLa Rioja州の政府下院議会はEMPSE(エネルギー鉱物資源公社)の設立について検討している。
 同公社はLa Rioja州に賦存する石油、固体、液体、ガス等のエネルギー鉱物資源全てについての探鉱、採鉱、販売、管理を業務とすることになる。また、La Rioja州の鉱業手続に係わる規則の枠組及び連邦鉱業法に準じて探鉱許可、採掘鉱区、その他申請を行うことができる。また、独自に他社との交渉あるいは権利の移転や取得を行う権限を有する。また、直接の活動の他に、国やLa Rioja州、あるいは海外の政府機関や民間企業との合意に基づいた活動も実施できる。
 La Rioja州政府議会は、2007年4月に露天採掘を禁止する法律を可決したにも拘わらず、現在このように石油・エネルギー鉱物についてはEMPSE設立について審議している。
hishida@gtdmail.com (2008. 5. 20 サンティアゴ 菱田 元) 目次へ
アルゼンチン:Pirquitas銀・錫・亜鉛探鉱プロジェクトの鉱量を更新
 5月14日付の地元業界紙によると、Silver Standard Resources社(本社:バンクーバー)はアルゼンチン北西部のJujuy州において探査中のPirquitas銀・錫・亜鉛鉱床の確定・推定埋蔵鉱量評価結果を発表した。
・銀:195百万oz(6,065t:43%増)
・錫:159百万lb(72,186t:41%増)
・亜鉛:549百万lb(249,246t:32%増)
 この新たな鉱量獲得によりPirquitasのマインライフは2007年11月の計算より4.5年増え、14.5年となった。
 ピット範囲の確定埋蔵量は1,070万t:品位Ag:195g/t、Sn:0.26%、Zn:0.70%で、推定埋蔵量は1,930万t:品位Ag:202g/t、Sn:0.20%、Zn:0.90%である。過去の鉱山操業時のズリもこの埋蔵鉱量の数字に含まれており、その量は40万t:品位Ag:234g/t、Sn:0.37%、Zn:0.13%である。
 この埋蔵鉱量評価は銀等価品位50g/tをカットオフ品位としている。ピット内の74孔、計16,850mのRCボーリング及びピット壁のデータを用い、金属価格は銀11.00US$/oz、錫5.00US$/lb、亜鉛1.05US$/lbを前提としている。
 また、ピット範囲外の確定及び推定資源量としては銀74.2百万oz(2,308t)、錫147百万oz(4,572t)、亜鉛18.8百万oz(585t)が計上されている。
 Pirquitasプロジェクトは2008年第4四半期に操業許可が下りる予定で、年間銀10.9百万oz(339t)を生産することが確定している。Silver Standard Resources社はこの他、ペルー、メキシコ、米国、カナダで探鉱活動を実施している。
hishida@gtdmail.com (2008. 5. 20 サンティアゴ 菱田 元) 目次へ
ブラジル:CPRMはMaranhao州の鉱物資源図を改版
 5月13日付の地元業界紙によると、CPRM(ブラジル地質調査所)はMaranhao州の鉱物資源図改版プロジェクトを広報誌で発表した。本計画はMaranhao州にとって極めて重要であり、新たな鉱業投資、州の歳入源創出促進、雇用機会増を目的としている。CPRMのDantas所長は最近Ferro鉱業次官と会い、本計画を固めた。
hishida@gtdmail.com (2008. 5. 20 サンティアゴ 菱田 元) 目次へ
ブラジル:MPX社 火力発電所へ豪州産及びコロンビア産の石炭調達を計画
 5月14日付の地元業界紙によると、ブラジルの電力会社MPX社(本社:リオデジャネイロ)は、ブラジルとチリにおける石炭火力発電プロジェクトの燃料供給のため石炭鉱山獲得に乗出したとリオデジャネイロで開かれた第2回ブラジル石炭会議(Coaltrans Brazilian Conference)で発表した。同社調整及び販売担当執行役員Vieira氏によると、MPX社は石炭鉱山、輸送会社、商社を傘下に置くことにより燃料供給網の信頼性を高める計画である。
 MPX社は、チリのCastilla石炭火力発電計画(1.4GW チリ第Ⅲ州の州都コピアポから80km南西のPunta Cachosに建設予定)に供給するため、豪州の年産能力200万t/年と250万t/年の2つの石炭鉱山を獲得する計画である。同社はチリ中央連結システム(SIC)における上記石炭火力発電計画のための資金27億US$の融資について複数の銀行と交渉中で、長期電力契約については鉱山会社と交渉中と4月に発表している。
 また同執行役員は、ブラジルの火力発電所用にコロンビアの2つの石炭鉱山の3年間のオプション権に18百万US$を支払う計画で、ブラジル産石炭はエネルギー効率が低いため、海外炭が最善の選択であるとしている。(コロンビアの一般炭:CesarとLa Guajiraの2地域、面積585km2、カロリー6,000kcal/kg以上で灰分と硫黄分が低い)同社は次のステップで調査を実施し、採掘計画と環境許可取得の方針を準備する。
 MPX社はUTE Port do Acu石炭火力発電所(2.1GW)の環境影響調査書をリオデジャネイロ環境調整局に提出済み。MPXとパートナーEDB社は720MWのPecem石炭火力発電所計画も有する。
hishida@gtdmail.com (2008. 5. 20 サンティアゴ 菱田 元) 目次へ
エクアドル:鉱山・石油大臣、カナダ企業に平静を呼掛け
 Mandato Minero(鉱業指令)の発行(2008年4月)によりジュニア企業の撤退が相次いで報じられている中、5月12日、カナダ鉱業開発企業と会談したGalo Chiriboga鉱山・石油大臣は、各企業に対して、従業員リストの提出を要求し、地元労働者の解雇を留まるよう要請した。また、同大臣は、新鉱業法草案作成を5月末までに終了させ、出来るだけ早い時期に発効に持込むべく努力するので、企業に対して平静を保つよう申し入れた。
 一方、制憲会議は、新鉱業法に、天然資源開発の決定には地域社会の住民投票による賛成が必要との条文を盛込む方向で検討しているが、5月10日にコレア大統領は、政府が有している資源開発決定権限を地域社会に与えることは認められないと発言した。これに対し、Conaie(先住民同盟)は、この発言を重視し、今後反対運動を展開するかどうか検討すると発表した。
ommjlima@chavin.rcp.net.pe (2008. 5. 12 リマ 西川信康) 目次へ
ボリビア:ウユニ塩湖でリチウム生産パイロットプラント建設が始動
 業界紙等によると、ボリビアのモラレス大統領は、ウユニ塩湖におけるリチウム生産パイロットプラントの建設を開始することを明らかにした。
 本プロジェクトのフェーズでは、5.7百万US$を投じて、リチウムの他に、ホウ素やマグネシウムなどを生産するもので18か月で完成する見込み。
 ウユニ塩湖は、総面積10,000km2の世界最大の塩湖で、8.9百万tのリチウム、7.7百万tのホウ素、211百万tのマグネシウムが埋蔵されていると言われている。
ommjlima@chavin.rcp.net.pe (2008. 5. 12 リマ 西川信康) 目次へ
ペルー:環境省の設立に向けて設立法を発布
 ガルシア大統領は環境省設立法令を5月13日に発布した。大統領は、新設の環境省はペルーの豊かな自然環境や生態系を守るために真摯に活動しなければならないとし、中南米EUサミット開催前日に環境省設立法令を発布したことによってペルーが投資誘致だけでなく環境保護政策にも力を入れていく方針を世界に伝えることができたとコメントした。
 本法令に関し、地元各紙によると、環境省の傘下にOEDA(環境評価監査庁)を設置し、鉱業・漁業・炭化水素事業・農業の環境面での監査並びに懲罰を行う権限を与えることが規定されていることや、国家環境審議会及び天然資源庁、環境衛生総局の一部が新省に吸収される一方で、OSINERGMIN(エネルギー鉱業監督庁)は存続するという。
 また、本法令発布は、米国とのFTA締結のために行政府へ与えられた立法権限を利用して施行されたものであるが、国会議員からは新省設立を行う権限を持つのは国会のみであり、行政府による環境省の設立は違憲であるとの批判も出ている。
 なお、初代環境大臣の候補として、環境省設立委員長を務めたアントニオ・ブラック氏の名前が上がっている。
ommjlima@chavin.rcp.net.pe (2008. 5. 14 リマ 西川信康) 目次へ
ペルー:Cerro Lindo鉱山が海水淡水化装置を導入
 業界紙等によると、ペルー非鉄大手のMilpo社は、Cerro Lindo銀・亜鉛・鉛・銅鉱山(Ica県)で、ペルー初の海水淡水化装置を利用した鉱山操業を開始した。同プラントには、1億US$が投資され、60kmのパイプライン敷設及び淡水化装置の導入によって、同山は河川水を利用することなく鉱山操業を実現できる。また、同山は、建築材として、選鉱廃さいの50%をペースト状に加工するプラントも有していることから、同プラントの竣工式に出席したガルシア大統領は同鉱山を環境に配慮した模範的鉱山として高く評価した。Cerro Lindoは2007年7月より生産を開始し、粗鉱生産量は5千t/日、本格年産ベースで亜鉛生産量(金属量)110千t/年、鉛12.5千t/年、銅8.5千t/年を計画している。
ommjlima@chavin.rcp.net.pe (2008. 5. 14 リマ 西川信康) 目次へ
グアテマラ:Fenixフェロニッケルプロジェクトの操業開始は1年延期の見込み
 Skye Resources Inc.(本社:バンクーバー)は、グアテマラに保有するFenixフェロニッケルプロジェクトの操業開始が資金調達の遅れにより1年程度延期される見込みである旨、5月13日付けで同社HPに発表した。同社は、本プロジェクトの生産開始を2009年末に計画していたが、米国のサブプライム問題に端を発する国際的な金融市場の冷込みに鑑み、市場条件が改善するまで資金調達を延期する旨、2008年1月に発表していた。今回のHPの発表によると、資金調達の完了は2008年夏までと見込んでいる。
 今回発表された声明の中で同社CEOは、「Fenixは世界中で最も開発の進んでいるフェロニッケルプロジェクトであり、我々の開発の意志に揺るぎはない。全開発に関する許可は取得済みであり、グアテマラ政府及び国民の支持を得ている。プロジェクトは優れた地質的資源量を有しており、確立された技術に基づいている」とコメントしている。
jogmec@prodigy.net.mx (2008. 5. 19 メキシコ 小島和浩) 目次へ
メキシコ:Bolivar銅・亜鉛鉱山の2008年第1四半期の操業実績
 Dia Bras Exploration Inc.(本社モントリオール)は、メキシコ・チワワ州に保有するBolivar(ボリバル)銅・亜鉛鉱山の2008年第1四半期の操業実績を5月15日付け同社HPに発表した。同四半期の粗鉱処理量は32,595t、平均品位はCu 2.35%、Zn 7.26%であり、銅精鉱生産量は前年同期比91.9%増の2,249t(含有銅量は328t)、亜鉛精鉱生産量は15.4%増の3,448t(含有亜鉛量1,718t)を記録した。また、同四半期の生産高(Total net smelter production value)は前年同期比32.7%増の6.9百万US$に達し、操業による直接利益(Direct operating cash margin)は3.1百万US$であった。生産精鉱の全量は、スイスのトレーダーMRI Trading AGに売却されている。
 なお、同社はBolivar鉱山の現在の操業をパイロット・マイニングと位置付けており、2008年中に商業生産のためのFSを開始するべく同鉱区内の探鉱活動を実施中である。
jogmec@prodigy.net.mx (2008. 5. 19 メキシコ 小島和浩) 目次へ
メキシコ:Cerro San Pedro金・銀鉱山の2008年第1四半期の操業実績
 Metallica Resources Inc.(本社:トロント)は、メキシコに保有するCerro San Pedro(セロ・サン・ペドロ)金・銀鉱山の2008年第1四半期の操業実績を5月13日付けで同社HPに発表した。同鉱山は、サン・ルイス・ポトシ市北東約20kmに位置し、数年間にわたる地元住民、環境保護団体等との開発に関する訴訟を経て、2007年5月からヒープリーチプロセスによる金銀の商業生産を開始した。同HPの発表によると、2008年第1四半期の金生産量は569kg、同じく銀7.1tであり、キャッシュコスト(銀副産物クレジットを含む)は407US$/oz-Auであった。また、同四半期の売上高は18.5百万US$、純益は3.33百万US$であった。
jogmec@prodigy.net.mx (2008. 5. 19 メキシコ 小島和浩) 目次へ
メキシコ:Great Panther Resources Ltd.(加)保有鉱山の2008年第1四半期の操業実績
 Great Panther Resources Ltd.(本社バンクーバー)は、メキシコに保有する2鉱山の2008年第1四半期の操業実績を5月12日付け同社HPに発表した。同社は、グアナフアト市郊外に位置するGuanajuato(グアナフアト)金銀鉱山とドゥランゴ州の西Sierra Madre(シエラ・マドレ)産金地帯に位置するTopia(トピア)多金属鉱山を操業している。
 同HPの発表によると、2008年第1四半期の2鉱山合計の銀換算生産量は前年同期比36%増の13.4tに達し、2鉱山平均のキャッシュ操業コスト(cash operating cost)は前年同期比17%減の9.2US$/oz-Agに改善された。また、同四半期の売上高は前年同期比55%増の6.5百万C$、同じく純益は378%増の1.9百万C$であった。
jogmec@prodigy.net.mx (2008. 5. 19 メキシコ 小島和浩) 目次へ
メキシコ:First Majestic Silver Corp.(加)保有鉱山の2008年第1四半期の操業実績
 First Majestic Silver Corp.(本社:バンクーバー)は、メキシコに保有する3鉱山の2008年第1四半期の操業実績を5月16日付け同社HPに発表した。同社は、ドゥランゴ州のLa Parrilla鉱山、コアウイラ州のLa Encantada鉱山及びハリスコ州のSan Martin鉱山の3鉱山を操業する。
 同HPの発表によると、2008年第1四半期の3鉱山合計の銀換算生産量は前年同期比36%増の33tに達した。生産の内訳は銀27.8t、鉛843t、亜鉛145、金7.5kgである。また、同四半期の同社売上高は前年同期比28%増の13.00百万C$、当期利益は創業以来初の黒字となる1.07百万C$を計上した。
jogmec@prodigy.net.mx (2008. 5. 19 メキシコ 小島和浩) 目次へ
メキシコ:Endeavour Silver Corp.(加)保有鉱山の2008年第1四半期の操業実績
 Endeavour Silver Corp.(本社:バンクーバー)は、メキシコに保有する鉱山の2008年第1四半期の操業実績を5月14日付け同社HPに発表した。同社は、ドゥランゴ州のGuanacevi銀山とグアナフアト市郊外のGuanajuato銀山を操業する。
 同HPの発表によると、2008年第1四半期の同社保有鉱山の売上高は前年同期比48%増の10.7百万US$、同じく産銀量は前年同期比3%増の15.7tであったが、キャッシュコストは前年同期の5.85US$/ozから大幅に増加し、10.01US$/ozとなった。キャッシュコスト増加の要因は、賃金、燃料、電力、部品、機器等のコスト上昇による。また、同四半期の当期損益は2.0百万US$の損失となった。
jogmec@prodigy.net.mx (2008. 5. 19 メキシコ 小島和浩) 目次へ
メキシコ:Peñasquito(ペニャスキート)多金属プロジェクトで最初の金を生産
 Goldcorp Inc.は、メキシコ・Zacatecas州に保有するPeñasquito多金属プロジェクトにおいて金生産を開始した旨、5月13日付け同社HPに発表した。既に約2百万tの鉱石がリーチパットへ敷設されており、浸出率、化学組成及び金回収率は期待していた以上の良好な結果を得ている。McArthur社長兼CEOは、本プロジェクトは北米における最大規模の最低コストの貴金属鉱山の一つとなり、長年にわたってGoldcorp Inc.及び同社株主の主要な収益源となる旨、コメントしている。フル稼働時には年産金400千oz(12.4t)以上、銀30百万oz(933t)、更に副産物である亜鉛、鉛の生産も含め、19年間の操業を視野に入れている。
jogmec@prodigy.net.mx (2008. 5. 19 メキシコ 小島和浩) 目次へ
takedomi@jogmec.ca (2008. 5. 19 バンクーバー 武富義和) 目次へ
メキシコ:Piedras Verdes銅山の2008年第1四半期の損益は硫酸供給の問題により大幅に悪化
 Frontera Copper Corp.(本社:フェニックス)は、メキシコ・Sonora州に保有するPiedras Verdes(ピエドゥラス・ベルデス)銅山の2008年第1四半期の損益が、前年同期の4.9百万C$の純益から1.2百万C$の損失へ悪化した旨、5月15日付け同社HPに発表した。
 同HPの発表によると、2008年第1四半期の銅カソード生産量は前年同期比4.8%減の9.9百万lb(4,491t)、同じくキャッシュ操業コスト(ロイヤルティを含む)は前年同期の1.43US$/lbを大きく上回る3.14US$/lbであった。同社によると、硫酸の消費量増加、同購入価格の上昇及び銅カソード生産減がコスト上昇の要因であり、また、硫酸購入価格の上昇は、カナネア銅山のストライキに起因する硫酸供給量の不足分をスポット価格で調達したことによる。さらに、硫酸不足によって浸出液の化学組成に問題が生じたため、銅回収率の低下も生じた。Piedras Verdes銅山の操業実績は下表のとおり。

 

2007年
第1四半期

2007年
第2四半期

2007年
第3四半期

2007年
第4四半期

2008年
第1四半期

銅生産量(t)

4.72

72.1

68.5

55.8

4.49

銅販売量(t)

4.58

71.2

71.2

57.2

4.49

キャッシュコスト(US$/lb)

1.43

1.18

1.21

1.46

3.14

売上高(百万C$)

28.9

50.8

50.1

37.5

31.9

当期損益(百万C$)

4.9

9.8

10.3

6.7

-1.2

jogmec@prodigy.net.mx (2008. 5. 19 メキシコ 小島和浩) 目次へ
ベネズエラ:Crystallex International Corp.、ベネズエラ政府と協議
 Crystallex International Corp.(本社:トロント)は5月12日、ベネズエラ環境天然資源省とLas Cristinas金開発プロジェクトについて協議することを明らかにした。
 同プロジェクトは環境破壊の恐れがあるとして住民団体の差止め請求が認められたが、今回、同社は環境天然資源省と鉱区所有者であるCVG社との協議を行い、決定の取消しを図りたい意向。環境天然資源省とは、環境影響評価の許可、建設債、環境税での対立が挙げられているが、これらは当該地区の全ての鉱業案件と同じであり、会社側は、本件に係る建設債、税問題については2007年に解決済みと述べている。
 これを受けて市場では期待感が高まりトロント証券取引所の同社株価は30¢(50%)高の90¢に急騰した。
takedomi@jogmec.ca (2008. 5. 19 バンクーバー 武富義和) 目次へ
カナダ:ウランのDenison Mines Corp.、ザンビアの事業所得税値上げにより赤字幅が拡大
 ウランのDenison Mines Corp.(本社:トロント)は5月14日、2008年第1四半期の業績を発表。
 カナダMcClean Lake(権益比率22.5%)のU3O8は長期契約により平均71.54US$/lbで50千lb(23t)、また米国White MesaのU3O8は90.00US$/lbで50千lb(23t)が販売されており、売上高は前年同期11.7百万US$から55.6%増の18百万US$に拡大した。しかしながら、ザンビアでの事業所得税率が現行の25%から30%に引き上げられたことから、赤字幅が拡大し10.5百万US$の赤字になった。探鉱支出は、前年同期の5.1百万US$から6.6百万US$と増加した。
 カナダMcClean Lakeの採掘現場であるSue Eは2008年第1四半期に終堀したことから、現在1.4百万U3O8を埋蔵するSue B鉱床の採掘を開始している。
 同社はサスカチュワン北部のアサバスカ盆地においてフランスAreva、日本OURD(海外ウラン資源開発(株))とのJVであるMcClean Lakeを主力に、建設中のMidwestの権益を保有。また、米国(コロラド州、ユタ州)、モンゴル、ザンビアにも権益を保有している。
takedomi@jogmec.ca (2008. 5. 19 バンクーバー 武富義和) 目次へ
カナダ:Ivanhoe Mines、引続き赤字計上
 Ivanhoe Mines(本社:バンクーバー)は5月14日、2008年第1四半期の業績を発表した。
 モンゴルの大規模金・銅鉱山開発プロジェクトOyu Tolgoiへの投資のため、赤字幅が前年同期の46.8百万US$から更に63.6百万US$へと拡大した。このうち、Oyu Tolgoiの立坑工事、開発設計費用を含む探鉱費57.3百万US$が赤字の主因である。フルスケールの建設計画に対するモンゴル政府との投資契約はまだ未締結のままとなっている。
 モンゴルに関するその他トピックスとして、5月7日、80%の権益を持つSouth Gobi Energy ResourcesがモンゴルOvoot Tolgoi石炭鉱山の操業を開始した。また、South Gobi社が有する中国Janshan金山の権益42%を全てChina National Gold Groupに217.7百万US$にて売却した。
takedomi@jogmec.ca (2008. 5. 19 バンクーバー 武富義和) 目次へ
カナダ:Silver Wheaton Corp.、メキシコCampo Morado鉱山からの銀買鉱権を取得
 Silver Wheaton Corp.(本社:バンクーバー)は5月13日、Farallon Resources(同社)が保有するメキシコゲレロ州Campo Morado鉱山で生産される銀の75%分を80百万US$で取得すると発表した。
 Silver Wheaton Corp.は3月にもMercator社保有Mineral Park鉱山(米AZ州)との間で同様な契約を締結している。
 Farallon ResourcesはSilver Wheaton Corp.から取得した資金を鉱山開発、探鉱資金に充当する。なお、同鉱山の生産開始時期は2008年第3四半期を予定。
 この発表を受け、トロント証券取引所のFarallon Resourcesの株価は6C¢(8.1%)高の80C¢に急騰した。
takedomi@jogmec.ca (2008. 5. 19 バンクーバー 武富義和) 目次へ
カナダ:Taseko Mine Ltd.、BC州Gibraltar銅鉱山を拡張
 BC州南央でGibraltar銅・モリブデン鉱山を操業しているTaseko Mines Ltd.(バンクーバー)は5月13日、2008年第1四半期の業績を発表。
 Gibraltar鉱山の増産効果と銅価格高により、売上が前年同期比26.7%増の65百万C$、純利益が40.9%増の16百万C$となった。
 また、Gibraltar鉱山拡張計画フェーズⅢとして、2010年第4四半期までに選鉱能力を増強し、生産量を5割増(銅生産量81,702t、モリブデン2,043t)とすることを併せて発表した。拡張資金350百万C$のうち、3割は借入れ金、残り7割は内部留保金から支出される。
takedomi@jogmec.ca (2008. 5. 19 バンクーバー 武富義和) 目次へ
カナダ:BC州鉱業、好調なるも2007年は前年より減収減益
 PricewaterhouseCoopersは5月13日、BC州Mining Weekにおいて、2007年のBC州鉱業界の業績を発表した。
 石炭の出荷減、価格低下が響き鉱業全体の売上高は前年同期の81億C$から15%減の69億C$にとどまり、純利益は2006年の23億C$から47.8%減の12億C$へと減少した。ただし、過去最高益を計上した前年に次ぐものであり良好な状態を維持しており、株主は635百万C$の配当を受けとった。
 鉱種別では、Highland Valleyを擁する銅の出荷量が前年比21%減の816千tとなったため、売上高は前年より337百万C$の16.6億C$となった。次いで原料炭が19.4から13.7億C$へ、亜鉛が12.9から12.3億C$とそれぞれ減少した。
 2007年のBC州鉱業分野での支出総額は前年比5%減の64億C$となった。一方、探鉱費は前年の265百万C$から56%増の416百万C$まで拡大しており、この傾向は2008年も続く模様。
 2007年の鉱山労働者数は7,415人と1%増に止まっているが、給与総額は3%増の755百万C$となっており、一人当り給与は102千C$/年まで高騰している。
 BC州Krueger鉱山エネルギー石油大臣は特に中国企業がBC州のプロジェクトに注目していることを取り上げるとともに、鉱業分野において、2010年までに10億C$の投資と1,000人の新たな雇用を創出するためには労働者の確保が必要であるとの見解を述べている。
takedomi@jogmec.ca (2008. 5. 19 バンクーバー 武富義和) 目次へ
カナダ:Cameco、ウラン・金価格上昇とウラン需要増により売上高、純利益とも大幅増
 Cameco(本社:SK州Saskatchewan)は5月13日、2008年第1四半期の業績を発表した。ウラン、金価格上昇、ウラン需要により売上高が前年同期の409百万C$から45%増の593百万C$へ、純利益は59百万C$から2.3倍の133百万C$へと大幅に拡大した。
 部門毎に見てみると、ウラン部門では価格が24.0から40.85US$/lbに上がったこと、販売量が6.3百万lb(2,860t)から7.4百万lb(3,360t)に増加したことにより、売上高は前年同期の183百万C$から338百万C$への大幅増となった。ただし、生産量は、McArthur Riverの増産はあったものの、Rabbit Lakeの生産がゼロとなったことから、全体としては前年同期の4.5百万lb(2,043t)から19.4%減の3.7百万lb(1,680t)となった。燃料サービス部門は、販売量増により売上高は44から59百万C$と伸びたが、土壌汚染によるPort Hope六価ウラン転換工場停止の影響で14百万C$の支出を余儀なくされたため、利益幅は9から3百万C$へと大きく縮小した。現在53%の権益を保有する子会社Centerra Gold(本社:トロント)を通じた金ビジネスについて、販売量は前年同期並であったが金価格上昇により売上高が96から113百万C$となった。
 今後のウラン生産について、McArthur Riverの新鉱(サスカチュワン州)、Inkai(カザフスタン)の開発が遅れており2009年の生産に影響があり得る。一方、2011年にCigar Lakeが立上がれば、ウラン生産は2016年までに2007年の80%増が期待される。
takedomi@jogmec.ca (2008. 5. 19 バンクーバー 武富義和) 目次へ
ザンビア:First Quantum社の銅生産量はKansanshi銅山等の増産により大幅拡大
 アフリカのザンビア、コンゴ、モーリタニアで銅鉱山を操業しているFirst Quantum Minerals Ltd.(本社:バンクーバー)は5月13日、2008年第1四半期の業績を発表した。
 銅生産量は、ザンビアKansanshi及びモーリタニアGuelb Moghreinからの銅生産が飛躍的に増加した結果、前年同期比65.1%増の75.6千tに伸びた。売上高は、生産増、銅価格の高騰が続いたことにより、95.8%増の511.5百万US$、純利益は2.3倍の182百万US$に拡大した。
 なお、ザンビアの事業所得税率が25%から30%に上がったことから、17百万US$を課税額として追加計上したが収益に大した影響はなかった。
 トピックスとしては、2008年4月、北部フィンランドにニッケル・銅・PGE鉱区を持つScandinavian Minerals Ltd.の100%権益取得に向け、最終的な契約交渉に入った。First Quantum社は、鉱種の多角化、地域分散化の観点から、このM&Aを重視している。2008年の銅生産量は310千tを見込む。
takedomi@jogmec.ca (2008. 5. 19 バンクーバー 武富義和) 目次へ
南ア:Platinum Australia社、南アのKalplats PGM探査プロジェクトの資源量を更新
 Platinum Australia社(本社:豪パース、以下PA社)は、南アのKalplats白金族探査プロジェクトを次のように資源量(精測、概則及び予測鉱物資源量の合計)をJORCコードに基づき更新した。特に、Crux鉱床の資源量は既存評価と比較し倍増した。
・Crux鉱床:資源量31百万t、PGM品位(3E)1.23g/t
・Crater鉱床:資源量13百万t、PGM品位(3E)1.63g/t
・Orion鉱床:資源量13百万t、PGM品位(3E)1.44g/t
(カットオフPGM品位(3E)0.5g/t、3E:Pt+Pd+Au)
 Kalplats鉱床群は、Kraaipainグリーンストン帯中のStella層状貫入岩体に胚胎し、地表からほぼ垂直に、7層の層状鉱化帯(層厚計約50m)が、南北約12kmに渡って延びている。
 Kalplats PGM探査プロジェクトは、African Rainbow Minerals Platinum社とのJVプロジェクトで、PA社がバンカブルFSを終了させた時点で49%の権益を得る。
masuda-kazuo@jogmec.go.jp (2008. 5. 15 シドニー 増田一夫) 目次へ
ロシア:Norilsk Nickel、2012年からChita銅山で年間125千tの銅精鉱生産を開始
 業界紙によると、世界最大のニッケル生産会社Norilsk Nickel(本社:モスクワ)はシベリア東部Chita州で、2012年から年間125千tの銅精鉱を生産開始することを計画している。Bytrinskoye銅山から、2012~2015年の間で年間35百万tの銅鉱石を生産する見通しである。
 同社は本鉱床開発に2006年より4年間に亘り年間10億US$を投資する。また、近日実施されるChita州北部のUdokan銅鉱床の開発権獲得に対する入札では、16億US$で入札すると予測されている。この入札は、当初2008年7月17日に決定される予定であったが8月14日まで延期された。ロシア政府はこの入札により30億US$以上の収入を期待している。Udokan銅鉱床の埋蔵鉱量は13.4百万t、含有銅量は19.95百万tと評価され、露Rusal社の子会社Baselやその他の外資企業の入札参加も予想されている。
 なお、Norilsk Nickelによる2007年の産銅量は404,465tである。2007年のロシアの銅鉱生産量(770千t)は世界第7位で、ICSG(国際銅研究会)の2008年予測によると、715千tと見込まれている。
french@jogmec.org.uk (2008. 5. 15 ロンドン フレンチ香織) 目次へ
英:Johnson Mattheyによる2008年プラチナ・パラジウム需給予測
 貴金属製錬・加工大手のJohnson Matthey Plc(本社:ロンドン)は19日、2008年のプラチナ及びパラジウム需給と価格の見通しを発表した。
 同社の調査によると、2008年のプラチナ需給バランスはマイナスと予想されている。これは、自動車触媒の需要が増加することによる。2007年もディーゼル車の排ガス規制により自動車触媒の需要は前年比8.2%増、4.23百万oz(131t)に増加した。これによって全体のプラチナ需要は前年比8.6%増の7.03百万oz(219t)となった。なお、宝飾用の需要(2007年)は、前年より55千oz減の1.59百万oz(49t)に減少し、アジアでのリサイクルが高まる。2007年のプラチナ供給は南アにおけるストライキ、製錬所の閉鎖、安全対策などが原因で前年比4.1%減の6.55百万oz(204t)を記録したが、2008年は南アの電力不足が懸念される一方、2007年に比べると増産が見込まれている。2008年下半期のプラチナ価格は、ETF(上場投資信託)及び南アの供給困難などの原因で、1,775~2,500US$/ozと予想されている。
 2008年のパラジウム需給バランスはプラスと予想されている。2007年のパラジウム供給は、南アが減産、ロシアも横ばいに推移したが、前年に積み上げられたロシアの在庫放出により、前年比8.0%増加の8.59百万oz(267t)を記録した。よって、2007年の需給バランスは1.75百万oz(54t)のプラスを記録した。パラジウムの需要は、プラチナの代用として自動車用触媒への使用が高まり、2007年には前年比3.5%増加の6.84百万oz(213t)を記録した。自動車用触媒に加え、電子部品からの強い需要もあり、2008年も需要は増加傾向と予想されている。一方、中国における宝飾品へのパラジウム需要は2007年500千oz(16t)へと減少し、全体的に減少傾向にある。2007年に積み上げられたロシアからの在庫放出により、2008年下半期のパラジウム価格は400~575US$/ozとの見通しである。
takeya@jogmec.org.uk (2008. 4. 11 ロンドン 竹谷正彦) 目次へ
french@jogmec.org.uk (2008. 5. 19 ロンドン フレンチ香織) 目次へ
フィンランド:Vulcan Resources社、Kuhmoニッケル探査プロジェクトでプラチナ及びパラジウムを捕捉
 Vulcan Resources社(本社:豪パース)は、フィンランドのKuhmoニッケル探査プロジェクトにおけるボーリング調査で、プラチナ及びパラジウムを捕捉したと発表した。
 Hietaharju鉱床におけるボーリング調査の結果で、着鉱幅3.5m、品位:Pt 3.6g/t、Pd 5.5g/t、Ni 2.4%、Cu 1.6%等の分析結果を得た。
 Kuhmoニッケル探査プロジェクトはVulcan社が95%の権益を保有しており、同社が100%権益を保有するフィンランドのKylylahti銅・コバルト開発プロジェクトに次ぐ案件として注力しており、既に鉱山の設計やニッケル及び銅に関する選鉱試験を終え、鉱業権を申請中である。
 同社が実施したDFS結果のPtとPdの最高値は以下のとおりである。

Hole

From(m)

Interval(m)

Ni(%)

Cu(%)

Co(%)

Pd(ppm)

Pt(ppm)

2PGE(ppm)

SMS/HIE-33

58.05

3.45

2.42

1.57

0.13

5.54

3.57

9.11

SMS/HIE-45
Incl.

18.20
18.20

10.80
2.95

1.66
2.28

0.93
1.72

0.09
0.12

4.32
5.81

2.01
3.32

6.33
9.12

masuda-kazuo@jogmec.go.jp (2008. 5. 12 シドニー 増田一夫) 目次へ
french@jogmec.org.uk (2008. 5. 15 ロンドン フレンチ香織) 目次へ
豪:Hunan社、豪ジュニアのAbra社に対して買収オファー
 Abra Mining Ltd.(本社:パース、以下Abra社)は、中国のHunan Nonferrous Metals Corporation Ltd.(湖南有色金属公司、以下Hunan社)から、5月13日、買収オファーを受けたことを公表した。
 Hunan社は、現在、Abra社の株式17.8%を所有しているが、同社の経営権を得るため、未所有株の7割に対して、0.83A$/株のオファーを行った。買収が成功すれば75%を所有することになる。
 この価格は、Abra社の月間取引平均値より62%高い。また、オファーは、最低50.1%の受入れをFIRB(Foreign Investment Review Board:外国投資委員会)の承認を条件としている。Abra社の役員会は、株主に対して、高値付けがない状況では、受入れるべきと勧告している。
 この買収オファーは、Hunan社が約束しているAbra社100%所有のMulgulプロジェクト(豪WA州)のAbra鉛・銀・銅・金鉱床の開発支援を強化するものである。Abra鉱床の資源量は鉛・銀鉱が、50.3百万t、品位Pb 4.0%,Zn 0.2%,Ag 10g/t,Cu 0.1%、銅・金鉱が、9.8百万t、品位Cu 0.6%,Au 0.5g/t,Pb 0.2%,Ag 0.5g/tであり、Abra社は、粗鉱6百万t/年、鉛含有金属量で220千t/年の生産を計画している。
masahiro-nagai@jogmec.net (2008. 5. 14 シドニー 永井正博) 目次へ
豪:Alumina社、ブラジルのAlumar精錬所拡張のため社債発行により350百万US$調達
 Alumina Ltd.(本社:メルボルン)は、転換社債を発行することにより、350百万US$を調達すると公表した。
 Alumina社とAlcoaとのJVであるAWAC社(Alumina World Alumina and Chemicals)は、ブラジルのAlumar精錬所拡張とJurutiボーキサイト鉱山開発のため25億US$を投資することとしていたが、Alumina社は、JVの権益が40%のため、プロジェクトの開発ペースをコントロールできないという事情があり、早急に350百万US$を資金調達する必要に迫られていた。
 なお、社債は、年2%の金利が付き、2013年にAlumina社の株に転換できる。
masahiro-nagai@jogmec.net (2008. 5. 14 シドニー 永井正博) 目次へ
豪:Zinifex、2008年の総利益減少の見通し
 Zinifex(本社:メルボルン)のCEO、Michelmore氏は、マイアミのMining Conferenceで、2008年の利益は予想を下回る見通しを述べた。
 2008年上半期の総利益は、過去最高で2007年同期の751百万A$から1,309百万A$となる見込みであるが、亜鉛価格の低下、2008年下半期の鉛・亜鉛製錬費の上昇、エネルギー・労務費・コモディティ価格上昇、探鉱コスト増に加えて合併に伴うコストが年間の利益減少に繋がると述べた。これらコスト増は販売部門においても同様であり、結果的に2008年下半期の総利益は減少するとみている。
masahiro-nagai@jogmec.net (2008. 5. 14 シドニー 永井正博) 目次へ
豪:Zinifex、Rosebery亜鉛鉱山(TAS州)の近傍で新鉱床発見
 Zinifex(本社:メルボルン)は、5月16日、TAS州West Coastに位置するRosebery亜鉛鉱山から5km離れたJupiter探鉱鉱区で、有望な亜鉛鉱化帯を発見したと公表した。
 ボーリングの着鉱地点は地表から61mと浅く、分析結果として着鉱幅23m、Zn 5.6% Pb 1.1% Ag 9.5g/t Au 0.8g/tがある。Zinifexは新規鉱化帯がRosebery鉱山から5km地点で発見されたことは、West CoastにおけるZinifexの操業拡大を可能とし、周辺地域への社会・経済的意義は大きいとしている。
masahiro-nagai@jogmec.net (2008. 5. 16 シドニー 永井正博) 目次へ
PNG:鉱山石油会議所、Frontier社のKodu銅・金・モリブデン開発プロジェクトを支援
 PNG鉱山石油会議所(PNG Chamber of Mines and Petroleum)は、会員各社に対しFrontier Resources社(本社:パース、以下Frontier社)のKodu銅・金・モリブデン鉱床開発プロジェクトを支援するようレターを出した。
 PNG政府は、Frontiers社のKodu 銅・金・モリブデンプロジェクトが、PNGの南と北海岸を結び、現在、トレッキングコースとして人気のあるKokoda Track南端に位置することから、探鉱権を更新することを拒んでいる。この地域は、第2次世界大戦の際、約600名の豪軍が日本軍との戦闘で死亡した激戦地で、豪軍の勇気のシンボルとなっている。
 Frontier社は、この地域の土地所有者の意見を背景にKodu鉱区内の道路は、大戦中に使用された元々の道路ではなく、大戦後に現在のKokoda Trackに編入された道路であると主張している。
 現在Rudd政権とPNG政府は連携して、この96kmのKokoda Trackを、環境的価値を背景に世界遺産登録することにより守ろうとしている。
 Frontier社は、探鉱権が更新されなければ、PNG政府を訴えるとしている。同社McNeil社長は、Kokoda Trackが100年間かかって与えるよりも、鉱業は10年間でより大きな経済効果を与えると主張している。
 Kodu鉱床のJORC規程による資源量は含有金属量ベースで、銅754,000t、金83.4t、モリブデン21,200t、銀475tとされている。
masahiro-nagai@jogmec.net (2008. 5. 15 シドニー 永井正博) 目次へ
PNG:Marengo Mining社、PNGのYandera銅・モリブデン開発プロジェクトのDFSの途中経過を発表
 Marengo Mining Ltd.(本社:豪パース、以下Marengo社)は、PNGのYandera銅・モリブデン開発プロジェクトのDFS(Definitive Feasibility Study)の途中経過(フェーズ1)を発表した。
 DFSでは、フェーズ1にて開発方法を比較検討した結果、資源量450百万t(銅等価品位0.48%)、露天掘、マインライフ10年以上、粗鉱処理量は1~2年目が25百万t/年で、最終的には50百万t/年となる計画で、ピット近傍で破砕、浮遊選鉱後、精鉱を約50km離れたMadang港にパイプラインでスラリー輸送することとし、廃さいについては、廃さいダムあるいは深海堆積処分が検討されている。
 フェーズ2では、経済評価を行い、2009年中期に完了する見通しである。
 Marengo社が同プロジェクトの100%権益を保有しており、2007年に試算されたJORCコードに基づく予測鉱物資源量497百万t、銅等価品位0.43%、概則鉱物資源量163百万t、銅等価品位0.49%(何れもカットオフ銅等価品位0.3%)が試算されている。
masuda-kazuo@jogmec.go.jp (2008. 5. 16 シドニー 増田一夫) 目次へ
フィリピン:OceanaGold社、Didipio金プロジェクトの開発コスト上昇
 OceanaGold Corporation(本社:メルボルン、以下OceanaGold社)は、フィリピンで開発中のDidipio金銅プロジェクトのコストが上昇すると公表した。
 Didipioプロジェクトは、ルソン島のマニラから270km北に位置し、当初は露天掘で開発し、4年後にサブレベルケービング法に切換える計画である。
 初期投資費は、2倍以上に跳ね上がり2006年時点の見積価格155百万US$が、現在は320US$に修正されている。コスト増加のなかで、石油火力発電所建設を含むインフラ整備が44百万US$のアップ、鉱石処理プラント建設が、労務費、為替、コモディティのインフレにより25百万US$のアップである。
 OceanaGold社は、埋蔵鉱量は含有金属量で金49t、銅200千tとしている。粗鉱生産量2.5百万t/年で2009年初めに生産開始が計画されており、生産開始以降、3年間で投資資金を回収可能としている。
 また、ニュージーランドのOceanaGold社のMacraes金山の2008年の産金量は8.7~9.3tから8.2~8.6tへと低下する見込みであることも併せて公表した。
masahiro-nagai@jogmec.net (2008. 5. 13 シドニー 永井正博) 目次へ
フィリピン:経営破たんしたLafayette Mining社、Rapu Rapu多金属鉱山の権益を売却
 Lafayette Mining社(本社:メルボルン、以下Lafayette社)は、2008年4月22日、フィリピンのRapu Rapu多金属鉱山に保有する権益74%を、Philco Resources社に売却したことを管財人を通じ発表したが、取引額等の詳細は明らかにされていない。
 Philco Resources社は、韓国LG International社とKORES(Korea Resources)社の合弁会社で、同鉱山の権益26%を所有していた。
masuda-kazuo@jogmec.go.jp (2008. 5. 15 シドニー 増田一夫) 目次へ
ベトナム:天然資源開発に環境保護費の納付を義務化
 Vietnam News Agency(ベトナムニュース庁)によれば、Nguyen Tan Dung首相は5月13日、天然資源開発に環境保護費の拠出を義務付ける政令No.63/2008/ND-CP号に署名した。対象となる資源は、石、砂利、砂、土、石炭、天然鉱水(Mineral Water)、イルメナイト、金属鉱物、リン鉱石、原油、天然ガスである。政令によれば、納付額は鉱産物の所在地における地方人民委員会(Municipal/Provincial)が決定することになっている。原油、天然ガス以外の天然資源の環境保護費は、全額地方予算に組込まれ、地方の環境対策費として使用される。
jogmec2@cbn.net.id (2008. 5. 20 ジャカルタ 池田 肇) 目次へ
マレーシア:第2次国家鉱業政策を公表、環境保護を重視
 地元紙によれば、Datuk Seri Najib Razak副首相は5月15日、第6回国家鉱物委員会(National Mineral Council Meeting)の開催後の記者会見で第2次国家鉱物政策(DMN2:The Second National Mineral Policy)の主旨を発表し、国内に埋蔵される推定2,350億リンギ担当の鉱物資源を地球環境に優しい方法により積極的に開発していく方針を示した。政府は、リハビリテーションを積極的に進める鉱山開発計画については、許可を発行すると述べている。副首相は、州政府に対し鉱物資源開発認可は、組織的、体系的に行うよう働き掛けていくとした。鉱物価格が高騰する中、同国の鉱物資源の開発は国家、地域開発にとって重要であると強調している。
jogmec2@cbn.net.id (2008. 5. 20 ジャカルタ 池田 肇) 目次へ
インドネシア:中国Sinosteel社、ニッケル鉱山開発
 地元紙によればPT Sinosteel Indonesia Mining(PT SIM)は5月7日、中央Sulawesi州Morowaliにおけるニッケル鉱山開発計画を明らかにした。PT SIMは、中国国営Sinosteel Corpの子会社である。PT SinosteelのQian Jinジェネラルマネージャーは、既に地方政府に対し300haの採掘権を申請中で、2~3か月のうちに許可を取得できる見込みと述べている。同社は、2007年、探鉱権を取得し、規模は公表していないが、Ni品位1~2%の低品位ラテライト鉱床を発見したとされる。Sinosteel Corpは、中国Tianjinに年産80,000tのフェロニッケル製造施設を有するため、原料の安定的確保を目的にニッケル鉱山開発に乗り出したもので、2007年後半から採掘を開始し輸出したいとしている。最終的にはニッケル鉱石100万t(湿量)を輸出する計画である。なお現在、ニッケル鉱輸出を禁止する鉱業法案が議会で審議されている。
jogmec2@cbn.net.id (2008. 5. 20 ジャカルタ 池田 肇) 目次へ
インドネシア:PT Antam、インドJindal Steel社とフェロニッケル、ステンレス製造で合意
 国営鉱山会社PT Antamは5月12日、インドのJindal Stainlessと南Sulawesi州北Konaweにおいてフェロニッケル、ステンレス鋼製造施設を建設する合弁事業でPT Antam Jindal Stainless Indonesia(PT AJSI)を設立し計画を推進することで合意したと発表した。PT AJSIの権益は、PT Antamが55%、Jindalが45%を出資する。年産20,000t(Ni純分)のフェロニッケルと250,000tの300系ステンレス鋼を製造する計画である。総投資額は7億US$を見込む。合弁事業はPT Antamのニッケル鉱山の探査、探鉱、採掘、フェロニッケル製造のノウハウと、Jindal社のステンレス製造技術及び同社の世界的販売網の統合により、安定的かつ競争力のある製品供給体制を構築する狙いがある。同社は、実現性調査の結果を踏まえ、2011年の生産開始を目指している。原料となるニッケル鉱石はMandiodo鉱区から調達される。同鉱区のNi品位は1.5%である。建設計画によれば、石炭火力発電所、水処理施設、港湾、従業員住宅等のインフラも含まれている。PT Antamによれば、フェロニッケル-ステンレス製造施設が1か所に建設される世界初のケースである。PT Antamは、株主利益を最大化するため製品多様化戦略を柱としているが、インドネシア政府がPT Antam株式の65%を所有することから製品多様化戦略は、政府、議会の意向を反映した付加価値化政策の実践にほかならない。
jogmec2@cbn.net.id (2008. 5. 20 ジャカルタ 池田 肇) 目次へ
インドネシア:Batu Hijau銅・金山、2008年第1四半期分ロイヤルティは458.3万US$
 Newmont Indonesia社は5月15日、西Nusa Tenggara州でBatu Hijau銅・金鉱山を操業するPT Newmont Nusa Tenggara社(PTNNT)の2008年第1四半期(1~3月)分のロイヤルティは458.3万US$になったことを明らかにした。その内訳は、銅222.1万US$、金222.5万US$、銀13.7万US$である。PTNNTがこれまでに政府に納付したロイヤルティは1999年の精鉱初出荷以来の累計で1億5031万US$となった。PTNNTのロイヤルティの支払いは、同社と政府が書名交換した鉱業事業契約(COW)第13条及び2000年2月24日付け鉱山総局長書簡に基づき実施されている。
jogmec2@cbn.net.id (2008. 5. 20 ジャカルタ 池田 肇) 目次へ
中国:ENRC社(カザフスタン)、14.5百万US$でXinjiang Tuoli Taihang Ferro-Alloy Co.Ltd.の株式50%を買収
 5月8日付けの業界紙によると、カザフスタンのENRC(Eurasian Natural Resource Corporation)社は、Xinjiang Tuoli Taihang Ferro-Alloy Co. Ltd.(以下Xinjiang社)の株式50%を14.5百万US$で買収した。ENRC社が中国企業の株式を取得するのは初めて。Xinjiang社は年間120千tの高炭素フェロクロムを生産している。同プラントはカザフスタンと中国の国境から300kmの位置にあり、Xinjiang社で処理するクロム鉱の70%はENRC社から供給されている。
 2007年のニッケル価格高騰によるフェロクロム需要の増加及び南アの電力不足によるクロム減産などにより、フェロクロムの価格は上昇傾向にあり、今後のフェロアロイ市場におけるENRC社の地位は強まり、利益を増していくだろうと予測されている。なお、ENRC社の株式19.3%はカザフスタン政府、14.6%はKazakhmys社(本社:ロンドン・アルマティ)が保有している。
french@jogmec.org.uk (2008. 5. 15 ロンドン フレンチ香織) 目次へ
中国:四川省川大地震による鉱業への影響
 安泰科発表による鉱業分野への影響状況は以下のとおりである:
 5月12日現地時間14:28、四川省アバ・チベット族チャン族自治州川県を震源とするマグニチュード7.8の大地震が発生した。
(1)亜鉛製錬所への影響は35万tか
 四川省、甘粛省、陝西省で今回の大地震によりに影響を受けた亜鉛製錬所の生産能力については予想より少なく、35万tと見積もられている。
 四川省の甘孜地域、什地域は、生産設備が被害を受けているため、操業が停止している。漢源地域は、電力供給がストップしたため、一時的に生産が停止している。一方で、西昌地域の2つの製錬所は、現在も操業を継続している。
 陝西省漢中地域は、半分の生産能力に相当する製錬所が操業を中止し、また、甘粛省隴南地域にある二つの製錬所が生産を中止した。
 四川省甘孜地域、什地域の生産は復旧見通しがつかないが、他の地域では、10~15日間で通常生産に復旧するものと予想されている。
(2)四川宏達集団公司傘下の什製錬所、電力供給がストップ
 四川省什市にある四川宏達集団公司傘下の什製錬所(震源地から南西約50km)は電力供給がストップし、現在操業を中止している。什製錬所の酸化亜鉛、電解亜鉛の生産能力は10万t/年に達する。
(3)四川啓明星アルミ業公司、峨嵋アルミ業公司一時的に操業中止か
 省内にある一部の道路、または電解工場の設備が被害を受け、現在まで、啓明星アルミ業公司、峨嵋アルミ業公司は、操業を継続しているが、電力供給、酸化アルミの調達などの問題に直面する見込みである。これらアルミ生産2社の電解アルミ生産能力は、合計40万t/年である。
 四川啓明星アルミ業有限責任公司の責任者の話によると、地震により、生産設備にある程度の被害を受けたが、生産が継続できるかどうかは電力の供給、輸送網が確保できるかどうかにより決まる。啓明星アルミ業有限責任公司は、四川省で電解アルミ生産能力12.5万t/年生産ライン2本を保有している。
 峨嵋アルミ業公司は、現在、他省からボーキサイトを調達し、15万t/年の電解アルミ生産を維持する予定である。
 他の関連報道によると、四川省の8か所の発電所が地震で閉鎖または電力供給中断している。
tsuchiya@jogmec.cn (2008. 5. 20 北京 土屋春明) 目次へ
中国:西部鉱業株式有限公司、豪州のFerrAus社の権益10%買収へ
 安泰科によれば、西部鉱業株式有限公司は、1,550万A$を出資し、豪州の鉱業会社FerrAus社(本社:アデレード)の権益10%を買収する計画である。本買収計画については、中国及び豪州の監督管理部門からの認可を取得する必要がある。
 FerrAus社は、豪州のPilbara東部地域で鉄鉱床を開発している。
tsuchiya@jogmec.cn (2008. 5. 20 北京 土屋春明) 目次へ
中国:雲南省、2008年第1四半期非鉄金属輸出減少
 安泰科によれば、輸出税還付率の低減、加工貿易抑制、人民元切上げの影響を受け、雲南省の2008年第1四半期の非鉄金属輸出量は4,830t、対前年同期比78.4%減少した。輸出金額は1.3億US$で、対前年同期比38.5%減少した。
 そのうち最も影響を受けたのがアルミ、錫、亜鉛、銅で、錫の輸出量は対前年同期比92.7%減少し、輸出額は対前年同期比90.7%減少した。亜鉛の輸出量は対前年同期比99.3%減少し、輸出額は対前年同期比99.4%減少した。アルミの輸出量は対前年同期比18.9%減少し、輸出額は対前年同期比28%減少した。雲南省の主要非鉄金属企業である雲南冶金集団公司、雲南銅業集団公司の輸出量はそれぞれ対前年同期比22.9%、29.6%の減少となった。
tsuchiya@jogmec.cn (2008. 5. 20 北京 土屋春明) 目次へ
中国:2008年第1四半期電解アルミ生産量対前年同期比10.81%増
 安泰科によれば、中国有色金属工業協会の最新データによると、2008年3月の電解アルミ生産量は104.4万tで対前月比では4%増加した。
 2008年第1四半期の電解アルミ生産量は214.8万tで、対前年同期比10.81%増加したが、減少している地域もある。減少している地域は黒龍江省、重慶市、遼寧省、山西省、雲南省、貴州省で、そのうち雪の影響を最も受けた貴州省の第1四半期電解アルミ生産量は対前年同期比72.2%の減少となっている。
tsuchiya@jogmec.cn (2008. 5. 20 北京 土屋春明) 目次へ
おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。

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